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シーナの幻想体験2 by MADAO 2007/11/30 (Fri) 21:11
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剣闘大会当日、エシュター君は予選を普通に突破しました。凄く早かったなぁ、それに加えて、
アルバート君は教頭先生と当たっちゃって負けちゃったみたい、本当に凄いね、教頭先生。
でもエシュター君はパン屋の店長さんと、剣闘部部長のナダさんも倒しちゃった。凄いね。
最終決戦はエシュター君対教頭先生、始まる前にヌベヌベール粉末教頭先生の手に掛けたけど、
大丈夫だよね…。最終決戦が始まって、既に雨が降っていました。エシュター君が教頭先生と、
凄い戦いをしました。この前始めたばかりなのにエシュター君凄いなぁ…。私指摘した、
構えも使ってくれている、少し嬉しいかな。あ、エシュター君も竜王の舞を使ってる、
教頭先生のロッカーから秘伝書見て覚えたんだよね、確か。凄いな、エシュター君。
教頭先生に勝っちゃったけど、好感度ステッカーは大丈夫なのかな?でもそれより、
エシュター君気絶しちゃったから明日お見舞いにでも行こうかな…でも迷惑じゃないかな?
迷惑じゃないよね…エシュター君、優しいし。

シーナの剣闘大会当日の日記より

前回のあらすじ
夕飯の買い物中に事故に遭ってしまった私は、不思議な世界に来ました。
それに私に世界を救って欲しいと頼まれてしまいます。
私は元の世界に帰る方法が分からないので、了承しました。
でも、戦闘になると野犬の死体を見て、嘔吐をしてしまう私。
これから先、私は無事に世界を救う事が出来るのでしょうか…。



「ど、どうしよう…大丈夫かな?クロウさん」

【元凶が何を言っている】

白目を向いて気絶してしまっている兵士さんの隣で慌てているのは私、シーナです。
突然走って来たものだから、少し試してみたいという意欲が湧いてきて、衝動に負けて、
巴投げが見事決まってしまいました。門番さんもこの光景に唖然としています。

「ヒッヒッヒ、凄いねぇあんた…」

後ろから聞こえる、おばあさんのような声。その声は後ろの狭い路地から出ていました。
奥にはかなり若く見ても、六十、七十代の老婆さんでした。老婆さんの前には少し胡散臭い、
赤い水晶玉の乗っている不思議な台が一つ。

「あ、ありがとうございます」

御礼を言っても良いのかはわかりませんが、頭を下げます。

「それより、あんたやる事がわからなくて迷ってるなんて事ないかい?」

老婆さんは正確に言い当てました。確かに世界を救ってと言われただけで、この世界の全ては知りません。
小さく頭を縦に振ると、老婆さんは小さな笑みを見せました。

「それなら占ってあげるよ、直ぐ済むからね」

老婆さんはそう言うと赤い水晶玉に手をかざすと、怪しく光り始めて三秒後には既に消えてました。

「ほう、北西の洞窟にあんたの助けとなる力が見えるね、行ってみたらどうだい?」

「分かりました、後で行って見ますね」

小さく笑みを浮かべている老婆さんを見ながら、同じ様に小さな笑みを零します。
何時もの平穏な毎日ならば放って置くのでしょうけど、この老婆さんはかなり、
いや凄く頼りになってくれる気がしました。その後、頭を下げて、目の前の建物、
ガラン堂、もとい武具屋さん、ですね。入ろうと思いましたが建物の前に立っている人が、
武器や防具が欲しいようなので腰にある剣、ショートブレードを売ったら224シルバで売れました。
私のマントも売って欲しそうな感じでしたが、流石に売ってはいけません。
そしてガラン堂に入ってチェーンメイルを買いました。多分鎖帷子と同じですよね?

「でもチェーンメイルって野犬位にしか効果無いような気もするけど…」

「え、そうなんですか?」

「正直トカゲ兵には効果が薄いかな、普通に勝てるのなら大丈夫だけど、
トカゲ兵に勝てる人なんて極少数だからね」

「はあ、そうなんですか…」

ガラン堂の店員さんの助言、これから先、そのトカゲ兵との戦いも控えている筈です。
もっと、強い防具が欲しいと思った時でした。

「なんなら、フォースでも覚えてみるかい?此処を出て右に行ったところにある。
チェーンメイルを買った値段で売るかい?」

フォースについて、クロウさんは説明してくれました。クロウはフォースの扱いが下手という事、
覚えたとしても使う機会が少ない事、私にとってチェーンメイルの方が得する事。
それを踏まえて、チェーンメイルを返却しました。そして直ぐに、フォースを売っている人の所へ行きます。

「ここ、だよね。フォースの売ってる所」

目の前の建物は変哲の無い他の物と変わりません。ですがドアノブには、
『フォース提供大サービス!期間限定!』と木の板に書かれて、ドナノブに紐で引っ掛けられています。

