#真説・幻影帳異聞 第七章「決着」 後編 !v5=1 !mv中央公園 !bgmサスペンス !v37=1 !v28=1 !v35=1 !v36=1 !v27=1 @1 スケイルが転移を唱えるとシシトたちは 中央公園の入り口前に瞬間移動する。 @700 ここ公園の入口じゃないか。 なんで中に飛ばねえんだ? @813 冥府の扉が 強引に開かれようとしているので 次元が安定してないのです。 これ以上先に飛べば下手をすれば 次元の狭間に落ちかねません。 @704 げげッ!! @133 どうやら向こうも それは分かっているみたいだね。 @1 シシトはそう言うと公園に少し入った 広場付近を指す。 電灯の下、黒いスーツを着て サングラスをかけた男がそこに立っていた。 @910 待っていたぞ。 @121 ゲング・・・。 @910 久方ぶりだな村上シイナ。 ちゃんと弟の鍛錬はしてやったのか? タナトスさまは村上シシトの成長も 楽しみにしておられた。 たかが人間の分際で、 あの方の興味をひくとは実に名誉なことだ。 @121 最悪の不名誉ね。 @120 大体、あんたに話してやる義理が どこにあるっていうの? @910 嫌われたものだな。 ほう、よく見れば女神の映し身までいるな。 @813 あなたと会うのはこれで二度目ですね。 そして、今夜で最後です。 私の研究仲間の生命を奪った罪。 この場で償ってもらいますよ。 @910 誰のことだかは分からんが、 随分と気合が入っているな。 神器持ちに、神獣か・・・。 私への対策としては合格点と言ったところか。 さて、肝心の主賓は・・・ @1 ゲングはシシトたちを注意深く見る。 \sだが、そこに目的の人物はいなかった。 @910 岸リョウヘイがいないな。 @131 生憎とお前なんか リョウヘイが出るまでもないのさ。 @133 僕達だけで十分だ!! @910 ふむ、まあいい。 お前たちの死体を ここに転がしておけば【器】も 完全にこちらの物となるだろう。 理解しているかどうか知らんが、 お前たちはそのための生贄だ。 @120 そう簡単に行くかしら? 相棒を失い、たった一人のあんたに 私達を止められやしない。 @910 あの時の私を基準にして言っているなら、 それは大きな間違いだぞ? @133 僕達だって前のままじゃないさ!! @813 皆さん、挟撃の危険をなくすため、 まずゲングを仕留めます! 時間がありません! 早急に片をつけますよ!! @133 行くぞッ!! @1 シシトは裂帛の気合とともに動こうとする。 @910 まあ、待て。 @1 だが、出鼻を挫くようにゲングが止めた。 @121 なんのつもり・・・? こっちは後がつかえてるのよ。 @910 そう長い話ではない。 \sおおよそ、あと五秒程だ。 @700 なんのことだ? @910 四・・・\s三・・・\s二・・・\s一・・・ !bgm ゼロだ。 !mvnil @1 ゲングがそう言うとと共に電灯が一斉に消えた。 @133 これはッ!? !wait20 @1 ミキの病室 !bgm緊急事態 @402 ・・・て、停電? @410 アクアフロートって予備電源が複数あるし、 災害対策は完璧だったんじゃないの? @402 そのはず・・・ですけど。 でも、外も灯りが見えません。 ブレーカーが落ちたわけじゃないと思います。 @412 ひえー、どうしよう。 @252 ぬおお!!暗いッ!! @401 アルバートさん!? @413 アルバートくん落ち着いてッ!? @252 見えん、何も見えん!\sなんだこの闇は! \sまるで井戸の底にいるかのようだ!? @413 大丈夫だから!? 皆いるから怖くないよッ!! @402 普通は立場逆じゃないですか? 病院ですし、自家発電があると思いますが、 ケーキ用のロウソクがあまってたはずなので とりあえず点けますね。 @412 ナイス、犬山さん! さすがは飛び級した秀才は違うわね! @253 ならば急いでくれ。 @411 アルバートくん、鼻血でてるよッ!? @254 うおッ!?いつの間にッ! @402 あまり騒がないでくださいね。 何度も言いますけど、ここ病院ですから。 !bgm @1 呆れた口調でセトは言うと、 ポケットから携帯を取り出して辺りを 物色し始めた。 !mvnil !wait20 @1 アクアフロート警察署 !bgm緊迫状況 @602 ・・・停電ですって!? @610 ったく、今度はなんだってんだ。 !se(Action)カチャッ @1 ムツキチが携帯を電灯代わりにかざす。 !mv警察署コンピュータ室 @600 さすがは警部。気が利きますね。 @610 いいから、お前も携帯出せ。 どっかにロウソクか何かあったはずだ。 @601 はい。 @610 ・・・しかし、妙だな。 @1 棚の中を探しながらムツキチはぼやくように呟く。 @610 通常なら数分と経たずに 補助電源に切り替わるはずだ。 だが、この長さ・・・本格的な停電だぞ? @601 最近はおかしなことばかりですね。 @610 やれやれ、今夜は眠れそうにないな。 @602 そうですね。 電源がなければカメラは動きません。 機械づくしだった分、 今、アクアフロートは穴だらけの状態です。 @610 おかしなことを考える奴が でなければいいがな。 @602 ・・・気を引き締めましょう。 何かあったら市民を守るのは 私達の役目です。 @610 ああ、分かっている。 お、ロウソクあったぞ。 @601 こっちは土鍋とコンロを見つけました。 @610 どこのどいつだそんなもん入れてたの。 一応火は点くからコンロは取っておけ。 @602 了解しました。 !bgm !mvnil @1 ムツキチと狐狩は灯りを片手に いざという時のための人員を確保するため、 手探りで署内の探索を始めた。 !wait20 !bgmサスペンス !mv中央公園 @910 ふむ、どうやら上手くいったようだな。 @133 ゲング!お前の仕業か!? @910 その通り。 アクアフロートの電源を 全て落とさせてもらったぞ。 愚かにもこの街は 機械に依存しきっているからな。 たかが停電一つでも 他の街とは比べ物にならないほど 恐怖心を煽れるだろう。 良からぬことを企むものも・・・ いるかもしれんな。 @1 ゲングは無表情のままでそう語る。 @130 アクアフロートには 緊急用の補助電源もあるはずだ。 @133 お前は一体どうやってこんなことをした! @910 それはだな・・・ @1 ゲングが答えるより先に、 シイナが苦々しげに語りはじめた。 @121 ・・・\sこの街のシステム管理ってね。 \s猛勉強していい大学入って、 その上でようやく勤められるのよ。 給料はさほど高くないけど、 最新技術に触れることができるから すごい狭き門なのよね。 @130 姉さん? @813 そういうことですか・・・。 !bgm @120 また殺したわね? 何の罪もない精一杯生きてるだけの人を。 \sあんたたちのくだらない都合一つのために!! @1 怒りをあらわにして激高するシイナ。 対してゲングは涼やかなものだった。 !bgmなんだこれは @910 実に察しがいいな。 お前の考えている通り、 システム管理者をコピーして、 アクアフロートのシステムをダウンさせた。 丁度この時間にダウンするように プログラムをしておいてな。 