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7451
炎の生贄  プロローグ by カラス 2007/04/15 (Sun) 10:44
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炎の生贄    プロローグ






巨大な祭壇が厳然とそこに佇んでいた。

左右には大きな槍のようなものがたててあり、中央には大きな盆のようなものがあって、そのなかに炎が灯してある。

他にも骨やら腐敗した食物やらがたくさんあって、悪臭が漂っている。


そんな祭壇の前に座る一つの影があった。

体・顔・頭は、黒いローブと深く被ったフードで見えなくなっている。


「あと、五十年……か」

低い声で黒ローブはそう呟いた。

男のようである。



数分の静寂の後、祭壇の炎が揺らめきだした。

「そろそろ『時間』か」

男は立ち上がって背後に体を向けた。

そして、片手を胸の前に突き出す動作をする。

「……来るのだ。『時間』だ」

男の前の空間が歪みだす。

やがて、歪んでいるところに亀裂が走り、ぱっくりと割れた。

中は暗闇だった。何も見えないただの暗闇。

この世の果てかと思う、闇だった。


コツ、コツ、コツ


足音が闇に響く。

闇から何者かが出てきた。

「……」

黒いローブ。

すっぽりと被ったフード。

闇のように漂う薄らな気配。


そこにも、黒ローブ姿の者がいた。

顔はわからない。

「こっちへ来い」
男が祭壇のほうに手招きすると、現れた者は何も言わずに従った。

男は炎の揺らめく盆の前に立たせると、自分は少し距離をおいてその前に座った。

「……動くな。始める」

男はそう言うと両手を真上に挙げて、仰いだ。

揺れていた炎が、さらに激しく状態を反らし、うねり、ねじれる。

「炎よ、大蛇のように肉を喰い、魂を葬る凶暴な炎よ」

盆の炎が巨大になっていく。

「この生贄の魂を蝕み、葬るがよい。『炎嵐』」

炎は祭壇と同じくらい大きくなって、身をくねりながら生贄に迫り……飲み込んだ。

肉の焼ける音とそれを焼く炎の音が辺りを支配し、肉の焼けた臭いは辺りに広がっていく。

それを男は目をそらそうともせずに、まじまじと見ていた。

フードの下の表情はわからない。



やがて、炎がおさまるとそこには誰もいなかった。

あるのは煙を吐き出す死灰と悪臭のみ。

「あと、五十年……か」

男は最初言った台詞をもう一度言った。












あとがき


お久しぶり、カラスです。
とりあえず、ここまで読んでくださって感謝感謝です。

あとがきで言い過ぎると読まれてしまいがちなのであまり言いません。
男が誰であるかもヒント無しです。
内容について一つ言えば、このシーンはバーン歴450年だということですかね。

感想は絶対に返すのでくれれば嬉しいです。


では、書くこと無いのでここまでで。

カラスでした

三月二十二日 誤字訂正
7452
炎の生贄  第1話「黒ローブ」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:16
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炎の生贄  第1話「黒ローブ」







――サーショ 宿屋「旅人の巣」




ここには四つ部屋があって、今は四つとも空いている。
なぜなら今は真昼だ。
町の人々は昼食を食べている時間だ。


ここの宿屋に入るとすぐ左側にテーブルが見えるが、
そこには今日三人の兵士が座っていた。
本業はどうしたのか、昼間なのに酒を飲んで大きな声で雑談をしている。

「もう最悪なんだぜ、聞いてくれよぉ」
「どうしたんだぁ?」
「タンスに隠してたへそくりが妻に見つかったんだよ、くそぉ」
「ひゃはははは!! だっせぇの! まあ俺は妻なんかいねぇから自由だがな」
「早くお前結婚したほうがいいんじゃないか?」
「んなもん兵士やってたらいつ死ぬかわかんねぇだろ!?
悲しませちゃかわいそうじゃねぇか!」
「ははは! かっこいいこというなぁ! そうだな、俺ら兵士だもんな!」
「トカゲなんてボコボコにしてやらぁ! がはは!
でも最期は寿命で死にてぇもんだなぁ」
「そうだなぁ、うん」
「殺されたくはねぇなあ……」

そんなよくわからない会話がなぜかしゅんとなって終わると、宿屋のドアがギィっと開いて何者かが入ってきた。
黒いローブにフード。慎重は低いほうで顔はわからない。
黒ローブはカウンター前のイスに座ると、意外に高い声で、「茶をくれ」とだけ言って黙り込んだ。
その声に不審に思って兵士達は揃って黒ローブを見つめた。
しかし、それは数秒の間で、またうるさい雑談を始めた。






うるさい雑談が再開されて五分後になる。

「そんでさ、朝起きたら百八十度回転してんだぜぇ!」
「ひゃははは! そりゃ傑作だなあ、おい!」

バンッ!!!

カウンターのほうで大きな音がした。
兵士達がいっせいに雑談をやめてそちらに目を向ける。

「うっせぇ、黙れよ、おっさん」

黒ローブだった。
音はこの者がカウンターの台を叩いたものだった。
今、この場にいる全員が怪しい黒ローブを見ている。

「はぁ!? なんだとぉ!?」
「この町守ってる人間に喧嘩うるのかよ」
「半殺しにされてぇみてぇだな」

兵士達は立ち上がって袖をまくしあげて、ポキポキと指を鳴らし始めた。

「お客様! やめてください! 店内で暴れるくらいなら外で……」

黒ローブは立ち上がって兵士達のほうに体を向けた。

「そりゃ、どうかなぁ?」

まったく動揺することなく戦闘態勢に突入している兵士達を見ている。

「きさまぁ……こっちからいくぞ」

腕を振り上げて一番前の兵士が黒ローブに殴りかかった。

黒ローブが動いたのは一瞬だった。

店員の悲鳴と衝撃音。

「かはぁ……」

弱々しい叫びをあげて、兵士が力無く床に倒れこんだ。
いわゆる『あそこ』を抑えて顔を引きつらせながらゴロゴロと転がる。
「きさま、どこを……」と残りの兵士のうち一人。
そうやって睨みつけているうちに黒ローブはしなやかかつ俊敏に体を動かして、兵士二人の目の前まで来ていた。

「っ――」

蹴りが一人目と同じところに見事に入る。
二人目が床に転がった。
地獄を見たような酷い顔をして、のた打ち回っている。

次は。

「ちょ、やめ……」

針穴をも通すような絶妙なキックコントロール。

「ぐはぁ」

三人目。終了。


「よえぇやつら」

そう吐いて黒ローブは白目をむいて気絶する三人に歩み寄り、彼らの懐から財布を取り出した。
犯罪だが、店員や他の見物人は唖然としていて何も言わない。

「へへっ、もらってくよ、おっさん」

財布三つをもった左手でバイバイ、と兵士に手を振ると、宿屋の扉に手をかけた。

「お客様、お代は……」

はっとしたようになって店員が言った。

「あぁ、それならあのおっさんたちからとっといて。まあ払う金はないだろうけどね」

最後にククっと笑ったような声を出して、黒ローブは宿屋から出た。




黒ローブは森へと向かうため、草原を歩いていた。
そして、そのさいに、盗った金を計算していた。

(あのおっさんたち、意外と金もってんな)

飲むための金だったんだろう、可哀想に。
そんなことを考えてくっくと笑いながら、既に金を抜いた財布三つを後ろに放り投げる。

(この変装も、もういいか、第一蒸し暑いし)

黒ローブはフードをあげた。

そこに現れたのは、整った顔。白い肌。後ろでくくった長い黒髪。

女だった。
女というよりは、16くらいの少女である。

(このローブもばぁちゃんに返さないと)

先を見ると、だんだん森が近づいてきていることに彼女は気づいた。

(野犬定食の材料でも持って帰ってやろっかな)

ふふん、と鼻歌を歌いながら彼女は森へ真っ直ぐ歩いていった。







あとがき



ども、カラスです。
読んでくださってありがとうございました!

即席ラーメンみたいな感じでぱぱっと仕上げました。
これからもぱぱっと書いていこうと思います。
そうしたほうが続く感じがしてるのでw

とりあえず主要キャラ。名前は次回ということで^^;
なんか男っぽい女を書くのって変な気分になります。
いや、その、変な気分というのは変な意味じゃなくてですね、
男にしか見えない感じがするので……ということにしといてくださいw


ではでは、カラスでした


三月二十一日 一部修正
三月二十二日 誤字訂正
7453
炎の生贄  第2話「隠れ家にて」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:17
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炎の生贄  第2話「隠れ家にて」






「帰ったよ」

そんな声がすると、黒ローブを着た女が梯子から降りてきた。
それと同時に茶色いふわふわしたものが床にドサリと落ちて、生臭い臭いが広がる。

ここは、フォース研究所、みたいなところで地下にある。
そして、リーリルから追放された、対魔王・攻撃用のフォース等の研究者が主に居住している。
言わば、ここは『隠れ家』だ。

「おぉ、皆、ルルちゃんが帰ってきたぞぉ!」

近くにいる、深緑のローブを着た中背で白髪の老人男性が女を見るなり、そう叫んだ。

「いつも帰ってきてんだろ。それに、ちゃん付けすんなジジイ」

ルルと呼ばれた女は、少し眉間にしわを寄せて、老人を睨んだ。
だが、老人はニコニコかニヤニヤかわからない笑顔でルルを見ている。

「ほっほ、そうやって怒る顔もかわゆいのぉ……まだまだ長生きせんとの」

プチッ……

「……」

ルルの中で何かが切れた。
ルルの体勢が低くなる。
そして、その足は後ろに高く振り上げられ、遥か上空へ蹴り上げるかの勢いで、風を斬り、旋風を巻き起こしながら、老人を襲う。

「ちょ、ちょっと……!」

が、ギリギリで止まった。

「寿命、縮めないでおくれ」
「さっさと死ねってんだ」

ルルが冷ややかに言葉を浴びせると、老人はとぼとぼと研究所の奥に消えていった。
その曲がった背中には『無念』という二文字が深く刻まれている。

「かえったのかい、ルル」

老人が消えると同時に今度はルルと同じようなローブを着た背の低い老婆が現れた。
しわの多い顔には不気味な鋭い目。
白髪交じりの、元は紺色であったはずの髪は、老魔女の雰囲気をかもしだしている。

「あぁ、さっき帰ったよ。あと、野犬定食の材料とってきた」

そう言うと、ルルは床に落ちている茶色いふわふわしたものを拾って放り投げた。
ドサリと老婆の隣に落ちて転がる。
同時に広がる生臭さ。
野犬定食の材料で茶色いふわふわしていて生臭い……というのは一つしかないので説明は割愛する。

「そういえば好物は野犬定食だったねぇ……」

珍しい、といったふうに隣に落ちている死骸に顔を向けながら老婆はルルを横目で見た。

「おいしいと思うんだけどな。でも、オーバの男好きよりマシだろ?
 書斎に隠しているもの、とっくにバレてんだけど。なんであんなものが好きなのか俺にはわかんないな」

老婆の名前はオーバというらしい。
そして、ルルはさっきの老人とは違う接し方をしているのが見て取られる。
オーバは不思議そうな顔をして、

「ヒッヒッヒ、隠してなんかないけどねぇ。
 それより興味が無いあんたがおかしいとあたしは思うね」

「俺は男だぞ? んなもん興味あるわけない!」

ルルは女だが(もちろん自分でもわかっているが)、男だと言い張る。
それには理由があるが、今は語らないでおく。
オーバは折れない子だねぇと思いながら、ニヤニヤとルルを見ていたが話題を変えることにした。

「それで、今日はいくら盗ったんだい?」
「いくらだと思う?」

ルルは懐からたんまり金の入った布でできた袋を取り出し、ジャラジャラと鳴らして見せた。

「1万、くらいだね?」
「あったり! 1万560シルバ!」

ルルは中身の金を少し掴んで紙ふぶきでもするかのように投げた。
床にジャラジャラっと転がると、先ほどの老人が出てきて一個ずつ拾い始めたが、ルルとオーバは敢えて無視した。

「盗ったのは……兵士だね?」
「ろくに仕事もしないのんだくれの兵士だったな。だから……」
「ブツを蹴ったんだね?」
「正解! あんときの苦しがる兵士の顔は見てて笑いそうになった」
「もし、それで使い物にならなくなったらどうするつもりだい?」
「知らない。蹴られた本人が悪いと思うけど」
「あたしもそう思うよ」

老婆がうんうん、といったふうに頷いた。

「それで、これからどうするんだい?」
「う〜ん……」

ルルは考えるようなポーズをして、十秒後口を開けた。

「まだ時間的には早いし、遊びにいってくる」
「ほう、遊ぶのかい。何して遊ぶのかは知らないけど、気をつけるんだよ」
「分かってる。あと、ローブ返そうと思ったけど、もうちょっと借りとく」

