#真説・幻影帳異聞 最終章「日々」 中編 !v5=1 !mv中央公園 @1 圧倒的な破壊の後に、燃え上がる炎と 巻き起こる雷。 逸らすことはかなわず、 防ぎきれもしなかったのだろう。 !wait20 @620 ふむ、まだ時間はあるというのに 舞踏会はもう終わりか。 少々急ぎすぎたか? @1 そう言うとタナトスは シシトたちがいた場所を見据えた。 @620 ・・・\sくくっ。 そうか、そうだったな。 \s主賓が来てもいないのに舞踏会が 終わるわけもないか。 !se(Action)爆発音 @1 突如、厄災のエネルギーの一部が弾け飛び それをきっかけに一点へと集まり、消滅した。 まるで何かに吸い込まれたように。 @120 ・・・え? !v37=1 @811 なにが・・・? @1 何が起こったのか分からず 呆気にとられるシイナとスケイル。 @570 来ましたか。 @704 おせえぞ、この野郎ぉぉぉ!! @134 まったくだよ。 @131 いい所を見定めてたとか言ったら怒るよ? @133 でも、待ってたよ! @620 待っていたぞ・・・! @133 リョウヘイッ!! !bgm(タクミ)戦闘訓練 !v28=1 @202 ったく、着いて早々派手な歓迎だな。 @200 ま、ギリギリ間に合ったってとこか。 @1 シイナの前で紅のオーラを放ち 右拳を振り下ろした体勢でリョウヘイは語った。 腰には一振りの蒼白く輝く剣が下げられている。 @120 リョウヘイくん・・・? え、今、なにをしたの? @200 弾き返すのは無理っぽかったから、 右腕から吸収しただけですよ。 @121 だ・・・け? @811 それとんでもないことでは・・・? @131 最初のロケットランチャーとは 違うと思うんだけどねぇ。 @202 まぁな、今も腕の中でくすぶってやがるよ。 @1 右拳を握りしめたまま黒い力を 紅いオーラで抑えこむ。 @620 まさか厄災を吸収してしまうとはな。 村上シシトだけではない、 貴様も驚くべき成長を遂げたようだ。 さあ、その憎悪。 \s存分に我にぶつけてみよ。 @1 少し芝居じみた口調でリョウヘイに語りかける。 @202 ・・・うるせえなぁ。 \s言われなくてもそのつもりだ。 @200 けど、今はシシト達を助けるのが先さ。 @620 ・・・なんだと? 貴様は我を憎んでいたはずだ。 \s母を、ミキを傷つけられ、 己の運命を呪いさえしていた。 この一月、 怒りのはけ口を求めて彷徨っていた。 \sそうではないのか? @202 ああ、ついさっきまではそうだったよ。 @200 テメエらに散々踊らされて、迷って、 怯えて・・・けどシシトと親父のお陰で ようやく目が覚めた。 オレはもう怒りや憎しみに 支配されるのはやめたんだよ。 次やったら、 あいつも普通に体奪ってきそうだしな。 それは御免被・・・ @202 ああ、これあいつの台詞か。 \s参ったな、一つになった時にうつったか? @620 ・・・不可思議だな。 貴様からは我への強い憎悪を感じる。 怒り、殺意、敵意も間違いなくある。 \sだが、極めて不快だ。 どういうことだ? @200 確かに、テメエは憎いぜ。 \s母さんを殺し、ミキを利用した。 \s許せるわけがねえ。\sつもりもねえ。 だから、ぶっ倒すのには変わりねえ。 けどな、それは俺自身が生きるためだ。 オレの大事なもんをもう奪わせねえためだ。 テメエは悪意が力の源なんだろ? 不快に感じて当たり前さ。 なにしろオレの怒りと憎しみは 筋が通った正しいものなんだからな。 @620 ・・・なんという詭弁だ。 \s呆れてものも言えぬ。 それで己の心を制御したというのか? @200 いいから・・・\s少し黙ってろッ!! !se(Action)ミス @1 タナトスに向けて右拳を振る。 !se(Action)ジュゴー その拳から巨大なエネルギーが発現し、 襲いかかった。 @620 これは・・・! !se(Action)爆発音 @1 爆煙に巻かれ、その姿が消える。 @202 ふー、すっきりした。 \s野郎の力なんか留めときたかねえからな。 @200 ちょっとくらい時間稼ぎにはなるだろ。 @704 今のやって大丈夫なのかよ!? @200 ああ、オレもこの一ヶ月 なにもしてなかったわけじゃねえよ。 @131 それは知ってるけど、 いくらなんでもパワーアップしすぎじゃない? @202 あんまり聞くなよ。 \sオレにとってはもう恥ずかしい過去なんだよ。 @1 ポリポリと頭を掻きながら照れくさそうに話す。 @570 ・・・どうやら賭けには勝てたようですね。 \s力の質があの時とは全く違う。 濁った闇の色ではない。 \sミキさんと対峙した時よりも美しい\r[紅,あか]だ。 @200 よう、フェザー。 \sあん時は八つ当たりして悪かったな。 @570 いえ、むしろ謝らねばならないのは 私の方です。 助力できたにもかかわらず 貴方を過酷な環境に置き成長を促した。 \s申し開きもできません。 @200 いや、あの時は自分のことだけ考えてたさ。 あんたがオレに言ったことは 何一つ間違っちゃいねえよ。 それよりも・・・だ。 シイナさん。 @120 え・・・あ、はい。 @1 年下だと忘れて思わず丁寧に返事をする。 @200 状況はよくわからないですけど、 そんなに簡単に命かけちゃダメですよ。 \sオレ達は死ぬためにここにいるんじゃない。 誰か一人いなくなってもあの野郎の勝ちだ。 \sそれは十年前に分かってることでしょう? @202 ま、オレよりも頭のいいシイナさんなら、 言われるまでもないと思いますけどね。 @121 ・・・そうね。 少し熱くなってしまったみたい。 \s私らしくもない。 @120 ・・・シシト、ごめんなさい。 @134 いいよ、無事だったんだから。 @810 私とは初対面ですね。 \s初めまして、リョウヘイさん。 私はスケイルと言います。 @200 ああ、あんたがあの・・・ @813 ゆっくり話している暇もありません。 エイジさんに、聖なる月の剣の使い方は 聞いて来ましたか? @200 ああ、ちゃんと聞いてきたぜ。 @1 リョウヘイは腰に下げた 聖なる月の剣を握り、思い返す。 !bgm !mvnil !wait30 !mv海岸公園 !bgm神秘 @530 この剣の本当の能力は、 魔力の増幅なんてちゃちなもんじゃねえ。 お前自身の負の力と 女神さまが込めた正の力。 その二つをせめぎ合わせ より強大な力を生み出す。 それが正しい使い方だ。 @202 オレの負の力? @530 なんだかんだ言っても お前の力はヤツのものだったんだ。 その特性自体はかわらねえ。 二種の力同士を反発させ より強大なエネルギーを生み出して、 タナトスを存在ごと滅殺する。 それがその剣の役割だ。 @200 つまり、この剣と俺が一緒で 本当の切り札ってことか? @530 そういうことだな。 俺がお前を追い込んだのも そのためだ。 @202 んだよ、ハッタリだったのか。 @530 ・・・いや、本気だったぜ。 お前があのままだったら、 俺は容赦なく斬っていた。 