【違ったらこの木の板は何のためにあるのだ】

「私に聞かれても、分からないね」

兎に角、ドアの前でどう言っても中を見ないと分からないよね、うん。というわけで、
ドアを開けて中に入ると、修道服を着た、女の人。何処か知的な雰囲気が周りに漂っている様な気がします。

「どうも、おはようございます。未熟者故、大したフォースは扱ってませんが、どうしますか?」

女の人の言葉に対して、私は少し不安げに見て言います。

「あの、私でも覚えれます、よね?」

少し不安の篭った声でそう尋ねます。女の人は微笑んで小さく頷いてくれました。

「勿論です、あなたの記憶力が許す限りは覚えれますよ」

女の人はそう言い切ると、壺らしき物の中を覗き込んで、何かをしています。

「では、火炎のフォース。治癒のフォース。今回は初めてのお客さんとして、
一つ100シルバで覚えさせて差し上げようかと思います」

タダは無いみたい、少し残念だったけど、200シルバを渡して、火炎と治癒を覚えさせてもらいました。

【良いのか?フォースなどに金を費やして】

クロウさんの少し不安そうな声を聞いて、少し微笑みを浮かべます。

「大丈夫、良いから」

小さく呟きながら、女の人の建物から出ました。周りを見て、建物が複数あるのが見えます。
目の前に見える、他の建物と同じ様な家が目に入りました。

「ちょっと挨拶しよっかな」

【お、おいシーナ!何をしている!?】

「何って、お家の人に挨拶をしに行くだけだけど」

【良いかシーナ?我達は使命を果せば消える存在、有効関係など作っても…】

此処からは無視をして、全然聞いていませんでした。そんな誰とも話さないなんて、
人間じゃないと出来ない事なのにクロウさんは、その邪魔をしてしまっています。少し、
許せない気もするけど、私のトーテム。それに、クロウさんも、優しいから。
ドアの前に来てからでした、中から、子供の様な声。私の世界だと、まだ小学生位の声でした。

「じゃあ、姉さん、今日も北東の森で薬草を取ってくるよ。お姉さん、行って来ます」

足音が近付いてきます。私はノックしようとしていた手を下ろしました。そして直ぐに、
ドアが開きます。中から出てきたのは、それ程歳も行っていない、やはり小学生ほどの男の子でした。

「あの、今から出かけるので、用事なら僕が帰ってきてからにしてください」

「あ、ごめんなさい」

私は急いで其の場を退いて、男の子はもう何も言わないで街の外に出て行きました。その様子を見ていた、
クロウさんが呟きました。

【どうやら姉と弟の二人暮し、と言った様子の家だな。姉の方が寝たきりなのか、
中々辛い家庭環境のようだが】

「うん、そのようだね」

【にしても森に行く心が知れんな、見たところ武器も持っていないようだったが…】

さっきの男の子のおかしい所、丸腰ということです。普通の人で、丸腰で森に行くのははっきり言って自殺行為です。
しかも子供で、野犬にでも襲われでもしたら大変です。

「クロウさん、ごめんなさい。あの子追いかけるね」

【言うと思っていた】

私はさっきの男の子を追いかけます、でもクロウさんが言った時、少し笑っていたような気がします。
ほんの少し、嬉しいかな。それから私は、さっきの男の子を捜しに北東の森に行きました。
そこまでの道は橋が一本あっただけで、他には何もありませんでした。そして、難なく森に着きました。
ですが森は広く、十分森の中を歩いても、男の子は見つかりません。二十分歩き、少し諦め始めました。
そして、三十分。

【既にあの子供は帰ったのではないか?これだけ探していないのなら、そっちの方が可能性が高い】

クロウさんの帰ったのでは説、確かにこれだけ探していないのならワザと避けているか、私達の運が悪いのか、
または帰ったになります。私もその可能性を信じて、帰ろうと踵を返しました。ですが木々の間から見える光景は、
『緑色の何か』に剣で切り付けられて、木を背に倒れるさっきの男の子。私はその光景を見て、急いで走り出しました。

『さぁて…俺の手柄の為にも死んでくれや、人間…!』

振り上げられる、緑色の何かの剣。私は走った勢いをそのままに、体当たりをしました。

「させない!」

『ガッ!?』

体当たりが緑色の何かの脇腹に当たった様で、倒れて脇を押さえていた、その姿は、トカゲの様な人でした。
私の世界では正にコスプレと言っても良いですが、このトカゲ兵さんは鱗もあり、顔を横から見れば、
人間より遥かに長い顔でした。人間ではない事は一目瞭然です。トカゲ兵さんは、立ち上がって、
脇を押さえながら剣を片手で構えて私を見ます。

