ノベル&テキストBBS

小説やショートストーリーの書き込みなど、長文系の書き込みはこちらへどうぞ!
タイトルの左にある■を押すと、その記事を全て見ることができます。

□BBSトップへ ■書き込み □過去ログ表示 ▲ログ検索
●選択した記事の表示・返信・修正・削除
炎の生贄  プロローグ <カラス> 04/15 (10:44) 7451
  炎の生贄  第1話「黒ローブ」 <カラス> 04/23 (00:16) 7452
  炎の生贄  第2話「隠れ家にて」 <カラス> 04/23 (00:17) 7453
  炎の生贄  第3話「リーリルの騒動」 <カラス> 04/23 (00:18) 7458
  炎の生贄  第4話「青瞳の青年」 <カラス> 04/23 (00:18) 7464
  炎の生贄  第5話「夜、隠れ家」 <カラス> 04/23 (00:19) 7466
  炎の生贄  第6話「同行」 <カラス> 04/23 (00:19) 7467
  炎の生贄  第7話「結界」 <カラス> 04/23 (00:20) 7473
  炎の生贄  第8話「洞窟の怪物」 <カラス> 04/23 (00:27) 7488
  炎の生贄  第9話「白い女性、選ぶ道」 <カラス> 04/23 (00:34) 7497
  炎の生贄  「白い部屋にて」 <カラス> 04/23 (00:39) 7512
  炎の生贄  第10話「数日前の記憶」 <カラス> 04/23 (00:48) 7525
  炎の生贄  第11話「惰眠医者、宿屋にて... <カラス> 04/24 (19:18) 7530
  炎の生贄  第12話「フレイのリーリル孤... <カラス> 04/28 (19:00) 7538
  炎の生贄  第13話「頼みごと」 <カラス> 04/28 (19:05) 7569
  炎の生贄  第14話「サーショへ」 <カラス> 05/06 (15:29) 7577
  炎の生贄  第15話「連れ去られる男」 <カラス> 05/06 (15:33) 7584
  炎の生贄  第16話「森を抜けて」 <カラス> 04/15 (12:27) 7600
  炎の生贄  第17話「トカゲ砦」T <カラス> 04/30 (01:57) 7604
  炎の生贄  第17話「トカゲ砦」U <カラス> 04/30 (02:02) 7624
  炎の生贄  第17話「トカゲ砦」V <カラス> 04/30 (02:07) 7645
  炎の生贄  第17話「トカゲ砦」W <カラス> 05/04 (19:30) 7694
  炎の生贄  第18話「茶色の」 <カラス> 05/22 (16:55) 7736
  炎の生贄  第19話「銀狼」 <カラス> 05/24 (00:28) 7748
  炎の生贄  第20話「薄ぼんやりの黒衣装... <カラス> 06/17 (10:03) 7778
  炎の生贄  第21話「招待状」 <カラス> 07/03 (01:44) 7789
  炎の生贄  第22話「生意気な兵士」 <カラス> 09/05 (19:17) 7842
  感想 <LADEN> 03/22 (13:17) 7459
  かーんーそ〜〜 <マジカルパレス...> 04/03 (09:38) 7513
  かーんーしゃ〜〜 <カラス> 04/03 (17:34) 7519
  感謝! <カラス> 03/22 (13:32) 7461
  感想! <ようすけ> 03/30 (23:35) 7494
  感謝! <カラス> 03/31 (00:02) 7495
  感想ですか? <ようすけ> 03/31 (03:10) 7499
  感謝ですか? <カラス> 03/31 (14:55) 7502
  感想射出 <ようすけ> 04/03 (12:11) 7514
  感謝射出 <カラス> 04/03 (17:53) 7520
  荒れ狂う嵐の中彼は何を思うのか(感想です... <マジカルパレス...> 04/04 (12:52) 7528
  長い!(感謝です) <カラス> 04/04 (13:20) 7529
  感想だからさ <ようすけ> 04/04 (22:49) 7537
  感謝だからさ <カラス> 04/04 (23:43) 7541
  ひとしきりの雨の後の太陽、ソレは彼等を包... <マジカルパレス...> 04/05 (07:52) 7543
  あ、iPodが!!(感謝 <カラス> 04/05 (17:50) 7547
  カン・ソウ <ようすけ> 04/05 (18:51) 7549
  カン・シャ <カラス> 04/05 (20:18) 7555
  落ちし雷、それは何を示すのか・・・(感想... <マジカルパレス...> 04/07 (21:15) 7575
  何を示すんだろう;(感謝) <カラス> 04/07 (22:30) 7576
  感想でしょう? <ようすけ> 04/08 (17:41) 7588
  感謝でしょう? <カラス> 04/08 (18:00) 7589
  巻き起こる烈風、それは全てを飲み込まんか... <マジカルパレス...> 04/08 (19:00) 7591
  唸る烈風の轟音の中、独り弓引く紺色の豪傑... <カラス> 04/08 (21:10) 7595
  『背中』、合わせる事は絆の証。(感想) <マジカルパレス...> 04/16 (19:21) 7605
  感謝! <カラス> 04/21 (19:31) 7610
  その質問、私がお答えしましょう!(←誰だ... <マジカルパレス...> 04/22 (12:49) 7613
  回答ありがとうございますー <カラス> 04/22 (19:03) 7615
  感想っす!!だらっしゃああい!! <マジカルパレス...> 05/01 (20:44) 7683
  感謝ですー <カラス> 05/01 (22:36) 7685
  かっんそーだぁー! <マジカルパレス...> 05/04 (20:43) 7695
  かんっしゃです(何 <カラス> 05/06 (14:32) 7714
  感想しました <もげ> 05/06 (10:47) 7710
  感謝しました <カラス> 05/06 (14:40) 7715
  いまさら感想 <もげ> 06/02 (11:36) 7762
  2日遅れで感謝 <カラス> 06/04 (21:58) 7764
  お久しぶりです、こんばんわ <マジカルパレス...> 06/12 (22:05) 7771
  こちらこそお久しぶりです <カラス> 06/13 (00:38) 7772
  感想っす! <マジカルパレス...> 06/17 (20:26) 7779
  感謝です <カラス> 06/21 (19:28) 7781
  お久しぶりです、感想です <マジカルパレス...> 08/20 (20:52) 7844
  ほんと久しぶりですね、感謝です <カラス> 08/20 (23:26) 7846
  感想だどす! <asd> 12/08 (00:18) 8009
  感謝のような言い訳のような <カラス> 01/19 (00:41) 8033
  カラスさんへ <asd> 01/19 (22:47) 8034