長いこと戦士やってるとな、 そこら辺の思考の切り替えは そう難しくねえのさ。 職業病みてえなもんさ。 @202 ・・・。 @530 ま、半分はフェザーの指示だがな。 @202 フェザーが? @530 友人や親友だけでは駄目なら 最後に残るのは肉親との絆。 実の父親に追い詰められても 安易に闇に心を委ねるようなら もう希望はない。 要するに、友情パワーだけじゃなく、 反抗期パワーに期待したってわけだな。 @202 身も蓋もねえ言い方すんなよ。 @530 ま、負の意識の存在は予想外だったが ほとんどあいつの計画通りだ。 わざと手を貸さずに突き放しても 最悪の事態を避けるために見守り続けた。 なんだかんだ言っても、 お前を一番心配してたのは あいつだったと思うぜ。 なにせあいつは、 母さんのパートナーだったからな。 @200 母さんの? @530 ああ、あいつにとっちゃ お前は妹の忘れ形見みたいなもんだ。 @202 妹の・・・。 そうか、アレはあいつ自身の・・・。 @200 ちっ、こりゃますます謝らねえとな。 @530 さて、長話もしてられねえな。 最後に一つだけ注意しとく。 その剣を使うのはトドメを刺す時だけだ。 さっきの俺みたいに振り回したりはするな。 @200 なんでだよ? @530 お前の力と女神さまの力は反発しあう。 理屈だけで言えば、世界崩壊の要因と なんらかわりはしねえ。 タナトスを滅するほどの力の解放には 一度しか刀身が耐えられん。 大体、お前に剣の才能はねえよ。 昔、一度教えようとしたが てんで上達しなかった。 普通の戦闘じゃ、かえって邪魔だろうよ。 @202 うるせえな。 @530 いいか? \s必ず刃を野郎の体に突き刺してから使え。 その一回を外せば、もう勝ち目はねえ。 @200 わかったぜ。 \s一回だけってのは切り札らしくて 分かりやすいくらいだ。 @530 それとその剣は女神さまが お前のために作ったもんだ。 粗末にすんじゃねえぞ。 @202 オレのために? @530 女神さまもな。 \sお前が必ず負の感情に打ち勝って タナトスを倒す存在になると信じてたんだよ。 @202 女神さまがねぇ・・・。 @530 ・・・信じてねえな? @202 そりゃあ、 いきなりそんなこと言われてもな。 さすがに現実感ねえっての。 @530 あのなぁ。 お前とシシトは女神さまに オシメ替えてもらった事もあるんだぞ? @201 はあ!? @530 それだけじゃねえよ。 お前の初恋のシロ姉ちゃんは・・・ @201 うわ!もういいッ!! わかった!思い出したっての!! @530 ま、お前は色んな人の期待を 背負ってたってことだな。 !bgm !mvnil !wait30 !mv中央公園 !bgm(タクミ)戦闘訓練 @202 ったく、余計なこと思いださせんなよな。 \sシロ姉のことなんか忘れてたっての。 @811 リョウヘイさん? @202 ああ、なんでもねえ。 @200 とにかくだ。 この剣を野郎に刺せばそれで\r[決着,ケリ]はつく。 そういうことでいいんだよな? @813 大雑把ですが、大体あってますね。 @570 ということです。 皆さん、リョウヘイくんの援護を。 聖なる月の剣を突き刺せば、 私達の勝ちです。 @133 分かった!! @200 シシト。 @130 なに? @202 ちっとばかし遅くなったけどよ。 @200 約束、守るぜ。 @134 もちろんだよ。 @133 必ず勝つよ、リョウヘイ!! @200 言われるまでもねえよ。 @830 \c[4]我も全力でサポートするぞ!! @705 おっしゃああ!! @121 リョウヘイくんばかりに頼ってられないわね。 @813 少し待ってください。 ・・・雨癒ッ!! !bgs(環境)雨 @1 スケイルが杖に込めた魔力を放つと 天から癒しの雨が降り注ぐ。 !se(Event)アイテム入手A !wait5 !se(Event)アイテム入手A !wait3 !se(Event)アイテム入手A @121 雨癒。 スケイル独自のレアな回復魔法ね。 @134 体が楽になっていく・・・。 @570 範囲回復は便利なんですが、 濡れてしまうのが少々難点ですね。 @811 同感ですけど、 今は背に腹は代えられません。 !bgs @121 ・・・。 @1 雨が止み、左手を開閉する。 @120 よし、全快とまではいかないけど、 大分マシになったわ。 もういいようにはさせない。 @202 無理しないでくださいよ、シイナさん。 @120 無理しないで勝てる相手じゃないでしょ? @1 ニコリとほほ笑み、返答するシイナ。 @200 はは、そりゃそうか。 @121 守りは私とスケイルに任せて。 @120 シシトとフェザーはリョウヘイくんの サポートをしてちょうだい。 @200 つーことだ。 後ろは任せた、\r[親友,シシト]。 @133 もちろん。 道は僕が開いてあげるよ、\r[悪友,リョウヘイ]。 @570 では、私は影ながらお手伝いしますか。 @704 お、おれは・・・ @705 飛ぶ! @833 \c[4]それしかないのかお前は? !se(Action)爆発音 @620 ふぅ・・・さすがに我が魔法だな。 厄介な威力だった。 @1 リョウヘイの放ったエネルギーをかき消して、 タナトスが姿を現した。 @620 それにしても 今回は予想外の事態がよく起こる。 岸リョウヘイ。 貴様の力も想定以上だ。 特に力の性質が違いすぎる。 貴様の詭弁を信じざるを得ないようだな。 これではもはや取り込めまい。 少々残念だ。 @200 はっ、最初からやる気なんかねえよ。 @620 だが、実に\r[快楽,けらく]ぞ。 思いのままに事が運びすぎてはつまらぬ。 さあ、\r[主賓,ジョーカー]を迎えたのだ。 ここからが本当の舞踏会の始まりだ。 !se(Action)ジュゴー !wait4 !se(Action)ジュゴー !wait4 !se(Action)ジュゴー !wait4 !se(Action)ジュゴー @1 タナトスの魔力が更に上る。 空間そのものが軋み、悲鳴をあげる。 @133 まだ魔力が上がるのか・・・! @570 いよいよ、正念場ですね。 !bgm !se(Action)ジュゴー @620 踊り、\s遊び、\s歌い、\s嘆き、\s悲しみ、\s絶望せよ。 \sこれが世界最後の宴だッ!! @200 違うなッ!! 打ち上げはこの後だ!! 最後なのはテメエだけだッ!! !bgm最後の聖戦 @620 もはや加減の必要もなかろう。 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)爆発音 @1 両腕を十字にクロスさせ、一気に振り下ろす。 荒れ狂う炎の嵐が二重に放たれる。 @570 二層の炎嵐ッ!! \sこの技は確か・・・!! @620 そう、貴様の本体を焼いた魔法だよ。 @570 加減はしないと言って、 以前見せた技を出すとは! 舐められたものですね! !se(Action)跳ね @1 フェザーは懐から宝石を取り出すと、 炎嵐に向けて投げつけた。 !se(Shooting)レーザー 衝突の瞬間、光の柱が立ち上り、 一つ目の炎の層が分断された。 @570 一点のみの局所結界。 あの子の\r[特別製,かたみ]です。 完全には防げませんが・・・ 弱所を作るくらいは簡単なこと! シイナさん! @120 任せなさいッ! !se(Action)跳ね @1 シイナは炎嵐の中に果敢に飛び込み、 左腕の大気の盾を下から上へと 一気に振り上げる。 @121 選択を誤ったわね? \s炎嵐は文字通り「大気」の要素もある魔法。 @120 これだけ大気が乱れればッ! 裂くことだってできる! @1 !se(Action)ジュゴー 巨大な気流の渦が巻き起こり、 炎嵐を巻き込んで、真っ二つに裂いた。 @813 シシトさん!! @133 了解ッ!! @813 増幅ッ!! !se(Event)アイテム入手A @133 おおおおおッ! 衝撃ィィィィ!! !se(Shooting)レーザー @1 スケイルの増幅により シシトの魔力が瞬間的に高まる。 !se(Action)爆発音 放たれた衝撃は炎嵐の壁を貫き、 突破口を開いた。 @200 うっしゃッ!! !se(Action)跳ね @1 活路が開いた瞬間。 リョウヘイは一足飛びで駆け出した。 タナトスに肉迫し右の拳を振りかぶる。 @620 大振りだ、と前に言ったはずだが? @200 いつでも直球勝負が座右の銘でね! だが、あの時と一緒にするんじゃねえぜ! !se(Action)跳ね @1 お構いなしに拳を繰り出す。 @620 ・・・早いッ! !se(Action)爆発音 @1 想像以上のスピードに対処が遅れ、 タナトスは爆砕の直撃を受けてしまった。 @705 やった!! @202 ・・・\sちっ、手応えがねえ。 野郎、どこに行きやがった!! @1 リョウヘイの前には何もない。 あの程度で倒せてしまうわけもない。 @620 ふふっ、何やら地上で騒いでたな? @1 いつのまにかタナトスは上空にいた。 @620 炎嵐は単なる見せ技だ。 それを破り、 幻霧で作った虚像を壊して喜ぶとは 喜劇もいい所だな。 @202 あの野郎・・・! @121 本気で来ると言っておいて、 どこまでも私達をからかうつもり? @620 くく、そうむくれるな。 コレの準備に少々時間が必要だったのだ。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー @1 宙に浮かぶタナトスの周囲に 無数の球体エネルギーが出現した。 @833 \c[4]まずい!あれは!? @704 圧縮衝撃じゃねえかッ!! @200 はっ、生憎だな。 \sその魔法はオレには効かねえよ。 @620 はははっ、ミキの物と一緒にするなよ? そもそもコレは我が本家だ。 \sゲングがミキに教えたようだが、 あんなものは劣化品にすぎん。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー @1 そう言っている間にも圧縮衝撃の数が増える。 @813 十、二十・・・三十・・・\s多すぎるッ! @570 一発一発が必殺の威力。 まともに受けられませんねッ!! @620 さてさて、どこまでかわせるか。 名は・・・そうだな。 『流星』とでも呼んでおこう。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー @1 タナトスが腕を振り下ろすと 圧縮衝撃が流星雨のごとく降り注いだ。 !se(Action)跳ね @133 くそっ! @833 \c[4]気をつけろッ! この魔法は追尾能力があると ミキが言っていた! @132 うわッ!本当に追いかけてくるッ!! @1 後方に飛び跳ねてかわすが、 地面には着弾せず、圧縮衝撃は シシトを追いかける。 !se(Action)ジュゴー @121 ホーミング機能が好きな奴ねッ!! @1 シイナは大気の盾で軌道を逸らして捌くが、 すぐに再追尾してくる。 !se(Action)バリア音 @813 くっ・・・このままでは! シイナさん、もう一度・・・! @620 二度も同じ事はさせんよ。 @813 しまっ・・・!? @1 圧縮衝撃に注意を引きつけ、意識を逸らし、 タナトスはスケイルの背後に近づいていた。 右手をスケイルの背中に翳す。 その手には炎がくすぶっていた。 如何にスケイルといえど、 タナトスの火炎の直撃を受ければ 消し炭になってしまうだろう。 @620 まずは一人だ。 !se(Action)跳ね @133 させるかぁぁぁぁ!! @1 シシトが横から割って入り タナトスに飛び蹴りを食らわせた。 !se(Action)バリア音 @620 無駄だ。 結界を張っていると言わなかったか? @133 そうだろうねぇ! 僕の攻撃じゃ効かないだろうよ! !se(Action)跳ね でも、お前のならどうかな! @620 なにっ!? !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Action)爆発音 @1 シシトが勢い良く屈んだ瞬間。 追尾していた圧縮衝撃が反応しきれず、 タナトスに直撃する。 @132 うわあああ!! @811 きゃあ!! !se(Action)ズシャアアー @1 シシトとスケイルも爆風に巻き込まれ、 吹き飛ばされてしまった。 @202 シシト!! @120 スケイルッ!! @132 だ・・・だいじょうぶ! @811 どうにか・・・ですけどね。 @1 地に伏せたままそう返答するが 二人ともダメージなしというわけには いかなかったようだ。 @620 ふーむ、自動追尾は便利なのだがな。 急な動きには対処しきれんか。 この体ではあまり無理はできんし、 自爆してもいられんな。 @1 タナトスは無傷で立っていた。 @620 組み合わせるなら・・・やはりコレか。 @1 そう言うと手を銃の形にする。 !se(Action)爆発音 @202 テメエ、それは・・・! @1 圧縮衝撃を拳で撃墜しながらリョウヘイは 怒りをあらわにした。 @620 これだけはミキのオリジナルだ。 真似させてもらったぞ。 !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 @1 そういうと指から雷弾が放たれる。 \s標的は圧縮衝撃を捌くので手一杯のシイナ。 !se(Action)跳ね @202 やべえ!! !se(Shooting)カノン @1 リョウヘイはなりふり構わず駆け抜け、 シイナの前に立ち、雷弾を阻む。 @202 ・・・へへっ、ギリギリセーフだったな。 @120 リョウヘイくん!またそんな・・・! !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 @121 あぐっ!? @202 シイナさんッ!? @1 リョウヘイの体の僅かな隙間をぬって、 シイナの左足の大腿部と右足を貫いた。 @620 忘れたか、岸リョウヘイ? \sこの雷光は速射型だ。 