それにしても私には 何故お前がそんなに怒るのか分からん。 確かに、管理者は殺したが、 そのノウハウは私の中に今も残っている。 \s別にどうということもないだろう。 この程度の技能、希少というほどでもない。 \sこんな事に人生をかけるとは実につまらん。 コピーしてきた者の中でも下位だ。 ああ、そう言えば婚約者がいたな。 \s面倒だったのでそいつも殺しておいた。 さしたる能力もなく コピーする価値もないゴミだったな。 今頃はあの世で 仲良く暮らしていることだろう。 @1 下卑た笑いを浮かべるでもなく、 ただ事実を淡々と述べる。 @133 ふざけるなッ!! お前の価値観だけでッ!! その人の価値を決めるんじゃない!! @813 シシトさん、もういいです。 ゲングが他者の技能を奪って殺し、 独占しようとするのは本能。 生物としてのあり方そのものが違うのです。 どれだけ話しても理解はできません。 \sする必要もない。 @1 母なる海の杖を握りしめ、 ゲングを睨みながらスケイルは語る。 @910 その通り。 そろそろ無駄話は終わりにしよう。 !bgm 時間がないのはお前たちの方だろう? @120 ・・・そうね。 早々にかたづけるわよ。 @1 怒りを胸にしまい込み、シイナは身構える。 @910 そう上手くはいかんさ。 @1 ゲングは右手にハンドガンを握る。 !se(Action)銃声 まもなく発砲。 それが戦闘開始の合図となった。 !bgmバトル02 !se(Action)ミス @133 そんなもの当たるかッ! @705 当たらなければどうということはない! @1 シシトは横っ飛びして弾丸を回避した。 リスはその肩にしがみついている。 @910 ・・・。 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 @1 ゲングは無言でハンドガンを乱射する。 !se(Action)ミス @120 スケイル! !se(Action)バリア音 @813 大丈夫です、これくらい問題ありません! @1 シイナもシシト同様側面に飛び退く。 スケイルは強固な守護の魔法で弾丸を弾く。 @133 姉さん、いくよ! @120 あんたに言われるまでもないわ! !se(Action)跳ね !wait10 !se(Action)跳ね @1 声を掛けるとほぼ同時。 二人は左右からゲングに向かい駆ける。 @910 ・・・。 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 @1 左手で懐からもう一挺の銃を取り出し、 向かってくるシシトとシイナに撃ちまくる。 !se(Action)ミス @704 あわわわわ、大丈夫かよ!? @1 自分の頭の上をかすめた弾丸に怯えるが、 シシトは動きを止めない。 !se(Action)ミス @133 弾は無限じゃない! 必ず隙はできる! @830 \c[4]シイナとスケイルの心配はいらん。 この程度の威力の弾なら問題なく弾ける。 @133 僕よりも強い二人の心配なんかしないさ! \s僕は近づいて・・・食らわせてやるだけ! @1 この瞬間にも右手に魔力を込める。 @910 ・・・弾丸は無限ではないか。 生憎とそれは勘違いというものだ。 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 @1 切れ間なく弾が撃ち出される。 弾切れの気配は全くない。 弾幕を張られ、シシトは足止めされてしまう。 \sシイナは大気の防御壁で防いでいるものの、 突撃のチャンスを掴めずにいた。 @704 おいおいおい、 全然弾途切れねえじゃねえか! !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス @133 どういうことだ・・・! こんなに乱射して弾切れしないなんて! !se(Action)ジュゴー @121 ・・・\sちっ、そういうことね。 @1 シイナは大気で阻んだ弾丸を手に取る。 するとあっという間に消滅してしまった。 @120 シシト! ゲングは魔力弾を使ってるわッ! 魔力を弾丸に変えている! 弾切れはないと思って間違いないわよ! @132 ええッ!? @910 存外早くネタバレしたな。 ミキを助けようとしていた魔道士。 そいつは銃を使っていた。 見ての通り、 威力は大したことはないが、 弾丸を生み出す能力だけは一流だった。 @813 極東方面で行方不明になった 魔銃士が数年前にいましたが、 それもあなたの仕業でしたかッ!! @910 ミキの事といい、案外使える男だったな。 この程度の威力しかないが・・・ \s戦力を割くには十分すぎるッ!! !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait10 !se(Action)跳ね @1 二挺の拳銃をシイナに向け、再度乱射。 その後、シシトの方へと一気に疾駆した。 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー @121 この・・・!! @1 右手を横薙ぎに払い、気流を操作して、 弾丸全てを吹き飛ばす。 !se(Action)ミス だが、それた弾丸のうち三発が 追跡するようにシイナに向かってきた。 ゲングが魔力弾に 追尾の命令式を込めていたのだ。 @120 なッ!? @1 予想外の弾丸の軌道にシイナの対応が遅れる。 @133 姉さん!? @833 \c[4]いかんシシト、前を見ろッ! !se(Action)跳ね @910 姉の心配はしないのではなかったか? @1 既にゲングはシシトに肉薄していた。 @133 しまった!? @1 !se(Action)ミス ゲングは右手の拳銃を放り投げ、拳を握り 気合いを高め、力を集中させる。 @910 \r[豪,ゴウ]ォォォォォォ!! @1 そのまま叩き落とすように 頭をめがけて上から殴りつけた。 !se(Shooting)撃破C @133 うわッ!! !se(Action)ズシャアアー @1 両腕をクロスさせてかろうじて防いだものの、 拳の勢いで僅かに吹き飛ばされ、 体勢を崩してしまう。 @133 く・・・つっ・・・! @833 \c[4]まずい・・・拳の威力が尋常ではない! 回復まで多少時間がいる! @704 うわわわ、シシトッ!? !se(Action)ミス @910 まず一人だな。 !se(Action)銃声 @1 落下してきた拳銃を右手で取り直すと シシトの眉間目掛けて弾丸を放った。 @705 させるか!波動!! !se(Shooting)レーザー @1 リスが肩から飛び降りて波動を撃つも、 弾丸の軌道が歪み、すり抜けるように 波動をかわす。 @704 なにいぃぃぃ!! !bgm @910 期待はずれだったな、村上シシト。 @133 う・・・! @1 弾を阻むものはもはやなく、 シシトの眉間に着弾しようとしていた。 !wait20 !se(Action)ジュゴー ・・・だが、弾は直前と止まる。 \sそれはまるで見えない空気の壁があるように。 @910 大気の盾だと・・・! !bgm(タクミ)魔法少女戦 @121 このタイミングを待っていたッ! @120 今よ、シシト!! @1 無傷のシイナが シシトに向け右手をかざしていた。 