ルルはローブの襟らへんをくいっと引っ張って見せた。

「そんなに気に入ったかい?」
「姿隠すのに都合がいいんだよ」

そう言うとルルは降りてきた梯子をのぼりだした。
オーバはルルが梯子をのぼっていくのを最後まで見ていたが、
完全にルルが見えなくなると、奥の書斎へと姿を消した。









あとがき

ども、カラスです。
ここまでよんでいただき、誠にありがとうございます。

これかいて保存しようとしたら消えてしまったので二回書くことになってしまいました;
ああいうときってほんと腹が立ちますねってそんなことどうでもいいか(汗

今回は短いです(全部短いけど)
とりあえずオーバとのつながりがルルにはあります。
どういうつながりかはあとあとわかると思うので言いませんが……
まあだいたいわかるかと。
まだリクレール側誰も出てきてませんがそろそろ出すつもりです。

あまりいうことないのでここらで終わります。

ではではカラスでしたぁ〜

三月二十二日 誤字訂正
7458
炎の生贄  第3話「リーリルの騒動」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:18
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炎の生贄  第3話「リーリルの騒動」





均等に敷き詰められた石の地面。
美しい色鮮やかな花々。
色彩感溢れる建築物。
華やかさを感じさせる像。
計算された美の具体化……。

ここはリーリル。フォースの街である。
ここにはたくさんのひとが訪れる。
フォースを伝授してくれる『理力館』や、
フォースで治療することの出来ない毒などの解毒を扱う『クラート医院』、
そのほかにもたくさんの店が並びたつ大きな街であるからだ。

その中でも、広場は人々の憩いの場となっていた。
中心には噴水があり、この噴水はフォースを物に込めて維持させる技術を使用している。
その水のアートを見て人々は癒しを得ていたのだ。


時は夕暮れだが、その広場には大きな人だかりが出来ていた。
やや大きな円状になって人々は集まっているため、外側からではまったく内側が見えない。
すると、人だかりの一部が突然開けた。
そして、一人の男がそこから転がってくる。
筋肉質で屈強な体つきをした男だった。
しかし、苦痛に顔を歪めている。

「く、ぅ……ま、参った」

その男は腹のあたりを抑えながら人だかりの中心にいる人物に向けてそう言った。

「へへっ、また挑戦まってるからな!」

人だかりの中心から女のような高い声が響いた。

「次の挑戦者〜、次の挑戦者はいるかな?」

ルルだった。
あいも変わらず黒いローブにすっぽりフード。
手にはジャラジャラ布袋。

「勝てば今なら5万シルバだ! 参加料はたったの1000シルバ!
見物するのは100シルバだ!」

声を張り上げてルルがそういうと、見物人はつぎつぎに金を投げだした。
地面には地面が見えないくらいたくさんの金が散らばっている。
集めればどのぐらいになるのだろうか。
いや……それ以前にこんなことやっていいのだろうか。
まあ、言ってしまえば、ルルにとってやってはいけないことなどそれほどないのだけれど。

「つえぇよなぁ、あの黒ローブ。あの回し蹴り、見たか?」

止めもせずに観客の一人に加わってしまっている兵士のうち一人がそう言った。

「見た。目にもとまらぬ速さだったなぁ。しかし、声が高いってのはなんでだろうな」
「もしかして、女だとか?」

横目でルルを見ながらひそひそと言う兵士。

「そんなわけないだろう、あの強さだぜ? しかも動きにくいローブを着てフードを被ってるときた。
 男じゃないとできないだろう? 疑うなら聞いてみたらどうだ?」
「そうだな。お〜い、黒ローブの人!」

ルルは兵士の声に気づいて、

「ん、挑戦者?」

足早に兵士に近づいてきた。

「ち、違う。あんた、もしかして女かい?」
「おいおい、俺が戦ってるの見ただろ? 女に見える?」
「やっぱそうだよな〜。こんなにつえぇ女いねぇよな」
「俺は生まれつき、声が高えんだよ! 気にすんな」

そう言ってルルは中心に戻っていった。

「さあさあ新たな挑戦者は……おっと、挑戦者?」

ルルの前に長身の兵士が出てきていた。
腕の太さはルルの三倍はあって、見るからに強そうな体格をしている。

「「あ、あれは……ホラス隊長!」」

先ほどルルに質問した兵士二人はとっさにそう叫んだ。
場内が静かになる。

「おまえたち、何故ここにいるんだ。仕事はどうした」

ホラス隊長と呼ばれた巨漢は低く太い声でそう言って二人をにらみつけた。

「あ、いえ、その……隊長こそどうしたのですか?」

恐る恐る兵士が訊いた。

「うむ、この騒ぎをとめようと思ってな。勝てばとまるだろう?」

ホラスが今度はルルを睨みつける。

「「さすがは隊長! がんばってください!」」

兵士はまたもや声を揃えてそう言った。

「ごちゃごちゃ言ってないで参加料払えよ」

ルルは軽くそう言って布袋を広げて、「入れろ」といった風にした。

「金入れたら開始だからな」
「うむ」

ホラスは低く返事をして……
1000シルバを入れた。

それとほぼ同時にホラスの右足が動き、ルルの脇を横殴りにえぐろうとする。

(……遅い)

ルルはそれをいとも簡単に軽く後ろにとんでかわし、挑発するように手招きした。

「遅いなぁ。隊長ってそんなもん?」
「貴様……」

ホラスが素早く間合いを詰めて、右手で頬を殴りにかかった。
それを守ろうとルルが片腕をあげる。
しかし、ホラスの攻撃はフェイントだった。
インパクトの直前に右手を引き、素早く身を屈ませ、顎を殴りにかかる。

(決まった)

ホラスは思った。
そして、衝撃――

はなかった。
彼の拳は空をきった。
そして、どうすることもできずに転倒する。
起き上がると、背後に黒ローブが佇んでいるのが見えた。

「どこねらってんだよ。ちゃんと狙えって」

ルルは腰に手を当てて、ホラスを見下ろして言った。

「どうやって避けた?」

ホラスが険悪な顔になって訊ねた。
次第に顔が赤みを帯びてくる。

「どうやってもなにも普通に……」
「俺を侮辱するつもりか」

ホラスの血管が浮き出ている。
これは……

(早く決めたほうがよさそうだ)


「今度こそ、行くぞ」

ホラスがルルにむかって突進してくる。
今度は何をするつもりだろう。
どうやって反撃しようかとルルが考えていると、
ホラスの手もとに何かが光るのを見た。
あれは……ナイフだ。

(卑怯なやつ。……仕方ない、あれを使うか)

ルルは頭の中でタイミングを取り出した。
この技はタイミングが命だ。
外せば、死ぬとはいかなくても傷ぐらいは負うかもしれない。


もう、すぐそこにホラスの体が近づいてきていた。
そして、ナイフを手に持って……斬りつけてくる。
刹那のタイミング。
ルルは高く飛んだ。
ホラスの視界から黒ローブが消える。
そして、歪むホラスの顔――






「隊長! 大丈夫ですか!?」

兵士が、頭から血を流して倒れているホラスに近寄っていく。

「うぅ……は、運べ。この場から消え去りたい……」

兵士二人でこの巨漢を運ぶのは大変そうだったが、クラート医院が近くにあったのでそちらに運ぶことにしたようだった。

「また挑戦まってるからな!」
「くそが……」

ホラスは苦しそうにそう言うと、遂に失神した。






気づくと、辺りは暗くなり始めていた。
ルルはもうここらで終わりにしようかと思い、散らばる金貨を拾い出した。
そうするにしたがってだんだんと人は減っていき、遂に誰もいなくなった。
しかし、金貨は予想以上に多く、時間がかかる。

コツ、コツ、コツ

すると突然、辺りに足音が響いた。
こちらに近づいてきている。
ルルはしゃがみながら金貨を拾っていたので、そのまま顔を少しあげると、目の前に誰かがいることがわかった。
紺色のマントに、旅人のような身だしなみ。

「お手合わせ願おうか」

そして、高めの青年の声だった。
ルルは立ち上がって、試合を申し込んだ相手を直視した。
高めの身長に、紺の髪。
そのしたには、深い青の瞳がこちらを見ている。
ルルにとって、これが彼との出会いだった。










あとがき

どうも、カラスです
ここまで見てくださっているということは……
毎回読んでいただきありがとうございます!

今回は結構ながめに書けたと思います。
戦闘シーンはどう見えるかはわかりませんが、こんなかんじかなと思ってます。
あんまりひっぱらずに、ひっぱるとこはひっぱっていきたいとおもいます。

ホラス隊長は勝手に出したキャラです。
でも、もう一回でてくるかはまだわかりませんw
ルルの戦闘能力の高さを出したかっただけなのでなんともいえません。

そして、最後に出てきた青年は……わかりますよね。たぶん。

次回も戦闘入りそうです。
がんばります!(何

カラスでした〜


三月二十二日 誤字訂正
7464
炎の生贄  第4話「青瞳の青年」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:18
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炎の生贄  第4話「青瞳の青年」






夜のリーリルは、昼のリーリルと比べ物にならないくらい静かだ。
美しい色鮮やかな花々。
色彩感溢れる建築物。
華やかさを感じさせる像。
それらのもつ優雅な色たちは全て闇に掻き消され、昼のような顔を見せることはない。
広場の噴水も既に停止してしまっていて、人々もいなくなっている。
昼のリーリルが生きているのなら、夜のリーリルは死んでしまっていると言ってもいいくらい物寂しい。


そんなゴーストタウンに、珍しく動く影が二つあった。
リーリルの闇に溶け込んだようになって二つともが激しく動き、衝突する。
左の影が近づいて、激しく旋風を起こすかのように体を回転させ、向かい側に立つ影に蹴りをいれようとすると、
その影は蹴りを軽く腕で受け止めて、右足で反撃する。
防がれた影はその右足をきわどいところで後ろに飛んでかわし、体勢を立て直した。




(こいつ……強い)

ルルは少し相手と距離をとり、体勢を立て直しながらそう思った。
今まで、ルルは自分の攻撃が完全に防がれたり、ほぼ一発で決まらなかったりしたことは無かった。
それなのに、この青い瞳をした青年はルルの攻撃を完全に防ぎ、しかも反撃までしている。
そして、今まででルルが繰り出した攻撃の数は既に10を超えている。
ルルは焦りを覚えた。

「これでもう攻撃はおしまいか?」

青年は少し口元を緩ませながらルルを見てそう言った。

「くそ……」

ルルの体勢が少し低くなる。
そして、青年との間合いを一瞬で縮め、回し蹴りを繰り出した。
腰の回転を利用した回し蹴り。
その蹴りは渦を生み、空気を裂くようにして青年の首もとを狙う。
だが、その一瞬の間に青年の体は前に素早く移動していた。
彼はダメージの少ないルルのももあたりを腕の外側で軽く受け、一瞬で左足を動かし、ルルの腰にひざげりを入れようとした。

「くっ――――」

ルルは膝蹴りを右腕でガードし、後ろに飛んで、体勢をたてなおした。
しかし、そのとき、右腕に軽い痛みが走った。

「今度はこっちからいかせてもらおうか」

青年が、間合いを先ほどのルルより速く縮めてきた。
そして、繰り出される右の拳。
ルルの右頬を狙っている。

(速い――)

避けきれないと思い、ルルは拳を受けようと左腕を上げ、防御に入った。
そして、衝撃――
またもや、軽い痛みが走る。

(重い……)

次に繰り出されるは左の拳。
獅子奮迅のごとく岩をも砕く勢いで迫ってくる。
ルルは辛うじてその拳を受け止めるが、ビリビリと腕がしびれた。

次は右足がルルを襲う。
ルルは左足を体にひきつけて、足から体を守ったが、次に繰り出されるであろう技に対応しきれないと思って後ろにとんだ。
しかし、すぐに青年は間合いを詰めてくる。
そして、右の拳で最初と同じように右頬をねらってきた。
ルルも最初と同じように左腕で防御の体勢をとる。
そして、衝撃――

はこなかった。
青年の姿が一瞬ルルの視界から消える。

(これは……!?)

ルルははっとして思い出した。
これは、ホラスとかいう兵隊長がやろうとしていた技だ。
ルルの右下から青年の拳が恐ろしい速さで迫るのが見えてきた。
顎を……狙っている。

(くそ……!)

ルルは精一杯体を反らしてその拳を避けようとした。
刹那。
目の前を拳が通過するのが少し見えた。
だが……

ガバァッ――!

そんな音がするとともに、ルルの髪が直に外の空気に晒される。

「あ……」

フードが外れてしまったのだった。
そして、青年の攻撃の反動と驚きで地面に尻餅をついてしまった。

「やっぱり、女だったか」

青年はいつのまにかルルと距離を取って向かいに立っていた。

「……違う」

ルルはフードを被りなおした。

「そうかい。それで……この勝負は俺の勝ちってことでいいのか?」

ルルが立ち上がって、構えた。

(まずいな……でも金は渡せない)

ルルはそう思った。
そもそも、オーバたちの収入源の六割がたはルルだ。
この金が0になったら、困るというレベルじゃない。

「まだ終わっちゃいないし、負けるわけにはいかねえんだよ!」

ルルは強気にそう言って、

「ということで」

青年と逆の方向に体を向けた。

「またな!」

ルルは全速力で走り出した。











「はー、はー、はー……」

ルルは座って木にもたれかかり、息を切らしていた。
なんといったって、リーリルとここまでの距離は長い。
それを止まらず、駆けてきたのだからさすがのルルでも息は切れる。

ルルはオーバたちのいる隠れ家まできていた。
そして、今日はとんだ目にあったなぁと思いながら、隠れ家の目印の土を探していた。
見つけると、いつもどおりに土をどけて、いつもどおりにそのしたにある板を外す。
そして梯子を降りようとしゃがんだ、そのときだった。


「おまえの家はそこなのか?」


ルルは凍りついた。






あとがき


すでスラカ、もうど(ヒント:From右(何)

ここまでよんでくださってありがとうございます!