貴様がいくら庇っても、 僅かな隙間を縫って撃つなど造作も無い。 @202 テメェ・・・!! @620 ついでにこんなこともできるぞ? !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 @1 タナトスはリョウヘイに向けて 先ほどより大きな雷弾を放つ。 @202 このや・・・! !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)レーザー !se(Action)雷光 @1 シイナをかばいながら リョウヘイが拳で叩き落とそうとするが、 眼前で雷弾が五発に分かれた。 @202 なっ!? !se(Shooting)カノン !wait5 !se(Shooting)カノン @121 くぅ・・・! @1 折れ曲がり、歪んだ軌跡を駆けた雷弾は、 三発は外れたものの残り二発が、 シイナの右肩と右前腕部を貫いた。 !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Action)ジュゴー 更に体勢を崩したシイナに ここぞとばかりに圧縮衝撃が襲いかかる。 @202 ちっくしょ!! !se(Action)爆発音 @1 とっさにリョウヘイはシイナに覆いかぶさった。 @620 はははっ、 盾が庇われていては本末転倒だな。 !se(Action)跳ね @570 貴様ッ!! @1 フェザーは自身に俊足の魔法をかけ、 懐から大地の短剣を取り出して、 タナトスの元へ駆ける。 !se(Action)ミス すれ違いざまに斬りつけるが・・・ @620 愚か者め。 \s存在の否定や拒絶とは 怒り、嫉妬などの負の感情が根源。 濃縮された憎悪の刃など 我に効くわけがあるまい? !se(Action)バリア音 @570 ・・・。 @1 効かないどころか、 大地の短剣は折れてしまっていた。 @570 いいんですよ、コレで。 \s本命は貴方の足元の結界石。 @620 ・・・ほう? @1 切りつけた時に落としておいたのか、 タナトスの足元に青い宝石が転がっていた。 @570 少し動きを封じさせてもらいますよッ!! !se(Action)ジュゴー @1 フェザーが腕を構えると蒼い柱が発生し、 タナトスを閉じ込めた。 同時に圧縮衝撃も動きを止め消滅した。 @620 なるほど、あの女の結界魔法。 蒼ということは魔力遮断の結界か。 輝玉と同じだな。 だが、所詮は代替品。 一分と持ちはせんだろう。 我は目をつぶって待っているだけでいい。 @570 くっ・・・! @1 フェザーは、歯を食いしばりながら冷や汗をかく。 実際、彼自身の魔力はそれほど大きくはない。 そう長くは持たないだろう。 だが、その僅かな間に体勢を立て直せればと 最後の結界石を使ったのだ。 @133 スケイルさん、立てるかい? @811 だ、大丈夫です。 @705 うおおおお、リスヒール×2!! !se(Event)アイテム入手A @130 リスくん。 !se(Event)アイテム入手A @811 はぁ、す、少しは楽になりました。 @701 くっそ、おれのヒールじゃ焼け石に水だ。 \sもうこの台詞も何度目だよ。 フェザーががんばってるけど、 このままじゃジリ貧だぜ? @813 隙を突いてリョウヘイさんの一撃さえ通れば、 それで勝てます。 @811 とは言え、この火力差では・・・。 @133 そうだ!リョウヘイと姉さんは!! @1 シシトはリョウヘイたちの方を見る。 粉塵は消え、二人の姿を確認できた。 @202 シイナさん、大丈夫ですか? @121 リョウヘイくん・・・貴方は! \sどれだけバカなことをするの!? 一番大事なのは貴方とその剣よ!! @120 自分の命を粗末にするなって 貴方がついさっき言ったことよ!? @202 っても・・・体が勝手に動いたから 仕方ないっしょ。 オレはこれくらいなら痛いだけですけど、 シイナさんはあのままじゃやられてた。 @121 けれど・・・! @1 シイナから離れ立ち上がるリョウヘイ。 幸い致命的なダメージは受けていないようだ。 だが、シイナは雷弾を受け 立ち上がることもままならない。 力を使いきってしまったのか 大気の盾も実体化が解けてしまっている。 @202 それに、嫌なんですよ。 \s目の前で女の人が倒れるのを見るのは。 母さんと、ミキだけで・・・もう十分だ。 @120 リョウヘイくん・・・。 !se(Action)跳ね @133 二人とも大丈夫!? @1 シシトがスケイルを抱えて二人に近づいた。 @121 スケイル、お姫様抱っこって・・・。 @811 体格的に・・・少し無理がありますよね。 @131 今、そういうこと言ってる場合じゃないよ。 @570 そ・・・うですね。 \sあと十秒と持ちそうにありません・・・! リョウヘイくん、シシトくん、クロウ! \s一か八か私に賭けてみますか!? @130 賭け? @570 まともにやっても 火力でねじ伏せられるなら・・・! \sやはりヤツの予想を上回るしかない! 私の最後の策・・・! \s大博打になりますが、乗りますか!? @202 はっ、フェザー。 あんたは博打なら もっとでかいの乗り越えたろ。 @200 オレは乗るぜ。 @133 どの道、このままじゃ圧倒されるだけ。 \s僕も乗る!! @830 \c[4]シシトが行くのならば 我が行かぬわけにはいくまい。 @705 よ〜し、おれも! @131 リスくんは、姉さんとスケイルさんをお願い。 焼け石に水でもないよりましだから。 @701 お、おう。 @570 上等です・・・! !se(Action)バリア音 @1 フェザーが構えをとくと、 結界がガラスのように粉々に割れた。 !se(Action)跳ね 風のような早さでリョウヘイたちの元へと走る。 @620 ・・・む、どうやら終わったようだな。 @1 結界が壊れて数秒後、タナトスは目を開けた。 @620 ほう、いつのまにか 一箇所に集まっていたか。 とはいえ、 岸リョウヘイとフェザー以外は死に体。 村上シイナはもはや戦闘不能か? @121 ・・・。 @1 下唇を噛みながら悔しそうにうつむく。 !se(Action)ジュゴー その時、死界の扉から闇が溢れ始めた。 @620 どうやらタイムリミットのようだな。 時間ギリギリまで付き合ってもらえるとはな。 今宵は実に楽しかったぞ。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー @1 タナトスは再度上空へ飛び、 周囲に圧縮衝撃を出現させる。 @620 何、安心しろ。 \s死ぬのは貴様らだけではない。 世界中が死ぬのだ、寂しいことはない。 @200 うるせえ! \sオレたちは死ぬ気なんかねえ! @620 虚勢を張るのは結構だがな。 \s貴様らにはもう何もできん。 さあ、終わりにしてやろう。 \s残り僅かな時間で絶望を噛み締めるがいい。 @1 タナトスが腕を振り下ろそうとした時だ。 @570 ・・・いきますよッ!! @1 フェザーはリョウヘイとシシトの肩に触れる。 @570 転移ッ!! !se(Action)シュイーン !bgm @1 三人の姿がその場から消えた。 @620 バカな、この状況で転移だと? 自ら次元の狭間に落ちたか。 @704 あいつ何考えてんだ!? @620 ふむ、これはつまらぬな。 まさかここまで来て自害するとは。 \sまだ我に殺された方がマシだろうに。 @121 ・・・\sはっ、自害? 笑わせるんじゃないわよ。 @813 自殺するくらいなら、 最初からここには来ませんよ。 @120 私たちの仲間を・・・舐めるなッ! @620 だが、確固たる現実だ。 これほど次元が不安定では、 我でさえ転移を成功させるのは・・・ @1 そう言い切ろうとした瞬間。 タナトスは背後に気配を感じた。 !bgm(タクミ)戦闘訓練 !se(Action)シュイーン @570 出ましたッ!! @200 ドンピシャだな!! いい腕してるぜ、フェザー! @620 まさかッ!? @1 三人がタナトスよりも上空に出現した。 だが、三人に飛行能力はない。 重力に従い、そのまま落下する。 @133 喰らえッ!! @1 落ちていることなど気にせずにシシトは タナトスの背に向けて手をかざした。 @133 衝撃ッ!! !se(Action)爆発音 @1 完全に虚を突かれたため、 対応が遅れ背に直撃する。 @620 ぬおお! くっ・・・この程度では! @133 効かないのは承知の上さ! \sでも、体勢を立て直させないための 時間稼ぎは出来る!! 僕の役目はそれだけだッ! @132 リョウヘイ、後は任せたよおおぉぉぉ!! @1 衝撃の反動で吹き飛び落下しながら リョウヘイにすべてを託す。 @570 シシトくんは私がッ! @200 分かったぁぁぁ! @1 リョウヘイは聖なる月の剣を真下に構える。 @620 侮るな!これくらいで・・・! !se(Action)ジュゴー @1 周囲の圧縮衝撃で迎撃しようとするため、 腕をふろうとするが、何故か動きが鈍い。 @620 こ、これは・・・! @121 ・・・\s最後のイタズラ。大成功。 @1 くすっと笑みを浮かべる。 シイナは大気の盾を 具現化できなくなったのではない。 あえて空気に溶け込ませ タナトスの周囲に放っていたのだ。 通常、自分を守っている分も全て。 防御を完全にかなぐり捨てた拘束。 如何にタナトスでも数秒ならば動きが鈍る。 !se(Shooting)撃破C @620 姉弟揃って、小賢しい! @1 まとわりつく大気の盾の拘束を払うが、 時既に遅し。 @200 ナイスフォローだ、シイナさん! @1 リョウヘイの聖なる月の剣の切っ先は、 タナトスの背中に向かう。 もはや迎撃は間に合わない。 @620 お・・・おおお・・・まさか! \sまさかぁぁぁぁ! @200 くたばりやがれ、タナトスッ! !se(Action)ズシャアアー @1 重力を味方につけ 聖なる月の剣は深々と突き刺さった。 @620 ぐばはぁ・・・! \sおお、おがごおおおッ!! !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Action)爆発音 @1 足掻くように圧縮衝撃を操作し、 リョウヘイにぶつける。 @202 いてえなぁ、ちくしょう!! @1 だが大したダメージにはならない。 @200 けど、無駄だ! \s今のオレは一人じゃねえんだよ!! @833 \c[4]ぐ・・・リョウヘイ、 お前の力を増幅するのは少し無理がある! 長時間は持たん、確実に終わらせろ! @200 分かってる! @1 フェザーが空間移動を行なっている間に、 クロウはシシトからリョウヘイへと移り その力を限界まで高めていた。 @620 ご・・・ぶはぁ・・・ぬ、ぬけん・・・! @1 刃を握るが手が傷つくばかりでびくともしない。 \s腕力では肉体と同化したリョウヘイの方が、 当然上なのだ。 @200 人間の体は脆いからな! 刃を掴んで剣を引きぬくなんてできやしねぇ! !se(Action)ジュゴー オレの力と女神さんの力! \s色んな人の想いを踏みにじってきた報いだ! 消えてなくなれぇぇぇ! @1 聖なる月の剣が蒼く輝き、 リョウヘイ自身が紅く光る。 かけ合わさることはなく相反する力は 衝突し合い、爆発的なエネルギーを生み出す。 それはタナトスの体に直接流れこんでいく。 @620 お・・・ご・・・! \sこ、これは・・・これが! そうか・・・これが!! \sこれがああああああああああ!! !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー @200 終わりだぁぁぁ! !bgm !se(Action)爆発音 @1 地面に激突すると同時にタナトスの体から 紅と蒼の光が放たれ・・・\s爆散した。 @202 くっ・・・。 @1 残ったのは聖なる月の剣を 地面に突き立てたリョウヘイだけ。 やがて役目を終えた 聖なる月の剣はボロボロと崩壊を始めた。 @202 ・・・\sありがとよ。 @1 聖なる月の剣に礼を呟くと、 リョウヘイの手の中に柄に嵌めこまれていた 蒼く輝く宝石だけが残った。 暖かな力を感じる宝石を落とさないように、 ギュッと右手で握り締める。 !se(Action)シュイーン @833 ハアハァ・・・ゼエゼエ・・・。 @1 程なく息を切らせたクロウが分離した。 @200 お前もお疲れさんだったな。 @833 ま、まったくだ・・・。 \sこれほど強化が難しい体は初めてだ。 もう二度とお前のトーテム化はしたくない。 @1 真面目なクロウにしては珍しく弱音を吐いた。 @202 ああ、無理はしなくていいぜ。 \sこんな厄介事ももうないだろうしな。 !se(Action)跳ね @570 どうやら勝てたようですね。 @1 シシトを抱えてフェザーも無事着地。 @131 いやー、死ぬかと思ったよ。 @121 自分の衝撃の反動で飛んでくとか あんたもいまいち決まらないわねぇ。 @131 そんなにスマートにやれるほど かっこよくは出来てないよ。 @811 いえ、十分かっこよかったですよ\wh @701 ・・・やっぱスケイルちゃんの目。 なんか変になってきてるぞ。 @811 うふふふふ・・・。 !se(Action)学内歩き @200 よう、無事だったか? @130 そっちも大丈夫そうだね。 @833 フウフウ・・・。 @202 まあ、クロウが少し疲れてるくらいか。 @121 お疲れ様、二人とも。 @120 正直、まだ実感がわかないけど。 ・・・勝てたわね。 !mvnil @202 ああ・・・勝った。 !v5=0 !mv中央公園 @202 おいおい、夜が明けちまったよ。 @131 ははは・・・ 一晩中戦ってたんだね。 @120 ・・・。 @1 シイナは闇が留まっていた場所を見る。 そこには既に何もなくなっていた。 @120 死界への扉も無事に閉じたみたいね。 @570 やっと・・・終わりましたね。 @811 ええ、とてもとても長い\r[因縁,たたかい]でした。 @121 いつつっ・・・ ごめん、私はしばらく動けそうもないわ @570 私ももう限界ですよ。 @811 ふふふ、私もです。 @720 ・・・。 @131 はいはい。 !seエンディングテーマ3 @1 突然、軽快な音楽がどこからか流れ始めた。 @202 ・・・オレの携帯だな。 !se !se(System)ピッ @200 もしもし? @1 「おお、繋がったな。」 @202 なんだ、アルバートか? @1 「ああ、そうだ。  \s朝早く済まないが、実はな・・・」 @200 !! !se(System)ピッ !bgmエンディング1 @202 わかった!すぐ行く!! @130 何かあったの? @202 ミキが・・・\s今、目を覚ましたらしい! @133 ええッ!? @704 なにッ!! @121 ・・・ヤツを倒したご褒美かしら? @811 誰かは知りませんが粋な計らいですね。 @570 まったくです。 @202 オレは病院に行く! \sシシトはどうする!? @133 もちろん行くに決まってるじゃないか! @200 じゃあ急ごうぜ!! @1 言うやいなやリョウヘイは一人駆け出す。 シシトもそれを追いかけようとする。 シイナ、フェザー、スケイル、クロウは それを優しい表情で見守っていた。 戦い抜いた少年たちに・・・やすらぎの時間を。 そう願っていた。 !bgm ああ、されど。 \s彼らは忘れていたのだ。 絶望は大きな希望を見た時に現れる。 \sいつでも、いかなる時代も\r[ヤツ,・・]はそうだった。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー 突如、死界の扉があった空間にヒビが入り始めた。 \sそこから感じるのは圧倒的な【死】の力。 生物が最も嫌悪し、遠ざける穢れた気配。 @121 ・・・!! みんな、私の周りに集まりなさい!! \s早く!! @1 体の痛みを無視して必死に叫ぶ。 @202 え? @130 姉さん? @121 間に合って・・・! !se(Action)ジュゴー @1 座りながら両手を振るい、仲間たちの 周囲に大気の盾を張り巡らせる。 気流の壁を生み出して 穢れた空気による汚染を妨げる。 だが、既に駆け出し、 仲間から離れていたリョウヘイだけは 大気の守りは届かなかった。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)爆発音 瞬間。空間が裂けた。 !mvnil 生気を奪い取る瘴気が溢れ、 昏い闇が立ち上り、再び世界を包み込む。 !wait20 !v5=1 !mvマジカルパレス !bgm緊迫状況 @710 ッ!!! @1 遥か遠く離れた地で 巨大な邪気の復活を感じ取る。 それは先ほど確かに消え去ったはずのもの。 \s己の対となる存在の気配だった。 @710 なんて・・・なんてこと。 \sまさかアレでもヤツは 倒せないというのですか! 何ゆえ・・・何ゆえに、これほどまでに 彼らに過酷な運命をかすのですか!? @1 手をデスクに叩きつけて自身の無力を嘆く。 !mvショッピング街 @1 「・・・むう、なんということだ。  \sおぞましい気配がより一層強くなった。」 老人は、全ての魔物を倒し、 病院の入口近くに腰掛けていた。 「ハッキリと分かるぞ。これほどの邪悪。  千年の歴史の中にも例がない。」 「このままでは・・・この街、いや世界は・・・。」 「何故わしは史上最弱なのだ。  この様な時に何も出来ぬ・・・!」 !mv保健室 !v35=1 @402 ・・・さっき日が射しませんでした? !v36=1 @410 うん、少しだけ光が見えたんだけど。 @250 雲にでも遮られたのではないか? @402 にしては暗すぎると思うんですけど。 @430 ・・・あ・・・うああ・・・。 @1 ガチガチとミキが肩を抱えて震える。 @402 ミキさん、大丈夫ですか? まだ具合がわるいんでしたら 先生呼びましょうか? @430 あ・・・ああ・・・。 @1 語りかけるセトに応えることもできない。 !se(Action)ドア開け @420 おいーっす、どんな調子? @250 む、誰だ? @412 えっと、私の友達。 @421 親友と呼びなよ、サユッキー\wh @412 残念。まだそこまでじゃないかな。 @420 あはは、ハッキリ言うな。 @402 病院なんかでどうしたんですか? @420 あー、ここお父さんが働いてるのよ。 昨夜停電したじゃない? \s危ないからって呼び出されてね。 @412 停電の街を歩くほうが 余程危ないと思うんだけど? @420 そこら辺はどうも適当なのよね、 うちのお父さんは。 でね、ついさっきサユキたちが この病室にいるって教えてもらってね。 @421 一人で退屈してたから、 私も一緒にいればよかったわー。 @412 あはは、そっか。 @430 ・・・あ・・・う・・・。 @420 ・・・どうも陽気な話ができる 雰囲気じゃなさそうね。 ちょっと待ってて。 誰か呼んでくるからさ。 @410 あ、うん、ありがとう。 @420 いいのいいの。 あ、そうそう。 \s外はまだ停電中で危ないから 出ないほうがいいわよ。 なんかやけに暗いしさ。 @402 あ、はい、分かりました。 @420 じゃねー。 !se(Action)ドア閉め @1 ひらひらと手をふると少女は去っていった。 !bgm @430 逃げて・・・\s逃げてリョー。 そいつは・・・\sそいつはもう!! @1 サユキたちが友人に気を取られている時、 ミキはうわ言のように呟いた。 !mvnil !wait40 !mv中央公園 !bgm恐怖 @1 バキ・・・パリン・・・。 空間がガラスが割れるような音を立て砕け散る。 砕けた空間の先には深淵の虚無があった。 同時に闇が溢れて立ち上り アクアフロートの空を覆い隠す。 流れでた瘴気は周りの植物を腐らせ、 一瞬で死滅させてしまった。 !se(Action)ジュゴー @121 く・・・。 @1 かろうじてシイナたちの周辺だけは 気流の壁で守られ、清浄な空気が保たれていた。 @131 ね、姉さん・・・何が? @811 そんな・・・そんなまさか。 @570 死界の扉が開いた。 バカなッ! タナトスは倒したはずだッ!! どうしてこんなことが!? @833 一体何が起こっている!? @701 お、おい、リョウヘイはどうしたんだよ? さっきの瘴気に飲まれちまったのかよ!? @121 リョウヘイ・・・くん、ごめんなさい。 \s間に合わなかった・・・。 @1 目に涙をため、シイナは懺悔の言葉を口にした。 @133 リョウヘイ!! \s返事をしてくれ、リョウヘイ!! @1 シシトが叫ぶが親友は応えない。 @570 リョウヘイくんはタナトスの力を継いでいる。 瘴気を浴びても・・・大丈夫なはず。 @811 ですが、この濃度では・・・ @704 リョウヘーーーイ!! @833 リョウヘイッ!! @1 戦友の名前を呼ぶが返事はない。 