シイナは事前に大気の盾の一部を シシトの周辺に設置していたのだ。 ギリギリまで使わなかったのは、 ゲングに隙を作るため。 @133 う・・・おおおお!! !se(Action)跳ね @1 体のダメージを強引に回復させ、 ゲングに向かって一足飛びで突撃する。 @910 浅はかな、この程度で・・・! !se(Action)ジュゴー @1 迎撃態勢を取ろうとしたゲングだったが、 何かがまとわりつき、一瞬体の動きが鈍る。 @910 ぬうううう! \s賢しいぞ村上シイナ!! @121 盾を具現化しなかった時点で、 気づくべきだったんじゃない? @120 それに言ったでしょ? \s私のイタズラは目には見えないってね。 @1 シイナはシシトの防御に使った気流を そのままゲングの元へ移動させ、拘束したのだ。 @910 こんな・・・ものは・・・! 通用せんと言ったはずだ!! !se(Shooting)撃破B @1 以前のように筋肉を膨張させ、縛りを解く。 @120 百も承知よ。 あんたの動きを鈍く出来れば十分。 @121 あんたの立てた神器対策も 集団戦ではあまり意味がないようね。 !se(Action)跳ね @133 おおおお! ドラゴン・・・クロオオオオオ!! !se(Action)ズシャアアー @1 シシトがゲングの斜め下から、 竜の爪のごとく敵をなぎ払う、 自身の最強の体技を繰り出した。 !se(Action)ドゴン @910 侮るなよ・・・! \s如何に虚を突かれようと、 この程度の攻撃くらうものか! @1 だが、ギリギリで左腕の前腕でガードされ、 爪はゲングの体に届かなかった。 @830 \c[4]やるか、シシト!? @133 だめだ、遅いッ! !se(Action)跳ね @1 攻撃が決まらなかったと判断すると、 切り札への派生は諦め、反撃を食らう前に、 後方へ飛んだ。 @910 逃がさんッ! 姉ともどもまとめて焼き尽くすッ! \s炎嵐ッ!! !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 @1 ゲングを起点に炎の嵐が巻き起こる。 \s衝撃と並ぶ高位攻撃魔法【炎嵐】。 広範囲を炎と熱風で焼き払う 恐るべき威力を持つ魔法だが、 使い手が少なく、幻の魔法とも呼ばれる。 まともに受ければシシトはもちろん、 大気の盾を集中させていないシイナも ただでは済まないだろう。 @121 ・・・。 @131 ・・・。 @1 だが、二人はその場から動かない。 \sもちろん諦めたわけではない。 こと魔法に関してはゲングよりも 遥かに上の人物が仲間にいるからだ。 @813 ・・・私が控えているのを忘れましたか? 反射!! !se(Action)バリア音 !wait5 !se(Action)バリア音 @1 母なる海の杖を振り上げた刹那。 シシトとシイナの眼前に反射壁が張られ 嵐のような炎はゲングにそのまま返された。 @910 なに・・・!? !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 う、ううううおおおおお!! @1 炎に飲まれて悶え苦しむゲング。 @910 ぬううう・・・\sおおおおお!! !se(Shooting)撃破B @1 無理やり炎を弾き飛ばし、 致命傷はさけたもののゼエゼエと喘いでいる。 ダメージは大きいようだ。 !bgm @910 ハァ・・・ハァ・・・。 !bgm[追加]闇夜の死線 @120 あの時と違うのはコッチの方だったわね。 大して効果がなくても動きを鈍らせれば シシトかスケイルがあんたに攻撃できる。 そして、ここからは隠す必要もない。 物理攻撃は私が全部防いでみせる。 @813 魔法は私が防ぎます。 \s的確にしっぺ返しをくらわせてあげますよ。 @133 そして、僕は・・・! \s二人が作った隙を突く!! @701 お・・・おれは・・・! @705 飛ぶ! @833 \c[4]・・・。 @910 ・・・。 @121 如何に様々な技能を使えても、 あんたは所詮一人。 @120 一度に使える技にも限度がある。 @133 僕達と戦って・・・勝てるわけがないッ!! @1 右にシシト、左にシイナ、その後方にスケイル。 それぞれが強い意志を込めてゲングを睨む。 @910 ・・・ふん、多勢に無勢か。 こういう時にマリオンがいてくれれば、 どうにかなるのかもしれんが。 ふふふ・・・まあいい。 @1 シシトを見ながらニィっと笑みを浮かべる。 @133 年貢の納め時だ、ゲングッ! @705 ミキちゃんの仇!討たせてもらうぜッ! @910 そう簡単にはいかん。 \s\r[観察,・・]はもう十分できた。 技術の集約など副産物にすぎん。 \s私の本当の恐ろしさを見せてやろう。 !bgm マリオン風に言わせてもらえば・・・ \sこれが私の最終演目【擬態演舞】だ。 @120 擬態・・・!まさか! シシト、コッチに来なさい!! @130 え? @910 遅いッ!幻霧!! !se(Action)ジュゴー @1 ゲングが手を振り上げ叫ぶと 周囲を霧が包み込んだ。 !mvnil @704 なんだッ!? @120 くっ、まずい・・・! ゲングはシシトに・・・!! @813 シシトさん、大丈夫ですか!? @1 「「わかった!!」」 @701 ・・・今、ハモってたぞ? !mv中央公園 !bgmサスペンス @130 ・・・。 \c[1]・・・。 @704 なっ!! @813 シシトさんが二人!? @121 やっぱりそう来たわね。 @704 ど、どっちが本物なんだよ!? @132 僕が本物だよ!? @132 \c[1]僕だよ!? @701 うわ、わかんねえ。 どっちも本物にしか見えねえよ。 @813 ゲングは対象者を完全にコピーします。 見分けるのは不可能です。 @120 連携も封じられたわね。 迂闊に手出しできなくなったわ。 @813 擬態による撹乱。 \s確かに、ゲングの最も恐ろしいところは そこにあります。 十年前もそのせいで多くの犠牲者が出た。 @1 スケイルも平静に見せてはいるものの、 冷や汗をかいていた。 @121 ・・・。 @1 シイナは考えこむように目を閉じる。 @120 ・・・シシト。 @1 決心したように目を開き語りかけた。 @120 こうなれば手は一つしかないわ。 @130 なに? \c[1]なに? @120 あなた\r[一人,・・]で戦ってゲングを倒しなさい。 @133 ・・・。 \c[1]・・・。 @704 そんなん無茶だぜ、シイナちゃん! @121 無茶なんかじゃないわ。 @120 シシト、あんたはこの一月、 死に物狂いで特訓を重ねてきた。 やるべきことはやってきたはず。 自分の紛い物にくらい・・・勝てるはずよ。 @131 ・・・。 \c[1]・・・。 @120 それに勝算もあるわ。 @811 勝算・・・ですか? @121 言ったら向こうも気が付いてしまう。 !bgmバトル02 @133 分かったよ姉さん。 \c[1]僕がゲングを倒す!! !se(Action)跳ね !wait10 !se(Action)跳ね @1 ほぼ同時に突進する二人のシシト。 @133 おおおおおッ! \c[1]はああああッ! !se(Action)ミス @1 互いに右の正拳を繰り出すが、 当然のように当たらない。 