第4話は殆どが戦闘になってしまいましたが……どうでしょうか。
書いた本人にはわからないのでなんとも言えませんが。



結局力ではルルは男主には及びませんでした。
上には上がいるもんです(何
そんで隠れ家までバレちゃって次回はまあなんとでもなれ的な感じで(ぇ


てか戦闘シーンってむずいですね。
特に不利な戦闘は。
勝っちゃう戦闘はノリよく書けるんですけどね……。

ではではカラスでした〜


三月二十三日  誤字訂正(誤字ばかりすいません;
四月八日  ちょいと改訂
7466
炎の生贄  第5話「夜、隠れ家」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:19
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炎の生贄  第5話「夜、隠れ家」




夜の森は真っ暗だが、ここは木が少なくなっていて月光が差し込むため明るくなっている。
また、草のほうはまるで芝のようになっているし、
花だってここには咲く。
それはもちろん月光だけでなく日光もさすからであって、ここだけは森の生きている部分だった。
また、森の中ではここにだけ岩が二つあり、しかも座りやすい大きさで、そのうえ向かいあっている。
ちょっと考えれば、ロマンチックな場所、なのかもしれない――






「な、な、な、何でついてきてんだよ!」

ルルは、木にもたれかかって腕組みをしている青年から、尻餅をついた形で自分でも驚くほど急速にあとずさった。
その反動でフードがまたもや青年の前で外れる。

「確か、『またな』って言っただろ?」

青年は何ともないふうに無表情でそう言った。
そして、腕組みを解いてルルのほうに近づいてきた。

「いや、あれはそういう意味じゃなくて……って近づいてくんなよ! どっかいけ!」

ルルがそう叫んでも、青年は足をとめようとはしない。

「あんた俺が言ってること分かってるか!? 消えろっていってんだよ!」

さらにルルが悪態をつくと、

「ごちゃごちゃうるさいな……。俺はそこのお前の家に用があるのさ」

青年は既に開いている隠れ家の入り口を指差した。

「あ、そうだったのか……」

ルルは恥ずかしさに少し口ごもった。
だが、気づいた。

「って……用があるって何の用があんだよ。俺の後つけてきたくせにあるわけないだろ」
「どうだろうな」
「『どうだろうな』、ってどうもないだろ……」

ルルの言葉はもう気にせずに、青年は隠れ家への梯子を降り始めた。
が、途中で止まってルルを見るとこう言った。

「そうだ。帰るとき金返せよ」

青年が梯子を降りていって、やがて見えなくなる。

「絶対返さないからな!」

ルルも青年に続いて梯子を降りた。





(何でこんなことになったんだ……?)

ルルはお馴染みの梯子を降りて、いつも帰ってくる隠れ家と、目の前にある背中を見ながら思った。

(俺が悪いのか、こいつが変なのか。どっちにしても意味不明すぎだろ……)

青年は今日会ったまったく見ず知らずの人間で、ある程度強いのは認めはするが、なんでこんなやつがいきなりここに足を踏み入れてくるのか、謎だった。
それに、謎といえば多すぎる。
ルルは全速力で走ったのに、青年は既にあそこにいた。
つけてきたなら後から到着するはずだし、もしも行き先を予測できて先回りを考えられたとしても無理がある。

(一体……なんなんだよ、こいつ)

そうこう考えているうちに、奥からオーバがゆっくりと出てきた。
だが、またもやルルにとって予想外な出来事がここでおこる。

「来たね」

オーバが気軽に青年にそう話し掛けたのだ。

「オーバ……こいつ知ってんのか?」

ルルは素っ頓狂な顔をして、思わずそう訊いた。

「今日の朝、サーショで占ってやったんだよ。
 結果的には何も出なかったけど、ここで集中して占えばと思ってねぇ」
「あ、なるほどな……」

ヒッヒッヒ、とオーバは少し笑って、

「それで、なんであんたたちが同時に来るんだい?」
「道案内をしてもらったのさ」

青年はどういうわけかそんなありえないことを口にした。

「道案内……ってんなことしてないだろ。あんたが俺についてきただけで――!」
「なるほどねぇ……そういえばルルのことあんたに教えたねぇ、ヒッヒッヒ」

青年が軽く頷いた。

「黒ローブを着てスッポリとフードを被っているといったら、一人しかいない」
「って何教えてるんだよ……もうちょっとで俺はこいつに!」

ルルが大声でそう言って、眉間にしわを軽く寄せて青年を睨むと、青年はルルとは目をあわせずに、隠れ家の奥の方を心配するように見た。

「それより、静かにしたほうがいいんじゃないか、ルル。この時間なら寝ている人間もいるだろ」

それはもっともな意見だったが、ルルの左眉がぴくりと動く。

「一回俺の名前が出てきたくらいで呼ぶな!」
「いいだろ、別に。俺の名はフレイ。ルルも呼べばいい」
「さらっとなに自己紹介してんだよ! くそ……」
「でも、本当に静かにしたほうがいいと思うがねぇ」

シー、というふうにオーバは人差し指を口に当てた。

「ご、ごめん」
「じゃあ、女は寝室へ、男はあたしの書斎へ、ってことでどうだい?」
「俺は男だって――!」
「ヒッヒッヒ……じゃあね、また明日」
「そういうこと。じゃあな」

オーバとフレイは書斎へと消えた。


ルルは一人取り残されて、思っていた。

(まったく……今日は俺の厄日だな。もう寝よう)

ルルも、自分の寝室へと姿を消した。







あとがき


どうも、カラスです。
毎回毎回読んでくださってありがとうございます!

今回はなんか短くなってます。
理由はよくわかりませんが、場所を移動したりしないシーンは書く量が自ずと少なくなってしまうようです。
たぶん背景描写が少ないからかなと思っていますが、どうなんでしょう。

とりあえず、男主の名前はフレイです。
思い浮かんだものをつけているので名前がストーリーに絡んでくることはあまりないでしょうが……。
また、フレイ君は精神年齢はルルより高いということは読んでいればわかると思います。

てか自分で書いててルルが男としか見えなくなりつつあります。
そして、読んでる人はどうみえてるんだろとか思ってビクビクしてます(汗


あと、最初、ストーリーは早く進めようと思っていたんですがなかなかすすみません(汗
このままだと終わるのはいつになることやら^^;

ではではここらで終了です。

カラスでした〜


三月二十三日 誤字訂正
7467
炎の生贄  第6話「同行」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:19
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炎の生贄  第6話「同行」








「ここがあたしの書斎さ」

オーバは、前を向いたままフレイにそう告げた。
奥には人一人が使えるぐらいの大きさの、木でできた机とイスが置いてある。
そのまわりは壁の代わりに本棚があるようになっていて、いかにも書斎という感じがした。

フレイは、本棚に並ぶたくさんの本のタイトルを眺めた。
それらは、

『理力の連続性』
『理力開発録』
『理力学』

などで、とにかくフォース関係の書籍が多い。

「読んでみてもいいかい?」

フレイがそう訊くと、「いいよ」とオーバが言ったため、フレイはそれらのうちの『理力学』という本を手にとってみた。
ずしりと重量が手に伝わり、その分厚い本の真ん中あたりを開いてみると、見事なまでに文字がところせましと躍っている。
フレイは苦笑いをして本を元に戻した。
そして、後ろの本棚を見た。
すると、フレイは一冊明らかに色の違う本を見つけた。
手にとって、表紙を見ると、こう書いてある。

『男の全て』

フレイは少し眉をひそめて、すぐさまそれを元に戻した。
すると、これ以上探るなとでも言うかのように「コホン」とオーバが咳をする。

「それで、何について占ってほしいんだい?」

オーバはそう話をきりだした。
「それは」と、青年は言葉を区切って、言った。

「俺についてだ」

「あんたについて、ねぇ。何でそんなことを占うのかは知らないけど、やるよ……」

オーバが机の水晶玉に集中する。
すると、赤い水晶玉の中心が黒くうごめき始めた。
それをオーバはじっと目を離すことなく見ている。
だが、そのうごめきは緩むことも変形することもなく、水晶玉の中心にずっとあった。
オーバの顔が驚きの感情を帯びる。

「何か出たのか?」

そうフレイが訊いた。

「まったく不思議だよ。このうごめく黒い靄みたいなものが見えるかい?」
「ああ、見える」
「これはいつもあたしに何かを教えてくれるのさ。でも、あんたのことを聞いても何も教えてくれないのはどういうことかねぇ」
「そうか……」

朝の結果と同じだったので、フレイは肩を落とした。
だが、すぐにオーバのほうを向く。

「じゃあ俺についてのことはいい。今、俺がすべきことを教えてくれ」
「あんたがすべきことねぇ……」

またオーバが水晶玉に集中する。
すると、黒いうごめきは停滞するのを止めて、渦のようなものを巻き始めた。

「力の渦が見えるね……」
「力の渦?」
「そうさ。どうやらここから東へいったところにある洞窟がその中心のようだねぇ……」
「じゃあ、俺はそこへ行けばいいんだな?」
「そうなるね」

その言葉を聞くと、フレイはオーバに背中を向けた。

「今すぐ行くのかい?」
「そうするつもりさ。世話になったな、感謝する」

フレイは書斎から出ようと歩き出した。

「いやな予感がするね……気をつけるんだよ」
「わかった。じゃあ」

フレイの姿が書斎から消えた。




「……」

ルルは自分の部屋のベッドで寝転がっていた。
暗闇の中で、じっと天井を見つめている。

部屋にはベッドの他に、ちょっとした書物やシャレた色の敷物、タンスなどがある。
タンスの中には服はもちろん入っているが、意外なものも入っている。
それは、短剣・長剣・大剣・ナイフ、などの武器だ。
ルルが稼いだ金で余った分は半分ルルに返還されるので、ルルはその金でこつこつと武器を買っていった。
それがこのタンスの8割のコレクションなのだ。

また、ルルの部屋は、オーバの書斎に行く途中の廊下に隣接している。
そのため、ここを通る人間の足音はよく聞こえる。


(くそ……眠れない)

ルルは寝付けずにいた。
そして、今まで天井を向いていたが、少し体を持ち上げて右半身が下になるように横を向いて寝転がった。

(なんで寝付けないんだ……?)

どうしてかはわからなかった。
不眠症にでもかかっているのだろうか。

(それにしても、俺、初めて負けたんだな……)

ルルの頭の中で、鮮明にリーリルでの戦闘が思い出された。
あのスピード、重さのある攻撃、反応速度。
まったく歯が立たなかった。
今もまだ、気にはならない程度だが、拳を受けたところが少し痛んでいる。

(畜生……! もうちょっと動きやすい服装なら勝てたかもしれねえのに!)

ルルはベッドを右腕で強く叩いた。
どすん、と低い音が暗い室内に短く響く。

(いつか、必ず負かして……)

そう思っていたとき、廊下を歩く音が聞こえてきた。

(え、もういくのか……。えらく早いな)

ルルがここでベッドに入ってから1時間も経っていない。
いくらなんでも……、とルルは一瞬思ったが、見ず知らずの他人だということを思い出した。
しかし、このままもうここには戻ってこないのではないかという考えがルルの脳裏をよぎる。

(くそ……このままじゃ俺はあいつに負けたことになる)

ルルは上半身を持ち上げて、誰もいるはずのない部屋を右、左と見回し、ベッドから出た。

(……つけよう)

ルルはタンスから短剣を二本、ナイフを三本取り出した。

(護衛用……っと。服は黒ローブでいいか)

床に脱ぎ捨ててあるローブを、就寝用に今着ている薄くて軽い白のローブの上からルルは着た。
フードは被らずに、先ほど出した武器も、黒ローブの内側のポケットのようになっている部分にしまう。

(よし、行くか)

ルルは部屋から物音を立てないようにそろそろと出ると、梯子のところまで行って、上りだした。


今日も、月光は明るくここを照らしていた。
ルルが梯子がかかっている穴から顔を出すと、今日もたれかかっていた木にもたれかけ、腕組みをしながら目をつぶっているフレイを見つけた。
ルルはとっさに顔をひっこめた。

(なんでまだ居んだよ!)