7842
炎の生贄  第22話「生意気な兵士」 by カラス 2007/09/05 (Wed) 19:17
一覧を見る
 
炎の生贄  第22話「生意気な兵士」







城は堂々と聳えていた。
厳格な雰囲気。
一言で言えばその言葉に尽きる。
高さはそれほどでもないが、面積はかなりのものを誇っており、
外から城内を見ると、悠々たる柱の群れがまるで威圧感をもってこちらを睨んでいるようにさえ見えた。

ここが、バーン城。
規模が大きいということは聞いていたが、これほどまでとは予想していなかった。
一体どれくらいの人数でこの城を完成させたのだろうか。
このくらいの城なら、莫大な資金と人材が要ったに違いない。

フレイは漠然と城を眺めていたが、近くにルルがいなくなっていることに気づくと、
殆ど諦めながら辺りを見回した。
案の定いない。
おそらく、城に入ったのだろう。
『ルル殿のもとを離れてはならない』
とクロウに言われたが、こういう場合はどうすればいいのか。

――探すしかないんだろうなあ……

フレイは一つ溜息をつき、城内へ歩を進めようとした。

「そこの青年、兵士じゃないようだが一体何のようだ?」

不意に背後から声をかけられたので振り向くと、城の兵士が訝しげにこちらを見ていた。
身に付けている装備は一般兵士よりはどうやら良さそうなので、
隊長、ではないだろうがそれに近い階級であることに間違いない。
そしてなにより偉そうな、生意気な感じがした。

「招待状をもらった。だから王に用がある」

「なるほど、貴様が……な」

兵士はそう言うと、さらに訝しげにじろじろ顔を眺めてくる。

「本当に貴様がトカゲ砦を落としたのか」

どうやら疑っている顔だ。

「俺が落とした。でなきゃここに入ってこられないだろう?」

「確かにそうだな」

兵士は納得したように頷くと、「ちょっと待っててくれ」と言ってどこかへ歩いていった。
フレイは早いとこルルの捜索を開始したかった。
が、あまり下手なことをしてしまうとまずい。
ここは待つしかない。


数分後、兵士は意外なものをもって歩みよってきた。

「俺と試合をしてくれないか?」

それは2本の木剣だった。試合用の、木剣。

「トカゲに勝った腕前、見せてくれ」

「断る」

フレイは城に向き直り、歩き出した。
くだらない。
試合をするためにここへわざわざ出向いたわけじゃない。
といってもルルに流されて来たようなものだが。
このときにはフレイの頭には少し血が上っていた。

「今あんたに割く時間なんてないんだ」

「待てよ」

「待たん」

「おい」

「出直せ」

「俺が貴様を王様のところまで案内する役なんだぜ?」

「しつこ……なんだって?」

フレイは足を止めた。
この兵士が自分たちを王の間に案内する。
それはつまりこの兵士が同行しないと王のところには辿り着けないということを意味した。

「俺を倒したら案内してやる。どうだ?」

「骨が2、3本折れてもいいのか」

「望むところだ」兵士が木剣を放ってきた。

フレイは飛んできた木剣をだるそうに掴むと、力を抜いて構えた。
辺りを見ると、知らないうちに別の兵士達が集まっている。
面白半分。どうせそんなものだろう。
こっちは全く面白くないんだ。

「余所見するな、行くぞ!」

兵士が全速力で向かってきた。



勝負はすぐについた。
フレイの木剣の切っ先が、ほとんどゼロ距離で兵士の喉に刃を向けている。
兵士の木剣は、10mほど先に転がっていた。
所詮、兵士なんてこんなものだ。
トーテムのような力を持った者に太刀打ちできるはずもない。