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)ドゴン !wait2 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)殴打 !wait2 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)ドゴン !wait2 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)殴打 @1 見た目も同じなら、繰り出す技も同じ。 \s互いの思考を読み合っているのか 技同士は衝突を続け、まともに当たらない。 @133 ちぃ、僕の技を使うなッ! \sこれは僕が訓練して身につけた技だ! @133 \c[1]それは僕の台詞だッ! \s一体これを覚えるのに 幾らかかったと思ってるんだ! @1 技の応酬を続けながら悪態をつく。 \sお互いの視線は自然と右手に集中していた。 シシトの最強の技は右のドラゴンクロー。 本物でも、偽物でも、その事実に変わりはない。 !se(Action)跳ね @133 \c[1]くっ! @1 このままでは埒があかないと感じたのか、 仕切り直すため、片方が大きく後方に飛ぶ。 !se(Action)跳ね @133 逃がすかッ! @1 そのタイミングを逃さず、 もう一方が飛び上がり追撃の飛び蹴りを放つ。 @133 \c[1]それを出すには距離が遠すぎるよッ! !se(Action)ミス @1 左の拳を構え迎撃の態勢を取る。 @133 甘いのはそっちだッ! 拳より、蹴りの方が一撃の威力は高い! !se(Action)ドゴン !se(Action)殴打 @1 激突。 !se(Action)跳ね !wait5 !se(Action)ドゴン @132 うわッ!! !se(Action)跳ね !wait5 !se(Action)ドゴン @131 \c[1]くう・・・ッ! @1 迎撃はしたものの、 飛び蹴りの威力を殺しきれなかったのか、 衝突の直後揃って弾き飛ばされた。 !se(Action)跳ね @133 まだだぁぁぁ!! !se(Action)跳ね @132 \c[1]こなくそおおおお!! @1 勢いを殺すために踏ん張ると 一瞬の溜めの後、再び同時に疾駆する。 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)ドゴン !wait2 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)殴打 !wait2 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)ドゴン !wait2 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait2 !se(Action)殴打 @1 またも始まる同じ技の応酬。 \sこれでは何時まで経っても決着が付かない。 @701 おいおい、ほとんど互角じゃないかよ。 勝機なんて本当にあるのか? @1 そう疑いたくなる気持ちもよく分かる。 @121 ・・・そう、\r[互角,・・]よ。 @120 だから、勝機があるの。 \sちゃんと私の意図を汲み取ってくれたわ。 @121 それに・・・どうやら ゲングは思い違いをしているみたいね。 @813 そのようですね。 \s集めていた情報が少し古いようです。 @700 へ? @1 スケイルとシイナの考えが分からず リスは間の抜けた声を上げたしまった。 @133 りゃあああッ!! @1 叫ぶと同時に片方が一気呵成に畳み掛ける。 @132 \c[1]うわっ!! @1 たまらず防戦一方になり、体勢を崩されてしまう。 @133 今だぁぁぁぁッ!! 喰らえ、僕の切り札・・・! \sドラゴンクロォォォォッ!! !se(Action)ミス @1 竜の爪が宿ったような一撃が唸る。 !se(Action)ズシャアアー @132 \c[1]うわああああ! @1 またたくまに三度傷つけられたような激痛が走り 思わず悲鳴をあげてしまう。 @134 \c[1]う・・・ぐうう・・・。 @1 ずるずると腰を落とし、倒れこんでしまった。 @131 お、終わった・・・。 僕自身と戦うのがこんなに大変だなんて 思ってもみなかったよ。 @1 ハァハァと肩で息をしながら語る。 @133 勝ったよ!姉さん!! @1 シイナたちの方を向き 右手をあげて勝利を宣言した。 @700 お、あっちが本物か? !bgm @120 ・・・。 @121 ・・・くすっ。 @1 手を口元にあてて小さく笑う。 @130 姉さん? @120 ううん、下手な「演舞」だと思ってね。 戦闘なんかじゃない、 ただの芝居でしかないわ。 @132 その言い方は酷いよ!? 僕だって頑張ったのに!! @121 ・・・役作りに失敗したわね。 \sゲング。 @131 え・・・? @120 あんたがいつの情報を基準に シシトを模倣したのか知らないけどね。 あの子の成長は・・・ \sあんたの想像を遥かに超えているわ。 @131 な、なにを言ってるのさ? \s僕は本物の・・・ @120 決めなさい、シシト。 !se(Action)跳ね @1 その言葉と同時に何かが動く音がする。 !bgm最後の聖戦 @133 \c[1]ちょっとずるい気もするけどッ! 隙だらけだよッ!! なっ!? \c[1]クロウさん、強化を右腕に集中! アレをやるよッ!! @830 \c[4]任せろ、シシト!! @133 クロウ・・・だと!? @1 明らかに狼狽えるもう一人のシシト。 \sいや、ゲング。 @133 \c[1]ボロが出たな! 幕が下りるまで演技を貫けないようじゃ 役者失格だよッ!! \c[1]姉さんの言うように とんだ大根役者だよ、お前は!! \c[1]ドラゴンクローはこう使うんだッ!! !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス @1 天駆ける竜の如き右の拳が繰り出される。 \sその早さは、ゲングのものはもちろん、 先ほど出したものとも比較にならない。 !se(Action)ズシャアアー @132 ぐ・・・がああああ! @1 竜の爪はゲングの腹に深々と突き刺さる。 \s間髪入れず、シシトは右手を開き 魔力を集中させた。 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー @133 \c[1]これが僕の・・・本当の切り札だッ!! こ、これは・・・! この魔力の高まりは・・・!! @133 \c[1]衝撃ッ!! !se(Action)爆発音 @132 がっはぁぁぁぁ!! @1 ゼロ距離からの衝撃。 \sそれはかつてシシトがミキに受けた 圧縮衝撃を参考にしたものだった。 もちろん、圧縮はされていないため、 威力はミキのものよりも劣る。 だが、だからこそ密着して使用しても、 体への反動が少なくて済むのだ。 @910 う・・・ぐう。 @1 全方位に開放される衝撃の威力の直撃。 多大なダメージを受けたゲングは、 ついに元の姿へ戻ってしまった。 !bgm @133 ゲング、僕はもう一度お前にこう言う。 