ルルはそう思って息を殺していたが、

「そこにいるんだろ? 出てこいよ」

と、思わぬ声が飛んできた。
見事にばれている。
観念してルルは隠れ家の入り口から出た。

「そこで何をしてる?」
「何をって……別に何も」
「そうか。なら俺は行くぞ。じゃあな」

フレイは短くそれだけ言って、森に入っていく。
ルルはフレイとの距離を一定に保ったままつけていった。


「なんでついてくるんだ?」

森に入って少し時間が経ったころ、フレイはルルに向き直ってそう言った。

「俺が行くところは危険だ。ついてくるな」

フレイはきつくルルに言ってまた前を向いて歩き出した。


「待てって」


ルルの声が静かに響いた。
フレイは立ち止まり、再びこちらを向く。

「俺はあんたに負けた。だから、あんたに勝たないといけない。このまま逃がしたら俺は一生負けたことになる!」

ルルがそう言うと、フレイは微笑して言った。

「お前はおもしろいやつだな」

ルルの左眉がぴくりと動く。

「何がおもしろいんだよ! 本気でいってんだ」
「それがおもしろいっていってるのさ」

今度はフッとフレイは笑った。

「しかたない、ついてくるならついてきたらいい。そして、いつでも攻撃してこい。いつだって相手になるさ」

そう言い終えると、フレイは前を向いて歩き出した。

「後悔すんなよ」

ルルはフレイとの距離をさっきより縮めてつけていく。

「望むところだ」

フレイは少し口元を歪ませた。



それから数秒後のこと。

「あ、そういえば――」

フレイはそう言って少し後ろを歩くルルを見た。
そして言う。


「金返せよ」











あとがき

どうも、カラスです。
読んでくださって誠にありがとうございます!


とりあえずコンビの成立です。
なんか理由がよくわかりませんね・・・すいません。

ん、まだトーテムが出てきてないって?
まあ細かいツッコミはなしにしてください。
ちゃんと考えてはいますので。

あと、ルルが絡んだシーンは書きやすいことに気がつきました。
最初のフレイとオーバのシーンは書きにくかったです;;

ではではここらで閉めます。

カラスでした。
7473
炎の生贄  第7話「結界」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:20
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炎の生贄  第7話「結界」





夜半の軟風が、蒼いマントと黒いローブをなびかせていた。
辺りには、浅緑の鮮やかな野辺が広がっていて、真夜中でもその色彩が分かるほど晧晧と地表を照らす月は天高く昇り、日の入れ替わりを告げていた。
コウモリ達は美しい月を嫉み、覆い隠すかのようにバサバサとその漆黒の翼を羽ばたかせ、明るい夜更けを不気味に舞っている。




「ここはいつもこうか?」

明るい月下に広がる草原と飛び回るコウモリを漫然と眺め、歩きながら、フレイは後ろをついてくるルルに話し掛けた。

「そうだけど……なんでそんなこと聞くんだよ」
「ルルのばあさんが教えてくれたが、今俺が行く先が『力の渦』とかいうものの中心らしい。

変わったことでもないかと思ってな」

「変わったこと、か……。今んとこ無いな」

そう言ってからルルは、何かを思いついたようににやりと笑った。

「あ、あれは……」

そう言いながらルルはフレイから見て右前のほうを指差す。

「なにか変わったものでもあったか?」

フレイはルルの指した方角に視線を向けて言った。
それを聞くと、突然ルルはフレイとの距離を縮め、その左手を俊敏に動かせて、フレイの右肩を狙って直進させた。
だが、

「おっと……危ない危ない」

とフレイは軽々と左に体を傾けて奇襲攻撃をかわした。

「ちっ」

ルルが悔しそうに舌打ちをする。

「もう五回目だぞ、その手はもう諦めたらどうだ?」

あきれたようにフレイはそう言ったが、ルルは何も返さず、またさきほどと同じくらいの距離をとってフレイの後をついていった。
すると、数十秒後まったく懲りた様子もなくルルはまた、「あ……」と声を出した。

「しつこいぞ」

フレイが即座に後ろを向いて間髪を入れず咎めた。

「いや、あれ見ろよ」

しかし、ルルはフレイの前方を指していた。

「どうせ見たら攻撃してくるんだろ?」

顔を微妙にしかめてフレイは腕組みをした。

「しねえよ……。で、あれがオーバが言う『力の渦』の中心か?」

しかたなくフレイはルルの指差す方向を、背後に神経を研ぎ澄ましながら見た。
最初は暗闇でよくわからなかったが――月は明るかったが視界はよくなかったのだ――、
黒っぽい茶色の壁みたいなものが随分先にそびえているということにフレイは気がついた。
同時に、それがごつごつした岩の集まりであることにも気がついた。
そして、よく見ると中央に大きな穴も見えた。

「あそこなら俺行ったことあんぞ」

フレイが洞窟を確認したすぐ後、ルルはそう言った。

「それは本当か?」

フレイは疑わしそうにルルに振り返る。

「一応ここは行動範囲だからな。でも、ちょっとは信用しろよな……」
「さっきので五回目の奇襲をしかけておいてそれは難しいと思うぞ。それで、中はどうなってるんだ?」
「普通の洞窟さ。コウモリがたくさんいるけど雑魚すぎて全然危険じゃない。でも奥まではいけねえよ」
「何故?」
「結界が張ってあんだよ。俺が思いっきり蹴ってもビクともしねえ」
「結界か……ますます怪しいな。行ってみるか」
「無駄だと思うけど……好きにしろよ。俺はあんたについてくだけだからさ」

フレイとルルは少し早足になって洞窟への道を急いだ。




「この洞窟が『力の渦』の中心か」

フレイは、先の見えない洞窟の奥を眺めながらそう言った。

「オーバがそう言ったならそうなんだろうな。それにしてもこいつらうざいな……」

ルルは、たかってくるコウモリを短剣で斬り殺している。


遠くから見えた壁のようにそびえる黒っぽい茶色の壁は大した大きさではなかった。
しかし、洞窟は地下へと掘り下げられていて深く続いている。


(この洞窟……もしかして誰かに作られたものなのか)

フレイは洞窟の闇を見て考えていた。
(草原にぽつんとそびえる洞窟、ルルが出くわしたという結界。不自然すぎる)
いつものポーズでフレイは洞窟にもたれかかり、腕組みをしてみた。
だが、思索は中断されることになる。
フレイのほうにルルが近づいてきた。コウモリは全て片付けたようだ。

「いかねえの?」

ルルは不思議そうにフレイを見ている。

「いこうか」

フレイとルルは洞窟の中へと歩を進めた。





「ふう……片付けたか」

フレイは腰の鞘にコウモリの血のついたショートブレードを軽やかにおさめた。
剣特有の心地よい音が洞窟を静かに伝わっていく。

洞窟の中には外よりもたくさんのコウモリが待ち受けていたが、フレイとルルの敵となることはまったくなかった。
コウモリが出てきたらすぐさまショートブレードを抜いて、フレイは真っ二つにして殺し、ルルはもて遊ぶように翼を切りつけて痛めつけながら駆除していた。
ルルはもう既に先へと歩いていっている。

「おーい、早くこいよ」

ルルの声が暗闇からフレイへと届けられた。
フレイは返事はせずにルルの後を追いかけると、ルルが立ち止まってコツコツと何かを叩いているのが見えてきた。
「何をしてるんだ?」と、思わず訊くフレイ。

「ほら、これがあんとき俺の言ってた結界さ。どう? 信用した?」

ルルは勝ち誇った顔をしてフレイにそう言う。
フレイもルルが叩いている何かあるようには見えない空中を叩いてみた。
コツコツと小気味のいい音が響く。

「ここから先はどうやっていけばいいんだろうな」

フレイは結界の先を眺めた。
暗すぎてよく見えない。

「んなもん知ってたら俺がとっくに行ってるって」
「それもそうだ」

フレイは納得したように頷くと、冷えた壁を背もたれにし、考えるようにして腕組みをする。
対してルルは何の理由も無く後ろを向いた。
その瞬間、ルルの目が大きく見開かれる。


「な、何だよあれ」


ルルは思ったことをそのまま口にした。
声が上ずり、顔がひきつっている。

「どうした……?」

フレイも後ろを振り向いた。
そして、同じように目が見開かれ、驚きの表情に変わる。


そこにあったのは、赤い二つの丸だった。
二つの丸は隣り合い、ギョロギョロと無造作に回転しては、こちらにそのなかにはいっている黒い部分を向けている。
また、空気が出入りするような「シュー、シュー」といった音が聞こえる。

「伏せろ!」

フレイはとっさにそう叫んだ。
そして、耳をつんざくような奇怪な咆哮が洞窟中に反響した。











あとがき

どうも、カラスです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!



今回はやっと洞窟までいきました。
本当やっとです。展開遅いなぁ……。
もうちっと次からは早くなるかもしれません。
期待して(?)まっといてください。

それではあまり書くことありませんのでここらで失礼します。

カラスでした〜




三月二十八日 誤字訂正
7488
炎の生贄  第8話「洞窟の怪物」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:27
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炎の生贄  第8話「洞窟の怪物」




シュッ――
黒い何かがルルの髪をかすめた。
かすった部分の髪が空中を舞い、ぱらぱらとルルに降り注ぐ。

(危なかった)

ルルはそう思った。
あと、一瞬フレイの「ふせろ」という声が遅かったら、ルルの首は今ごろ洞窟の冷えた地面に転がっていたに違いない。

「借りなんかつくりやがって……くそ」

ルルは地面にふせている体を持ち上げた。

「何もいわないほうがよかったのか?」

フレイは既に立ち上がって、怪物を見ている。

怪物の目は相変わらずギョロギョロとしていて赤かった。
体は黒く、背中には二つの翼がある。

「これ、なんて魔物?」

ルルはローブの裾についた土を落とし、しまってあるナイフを二本取り出した。

「知らん。来るぞ」

ギョロ目の怪物はさっきと同じように奇怪な咆哮をあげた。
同時に右の翼で二人を薙ぎ払うようにしてくる。
フレイはバックステップを踏んでかわし、ルルのほうは跳躍してかわしつつナイフを投げつけた。
ナイフはその赤い右のギョロ目に回転しながら直進し、さくりと見事に突き刺さった。

キシャアアァァァ――!!

怪物の三度目の咆哮が洞窟に響く。

「意外とのろいじゃん。あとは俺がやっからフレイはそこで見てなよ」

ルルは器用にナイフを右手でくるくるとまわし、得意そうな顔をした。

「そうか。じゃあ俺はここで見てる」

フレイはその場にあぐらをかいて座り、腕組みをした。

「んなとこ座って首が飛んでも俺を恨むなよ」
「お互い様だ」

ルルは怪物を見た。
一瞬赤い目がひとつになったのかと思ったが、右目はつぶっているようだ。

(左目潰したら死ぬか……?)

今すぐ左目を狙ってナイフを投げてもいい。
しかし、ナイフには限りがある。
相手も意外と頭が良くてナイフをその翼で弾いてくるかもしれない。

(弱らせて殺そっかな)

ルルはそう考え、怪物の攻撃を待った。
怪物は数秒ルルの出方をうかがっていたようだったが、それをやめ、翼で羽ばたきルルに接近してきた。
首に狙いを定め、口の中に並ぶ鋭利な牙を見せつけるようにして突進する。

「おっと」

ルルは突進してくる怪物を高く飛んでかわし、その体に馬乗りになった。
怪物の痩せた背中の骨の感触が伝わってくる。
一方怪物はよっぽど馬鹿なのかルルが消えたと思い込み、どこに消えたのか数秒キョロキョロして飛びながら探していたが、背中に乗っているときづくと必死で体を左右に振って振り落とそうとした。
もちろんルルは振り払われない。

「ほらよ、プレゼントだ」

ルルは怪物の背中に手に持ったナイフを突き刺した。
どくどくと血が流れ出す。


ギャァァアアアァァァ――――!