『人間の分際で………俺の手柄が無くなったじゃねぇかぁ!!』

怒り狂った様に剣を振り下ろす、トカゲ兵さんの剣。しかし剣は力任せに振っているので、腹部ががら空きでした。
私は左にサイドステップで避け、トカゲ兵さんには悪いですが思いっきりボディブローを入れさせていただきます。

『ゴフッ!』

流石に強化された私の体のパンチはかなり強力になっているようで、鎧の上からでも押さえる場所を、
脇から腹部へと移動させます。そして、完全に隙だらけなトカゲ兵さんの背後から抱き着くようにして、
狙うのは、首です。スルリと右腕を顎の下に通して、左腕で右手首を持って思いっきり引けば、
チョークスリーパーの完成です。

『ウ……グ……!』

必死に私の腕から抜けようとするトカゲ兵さんは、私の腕を掴んで引っぺがそうと努力をしています。
ですが長い顔のせいで確り首に極まってしまっていて取ろうにも取れないのです。
少しずつ、トカゲ兵さんの抵抗が弱くなってきます。息も苦しくなっているのが良く分かりました。

『ヒュー……ヒュー……』

次第にトカゲ人さんには意識が遠のいていってるようで、少し体に力が入っていません。
そして、トカゲ兵さんの首がガクンと、首が下に向いています。私がチョークスリーパーを掛けてから、
三十秒ほどで落ちました。そして、トカゲ兵さんを直ぐ近くの木に凭れさせてから、
トカゲ兵さんの鎧、剣などの武装を解除します。そして、直ぐにトカゲ兵さんは恐らく、
トカゲ人の私服であろう姿で目を瞑って気絶しています。

「ごめんなさい」

私はそう一言、謝罪を口にしました。出来ればこんな手荒な事はしたくなかったからです。
そして、トカゲ兵さんの武装を手に持って男の子の方へと向き直ります。

「君、大丈夫?怪我、したんだよね」

男の子の腕からは、小さいですけど服が斬れていて、少し血が流れていました。

「それより…あなたの、名前は?」

男の子は怪我の事よりも、私の名前を尋ねて来ました。尋ね事に、微笑んで答えます。

「私はシーナ=セフライト、これから宜しくね」

私は名前を言って、手を伸ばして握手を求めましたがその求めには答えない、男の子。
男の子は森の外に向かって少し歩き、立ち止まって私の方に振り返りました。

「私の怪我は大丈夫ですから…お元気で」

そう言ってまた森の外に向かって歩いていく男の子。その様子を私は姿が見えなくなるまで見ていました。

【あの者、いつもこんな危険を冒して薬草を取りに来ているのか?うーむ……】

「それは、後で聞けば良いんじゃないかな」

【そうだな、では先を急ごう】

私とクロウさんは森の外へ向かいました。時折トカゲ兵さんの方を見て、思いました。
人の言葉がわかるのなら、和平が出来るんじゃないかと思いました。勿論、
人とトカゲ人さんの間で何があったかは私は全く知りません。ですが、こうして言葉が同じなら、
話し合いで解決できるのではないかと思い始めました。そして、また思います。
戦いを無くそう、と。この決意が、後に私の戦いになることなんて、全く予想もしていませんでした。




MADAOの全く駄目な男説明


MADAOです、今回は色々と説明させていただきます。

まず、シーナさんについて。
シーナさんは病弱設定故、こんな戦い方おかしくないか?とお思いの方。
外見は全てシーナさんですが、中身は女主人公です、つまり体は超強いのです。
次、何故格闘技が使えるか。
実はこの物語、フォーゼル指名手配中なので、護身用に覚えようと片っ端から読んでました、
写真記憶で本屋です(エシュター家)しかもその中にはドラゴンクローやら真空波にさらに気功法まで、
角から角まで読んでしまいました。まあ超体質なのでWill使用しなくても出来ます。超強いです、
エシュターじゃ勝てません。教頭(剣闘大会当日)でも勝てません。
教頭がトーテム覚醒してからは確実に負けます。(トラさん)
それと、フォースの値段です。
本当は治癒100シルバ、火炎150シルバのところを無理矢理どちらも100シルバにして買ってしまった、
という理解不能な感じです。
次に、トカゲ兵を殺さなかった理由です。簡単にいっちゃったらトラウマですね、
野犬の。何でも死体なんて見たくないんでしょう、シーナさん。
という訳で魔王と神以外は生かそうと言う考えです。
最後に、説明の部分ですね。
現在の状況を説明するのはシーナさんです。読んだら気付いている人が多いと思います。それだけです。
進行方向も決まってきました。さて、これからもMADAOのテキスト、[シーナ幻想体験]をお願いします(ペコペコ)
ちなみにこのテキストジャンル、当初はシリアスだったのに少しずつギャグに行っている様な…まあ良いか^^
pass>>


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