一人で\r[僕達,・・]に勝てるわけがないッ! @1 そう言い放つと、拳を引きぬく。 その手は僅かに火傷を負っていた。 反動が少なくて済むとは言っても、 衝撃の威力は高い。 ゼロ距離での衝撃を使えば 完全にダメージ無しというわけにはいかない。 @830 \c[4]聞こえんのは承知の上で言おう。 \c[4]一人で何でも出来るが故。 その油断が招いた敗北だ。 @1 クロウのフォローによってその問題も 最低限の損傷で済む。 最初から二対一。 勝ち目など、どこにもなかったのだ。 !bgmサスペンス @910 おの・・・れ・・・。 @1 腹を抱えて、 ゼヒゼヒとかすれた呼吸をしながら、 ゲングは後付さっていく。 @910 まさか・・・あの犬の血族が、 村上シシトに宿っていたとは・・・。 @120 敗因はそれだけじゃないわ。 \s予想外のダメージを受けて焦ったわね? シシトはこの一月の間。 仮想空間でずっと訓練してきた。 あんたが観察できるわけがない。 @813 わざわざ訓練の成果を シイナさんに尋ねるくらいでしたからね。 @120 あんたが模倣したのは、一月前のシシト。 そこから成長を予測して能力を上げただけ。 あんたの強みは何よりも正確な模倣。 推測で擬態したのはまずかったわね。 @813 シシトさんに化けて、私達を 混乱させるつもりだったんでしょうけど、 逆にあなたの豊富な技を使えなくなった。 @121 自分で能力に制限をかけたら 世話ないわね。 @131 慢心・・・したね。 @133 盗んだ服で着飾ってもあんた自身は! 何も成長なんかしてないんだッ!! @910 ・・・く、くくく、みご・・・とだ。 確かに焦りはあった。 \s村上シシトを侮っていたのも間違いない。 \sこの場、この戦いにおいては私の負けだ。 だが・・・な。 保険はかけておいた・・・。 \s結局は私の・・・タナトス様の勝ちだ。 @705 へへーん、負け惜しみすんなよッ! !bgm @910 ミキが入院している病院に、 今、お前たちの友人がいるな? @133 なッ!? !bgm緊迫状況 @910 そこに私の眷属共を送り込んでおいた。 私に何かあれば、 すぐに病院の人間を皆殺しにするだろう。 @133 なんだってッ!? @121 こいつは最後まで・・・!! @910 私の目的はタナトス様の完全復活。 \sその為には、あらゆる手段を使う。 ミキがどうやって助かったかは知らんが、 生きているならまだ使い道がある。 冬村サユキも、犬山セトも、 アルバート・ウェスタリスもな。 まもなく肉塊となって、 ここにやってきた岸リョウヘイの目の前に 転がるだろう。 @133 貴様ぁぁぁぁッ!! @813 私が転移して病院に向かいます! @910 おっと、やめておけ。 今、ここの次元は不安定だ。 いかに貴様と言えど、 次元の狭間に落ちるぞ? @813 くっ・・・! @910 はは・・・はは・・・ もう一度言おう私の・・・ !bgm !se(Action)学内歩き @1 「いいえ、あなたの負けですよ。」 @910 誰だッ!? !bgmサスペンス @570 あなたの美学のないやり口には辟易します。 \s外道に変わりはありませんが、 まだマリオンの方が主義を感じますね。 @910 おまえ・・・は! @133 フェザーさん!! @121 遅い。 あんた今まで何やってたの? @570 いやいや、失礼。 仕込みの仕上げに時間がかかりましてね。 @910 フェザーだと・・・! 貴様、まさか十年前の!! @570 ・・・厄介な上司を持つと部下は大変ですね。 あの時、ミキさんを助けた時に、 タナトスは私の存在に気づいたはずですが、 あなたには話していないようだ。 不確定要素を増やして楽しむためですかね。 @910 なにッ・・・! @570 そうそう、あなたの眷属ですがね。 残念ながら、誰も襲うことなんかできません。 !se(Action)ジュゴー @1 そう言うとフェザーは赤く輝くルビーのような 小さな宝石を取り出した。 @910 それは・・・! @570 あなたには分かるでしょう。 \sこれは結界石ですよ。 病院とその周辺。 及び住宅地・・・人がいる場所には 大体配置しておきました。 こんな小さな宝石一つでも 簡易的ながら魔物の侵入を阻み、 弱体化させます。 あなたの眷属のような肉体を持たない 魔物ならば直接触れれば 消滅するでしょうね。 効果はせいぜい一晩程度ですが、 それで十分でしょう。 @910 く・・・そんなものいつの間に!? @570 もちろん、この街に来た時から コツコツと仕掛けておいたんですよ。 あなたが世界各国に歪みを作ったのに 比べれば、なんら大したことはないでしょう? @121 こそこそしてても 偶には気の利いたことするじゃない。 @570 ふう、手厳しいですね。 @1 両手を上げてやれやれとポーズを取る。 !bgm @910 ・・・ふ、ふふふ。 そうか、思い出、したぞ・・・! フェザー二世・・・貴様は! \sあの女のパートナーだったな! なるほど、街一つカバー出来るだけの 結界石を扱いこなせるわけだ! !bgm[追加]闇夜の死線 @570 ・・・その通り。 \s貴様が殺したリョウヘイくんの母親は かつて私のパートナーだった。 貴様が使った幻視結界。 \sそれを閉じ込めた魔法石。 その他、 封印の輝石や結界石を始めとする 多くの簡易マジックアイテム。 全てあの子が努力し、学び、 心血を注いで精錬法を見つけ出した。 @910 そうだ・・・百年に一度の天才だ。 \sコピーするのに実に苦労したが、 素晴らしい価値を持っていた。 お陰でこの十年の仕込みは 楽だったぞ・・・。 @570 \r[巫山戯,ふざけ]るな。 あの子の力は、技術は、 人を守るために使うのが正しい。 弱き人を、力なき人々を守る魔法使いに。 あの子はそう願って生きてきた。 断じて、人々を苦しめるためのものではない。 \sこの十年、よくもあの子の力を 貴様の都合よく悪用してくれたな。 @1 突如雰囲気が一変し、その瞳に怒りの火が灯る。 @131 フェ、フェザーさん? @121 ・・・。 @830 \c[4]・・・あの軽口の下に、 これほどの怒りを秘めていたのか。 @570 本来ならば貴様に怒りをぶつけるべきは 私よりもエイジさんとリョウヘイくんだ。 だが、あの二人はいつまでも 貴様ごときに縛られてはいない。 必ずあの子が望んだように、 強く生きてくれる。 過去を振り返り、懺悔し、 立ち止まるのは私だけでいい。 !se(Action)ミス @1 直後、フェザーが何かをゲングに投げつけた。 !se(Action)ズシャアアー @910 ぐ・・・!? @1 ダメージのせいか回避も、防御もままならず、 それはゲングの胸に深々と突き刺さった。 ゲングを貫いたものは 黄金に近い色をしたナイフだった。 柄には五芒星が刻まれている。 @570 そして、私もこれで壁を越えられる。 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー @910 ぐ・・・あああああ!! ががががが!! @1 ゲングが痙攣をおこしたように震え始めると 絶叫とも言いづらい歪な声を上げた。 @132 な、なんだっ!? @813 浄化の魔法・・・? \sいえ、存在否定の術式ですか!? @570 それは十年間、 私が貴様とマリオンを殺すためだけに 作り上げたナイフ。 