四度目の咆哮。
ルルはナイフを抜いて怪物から飛び降りた。
怪物は地面に叩きつけられる。
叩きつけられたあとも地面をのた打ち回り、もがいている。
やがて怪物は、痛さで力が入らないのか翼をだらっと地に垂れて立ち上がり、ルルのほうを見た。

刹那。

サクッ

怪物の赤い左目に何かが刺さる。
嘶く怪物。
舞う血飛沫。
コトリと落ちる銀の刃。
怪物は絶命した。



「こいつ、ただのコウモリじゃんか」

ルルは死んだ怪物の亡骸を覗き込んだ。
さきほどまであった体は随分と縮み、そこらにいる吸血コウモリと同じ大きさになっている。
大きな赤い目なんてどこにもありそうにない。

「なにか怪しいが……先を急ごう」

フレイは亡骸を横目で見ながらそう言った。

「結界はどうなったんだよ」
「さっき調べたが、なくなっていた」
「こいつを殺せばなくなるようになってたのか……」

ルルは改めて死骸を見た。
ぴくりとも動かない。
黒い翼をだらしなく地にふせている。

「……」

ルルは目をつぶった。
そして、今までで起こったことを考えた。

突如現れた蒼いマントの男、フレイ。
フレイを占ったオーバ。
力の渦の中心。
小さくなる怪物。
解かれる結界。
なんだか……

(おもしろくなってきたな)

ルルは目を開けた。
フレイは先に歩いていっている。

「早くこい」

フレイの声が静かに響く。

「待てよ」

ルルは少し口元を緩め、フレイの後についていった。












あとがき


どうもカラスです。
ここまで読んでくださりありがとうございます感謝のあらしです。


それにしてもエンジンやばめです。
燃料が少なくなってきているようで燃料補充してくださる方はぜひ……!
つまり感想がほs(略

まあぶっちゃけたはなしは置いといて……

今回も戦闘でおわってしまいました。
しかもしょぼい……
そしてほとんど言うことがないという状況。
ちなみにひとつ言うなら怪物はなんらかの力でああいう姿になってます。
どういう力かはあとあとあきらかにさせていくつもりです。がんばります。

次回はできるだけたくさん進ませるつもりです。
進まなかったらごめんなさい。


ではでは感想など書いてくださる勇者をお待ちしております(おい

カラスでしたー


三月三十一日  変換ミス訂正
7497
炎の生贄  第9話「白い女性、選ぶ道」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:34
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炎の生贄  第9話「白い女性、選ぶ道」









結界を解いたルルとフレイはさらに奥へと進んでいった。
すると人工的と思われる階段を見つける。
それをのぼり細い通路に出た二人は、まっすぐ通路を歩いていった。
そして小部屋のような場所に行き着いた。





そこは、洞窟の中とは思えぬ場所だった。
狭い空間には神秘的な光がどこからか満ちており、地面はそこだけが少し盛り上がって平らになっている。
平らに整えられた床には角の生えた馬――ユニコーンのような絵が大きく描かれている。
中央には、何を象っているのかよくわからない台のようなものが置いてあり、その上には光の玉がふわふわと浮いている。

「こいつが『力の渦』ってやつの正体?」

ルルは目の前に浮かぶ白い輝きを放つ玉を見つめていた。

「そうらしい。俺が触れてみる……」

フレイは光の玉に手を伸ばした。
光はフレイに吸い付くようにして手を包み込んだ。
暖かいような冷たいような感覚が手に伝わる。
すると、部屋はだんだんと白くなっていき、ついにはすべてが白に包まれた。

「この感覚……あいつか」

フレイは静かにそう呟いた。

「あいつ?」

ルルは白い空間に少々動揺しながら言った。

「そうだ。今にも出てくるだろう。……ほら、お出ましだ」

ルルは前を向いた。

二人の前に何かがふわふわと浮いていた。

女性だった。
白い肌。
白の長い髪。
額から伸びる角。
白色に軽い青が混ざったような、ローブのように長い服。

「私はリクレール」

女性の清らかな声が響く。


ルルは「白い」と思った。
清潔を感じさせる白。
神秘的だった。

「あいつって言ってたよな? 知り合い?」

ルルがフレイに訊く。
少しフレイは黙っていたが、やがて口を開いた。

「そうだが……俺の雇い主とでも言おうか。俺がこうしてここにいるのも、リクレールのおかげだ」
「ふーん……」

ルルは納得したような顔をしたがふと疑問がよぎる。
洞窟のなかで出てくる人になぜ雇われているのだろうか。
しかも浮いている……。
とりあえず展開を待つしかなさそうだと思い、静かに次の言葉が出てくるのを待つことにした。


「私は……トーテムに呼び覚まされしすべての生命を導くものです」

と、フレイの雇い主リクレールは続けた。

(トーテム……)

トーテムいう単語はルルも知っていた。
オーバがたしかその力を持っている。

「トーテムの力を持つものよ、よくぞここまでたどり着きましたね……。
 あなたが何者かは存じませんが、きっとあなたは勇気ある方なのでしょう……」
(トーテムの力を持つもの……)

自分は持っていない、と思った。
なら……一人しかいない。

「フレイ、トーテム持ってんのか」

ルルがそう訊くとフレイは「一応な」と短く言った。

「それにしてもこのリクレール、変だ。俺を知ってるはずなのに……知らないとは。
 もしかしてただの喋る人形のようなものなのかもしれないな」
ルルは「喋る人形ねぇ」と呟くと、何かを思いついたような含み笑いをした。
そして、リクレールに近づいていく。

「何をするつもりだ?」

案の定フレイが不思議そうに訊いてきた。

「喋る人形なのか確かめんだよ!」

ルルは陽気にそう言ってリクレールの腹を殴った。
だが、感触なし。
腕は貫通して背中から出ている。
なにかグロいがそれは置いといて……
フレイが言ったとおり、ただの実態の無い喋る人形だった。
それを悟るとさらにルルは楽しそうな顔をした。

「うらっ」

続けてまわし蹴りを首に打つとまたもや貫通。
次は足、顔、肩の順に攻撃し、すべて貫通。

「遊ぶな」

フレイが言った。

「ちぇっ」

フレイの口調が意外に真剣だったのでルルは貫通ごっこ(?)をやめた。



実体の無いサンドバックのようにされていたリクレールは、あたりまえだが気にもせずに口を開いた。

「私には今、この世界に干渉する力がありません。
 あらゆる魔物や脅威に対応することができないのです。
 ですが、あなたのようにトーテムの力を得たものならば、それらに立ち向かえるはずです。
 この闇を越えてきたあなたに、ささやかながら力を与えましょう……。
 さあ、目を閉じて……」

フレイは目を閉じた。
とりあえずルルも目を閉じてみた。

「次に目を開いた時、あなたは以前より少しだけ強くなっているはずです……。
 その力が、力無き人々を守るために使われる事を、私は祈っています……。
 そしてまた、あなたにトーテムの加護があらん事を……」

ルルは、体を何か暖かい力が包み込んでくる感じがした。
やがて暖かみが引いていく。


ルルは目を開けた。
そこはもうさっきいた小部屋になっていた。
白い空間もリクレールという女性も消えていた。

「戻ろうか」

隣でフレイはそう言った。
ルルは頷く。
二人は小部屋を後にした。
















隠れ家に帰ってからというものの、ルルは迷っていた。
フレイは朝、ここを発つと言う。
それについていくかいかないか。
そのことについて迷っていたのだ。
ついていかなければ、もうこれ以上接触する機会が無くなって自分が負けたままになってしまうかもしれない。
そんなのは悔しいし嫌だ。
一生自分が許せないだろう。
しかし、シルフェイドは意外と狭い。
もしかしたら再会してそのときに戦えるかもしれない。
それ以前に、オーバたちの収入は自分にある。
いなくなれば苦しいに違いない。
やはりいくべきじゃないか……でも……。
そんなふうに二つの考えがぶつかりあい、ルルを悩ませていた。

また、他の気持ちもあった。
勝つ負けるにとらわれず「いってみたい」という気持ちだ。
フレイと行けば何かがある。そう感じていたのだ。
今日だって軽い冒険をした。

コウモリの怪物。

白い空間、白い女性。

……面白すぎる。
滅多にこんな機会やってこないんじゃないか。
単純にルルはそう思った。



ルルはひとまず考えるのをやめ、黒ローブを脱いで就寝用のローブに着替えると、ベッドに飛び乗った。

コンコン――

すると、誰かが部屋の扉をノックしているのに気が付いた。
こんな時間に誰だろう。まだ朝日もさしていないのに。
少しためらってルルは返事をした。

「誰?」
「あたしだよ」

オーバだった。
いつ起きたのだろうかとルルは疑問に思った。
いや、それ以前に寝ているのだろうかともルルは思った。
トーテム能力者は睡眠時間は少なくていいと聞いてはいるが……どうなんだろう。

「入ってもいいかい?」

オーバが声をひそめて言った。

「いいよ」

年老いた老婆が部屋に入ってくる。

「何か用でもあるのか?」

ルルが訊ねる。

「ひとつ訊きたいことがあるんだよ、いいかい?」
「いいけど」
「あの青年についていきたいと思ってるね」

オーバがルルの心を見透かしているのかのように言った。
こういうことはよくあった。
オーバには人の考えていることをずばり言い当てるなにかがある。
ルルは「それは……」と口篭もった。
やはりだめか。
ルルはそう思った。
自分でいうのもなんだけれど、自分はここの生活の柱になってしまっている。
そんなことが許されるはずもない……。
しかし、そんなルルの予想を覆す言葉が届けられる。

「行きたいなら行ってもいいよ」
「え……」

意外だった。
故に言葉に詰まる。

「どうして行きたいのかは訊かないけどねぇ……ヒッヒッヒ」

何か意味深に目を細めてルルを見るオーバ。

「って、そんなんじゃないって!」

ようやく言葉が出る。
オーバは勘違いしている。
いや、それともわざとか……?
少量の冷や汗をルルはかいた。

「俺は前あいつに負けたから勝とうと思って……」
「他はなにかないのかい?」

他はない……いや、ある。

「おもしろそうだから」
「へぇ……まあそれならそれでいいよ」

言い方が気になったが、これ以上ルルは気にしないようにした。

「でも……行ってもいいのか?」

それでもひとつ気がかりなのは経済的な心配だった。

「お金の心配をしているようだねぇ……。でもそれは無駄な心配だよ。
ルルが稼いできてる金は全部消えてるわけじゃないんだよ、余分にあるくらいさ」

それを聞いたルルはのしかかっていた重荷が消えたような気分になった。

「オーバ……」

「じゃあ支度ができたら声でもかけておくれ。旅費はちゃんと用意してるから心配いらないよ」

オーバはそう言って部屋から出た。
部屋には何か不思議な暖かいような冷たいような静けさだけが残った。
ルルは昔を思い出しながら、オーバのいないこの部屋で小さく「ありがとう」と呟いた。











あとがき(みたいなもの)



カ「どうも、カラスです」
フ「フレイだ。よろしく」
カ「読んでいただいて誠にありがとうございます!」
フ「こんな作者のものを読むために時間を費やしてもらい感謝する」
カ「つか現在、ようすけ様のおかげで燃料入ってます。うおぉぉぉぉ!!」
フ「えらく単純なんだな。だから少し容量多めなのか」
カ「それが長所であり短所の自分です。
  嬉しいものは嬉しいんですね」
フ「それにしても今回俺は前半しか出てないじゃないか。
  隠れ家に帰ってからはどこにいたんだ?」
カ「もちろんルルのベッドの下に……」
フ「そんなわけないだろう。俺にはそんな趣味は……」
カ「そんな趣味とか言ってるけどルルは歴とした女の子だぞ!」
フ「あ、そうだったな……いやでもそれは理由にはならないだろ!」
カ「趣味なんて作者が決めるんだよばかやろー!」
フ「無茶苦茶だ、まったく……。
  それで俺はどこにいたんだ?」
カ「今のところは想像におまかせということで。
  次回出てくるかもな内容なので」
フ「なるほどな。それでもうひとつ訊きたいことがあるんだが」
カ「ほう……訊きたいこと?」
フ「そうだ。なぜいきなり第9話の今回のあとがきから俺が登場してるんだ?」
カ「それはつまり……便乗ということで」
フ「模倣じゃないのか……まあ便乗ということにしておいてくださいみなさん」
カ「じゃあ他に言うことがないのでここらで。カラスでしたー」
フ「次回、また会おう」









カ「(つか会話方式にすると容量増えるんだな……よーし)」
フ「なにかあくどい心が見えるが(汗」



7512
炎の生贄  「白い部屋にて」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:39
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白い部屋があった。

中央には白色に被覆された柔らかな椅子二つが対置されている。
それ以外にはなにも無い。
ドアぐらいあってもおかしくないが、それも無い。
どうやってこの部屋に足を踏み入れるのか。
それは誰にもわからない。
知ってもどうなるものでもない。

そんな密室の白に溶け込むかのように、椅子に端座する女性が一人いた。

白い衣服を着た彼女の、白く透き通った艶めく肌は清楚であり優美だ。
純白であるのに鮮麗な印象を与える長い髪は後ろで束ねてある。
そして、額から伸びる白い角……。
彼女には「神秘的」という言葉がよく似合う。
彼女が醸し出す雰囲気には独特のものがある。

それは神聖な……何かだ。

それが何なのか。

それは誰にもわからない。

それこそ知ってもどうなるものでもない。







炎の生贄  「白い部屋にて」








「リクレール、いったいどうしたというのだ?」

突然リクレールの前に3匹の何かが現れた。
犬のように見える白銀の狼。
パステルグリーンの長い体と目と目の間に埋め込まれたルビー色の石が特徴的な蛇のような竜。
華奢な手足に速力を感じさせる翼を持つ鳥。

「そうですよ〜……。ワタクシ達をいきなり呼び出すなんて……」

鳥が迷惑そうに羽を広げ、そう言った。

「少し伝えておかなければならないことがあるのです」

リクレールは三匹を見ずに、左の壁に視線を向けている。

「伝えておかなければならないことですか」

竜は真剣な眼差しをしてそう訊いた。
リクレールは竜のほうを向いて頷く。
そして「それはなんなのだ」と狼。
するとリクレールは「これを見てください」と言って先ほど見ていた左の壁にまた視線を向けた。
暗い洞窟が映し出される。
三匹は黙ってそれを見た。
やがて赤いギョロギョロとした目が二つ現れる。
その瞬間、三匹の表情に驚きが帯びる。

