シルフェイド幻想譚〜メルティの転生紀〜 第1章 転生
 メルティの魂は「意識の海」から抜け出され,気がつくと森の中にいた。
 まだ夜中だが,長い間「意識の海」にいたせいか,視界がうす暗くともはっきりと見えていた。
 メルティ「.....あれ?ここは,どこ?」
 すると,その時どこからか,あの女性の声が聞こえた。
 ??「メルティさん,聞こえますか?」
 メルティ「え?誰?どこにいるの?」
 メルティはあたりを見回すと,自分の目の前に白髪の額に一本角をもつ美しい少女の姿が現れた。
 リクレール「私の名はリクレール。まずは最初にシルフェイドの世界へようこそ。」
 メルティ「・・・シルフェイド?」
 リクレール「そうです。ここは私の創った天空大陸です。」
 メルティ「創ったって・・・,もしかして この世界の神様みたいな人なの?」
 リクレール「まあ,そうゆうことでしょう。」
 メルティ「・・・」
 メルティは少し沈黙した(2,3秒くらいか)。
 メルティ「なんか凄いのね・・・」
 リクレール「ふふふ」
 メルティは苦笑いをし,リクレールは微笑んだ。
 メルティ「で,ここで一体何の用ですか。」
 リクレール「あっ,そうでした。本題に入りましょう。ここの全ての人々が平和に暮らしている・・・はずでした。」
 メルティ「はずでした?」
 リクレール「そうです。しかし,この大陸では災いが起きようとしているのです。」
 メルティ「災い?」
 メルティは『災い』の言葉に耳を傾け,興味津々そうな顔をしている。
 メルティ「災いってどんな?」
 災いというと,突然のことで世界が滅びるとか,経済が急に悪化したとかなどのそうゆうイメージをしているが,リクレールはなぜか首を振った。
 リクレール「いいえ,ここ全ての人々に関わるということはわかっていますが,その原因はわかっていませんし,いつになったら起こるのかも知りません。」
 メルティ「・・・・・」
 リクレール「そこで,あなたにお願いがあります。」
 メルティ「え?」
 リクレール「私は,意識の海にいたあなたの魂を引き出し,あなたを生き返らせました。」
 メルティ「生き返らせたって・・・」
 メルティは,その時ハッとした。確かに自分は別の世界で死んでいた・・・はずなのに,なぜ生きているのかに気が動転した。不思議な感覚だった。
 魂は視覚がない。しかし,ここは森にいるとすれば,自分は生きているのではないか。
 メルティ「・・・・・そうゆうこと」
 リクレール「そうです。」
 メルティ「つまり,何を言いたいのか・・・」
 リクレール「あなたに見つけてほしいのです。ここシルフェイドに起こる災いの原因を。」
 メルティ「え?」
 リクレール「そして,出来ることならば,その原因を止めてほしいのです。」
 メルティ「い,いきなり!?」
 メルティは,突然のことに驚いた。
 リクレール「これは,身勝手なお願いだということはわかっています。でも,メルティさんにしか出来ないことです。」
 メルティ「そ,そんなこと言ったて,私,何の能力ももっているわけが・・・」
 リクレール「大丈夫です。私があなたにトーテムの力を授けましょう。」
 メルティ「トーテム?」
 するとその時,メルティの目の前に白い狼の姿をした影が霧のように現れた。
 クロウ『メルティといったな。オレの名はクロウだ。』
 メルティ「しゃ,しゃべった!」
 クロウ『そんなに驚くか?心配はいらねえ,オレの姿はお前にしか見えないし,声もお前にしか聞こえねえ。』
 メルティ「本当に大丈夫なの?」
 クロウ『まあな,とりあえずよろしくな。メルティ。』
 メルティ「よ,よろしく・・・」
 メルティはペッコリとクロウの前でお辞儀をした。
 リクレール「それでは,メルティさん。私はあなたを信じています。いつか,あなたが災いを止めてくれることを。あなたのトーテムにご加護ありますように・・・」
 リクレールはそう言うと,スゥーーーと消えてしまった。
 そこにいるのは,メルティとクロウだけだった。
 メルティ「・・・・・。はあ,大丈夫かな?私。」
 クロウ『心配するな。もし,お前に困ったことがあれば,いつでもオレが相談に乗ってやるから,安心しろ。』
 メルティ「あ,ありがとう。」
 メルティの心の中には,多少不安があるようだ。
 クロウ『では,まずはこの森を出よう。その先にサーショの街がある。行くぞ!』
 メルティ「はい!」
 メルティは初めの一歩をクロウと共に歩みだした。
 この先には何があるだろう。誰が待っているのだろう。
 メルティはそう思いながらも,朝日に照らされた森の中を抜けようとしたのだ。

続く
アシャコ
2010/12/21(火)
21:25:05 公開
■この作品の著作権はアシャコさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのコメント
はーい!!アシャコです。
前回の続きを書きあげました。

ゲーム版とこの小説の違いがでています。
ストーリーはゲーム版と同じですが,多少の食い違いがあります。

次回の作品もお楽しみに。

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