破損した大地の鎧の一部を拝借して 鍛えた・・・言わば大地の短剣。 @121 大地の短剣・・・! @570 貴様とマリオンは実体を持たない 霊体に近い歪な生命だ。 故に、確実に止めを刺すには 専用の武器が必要になると私は考えた。 大地の鎧は生命を育む力を宿す。 \s逆に正当な生に反する貴様らには、 過剰な生命力が激痛を与えるはずだ。 @910 ぐ、ぎ・・・ががががうがああああ! @1 耳障りな叫びを繰り返す。 その体は徐々に崩壊を始めていた。 @570 苦しいだろう? \sだが、私はもっと苦しかった。 あの子を守れなかったことが! \s貴様などにあの子の築いた幸せを ぶち壊しにされたことが!! その恨みを徹底的に集中させ、 貴様たちの存在を否定するためだけの 術式をそのナイフに込めた!! あの子が死に、貴様らが生きている! 私には許容することはできん!! だから、否定する! 貴様らの生も、何もかも! 一切を認めない・・・!! それは私の怒りそのもの! 貴様らの全てを否定する刃だッ! 貴様らを殺すためだけの武器だッ! 苦痛をとくと味わって・・・ \s消えてなくなれ、ゲングッ!! @704 ひいい・・・おっかねえ・・・。 @813 存在否定の術式は対象の全てを 心の底から完全に否定し、 拒絶しないと成立しない。 まして相手がゲングのような 強力な魔物なら相応の気持ちの強さと 技術、期間が必要になる・・・。 @811 言うのは簡単ですが、 完成させるのは並大抵ではありません。 @121 ・・・執念、ね。 @910 ふ、ふふ・・・ふはは・・・! ま、まあいい・・・私の完敗だ・・・! 後悔するがいい・・・! \sわた・・・わたしにこ、ころされておけば よかった・・・と、な。 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー ぎがああああああああ!! !se(Action)爆発音 @1 断末魔の叫びとともにゲングは爆散し 消滅してしまった。 !bgm ゲングが消えると共に、ナイフが落ちる。 !se(Action)学内歩き @570 ・・・。 !se(Action)ミス @1 フェザーはそれを拾い上げると その刀身を見つめた。 @570 ・・・むなしいものですね。 \s復讐を果たした所で、 あの子の笑顔はもう帰ってこない。 やはりリョウヘイくんは こんな所にいてはいけないんだ。 @1 そう呟くとナイフを懐にしまう。 !bgm夜の静けさ @130 終わった・・・のかな? @121 ・・・最後にいいところもっていくのは 相変わらずってところかしら。 @570 ははは、すいませんね。 これだけはどうしても譲れませんでした。 気持ちの決着を付けないことには、 私はこれから先、生きていける自信がない。 @121 ・・・そうね、今回だけは見逃してあげるわ。 @813 でも、勝手に大地の鎧を使ったことだけは 見逃すわけにはいきませんよ? @570 罰は後でいくらでも受けますよ。 まだ終わってはいません。 肝心のタナトスが残っています。 @813 そうですね。 勝利の余韻に浸っている暇はありません。 @130 あの、フェザーさん。 @570 友人のことでしたら心配なさらず。 さっき言ったように、ゲングの眷属程度では 何も出来はしないでしょう。 @134 ありがとうございます。 @570 いえ、学校の時には 何もできませんでしたから その罪滅ぼしですよ。 @120 話がついたなら行くわよ。 一刻を争うわ。 @133 うんッ!! !bgm !mvnil @1 フェザーを加え、一斉に走り出すシシトたち。 だが、そこに・・・まだ彼の親友の姿はない。 !wait40 !bgmバトル02 !mv海岸公園 @202 くっ・・・。 @530 どうした、抵抗しねえのか。 !se(Action)ミス @1 ヒュッと剣を一振りすると、 見えない真空の刃が発生し、 一直線にリョウヘイへと襲いかかる。 !se(Action)ズシャアアー @202 ぐううう!! @1 大きなダメージはないものの、 防御壁は意味をなさず傷ができる。 @530 この聖なる月の剣は太陽の剣同様。 結界を突き抜けてダメージを 与えることが出来る。 守りに入った所で、いつか死ぬぜ? @1 そう冷たく言い放つエイジ。 @202 本気なのかよ・・・親父? 本当にオレを殺すっていうのか!? @530 くどい。 \sお前が憎しみに支配されている限り、 俺はこの手でお前を殺す。 大体お前、 強くなったんじゃねえのか? 俺程度にも勝てないくせに タナトスの野郎に勝とうなんざ 笑わせやがるぜ。 @202 ・・・\sちっくしょう!言わせておけばッ!! !se(Action)跳ね @1 たまりかねて突進し拳を繰り出す。 !se(Action)ミス @530 力はすげえが、判断力がない。 \sこれじゃあヒヨッコの方がまだマシだぜ。 @202 くっそ!! !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス @1 次々と拳を繰り出すが全て紙一重で回避される。 !se(Action)跳ね @530 ほれほれ、足元がお留守だぞ? !se(Action)ドゴン @202 うおッ!? !se(Action)ズシャアアー @1 ローキックをくらい体勢を崩され、 そこに倒れこむリョウヘイ。 @530 何故本気でぶつかってこねえ? まさか、俺がお前を殺すわけがない。 そう考えてるんじゃねえだろうな? @202 ・・・。 @530 ・・・\s考えが甘い。 !se(Action)ミス @1 聖なる月の剣の切っ先を リョウヘイの眼前に向ける。 あと僅かに数センチ動けば、 刀身がリョウヘイに突き刺さるだろう。 @530 どうだ、あと少し力を込めれば、 お前は死ぬ。 殺されたくなかったら抵抗しろ。 俺を殺してでも、生き残る気概を見せてみろ。 @202 ・・・\s出来るかよ・・・! 親父を殺すなんてことが俺に・・・! @530 もう一つ生き残る手がある。 \sタナトスへの憎しみを・・・ @202 ふざんなッ! \c[2]あの野郎は必ずブチ殺す! それだけは変えられねえ! @530 話は最後まで・・・ !bgm @1 リョウヘイが反論した直後。 !bgm恐怖 \c[2]「我と代われ。」 @202 ・・・!! @1 \c[2]「我はこんな所で殺されるつもりはない。  お前に生き残る気がないなら、我に代われ。」 \c[2]「そうすればこの男を倒し、  世界が滅びようが生き延びられる。」 @202 ふざけるなッ!! \sテメエはでてくんじゃねえ!! @530 リョウヘイ、お前何を言ってる? @1 急に激高したリョウヘイの様子を訝しむ。 \c[2]「今までならお前の意思を尊重したが、  生憎とこの体は今、我の方に寄っている。」 \c[2]「強引に主導権を握ることもできるのだぞ?」 !se(Action)ジュゴー @202 ぐうう・・・やめろ・・・!! \sでてくん・・・\s\c[2]代われ\c[0]\s・・・じゃねえ! \c[2]お前では無理だ。 \s\c[0]テメエの出番はねえんだよッ!! \c[2]我はお前と心中する気はない。 \s\c[0]そんなつもりはオレだってねえ!! @530 これは・・・何が起きてるんだ? @202 くううう、親父・・・逃げろ。 \sオレの中のタナトスが出てきて、 親父を殺そうとしてるッ!! 頼む、押さえきれねえ! \s逃げてくれぇぇぇ!! @530 ・・・\sなるほどな。 そういうことだったか。 !bgm リョウヘイ、お前がなんで そこまで歪んだのかようやく分かったぜ。 @202 ・・・な・・・に? !bgm黄昏 @530 お前、今までずっと逃げてやがったな。 \s自分の中にあるドス黒い感情と向き合わず、 タナトスのせいにしてやがった。 それじゃあ何時まで経っても、 自分をコントロールすることも 出来ねえわけだ。 @202 せいもなにも・・・! \sオレの中にはタナトスがッ!! @530 バカ野郎、ちゃんと話聞いてなかったな? タナトスは肉体と魔力、 そしてヤツの意識そのものである 精神に分けられた。 お前に宿した物は肉体だぞ。 ヤツの意識なんか存在しねえんだよ。 @202 嘘だッ!? 現にオレは・・・最初から声を!! @1 \c[2]「・・・。」 @530 お前に語りかける声はな。 \sお前が見たくない嫉妬、憎悪、怒り、 さまざまな負の感情の結晶。 言わばもう一人のお前だ。 @202 なっ!? @530 肉体を同化させたことで 奴の特性がお前に宿ったんだろうな。 どうりで面倒くせえことになってるわけだ。 悪意を制御しているのはお前じゃなくて、 内側のもう一人の方だったんだ。 @202 そん・・・な・・・。 @530 誰だってきたねえ感情は持ってる。 それを嫌悪したい気持ちもわかる。 @202 オレは・・・ @530 いいか、リョウヘイ。 俺はお前に憎むな、怒るなと 坊主みたいな説法をしたいわけじゃねえ。 今の世の中は怒らねえことが 美徳みたいになってるが、 俺はそうは思っていねえ。 自分の大切なものを 踏みにじられて怒らねえ奴が どこにいる? 踏みにじった奴を 憎まねえ奴がどこにいる? いるとしたらそんな奴は 恐ろしく薄っぺらい人間だ。 大事なのはその感情に支配されずに、 飲み込んで制御する事だ。 大いに怒り、憎め、 だがそれに支配されるな! 怒りも憎しみも筋が通った 正しいものを従わせろ!! 感情は所詮、 お前の一部にすぎねえんだからな!! @202 ・・・・。 @530 だから、今すぐ見ろ! \s迷わずに真っ直ぐと向き合え! \s押さえこもうとなんてするなッ! それはお前のもう一つの心だッ! 怖がらずに、怯えずにちゃんと見ろ! \sそこにいるのは本当にお前の敵か!? @202 ・・・。 !bgm !mvnil @1 エイジに促され、リョウヘイは目を閉じた。 !wait20 !v5=2 !mv倉庫内部 !bgmサスペンス @202 ・・・ここは。 @1 燃え盛る業火に支配された倉庫。 本来は海岸公園にいるはずなのだが、 現実感さえある。 @202 あの時の・・・倉庫か? @1 周りを見渡してみる。 \sそこには何かが転がっていた。 @202 ・・・!? シシトッ!\s冬村ッ!? \sそれに・・・フォックス!! @1 あったのは炎に巻かれて焼けつつある 三人の亡骸だった。 @202 こ、こんな・・・どうして? !bgm恐怖 @1 \c[2]「あの時、我がでなければこうなっていた。」 @202 テメエは・・・! @1 \c[2]「偶々お前が無謀な行動を取り、  \s偶々我が覚醒し、\s偶々皆が救われた。」 \c[2]「偶然に救われてばかりだな、お前は。」 声がそう言った直後、シシトたちの幻が消滅した。 @202 ・・・。 @1 \c[2]「憎まれ口を叩く気も失せたか?」 \c[2]「気力がなくなったのなら、  さっさと体の主導権をよこせ。」 @202 ・・・なあ。 @1 \c[2]「なんだ?」 @202 そう言えばオレは、 テメエの顔を見たことがねえ。 見せてくれないか? @1 \c[2]「父親に言われてその気になったか?」 \c[2]「だが、出てきたのが  醜悪でおぞましい化け物の顔だったら  お前はどうする?」 @202 ・・・そん時はそん時だ。 !bgm @1 \c[2]「・・・\sいいだろう。見せてやろう。」 !se(Action)学内歩き そう言うと棚の影から誰かが姿を見せる。 茶色の短い髪、それなりに高い背の少年。 \s毎日鏡に向きあって見ている顔がそこにあった。 @200 \c[2]これで満足か? @202 ・・・。 !bgm別れ @200 はっ、なんだよ。 親父の言った通りじゃねえか。 オレは・・・今まで ずっとテメエを化け物だと思ってた。 わけの分からねえものを植え付けられて、 そのせいで嫌なことが沢山あったって。 @200 \c[2]それは変えようのない事実だ。 そうでなければ我も生まれなかった。 \c[2]ヤツの肉体の力が結合した時、 幼いお前の中の僅かな悪の意識が混ざり 我という存在が誕生した。 \c[2]我は最初から言っていただろう。 \s我はお前。お前は我だとな。 \c[2]勝手に勘違いして暴走したのはお前自身。 我の知ったことではない。 @202 ・・・そうだな、悪かったよ。 @200 怖かったんだ、正直さ。 \s体の中に化け物がいるなんて 漫画の世界だろ? \c[2]お前は漫画の読み過ぎだからな。 @202 ははは、ちげえねえよ。 @200 \c[2]それで、お前はどうするのだ? \c[2]我が何故ミキが殺されかけた時に お前に力を貸さなかったのか。 \c[2]何故今、体の主導権を欲しているのか。 \c[2]理由はもう分かるだろう? @202 ああ、分かる。 \sお前の考えてることが分かる。 お前は・・・ @200 \c[2]我は・・・ @1 「\c[2]「\c[0]死にたくはない。\c[2]」\c[0]」 @202 はっ、最初と立場が逆転したな? @200 \c[2]そのようだな。 あの時、お前が力を抑えなければ、 今頃オレはタナトスに吸収されて 生きてはいなかった。 \c[2]アレと一つになれば我は消える。 それは御免被る。 @202 はは、お前もあいつは嫌いか? @200 \c[2]当然だ。\s近親嫌悪というやつだろうな。 \sアレを見ているだけで虫酸が走る。 ・・・意見が一致したな。 オレはもうお前・・・\s自分を拒絶はしねえ。 !bgm[追加]闇夜の死線 お前はオレだ。 \c[2]そう、我はお前だ。\sお前の悪意だ。 \s見たくもない、目を背けたくなる感情だ。 そんな感情も生きているなら必要だ。 ・・・来い。 @1 リョウヘイは右手を差し出す。 @200 \c[2]ふふふ、やっと気づいてくれて嬉しいぞ。 \c[2]我にとって生きるとはお前と共にあることだ。 \sお前にとって我が半身であるように、 我にとってはお前が半身だ。 \c[2]どちらが欠けても正常には生きられん。 @1 それに応え、 もう一人のリョウヘイは\r[左手,・・]を差し出した。 @200 \c[2]だが、勘違いするなよ。 \sタナトスなどに吸収されぬため。 \s生き残るためにお前と一つになるだけだ。 \c[2]隙あらば、いつでも主導権を奪う。 己の抱えた爆弾に怯えて暮らすがいい。 @202 はっ、させねえよ。 @200 自分自身になんか・・・負けねえ。 !bgm !mvnil !se(Action)ジュゴー @1 右手と左手が触れ合った瞬間。 