「ふふふ・・・貴様らには礼を言わねばならんな。」 代わりに応えたのは悪意の塊のような声だった。 @120 ・・・嘘。 @133 そんな・・・! !se(Shooting)撃破C @1 死界の扉から巨大な質量の何かが出現した。 @950 くくく、これが死か。 \sなんという苦さ、甘美さ、ドス黒さ!! \s素晴らしいではないか! @1 絶叫染みた咆哮に 瘴気を免れた木々が揺れ、ざわめく。 \sその音はまるで泣き声のようだ。 @704 なんだあいつ!? @570 十年前に魔界に出現し 体を奪い取られた竜の魔王ッ! つまりあいつは・・・! @830 タナトスだというのか!? @811 ど、どうして!? 聖なる月の剣とリョウヘイさんの力が 通用しなかったというのですか!? @950 いいや、効いたさ。 \s効いたからこそ、この姿になれた。 我は死の化身と言いながらも、 今まで死を体験したことはなかった。 十年前はもちろん、 かの勇者との戦いの時も。 だから、初めてだ。 \s本当に初めて死を実感した。 \s理解した。\s堪能した。 それ故に・・・!それ故にだ! \s死の化身である我の力は瞬間的に高まり かつてと同等以上の力を得た! そして、死界の瘴気と力が、 砕けた我が身と交わり、結合し! 我が最大の力を持っていた この姿となって復元したのだ!! ふははははは!! 我ながら驚いたぞッ!? 嬉しい誤算だったわッ!! @133 嘘だろ・・・それならもう・・・ どうしようもないじゃないか。 倒そうとしても、死を感じれば パワーアップするなんて手の付けようがない。 @950 ふふふ、いやいや安心しろ。 我はまもなく本当に滅する。 \s貴様らの望んだ通りな。 @1 そう言うと右腕をかざしてみせる。 \sグズグズと肉が爛れて朽ち始めていた。 @950 復元したと言っても所詮は一時。 真に死を感じたからこそ、この力を得たのだ。 \sならば我の崩壊もまた必然よ。 包み隠さず希望を与えてやろう。 \sあと五分耐えれば貴様らの完全勝利だ。 @133 五分・・・! そうか、それだけ耐えれば! @121 ・・・\sあんたはどこまでも 人の心を弄ぶのが好きなのね。 反吐が出るわ。 @131 姉さん? @950 くくっ、何を言っている。 \s健闘した貴様らだからこそ 真実を教えてやったのだぞ? 喜びこそすれ、悪態をつくことなどあるまい。 さっきまでの気概はどうした? 最強の盾? @121 ・・・くそっ。 @120 あと五分・・・ですって? ふざけるんじゃないわよ。 \s今の私達の誰が五分もあんたと戦える。 @133 姉さん!? @811 私達の負けです・・・。 悔しい・・・ですが。 @133 どうして!? \sたった五分だよ! 諦めないで戦えば・・・! @121 出来るならそうしてるわ。 @120 ・・・今のタナトスが私達を殺すのに どれくらい時間がかかると思う? @130 え・・・? @121 一分もかからないわ。 \s全員瞬殺よ。 @130 ・・・そんな。 @830 残念だが・・・事実だ。 今の我らがどう力を振り絞っても 三十秒も持ちはしないだろう。 @704 ちくしょ、ちくしょおおおお!! @570 ここまで・・・ここまで来て!! @950 ふははは! そうだ、そうだ。 その顔が見たかったのだ。 折角だ。 更に絶望的な情報を教えてやろう。 我は貴様らを皆殺しにした後、 残った時間で死界の扉を完全に開く。 \s今の我の力なら容易いことだ。 この世は死に溢れ、闇に落ちる。 死に満ちた世界は我を蘇らせるだろう。 長くても、十年はかからんか。 貴様らのがんばりも、 結局は徒労に過ぎなかったな。 @133 くそおおお!! \sあと五分・・・たった五分なのに!! それだけ耐える力も 僕達には残ってないっていうのか!? こんなに・・・こんなにがんばって! \sなのに・・・それなのにッ!! @1 地面に拳を叩きつけ無様に絶叫する。 聖なる月の剣なき今、 希望は何一つ残っていないのだろうか? @950 ふふふ、貴様らのように 心の強いものたちが絶望する瞬間は いつ見ても心地よい。 もう少し遊んでやりたいところだが、 我にも時間がない。 最後は魔法など使わず、 蘇った我が拳で屠ってくれよう。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー @1 右手を握りしめるとドス黒い闇が収束される。 魔法ではない。単純な破壊の力そのもの。 @950 くくくく、骨も残さず滅してくれる。 @133 くっ・・・! \sこのまま、ただでやられてたまるか!! せめて一矢だけでも報いてやる! @1 シシトが手をタナトスに向けてかざす。 @950 無意味な抵抗は嫌いではないが、 我が目をかけたほどの男がするとなると 少々見苦しいな。 貴様は\r[黙っていればいい,・・・・・・・・]。 @133 うるさいッ!\s衝撃ッ!! !bgm @1 ・・・ !bgm恐怖 @133 衝撃ッ! \s衝撃ッ!! @1 シシトの声が闇に染まった公園に虚しく響く。 @133 ど、どうして出ないんだ!? 魔力もまだ残ってるし、 構築だって間違ってないのに!? @950 さあ、どういうことかな? @1 ニヤリと嗤うように裂けた口が歪む。 @133 なんで・・・!\sなんで・・・! @950 くく、種明かしは そこの女神の映し身にでもしてもらえ。 @133 スケイルさんなら分かるの!? @813 ・・・\s封印です。 「黙っていればいい。」 \sただその一言だけでシシトさんに 封印の魔法を仕掛けたんです。 @830 封印のような高等魔法を使って 術式も、魔力の発動も感じさせないとは・・・。 @950 言っただろう。 \s貴様らには超常の力でも我にとっては 呼吸をするも同然。 真の姿を取り戻した今、 このような事はたやすくできる。 体はボロボロ、 魔力はあっても魔法は使えない。 \sこれで貴様の最後の牙ももがれたわけだ。 @133 そんな・・・。 @1 シシトは腕をだらりと下げる。 ほんの僅かに残った自信さえも砕かれたのだ。 @950 ふふふ、ようやく絶望したな。 !se(Action)ミス @1 とうとう力の集中を終え、拳を振り上げる。 @950 なぁに、安心しろ。 \s死んだ所ですぐに戻ってこれる。 生と死の境は・・・\sまもなく消えるのだからな! @133 くそ・・・ \sくそぉぉぉぉ!! @121 ごめん・・・父さん。 @950 くははははは!! !se(Action)跳ね @1 嘆くシシトたちが可笑しそうに大声で嗤いながら タナトスは拳を振り下ろそうとした。 !se(Action)跳ね だが、何者かの手が伸び腕を掴み。 その暴挙を阻んだ。 !bgmサスペンス @202 させ・・・るかよ。 @133 リョウヘイ!? @570 無事でしたかッ! @1 タナトスを止めたのはリョウヘイだった。 @950 あれだけの瘴気を浴びて生きていたか。 @202 あんなもんで・・・死んでたまるか。 @1 口では強がるが明らかに様子がおかしい。 \sタナトスを押さえる手も 力が入っているようには見えない。 @950 だが、生きているので精一杯と言った所か。 \s力がまるで入ってないぞ。 !se(Action)跳ね !wait5 !se(Shooting)撃破C @1 タナトスは手をはらいのけ、 左の拳でリョウヘイの腹を\r[軽く,・・]殴った。 !se(Action)跳ね @202 ぐっ・・・!? !se(Action)ズシャアアー @1 その動きからは想像もつかないパワーが 腹に叩きつけられ、リョウヘイは抵抗もできずに 地面をこすりながら大きく弾き飛ばされる。 !se(Action)ドゴン @202 がッ!? @1 木に叩きつけられてようやく止まり、 前に倒れこみ動かなくなった。 飛んだ距離はざっと300m。 木がなければもっと遠くに飛ばされていただろう。 その木も、 リョウヘイともども折れて、倒れてしまった。 タナトスにしてみれば ほんの少し小突いただけなのだろうが、 並の人間なら、この一撃だけで即死だろう。 @202 あ・・・ぐ・・・。 @950 ふん、本当にただの死にかけだな。 我の身を取り込んでいながら この甘美な瘴気を味わえぬとは もったいないことだ。 @1 周囲の瘴気を大きく吸い込み、堪能しながら 心底つまらなそうに語る。 !se(Action)跳ね @133 リョウヘイ! @1 シシトは親友の危機に駆け出そうとする。 @811 駄目です、シシトさん!! @133 どうして止めるんだ!? @811 大気の盾の守りから出て こんな濃度の瘴気の中に飛び込んだら 即死してしまいます! @133 けど・・・! @570 ならば私が・・・! 例え無駄でも! 己の運命に打ち勝った彼を 黙って見捨てる訳にはいかない!! @1 フェザーが駆け出そうとした直後。 @950 さて、さっきも言ったが時間がない。 !se(Action)跳ね @1 一足飛びで倒れたリョウヘイの所までたどり着く。 巨体にも関わらずその身は羽のように軽い。 @570 なっ、早すぎるッ!? @950 我をより高みに登らせてくれた礼だ。 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー !wait2 !se(Action)ジュゴー 半端に苦しまぬよう。 完全に消し飛ばしてやろう。 @1 ただでさえ高まっていた右拳の力を 更に集中させる。 この一撃を受けては さしものリョウヘイも跡形もなくなるだろう。 それどころか アクアフロートの地面すら貫きかねない。 !bgm @202 ち・・・くしょ・・・。 !bgs(環境)心拍 !mvnil @1 くっそ・・・意識が遠のいてきやがった。 はは・・・このノリだといつもなら もう一人のオレが出てくるところだけどよ・・・。 ちゃんと一つになってこのざまなのか。 \s結局、あんな野郎にやられちまうってのかよ! ・・・\s嫌だッ! イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!! イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!! イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!! 何も守れねえで死ぬのなんかゴメンだ!! なにかねえのか!? \s漫画なら、ゲームなら、こういう時には 必ず希望が残ってるはずだ!! 現実離れなんかとっくにしてる! \sだから、頼む・・・何か!\s\r[一握り,・・・]でいい!! 何か・・・\s手はないのか!? !bgs !se(Action)ジュゴー !bgm[追加]祈り \c[4]「・・・\s成長したわね、リョウヘイ。」 ・・・え? \c[4]「自分のためだけではなく、守るべきもののため。  \s最後の最後の最後まで諦めない心。」 \c[4]「ふふっ、私が憧れたヒロイン・・・  \sううん、ヒーローみたいね。」 この・・・声は・・・。 \c[4]「大丈夫。\sまだ希望はあるわ。  \s本当に一握り、僅かな・・・でも、大きな希望。」 \c[4]「貴方の右手の中に残ってる。」 右手・・・? \c[4]「それは私が最後に作った研究の集大成。  \s更に、女神さまの力が込められたなら  刃がなくても力は発揮できる。」 \c[4]「ちょっぴりだけ苦しい思いをするけど、  男の子のリョウヘイなら大丈夫よねッ!」 \c[4]「その力で、あのろくでなしの顔・・・!  貴方の得意のパンチでぶん殴ってあげなさい!」 ・・・! \c[4]「・・・リョウヘイ。  \s強くなった貴方を今すぐにでも抱きしめたいわ。」 \c[4]「けど、我慢するわね。  \s出来るだけ長く、大事な人達と一緒に生きて。」 あんたは・・・まさか・・・。 \c[4]「それでもう十分だと思った時に、  私の所に来なさい。」 \c[4]「その時まで・・・\s\r[母さん,・・・]は待ってるから。」 か・・・あさん・・・? 母さんなのか!? \c[4]「\r[お父さん,エイジさん]と仲良くね。」 \c[4]「もう一息よ!がんばりなさい!」 待ってくれ! 話したいことが山ほどあるんだ!! まだ行かないでくれッ! \c[2]「・・・待て。お前にはやることがあるだろう。」 \c[2]「我との約束、忘れたとは言わさんぞ。」 お前。 \c[2]「大体、何を苦しむ必要がある。  \s我と合一したお前に瘴気など問題にならん。  むしろ、力として取り込めるくらいだ。」 ・・・。 \c[2]「さあ、お膳立てはもう十分だろう。  \s母者の技術、\s女神の正の力、\s我らの負の力。  \sこれだけ出揃えば勝てぬものなどない。」 \c[2]「あとは、お前次第だ。  \s呆けている暇などないぞ。」 ・・・\sそうだな。 親父と母さんに託されたもの。 \s女神さんの想い。 シシト、冬村、セト、アルバート、 シイナさん、フェザー、リス、クロウ、スケイル。 そして・・・\sミキ。 オレには抱えなきゃいけねえものが沢山ある。 \s母さんとはいつかゆっくりと話せばいい。 わざわざ出張らせて悪かったな。 \c[2]「ふん、気にするな。  主導権を奪うチャンスかと思っただけだ。」 ちっ、我ながら天邪鬼な野郎だよ。 !bgm けど・・・ありがとうよッ!! !se(Action)ジュゴー !wait30 !mv中央公園 @202 ・・・。 @1 現実の時間にしてわずか数秒。 心の中で出会った二つの声に導かれ リョウヘイは再び立ち上がった。 それは一見すると最後の足掻き。 満身創痍で戦うことなどかなわないだろう。 @950 ほう、まだ立ち上がるか。 見上げた根性だな。 だが、もはや遅い! 今宵の舞踏会はこれで閉会だッ! @133 リョウヘイーーッ!! @121 くッ・・・! @570 ダメだ、転移しても間に合わない! !se(Action)跳ね !mvnil @1 無慈悲に破壊の鉄槌が振り下ろされた。 !wait10 後編に続く.....