「これは……一体なんですか?」

竜がまたもや真剣な目をして、映像を見ながら訊いた。
怪物が奇妙に嘶いて翼を振るっているところが映し出されている。

「それが……よくわかりません。こんな怪物を私は見たことがありません」

リクレールは困った顔をしてそう言って、続けた。

「フレイさんをシルフェイドに送る少し前に異常な力を感じたことはもう伝えましたね。もしかしたらそれに準ずるものなのかもしれません」
「では我らの力が必要になるときが来るのだな」
「そうなります。それを伝えようと思い呼び出しました。そのときはよろしくおねがいしますね、クロウ、スケイル、フェザー」

クロウと呼ばれた狼は「うむ」と頷き、スケイルと呼ばれた竜は「はい」と、フェザーと呼ばれた鳥は「わかりました」と翼で了解したというようなポーズをとった。

「それではまた呼び出します」

リクレールがそう言うと、三匹はすぅっと姿を消した。



リクレールは自分ひとりしかいない部屋で、再び怪物の映像を見ていた。
というよりもそれと戦う少女を見ていた。

「ルルさん……ですか」

果敢に怪物と戦う少女。
トーテムを宿していないのに……なぜ、ここまで。

「フレイさんの旅にどういう影響を与えるんでしょうか」

リクレールは腰掛けていた椅子から立ち上がった。
「彼女と会う必要がありそうですね」
リクレールはそう言って部屋から消えた。


映像は誰もいない部屋にまだ流れている。
やがて怪物の目にナイフが刺さり、血飛沫があがった。
その瞬間、血飛沫の奥になにやら影のようなものが映った。
暗闇から青年と少女を見つめる、闇に溶けた……何かが。
しかしそこで映像は途絶え、消えた。
静けさが部屋に残った。















あとがき

どうも、カラスです。
読んでいただきありがとうございます。

今回は短いです。すいません。
本当はもっと書こうと思ったんですが、繋がりがおかしくなりまして(汗

あと今回のあとがきはみてとれるように会話形式じゃないです。
なぜかというと余裕が無いからです!(爆
次回からは会話形式になると思います。
そして全体の容量も多めを目指してがんばろうかと。

しっかし今回短いくせに時間かかったなぁ……


ではではカラスでした。

※とりあえず章にはしてません。わざとです。
7525
炎の生贄  第10話「数日前の記憶」 by カラス 2007/04/23 (Mon) 00:48
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炎の生贄  第10話「数日前の記憶」










だだっ広い、坦坦とした野原が広がっていた。

陽光を受けて、鮮やかな緑をさらし、時折吹く微風で波打っている。
微風は爽やかで気持ちよかった。
強すぎず、弱すぎず。
汗の滲む肌には心地よい、ちょうどいい風だった。だったのだが……

ルルのほうは、もっと強い風が吹けばいいのに、と思っていた。



「そろそろ休まねえ?」

黒ローブではなく、フレイのような旅人が着る衣服を身に着けたルルは、汗だくになりながら苦しそうにそう言った。
蒼いマントがよく似合っている。
大分前を歩いているフレイは、

「まだ早い。そんなにたくさん荷物を持ってくるからだ」

と言って、前を向いたまま面倒くさそうな顔をした。
対してルルは、

「ちょっとは代わってくれよ……」

と、助けを求めるような顔をしている。

ルルはやけに大きな鞄のような、袋のようなものを背負っていた。
というより、まるでそれに背負われているかのようだった。
中には武器やら服やらがいろいろ入っている。
当の本人も、自分の物がこんなに多いとは思わなかった。
それだけ隠れ家ですごした時間が長かったということだろうか。

「しょうがないな……」

フレイは「代わってくれ」というルルの願いはことごとく受け入れないでいたが、今回は少し同情してしまい、荷物を持つことにした。
しかし、その選択は大きな過ちとなることを彼は知らない。

「さんきゅ。ふぅー、重かったー」

ルルは急に顔全体に笑みを浮かべ、腕やら肩の間接を伸ばしながらそう言った。
フレイは踏ん張って荷物を持ちながら、

「あとちょっとしたらまた持つんだぞ」

と言うのだが、

「えっ、最後まで持ってくれるんだろ?」

ルルはからかうようにそう言うのであった。
もう絶対にこの荷物を持つ気はルルには無い、とフレイは察した。
どうやったらこんなことを昨日知り合った自分に言ってしまえるのか。理解しがたい。
まあ、それはそれで親近感は沸くが……。

(まったく……仕方の無いやつだ)

フレイは大きく吐息を漏らした。






それから数分、何にもない野原を二人は歩いていたが、変わらない景色がつまらなくなったのか、突然ルルはこう切り出した。

「そういえば、フレイって何のために旅してんだ? 目的とかあんのか?」

フレイについてきたはいいが、再びリーリルに行くということしかルルはまだ聞いていなかった。
別に放浪の旅でもいいが、目的ぐらいはあるだろう。

「……なかなか面白い質問だな」

フレイはそう言って、ふっと笑った。

「俺、そんなに面白い質問したか?」

ルルは不思議そうな顔をする。

「いや、いろんな意味で面白いんだ。それにしても『何のため』か」

フレイは立ち止まり、「……何のためなんだろうな」と呟き、腕組みをして考え出した。
ルルも止まって、フレイの次の言葉が出てくるのを待った。
沈黙が数秒続くと、フレイは口をあけた。

「洞窟の奥で会った、リクレールを覚えてるか?」

ルルの頭の中に、白い女性が浮かび上がる。
「覚えてる」とルルは言った。

「俺がこうやってここにいるのは、あいつがいるからだ」

フレイは空を少し仰いで、呟くようにそう言った。

『俺がこうしてここにいるのも、リクレールのおかげだ』
洞窟でフレイがそう言っていたのをルルは思い出した。

「よし、俺の話を少ししてやろう。退屈しのぎにはなるだろう」

フレイは思いついたように言って、その場にあぐらをかき、ルルにも「座れ」という合図を眼で送った。
ルルもあぐらをかき、耳を傾ける。

「信じられないかもしれないが、話すぞ」

いつになく真剣な眼差しをしているフレイに、ルルはこくりと頷いた。

「数日前のことだ……俺が『あいつ』と出会ったのは」

フレイは静かに語り始めた――














「目が覚めましたか」

女性の透き通った声が、不意に届けられた。
思わず目を開けてみる。
が、あまりの眩しさに目を閉じた。

「暗いところにいたのですから、無理もありません」

女性の声はやさしくそう言った。
ゆっくりと青年は目を開けていった。
そこには白い肌に白い髪をして、白い服を着た女性が姿勢よく白い椅子に座っていた。額からは白い角が生えている。
もしかして、この女性が眩しかったのかもしれない、と青年は思った。

青年は部屋を見回した。
部屋は全体が白に統一されていて、椅子が部屋の中央に対置しているようだった。
そして、自分と女性は椅子にすわり、対座しているのだった。
だが、
――いつから?
わからない。気がついたらここにいた。

「あんたは……誰だ」

青年はぎこちなく口を動かして、なんとか声を出した。
女性の口が小さく動く。

「私はリクレール」

『リクレール』……彼には聞いたことの無い名だった。
再び、リクレールと名乗る女性は口を動かした。

「トーテムに呼び覚まされし、全ての生命を導く者です」

『トーテム』……どこかで聞いたことのあるような言葉だった。

「そうか……。なら次はこう訊こう。俺は……誰だ」

そうだ。
俺は一体誰なんだ。
わからない。
なにも思い出せない。
記憶にまるで大穴でも空いたかのように……いや、それだけでは済まない。
それまでの記憶がまったくと言っていいほど無いのだ。

「あなたは、『意識の海』を漂っていました」

リクレールはそう言った。

「『意識の海』……?」
「そうです。それも、他とは違うように」
「他……他がいるのか」
「います。命の旅を終えた、生命の意識です」

命の旅を終えた、生命の意識。
……よくわからない。
死者の魂のようなものだろうか。

「俺が他とは違う、とはどういうことだ」

次なる質問を青年は投げかけた。

「あなたは、全ての意識が変容する『意識の海』で、原形をとどめた意識でした」
「原形をとどめた意識……?」
「はい。あなたは元の形が残っていました。それが今のあなたです」

話を聞くたびに頭がこんがらかる。

「こちらから質問してもいいですか?」

リクレールは顔を近づけてきてそう言った。
あまりに突然だったので、青年は驚き、のけぞるようにして背中を椅子の背につけた。
すると、何故かリクレールもビクッとしてのけぞった。
彼は何故かそれが面白くてふっと笑った。

「あ、す、すいません……慣れていないもので……」

リクレールは恥じらいながらそう言った。

「質問でしたね……。あなたは……えぇと、性別はどちらなのですか?」

真顔でそんなことを聞くリクレール。
青年は見た目でわからないのだろうかと思いつつも「男だ」と答えた。

「次は……名はなんというのですか?」

名前……

「自分が誰なのかわからない俺が、名を持っていると思うか」

青年はそう答えていた。

「あ、そうですよね……それでは私がつけて差し上げましょう」

リクレールは口に少し手を当てて、考える仕草をした。
そして、口を開ける。

「『ゴンベエ』なんてどうですか」
「……」

ゴンベエ。
ふざけているのだろうか。
真剣に彼はそう思っていた。

「あ、ダメでしたか……」

リクレールは困った顔をしてまた考える仕草をする。
そして、今度は何かを思い出したようにはっと目を見開いた。

「そういえばあなたにはトーテムのような『力』がついていましたね」

いきなりそんなことを言われてもわからない。
青年は「わからない」という表情をした。

「私にはわかります。そもそもそれが無ければあなたを呼び出すことは無かったのですから」
「……その『力』はなんだ」

リクレールは一呼吸を置いて、「炎です」と言った。そして、続ける。

「あなたには……『炎』が宿っています。時には優しく包み込み、時には肉を貪る生きた『炎』が」
「炎……」
「そこで、あなたの名前はそこからつけようと思います」

俺の……名前。

「これからあなたは」




――フレイと名乗ってください












「そして俺はこの大陸に降りた。あいつが俺に任せたことは謎の『力』の探知だった」

フレイはそう言うと、空を仰いだ。
そして、しばらく黙っていた。
やがてルルを見て、口を開ける。

「信じられない……よな」
「当たり前だろ、そんなの誰が信じんだよ」

ルルがすかさずそう言った。
そう、誰がこんな話を信じるのか。
それまでの記憶が無い、目を開ければ女と白い部屋にいた、そして最近この大陸に降り立った――
そんなバカな話、誰が……
しかし、視線を少しルルは落とし、すぐに小さくこう付け加えた。

「でも俺は信じる」
「なっ……」

これにはフレイは驚きだった。
まさか信じるとは。
こんな奇天烈な話を信じるやつがいたなんて。
誰に話したって信じてもらえないと思っていたのに。

だが、そんな驚きの反面、フレイは嬉しかった。
今まで、フレイは一人だった。
さびしかった。
たった一人の、先の見えない旅ほどさびしいものは無い。
だが、今は二人だ。
そして、自分を信用してくれている。
いや、信用とはいかないまでも、少なくとも自分がした話を信じてくれているのだ。

「何変な顔してんだよ。俺はフレイについてくんだから当たり前だろ」

ルルは顔を上げ、いかにも当然そうにそう言った。

「お前ってやつは……面白いやつだな」

フレイはそう呟いた。
ルルの言葉がなにかありがたかった。



それから数分して、二人は立ち上がり、リーリルを目指して再び歩き始めた。

ルルは手ぶらで、フレイは荷物。

そんな光景はなんにも変わってはいなかった。

だが、確実に何かは変わったのだろう。

目には見えない何かが、確実に――









あとがき



カ「どうも、カラスです!」
フ「フレイだ」
ル「ルルだよ」
カ「とりあえずここまで読んでくださってありがとうございます!」
フ「感謝する」
ル「感謝感謝」
カ「それにしても疲れた……」
フ「今回はなかなか長めだな」
ル「でも俺は話を聞いてるだけだったよな」
カ「フレイ君の回想だから仕方無いだろう」
ル「しかも全体がフレイ視点ってのはどうなってんだ?」
カ「仕様です。章や区切りによって切り替わるようになってます」
フ「そうなのか。別に何も考えていないと思っていたが」
カ「(ギクッ)」
ル「しっかりしろよ、作者」


カ「ちなみに、フレイ君は『災い』を止めるためにシルフェイドに降りたのではありません。
  あくまで、リクレールが感じだ謎の『力』の探知です。いまのところは、ですけどね。
  とりあえず今後明らかにされていきますので次章ご期待!」
ル「あんま期待しないほうがいいとおもうな」
フ「俺もそう思う」