二人のリョウヘイは一つに重なった。 !wait30 !mv海岸公園 !bgs(環境)波の音 @1 「・・・。」 リョウヘイは、 目を閉じたまま座り込んでいる。 エイジは剣を持ったままその姿を見ていた。 @530 ・・・\sどうなった? !bgs !bgm緊迫状況 !se(Action)ジュゴー @1 瞬間、リョウヘイの体が赤く発光し 強大なエネルギーが吹き出した。 @530 これは・・・!! ちっ、まさかダメだったのか? @1 あまりにも大きな力の解放に すぐには正しい判断が下せない。 @530 これだけの力、野郎に吸収されでもしたら、 もうお終いだ・・・! @1 聖なる月の剣を構え、 まだ意識を取り戻さないリョウヘイと対峙する。 @530 心配するな。リョウヘイ。 \s一人になんかさせやしねえよ。 俺もすぐに逝く。 @1 優しい声でそう告げる。 @530 この聖なる月の剣はな、 持ち主の力を増幅させる効力がある。 俺の命をまるごと魔力に変換してこいつに 注ぎ込めば今のヤツなら倒せるさ・・・。 向こうには母さんもいる。 \sあの世で家族三人で楽しく暮らそうぜ? !se(Action)ジュゴー @1 聖なる月の剣を振り上げ、魔力を込め・・・ !se(Action)ミス 一気に振り下ろした。 !se(Action)ドゴン !bgm(タクミ)戦闘訓練 @202 おい、クソ親父。慌てんじゃねえよ。 \s判断力が鈍ってるんじゃねえか? @1 リョウヘイが右手で刀身を掴んでいた。 \sその瞳は怒りに支配されてはいない。 @530 ッ!! !se(Action)跳ね @1 リョウヘイは剣を払いのけて立ち上がる。 @202 つか、なんだ今のセリフは? 自殺願望なんかあったのかよ。 @530 ・・・。 @202 ふざけんじゃねえぞ? \sオレはあの世で暮らす気なんかねえよ。 @200 生きてやりたい事が いっぱいあるんだからな。 もう一人のオレもそう言うだろうよ。 @530 お前・・・本当にリョウヘイか? @200 ああ、今まで頭にあったもやもやが 一気に消えてすっきりした感じだ。 !se(Action)ジュゴー @1 拳を握りしめ、力を噛み締める。 \sそれは今までの歪んだ黒い力ではない。 友のために怒り、救うために戦った。 その時にはなっていた炎のような力。 聖なる月の剣の放つ蒼白い輝きとは 対照的だが、美しい紅だった。 @530 驚いたな・・・これがお前の本当の力か。 \sフェザーが期待するわけだ。 @200 フェザー・・・か。 \sあいつにも八つ当たりしちまったな。 後で謝らねえとな。 @200 それはそれとして、親父よ? @530 なんだ? @200 言いたい放題言ってくれた礼な? @1 言うやいなやリョウヘイはエイジの頬を殴った。 !se(Action)殴打 @530 ぐっ! @200 いよっし、すっきりした! @530 ・・・いくのか? @200 当たり前だろ。 もうシシト達は戦ってるみたいだしな。 約束したんだ。一緒に戦うってな。 \sそれに、ヤツに落とし前はつけさせるぜ? 母さんとミキ、親父の分。 まとめてオレがぶちのめしてきてやるよ。 @1 乱暴な言葉を出すが、その雰囲気は、 憎悪に染まっていた頃とは違う。 @530 ・・・そうか。 @1 それを察して安心したように呟く。 \sもうエイジに止める気はない。 @530 なら、コイツを持って行きな。 \sコレはお前のものだ。 @1 エイジは聖なる月の剣を鞘に収めると、 リョウヘイの前に付き出した。 @202 ・・・おいおい、 オレは自殺願望はねえぞ? @530 ありゃコイツの正しい使い方じゃねえよ。 万が一の時のための予備策だ。 本当の使い方を教えてやる。 @530 いいか・・・ !mvnil @1 ・・・・ !mv海岸公園 @200 話は分かったぜ。 @202 先に言ってくれてれば、 こんな面倒なことにならなかったのに。 @530 アホ抜かせ。 自分で考えて成長する必要があったんだよ。 話したら意味がねえだろうが。 @200 そういうことにしておく。 @530 ・・・それとな。 @202 なんだよ? @530 お前の母さんは愚かだったと思うか? 世界と一人。 天秤にかけてお前を取った。 母さんは間違っていたと思うか? @202 思わねえよ。 @530 なぜだ? @200 ・・・世界なんてもんは 人間一人が背負えるほど軽くないだろ。 ダチ一人殺されかけただけで心が歪むんだ。 世界なんてデカイもの重くて仕方ないだろ。 それにオレは、必死になって 自分の周りを守ろうとする奴の方が好きだ。 @202 大体、母さんが来なけりゃ オレ、死んでたかも知れねえしな。 @530 そうだな・・・。 俺もそう思うさ。 何が正しいのかは分からんが、 あいつは・・・間違ってはいなかった。 @200 じゃ、オレはもう行くぜ。 @530 ああ、行ってこい。 そんでな・・・ @200 ん? @530 お前の仲間達と一緒に、 無事に帰って来い。 美味い飯作って待っててやる。 @200 ああ、楽しみにしてるぜ。 !se(Action)跳ね @1 そう言い残してリョウヘイは走り去った。 \sその早さは正に迅雷のごとく。 @530 ・・・。 @1 「老いては子に従えって所かしら?」 @530 ちっ、どうも視線を感じると思ったら お前かよ。 大体、歳なんかほとんど変わらねえだろ。 !se(Action)学内歩き @111 あらあら、女に歳の話は厳禁よ? @530 はっ・・・\sいててて。 \sったく、あいつ手加減しろってんだ。 @110 さっきの言葉がそれだけ 頭にきたんじゃないの? @111 ま、自業自得ね。 @530 へっ・・・。 @110 それにしても上手く行ってよかったわ。 @111 コレを使う事にならなくて済んだし。 @530 あん? お前が使ってた マジックアイテムの指輪じゃねえか? @110 ほら、プランの軸を考えたのは私じゃない? 一応責任は感じてたのよね。 でも、代替エネルギーは見つからなかったし、 いざという時のためにあれから魔力を 指輪に貯めこんでたのよね。 @530 なるほどね。 お前が十三剣辞めた理由はそれかよ。 魔力を使わずに貯めるために、 引退しやがったんだな。 @111 そうよ。 万が一の場合は、 あなたと私の魔力と生命で タナトスを倒すつもりだったわ。 @530 くっは、リョウヘイに感謝しねえとな。 お前と心中なんか真っ平御免だぜ。 @110 同感ね。 \sそれに、本当に倒せる保証はないし。 さて、どうなるかしらね。 @530 勝つさ。 \sなにしろ俺とあいつの息子だぞ? @111 ふふふ、家の子もいるわよ? @530 世代交代ってやつだな。 @110 そうね。 私達の時代の禍根を、 あの子たちに背負わせたくなかったけど。 @111 あの子たちならきっと乗り越えるわ。 @530 ああ、そうだな。 !bgm 行け、リョウヘイ。 !mvnil @1 「次の世代を紡ぐのはお前たちだ。」 !mv住宅地 @202 かなり遅れちまったな。 @200 待ってろよ・・・!! !mvnil @1 「今、\r[決着,ケリ]つけに行ってやる!!」 !wait40 真説・\r[幻影帳,シルエットノート]異聞 第七章「決着」了 次回 真説・\r[幻影帳,シルエットノート]異聞 最終章「日々」