「くっ……すげえ怪力だな、よくもそんな力が出るもんだ」

「それはどうも」

切っ先を兵士の喉元から地面に下げると、兵士に木剣を返した。
兵士は慌てて受け取ると、近くの兵士に手渡す。

「仕方ない、王様のところまで連れて行ってやる」

兵士は負けても、やはり偉そうに言った。

「ちょっと待て。連れがいるんだが、そいつが見つかってからにしてくれないか」

ルルを長く放置しておくだけ、フレイの不安は募る。
いつ城で騒ぎを起こすかわからない。

「見つかってから?」

「ああ、ちょっと前に城に入っていったみたいだ」

「そうか、なら早く探して来い」

……偉そうだ。

「偉そうだな」思わず口に出た。

「へりくだれとでも言うのか」

……それもそうか。
フレイは答えずに、城へ入っていった。



案外、ルルはすぐに見つかった。
城の廊下を歩いていると、とある兵士がフレイに声をかけてきたのだ。

「よう」

フレイは兵士に知り合いなどいないので戸惑った。
が、よく考えるとその声は男のものではなく、知っている声だった。

「何で兵隊服なんて着てるんだ? どこから手に入れた?
 まさか盗んだんじゃないだろうな?」

フレイの口調は、初っ端からどこかへ行ったルルへの怒りで速くなっていた。

「そのまさかだって。ああ、今ごろあの兵士震えてるだろな」

フレイの怒りなど気にせずに、ルルは極めて普通にそう言った。
もしかして、追い剥ぎか? 追い剥ぎなのか?
いや、まさかルルがそんなことを……やりかねない。

「……早く返してこい」

「はは、嘘に決まってんだろ。俺がそんな野蛮なことするわけないじゃん」

「いや、普通にしそうだと思うが」とはもちろんツッコミを入れずに、フレイは少し安堵した。
城に入ってすぐに厄介事が起きるのは困る。

「じゃあどこから手に入れてきたんだ?」

「いや、もうちょっと奥に行ったところのタンスの中に入ってた。
 女用の服もあったけど、似合いそうになかったからこれだよ」

「似合いそうになかった……って、お前は女だろ」とは案の定言えず、
フレイは何故わざわざルルが兵士姿になったのかを黙って考えた。
5秒ほどで、フレイの頭の中でその理由がぼやけた輪郭を持ち始める。

おそらく、ルルは一儲けしたいのだろう。
何らかの方法で、城の兵士達から金を巻き上げるつもりだ。
どうやるのかは想像を大きく超えるに違いないが、多分フレイにとってそれは有益でないのに違いなかった。
そうとなれば、止めるだけだ。

「とにかく、元の服に着替えて来い。待っててやるから」

「えっ、何でだよ」

「俺達はバーン王に会いに来たわけだ。その姿じゃさすがに会えないだろう?」

「う……そうだけどさ、でも」

「でもじゃない。早く着替えて来い。
 俺はいつでもお前なんてほっていけるんだからな」

そう言った瞬間、フレイは少し言い過ぎたような気がした。
本当のところ、そんなことは一つも思っていないのだ。
フレイ自身、ルルがいなくなって寂しいのは自分であるとわかっていた。

「ちぇ……わかったよ」

ルルはいじけたような顔つきでそう言うと、先ほどきた廊下を引き返していった。
何だろう。罪悪感?
それに似た感情がフレイの胸の淵に溜まった。

――いや、何故俺がそんな感情を抱くんだ。今日最も災難なのは俺じゃないか。
ドアは額にぶつかり、朝起きてすぐに活動を開始し、兵士と試合までさせられたんだ。
これ以上酷くなるのは誰でも御免だろ……

しかし、これは子をしつける親の気持ちに似ているのかもしれない。とフレイはなんとなく思った。
フレイにとってルルは子どもではないが、やはり色んな意味で幼い。
そういう意味ではなんら子どもと変わらないということを、しみじみとフレイは感じた。

親は子を守らなければならない。

フレイは気を引き締めた。











あとがき

どうも、カラスです。
久々ですいません。
そしてここまで読んで頂いて誠にありがとうございます。

正直なところネタはあったのですが、時間と意欲がなくてこれだけ時間がかかりました。
申し訳ありませんでした。

内容に関しては、プロット通りにいってません。
途中で出てくる兵士なんていませんでした。いませんでした。
しかし書く途中に勝手に出てきました。この兵士め!(何
そして次回も出します。ちょっと興味深い話してくれるかもです。かもですよ?
名前は考えてません。しかし、おそらくどう話が展開しても兵士A的な存在なので、名前なんて不要となるでしょう。

あと感想くれる方は良ければ感想ください。
感想は執筆意欲のエンジン。
エンジンなしの車は廃車ですぜ(何

それにしてもマジAさんどうしたのかな〜。
受験勉強でもしてると予想しておこう。

ではではカラスでしたー
pass>>


選択した記事にこのフォームで返信します。
name
url
mail
title
mesage
pass

p.ink