四月四日 文章一部改訂
7530
炎の生贄  第11話「惰眠医者、宿屋にて」 by カラス 2007/04/24 (Tue) 19:18
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炎の生贄  第11話「惰眠医者、宿屋にて」











リーリルは今日も賑やかだった。
たくさんの人々が、街を歩いている。
いつものように広場には人が多く、多々配置されているイスには、
読書をしている人や噴水を眺めている人、お喋りをしている人など様々だ。

だが、そんな一面とは裏腹に、例外というものが存在する。
殷賑な街の中にも寂寞とした寥々たる場所があるのだ。


1人の男が、部屋の丸テーブルに突っ伏して寝息を立てていた。
白衣を身につけていて、薄緑色の髪をしている。
後ろ髪は襟首に少しかかっていた。

彼の名はクラート。
今はだらけているが、意外と彼は有名である。
なぜ有名なのかと言うと、彼は極めて珍しい職業に就いているからだ。

クラート医院。

それは彼が経営している病院だった。
つまり彼は医者なのだ。
しかも、たった1人の。
また、医者という仕事が何故そんなに珍しいのかと言うと……

フォースが発達しているからだ。

治癒だ。完治だ。傷や病気なんてすぐ治る。
そんな便利な時代なのだ。
それゆえ、医者の需要は低い。というか零に限りなく近いのである。
それでも、フォースで治せない病気や毒などは未だ存在するため、需要は0とまではいかなかったのだ。

そういうわけで今日も患者は一人も来ない。
よって毎日が惰眠を貪る日々である。
昨日は血を流した巨漢の兵士が運ばれてきたが、それは確か一週間ぶりの患者だった。

だが、クラート自身別に患者は来なくてもいいと思っていた。

――病気の人間は多くないほうがいいじゃないか。

そう思っていたのだ。
それに、入院患者がいなくとも金は国から出る。

――働かずとも金が入る仕事なんて最高じゃないか。

彼は人間らしく、そうとも思っていた。

「父さん、お客さんが来たよ」

突然クラートは、受付を任されていた、というより受付を任されざるを得なかったセシルに起こされた。
セシルはクラートの一人息子だった。
髪は妻のイシュテナと同じ茶髪で、顔はおそらく成長したら格好よくなるだろな、というような愛らしい顔をしている。

クラートは仕方なく、顔を上げた。同時に口からよだれが伸びた。

「エルークスを売ってくれませんか」

受付のほうから男の高めの声が聞こえてきた。
クラートは立ち上がり、ボサボサになった頭をカリカリと掻いて、のろのろと近寄っていった。

目に入ったのは、先ほどの声の主と思われる男だった。
高い身長に、紺の髪。
そして蒼い瞳を持った凛々しい顔の青年だった。
蒼いマントを纏っていて、旅人のような格好をしている。腰には剣が2本納められている。
その旅人の斜め後ろには少女がいた。
黒い髪は後ろで束ねていて、肌は白い。
端正な顔立ちをしていて、なんとも可愛らしい。

「エルークスは1200シルバだよ」

クラートは何とか寝ぼけた声を出さないように平常を装ってそう言った。
そしてそう言ってから、受付の端にいつも給料が入って届く袋があるのに気がついた。
自分が寝ている間に届いたのだろうか。

(今度からこういうものはすぐに渡すようにセシルに言っておかないとなぁ……)

そう思いながら給料袋を見ていたが、大きめの金貨が3枚乗った状態で青年の手が伸びてきたのでそれをあわてて受け取った。
この金貨は一つ500シルバだ。つまり1500シルバ。よっておつりは300シルバ。

「ちょっと待っててくださいね」

クラートは300、300といいながら後ろを向いてお金を取りに行った。
そして戻ってくる。

「はい、おつり300シルバです。お買い上げありがとうございました」

クラートは営業スマイルのようなものを無理矢理作って、エルークスを渡した。

青年は受け取り、少女と共にクラート医院から立ち去っていく。

(それにしてもなかなかお似合いの二人組だったな)

クラートは二人の背中を見ながらそんなことを思った。
そして、また丸テーブルに戻って突っ伏して寝息を立て始めた。
自分の給料が盗み取られたとは寸分も気づかずに。










「わお、かなりの収入!」

ルルは、先ほどくすねた小さな袋の中を覗き込んでうれしそうに言った。

「お前な……」

フレイは喜ぶルルを横目に、俯き加減に「呆れた」という顔をした。

「どうせ医者だからたんまりもらってんだろ? こんくらい大丈夫だって!」

そんなことを簡単に、しかも笑顔で言うルル。

「で、これからどうすんの?」

ルルが訊いた。

「まず、このでかい荷物をなんとかしないとな」

荷物を指差す。

「じゃ、宿屋で部屋借りんの?」

フレイは頷いた。

「そっか、じゃあ早速借りに行くか」

ルルはご機嫌なようで、荷物を持って真っ先に宿屋のほうへ歩いていった。
残されたフレイは「元気なやつだな」と呟いて、後をついていった。


ドアが開いて、ルルが宿屋に入っていくのが見えた。そして、がちゃっと閉まる。
自分も続こうと思ってフレイは足を速めたが、突然またドアが開き、ルルがまた出てきた。
なんだ? とフレイは近寄っていったが、ルルの顔が少し赤くなっている。

「あ、ちょ、ちょっと先入ってくれよ」

ルルはもごもごとそう口ごもり、フレイをドアの前に立たせて後ろに隠れた。
言いなりになってそのまま入る。
すると、何かがいた。
最初、何なのかわからなかった。
が、次第にそれがなんなのかはっきりしてきた。

パンツ一丁の中年男性だった。
汚らしく胸毛やらへそ毛やらが生えている。

なるほど。フレイは思った。

こいつにもこういうことで恥ずかしがることがあるのか。まあ、確かにパンツ一丁は極端ではあるが。
フレイはルルのほうを振り向いた。

「男だったら見ても何とも思わないと思うが」
「う、うるさい!」

ルルは目線を落として、まだ頬を赤らめている。
フレイは少し可愛いな、と思った。
そもそもルルは顔はいい。
言葉遣いは悪いが……それは仕方のないことだ。

「とにかく奥入れって……」

ルルがフレイに隠れるようにして背中を押してきた。
フレイは押されるがままに店内へと入場し、受付嬢が座るカウンターの前に立った。

「お部屋ですか?」
「はい」
「一つ空いてますよ」
「じゃあそれで。何シルバですか」
「40シルバです」

フレイは金を取り出した。
そして、金と引き換えに部屋の鍵を渡される。
フレイとルルは鍵の部屋番号を見て、その部屋に行こうとした。
そして、このままカウンターの女性が何も言わなければ。言わなければ……
ルルがこれ以上赤くなることはなかっただろうに。


「昼間っからがんばりますね」
















あとがき



どうも、カラスです。
読んでくださり誠にありがとうございます。

今回は自分だけでいきます。
出かける前に投稿しておこうと思いまして……

とりあえずせこい男としてクラート書きました。
そして金も盗られるというばかっぷり。


最後はちょいと変なのを書きました。
特に言うことはありません;


ではではここらで失礼いたします!
カラスでしたー



7538
炎の生贄  第12話「フレイのリーリル孤独歩き+α」 by カラス 2007/04/28 (Sat) 19:00
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炎の生贄  第12話「フレイのリーリル孤独歩き+α」








借りた部屋から追い出されて数分が経っていた。

あのカウンターの女性が何も言わなければこんなことにはならなかった。
今頃はベッドは使わないまでも、床で寝転がることぐらいは出来たに違いない。
それにしても、ルルがあそこまで恥ずかしがるとは意外だった。

一体どうしたものだろう。

フレイは仕方なく、伝言を残して1人寂しくリーリルをまわっていた。
畜生……と、悪態をついても始まらない。
とりあえず動こうと思ったのだ。

フレイは理力館に入ってみた。
ここは一度入ったことがある。
そのころは金が無かったので眺めていただけだったが……今は金が。

フレイは懐に手を入れてさぐった。
しかし、何の感触もなかった。
金の入った袋を部屋に置いたままにしてきたようだった。
今日はツイてない。
仕方なくフレイは一通り見るフリをして、立ち去った。

今度は、看板に目がいった。

――理力研究所 近況――

と、そう書かれてある。

そういえば、あの隠れ家も理力研究所だった。
ここは表の理力研究所といった感じだろうか。
その下にもいろいろと書いてあったので興味を持ち、フレイは研究所へと足を踏み入れた。

入ると、左手に3人の女性が机を囲んで話し合っている姿が見えた。
3人共がこちらに注目するが、すぐにまた話し合いを始めた。

あまり研究所らしくない。フレイはそう思った。
広くないし、怪しげな雰囲気もない。
造りはそこらにある民家と同じだ。
フレイは奥の階段に気がつくと、すぐさま2階へと上がっていった。

2階には人が2人いた。

1人はフォース研究者と思われる女性で、本を見ながら何やらブツブツ言っている。
もう1人は髭を生やした老年男性だった。
こちらも何やら部屋すみでブツブツ言っていたが、独り言というわけではなさそうだった。
何かに話しかけている。
なんだろう。フレイは少し移動して話し相手を見た。


犬だ。茶色い犬。
なんとこの中年男性は犬に話しかけているのだ――!


「おぉ、旅の方かね?」

なんと気づかれた。
フレイはさっさとこの場から消えようと思っていたのに、よりによって気づかれるとは。やはり今日はツイていないらしい。

相手のほうも、様子を察したのか、「ワシは怪しいものじゃないぞ」と言ってきた。
……犬と話すのが怪しくないとでも言うのだろうか?

「聞いて驚け、ワシは『翻訳指輪』を開発しようとしているのじゃ!」

訊いてもいないのに、勝手に話し出す老人。
フレイは、まだ何も喋っていないのでこのまま消えようかと考えていたが、老人の目が「何か訊いてくれ」と言っているかのようだったので、

「翻訳指輪?」

と訊ねた。

「そうじゃ! 犬の言葉でも猫の言葉でも何でも翻訳されて頭に入ってくるんじゃぞい」

嬉しそうに老人はそう言った。
なるほど。
だから犬と会話しようとしていたのか。
よく見ると犬に指輪のようなものがついている。いや、首輪か?

「それで、成功したんですか」
「それが失敗続きでのう……あと10000シルバあれば完成すると思うんじゃが……」

と、困り顔の老人。
すると3秒もせずにパッとひらめいた顔に変わる。

「そうじゃ! 君、ワシに10000シルバを援助してくれんかね? もちろん、完成したあかつきには君にいくらか実物をやるぞい」

最初からそう言うつもりだったに違いない。
しかし、完成するんだろうか。……しない気がする。
どちらにしろ、フレイは今一文無しだ。
宿屋にもどれば10000シルバくらい軽くありそうだが、まだ戻れそうにない。

「すいません、そんな大金もっていません」

フレイが断ると、老人は背中を向けて、目を伏せて言った。

「そうか……いや、いいんじゃよ。こんなご時世にワシみたいな老いぼれ研究者のくだらん研究にそんな大金を出す者などおらんのだろうな……しくしく」

非常に同情して欲しそうな言い方だった。


フレイは階段を下りて外に出たが、一応翻訳指輪の件は頭に入れておくことにした。

フレイはその後、ぶらぶらとリーリルを歩きながら、通行人の話などを盗み聞きしたりしていた。
戻るにはまだ早そうだと思ったからだ。
だが、そのおかげで良い情報を耳に入れることが出来た。

トカゲ砦の話だ。

リーリルから東へ行くと森に突き当たる。その森の奥に、トカゲ砦があるらしい。
フレイにとって、これは耳よりな情報だった。

何か掴めるかもしれないのだ。

第一、リクレールの言う謎の力とやらは、謎であるから片っ端から調べないといけないし、そもそもトカゲは人間の敵だ。
できるだけ干渉したくはないが、こういう身の上からして倒すべきだし、人間が知らないことをいくらか知っているに違いない。

次、やるべきことは決まった――と思ったが、まだだ。先にやるべきことがある。
エルークスをサーショで出会ったスズナという女性に渡さなければならない。
フレイは、スズナとは隠れ家のある森で出会った。
トカゲ兵に襲われているところを助けたフレイだったが、家を訪ねると彼女の弟が難病にかかっているようだった。
その病気にはエルークスという薬がよく効くとスズナは言った。
こうして昨日もリーリルにやってきたというわけだった。……買えなかったが。

フレイは大分時間が経過していることに気づいた。
結構な時間、ぶらぶらしていたらしい。

「そろそろ戻るか」

フレイは独り小さくつぶやいて、宿屋に向かって歩き出した。
機嫌はなおっているだろうか……















フレイを追い出してから数分が経過していた。

「畜生――! こんな宿屋入るんじゃなかった」

入ると汚いおやじがいるわ、勘違いされるわ……最悪だ。
そんなふうに思っていると、フレイの言葉が思い出された。

『男だったら見ても何とも思わないと思うが』

確かに、そうだ。
何で男がこんなことで恥ずかしがらないといけないんだ。
ルルはそう自分に言い聞かせた。
だが、ルルの頭に突然あの女性の言葉が聞こえてきた。


『昼間っからがんばりますね』


「くそ……」

どうしてフレイの前であんなことを言うのか。
ルルは虚しく悪態をついた。
確かに自分は女だ。
女性に悪意は多分無いだろうが、酷い。

「はぁ、なんでこんなことに気張ってんだろ……」

ルルはベッドに飛び乗って仰向けに寝転がった。
むしろこんなこと気にせずやっていったほうがいいのかもしれない。
一瞬ルルはそう思った。
だが、ルルは体を起こして、

「だめだよな、そんなんじゃ」

そう否定した。そして付け加えた。

「女は弱い生き物だ、誰も守れやしない……」


再びルルは寝転がった。
それにしても、フレイは追い出されてどこへ行ったんだろう。
外で待っているんだろうか。

ルルは起きあがって部屋の外に出てみた。
フレイの姿は無い。
あるのはおやじとあの女性だけだ。
ルルはカウンターの女性にフレイがどこへ行ったのか訊いてみた。
すると、リーリルを観光でもしておく、という伝言が入っていると言われた。
仕方なく部屋に戻る。
悪いことをしただろうか。ルルは思った。
しかし、待つしか無いのも事実。
ルルは帰りを待つことにした。



数十分が経っている。遅い。
数十分で遅いと感じるのは厳しすぎるが、何故かルルには長く感じられた。
不安になってルルは捜そうと思い、外へ出ようとした。
そのときだった。

「な、なんだこれ……」

部屋に白い靄が満ち始めたのだ。
どんどん白い靄は部屋を覆っていく。

やがて完全に部屋が白く覆われた。
そして、目に入る誰か。
洞窟で見た……あの女性。

白いワンピース。白い髪。白い角――


「初めまして、ルルさん」

リクレールがそこにいた。






あとがき

どうも、カラスです。
ここまで呼んで頂きまことにありがとうございます!
感謝感謝です!

今回はちょいとさっさと進める感じで書きました。
細かい描写をしていないのがその証拠。アバウトにやってます。
あと、ルルがちょっと謎な発言してますが、それはまた今度です。
次回はリクレールとルルの対話から始まります。頑張ります!


ではではカラスでした〜。
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炎の生贄  第13話「頼みごと」 by カラス 2007/04/28 (Sat) 19:05
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あらすじ

ちょっとしたことにより、ルルに宿から追い出されたフレイはリーリルを独りで歩いていた。
そこで彼はトカゲ砦についての情報を耳にする。
そして、サーショの姉弟のところから帰ったらトカゲ砦に攻め込むことを決心した。

変わってルルは宿で考え事をしていたが、フレイのことが心配になる。
そして、捜しに行こうと部屋を出ようとしたとき、部屋は白く包み込まれ、リクレールが現れた。




炎の生贄  第13話「頼みごと」












いつのまにか、部屋の家具類は凡て無くなっていた。
代わって白い靄がかかったようになった足場があった。
そして、部屋の中心であった場所には、リクレールとかいった女性が立っている。
他に目をやることなく、ルルだけに視線を向けている――

ルルは、洞窟で見たリクレールを思い出した。
途端に頭の中に、イメージが浮かび上がってくる。

同じだ。ルルは思った。

純なる白の肌も、つくりもののような整った顔立ちも、細く白く流れるような長い髪も。
凡て同じだった。

「おそらく知っているとは思いますが、私の名はリクレールです」

だが、何かひとつ違う部分があるような気がルルにはした。
見た目は何も変わっていないのだが、少し雰囲気が変わっている。
前見たリクレールは少し幼いような気がしていたが、それよりは少なくとも大人な感じがしたのだ。

それにしても、このリクレールは本物だろうか。

ふとルルは疑問に思った。
あのとき見たリクレールは本物ではなく、虚像だった。
じゃあ、このリクレールは……?


ルルは再度洞窟の出来事を思いだした。

(よし、あれやるか!)

すぐにルルはひらめいた。
ひらめいた方法は、ルルにとって最も簡単で手っ取り早い『あれ』だ。


ルルは、足早にリクレールに近づいていった。
本物かどうか確かめるために。

「なんですか、何にも言わずに近づいてきて……」

リクレールは当惑した表情をしている。
嗚呼、彼女は予想などしていなかっただろう。
まさかまさか……

「っ――――!?」

地上に降りてきて1分以内に誰かに殴られるなんて。







「ご、ごめん」

ルルは、顔にアザを作って痛がるリクレールに謝った。

「あ、別にいいですよ……突然現れた私が悪、いたたた……」

平常を装い、虚栄を張るリクレール。
突然の出来事に、怒るのも忘れている。

部屋は、どういうわけか白くなくなっていた。
家具も凡て元の通りになっている。
床も、白い靄などかかっていない。
リクレールが言うには「殴られて集中が切れた」らしい。

「あまり人の目に触れたくないので用意しましたが……まあいいでしょう」

リクレールは部屋のベッドに腰掛けた。

「今日は、少し頼みたいことがあってルルさんに会いにきました」

リクレールはそう言った。
ルルは、リクレールが自分の名前を知っていることに疑問だったが、「なんだよ」と返した。

「それは……あ、そういえばフレイさんは?」

リクレールを部屋をわざとらしく見回した。

「フレイ? あいつなら今外に……」
「そうですか。なら今のうちに少し訊いちゃいますが……」

リクレールはにこっと笑った、まさに満面の笑み。

「彼とはどこまでいってるんですか?」

リクレールの頬に二つ目のアザが加えられた。

「うぅ……な、殴らなくても……」
「あ、あいつとはなんも無い! それに俺は男だって……」

リクレールは目をパチクリさせた。

「えっ……そんなに可愛いのに――――」

三つ目ができた。

「男と、いうことに、して、おきましょう」
「ったく……」

ルルは苛つきながらそう吐いた。

「それにしても、なぜ男を演じるんですか?」

リクレールは今度はそう訊いた。同時に顔を腕で守る。

「もう殴らねえって。あんたみたいな人を殴んのは罪悪感感じんだよ」
「そ、そうですか……」
「で、俺が何故男を演じるかって?」
「はい。普通に女の子に見えます」
「まあ、そうだろうけど……別に俺の勝手だろ?」
「そうですが……」

そこで会話が途切れた。二人の間に沈黙が漂う。
気まずい雰囲気が20秒ほど続くと、ルルは本題を思いだした。「で、頼みたいことってなんだよ」
「ああ、そうでした」と、リクレール。

「率直に言います。フレイさんを手伝って貰えませんか?」

リクレールは真剣な顔つきでそう言った。

「手伝う……って謎の力とかいうやつを?」

ルルが訊き返す。

「その通りですが、すでに聞いていましたか……それなら話が早いですね。手伝ってくれませんか? お礼はちゃんとしますよ」

ルルはフレイについていくと決めていた。断る理由など無い。手伝いたいとも思っている。

「手伝うよ、もちろん」

ルルは言った。

「ありがとうございます」とリクレールが笑みを浮かべる。
「でも、お礼って?」
「一つだけ願いを叶えましょう。なんせ私は創造主……神のようなものですからね」

ルルは驚いた。
まさかとは思っていたが、神だとは。
やっぱりフレイについていくと面白いことがあるという勘は当たっていたのだ。
それにしても自分は神を殴ったのか――


その後、他愛も無い世間話のようなものをした。
ルルはやはり奇妙な感覚を覚えていた。
こうして自分と、神が話をしている――
まったく夢物語もいいところだ。
だが、これは現実なのだ。
確実に、ルルは非日常の世界に入り込んでいた。

「……そろそろ時間のようです」

リクレールは心残りだという顔をしてそう言った。

「それでは、フレイさんをよろしく頼みますね。本当にあなたでよかった――」

そう別れを告げると、リクレールはすぅーっと透けて、消えていった。


それから数秒後、部屋にノックの音が響いた。
どうやらフレイが帰ってきたようだ。
ルルは急いでドアを開けに行った。














あとがき


どうも、カラスです。
読んでくださってありがとうございます!

今回、ちょっと書いてから文が汚いなとか思って不安になってます。
なんかこうさらさら書けなかったので……

っとまあそういう話はほっといて内容を。

まあ、ルルとリク様のシーンですね。
リク様はまあ三回殴られると……。でもあんまりギャグのパンチ力無いです。
無理やりギャグ入れようとした結果です。ごめんなさいごめんなさい……

白い靄は周りに気づかれない防護膜というような感じに使ってます。
かってな捏造設定ですが、御気になさらずに。

あ、便乗してあらすじつけてみました。どうでしたでしょうか……



余談ですが。
なんかさっき自分の過去作品(断念済み)見てたんですが、なんとも言えんです。
いろんな意味で笑える(
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炎の生贄  第14話「サーショへ」 by カラス 2007/05/06 (Sun) 15:29
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あらすじ

リクレールと対面したルル。
成り行きで3個のアザをリクレールの頬につける。
最終的にフレイを手伝うことを頼まれ、引き受けた。







炎の生贄  第14話「サーショへ」









紺のマントを羽織った青年が、だだっ広い浅緑色をした平坦な草原に歩を刻んでいた。
暖かな春風が緩やかにマントをなびかせている。

フレイは、サーショへの道を急いでいた。
既に太陽は傾き、あと数時間で沈もうとしている。
おそらく、リーリルに到着したころには日は沈んでいることだろう。
例の計画はどうやら真夜中になりそうだ。

だが、それはそれで都合がいい。
トカゲ兵達は警戒を緩めているかもしれない。



……

……

「サーショに行くって?」

リーリルを出る前の宿屋の部屋で、ルルはベッドに腰掛けていた。

「野暮用がある」

フレイは青紫色の液体……エルークスの入った薬瓶を小さな布製の袋にしまいながらそう言った。

「それ、誰に渡すんだ?」
「難病の弟を抱えた姉に渡すのさ」
「野暮用じゃねーじゃん。俺は行っちゃだめか?」
「ルルには残ってもらう。二人行っても仕方ないからな……第一荷物が邪魔だ」

フレイは部屋の隅を占領している大きな荷物カバン紛いのものを横目で見ながら言った。

「ま、確かにそうだな。じゃあ残っとくよ」

ルルは納得がいかなさそうな顔をしながらも、渋々承諾した。
それから何秒かすると、フレイは何か思い出したような顔をしてルルをみた。
真剣な表情になる。

「あと、今夜トカゲ砦とかいうところに攻め込む」

トカゲ砦と聞いて、ルルは「は?」と思わず声を出してしまった。

「あいつらの巣みたいなとこだぞ?」
「なんだ、知ってたのか……」
「結構有名だ。森の奥にあんだろ?」

フレイは一言「そうだ」と言った。
そして、慣れた手つきでズボンの皺を伸ばすと、マントを羽織ってドアの取っ手に手をかけた。

「じゃあ、行ってくる。体調は万全にしておくんだぞ、いいな」

フレイは部屋を出た。

……

……





ようやく、フレイはサーショに着いた。
男気を感じさせる渋い町並みが印象的なこの小さな町は、最もバーン城に近いため、実際に兵士が多く、男気と活気に溢れている。
『ガラン堂』についてはとても著名な由緒ある店である。
武器や防具などを扱っていて、武器の修理なども承っている。

しかしフレイは『ガラン堂』には目もくれずに横切り、町の奥まで歩いていった。
そして、周りに疎外されたようにしてぽつんと建っている古い家の前に立った。
コンコンとノックをする。
すると、ドアがぎぃっと開き、女性が現れた。

薄い紺色の髪は、かるく肩にかかっていて、頭にはカチューシャをつけていた。
顔立ちは良く、肌は不健康そうな白さで艶めかしい。
こちらを見つめる瞳の色はフレイと似た蒼い瞳をしていた。

「あ……」と、突然のフレイの訪問に彼女は目を丸くした。
彼女の名はシズナ。フレイが森でトカゲ兵から助けた人物だ。

「どうぞ、上がってください」

フレイが訪ねてきてくれたと思うと、シズナは顔をほころばせ、フレイを招き入れるように扉を大きく開けた。
だが、フレイは「今日は渡したいものがあるだけだ」と、中に入るのを拒否した。

「渡したいもの……?」

シズナはきょとんとしている。
フレイは、薬瓶を取り出し、シズナの前に差し出した。

「これ……まさかエルークスですか?」
「そうだ。この前俺に言っただろう? エルークスがあれば弟さん……シン君の病気が治るって」

その言葉に、シズナは本当に有り難そうに薬瓶を両腕で胸に抱え、頭を下げて言った。

「本当に……ありがとうございます。でも決して安価では無かったでしょう?」

フレイは少しその時のことを思い出し、苦笑いした。確かに高価だが、結果的に儲かったのだから。

「でも何故わざわざこんな……。この前会ったばかりなのに……」
「困ってる人はほっとけないんだよ。じゃあ、俺は用事があるから」

フレイはそう言って軽く微笑み、踵を返した。










フレイはなんとか日が沈む前にサーショを出ることができていた。
この調子だと、予想より早く戻ることができそうだ――
フレイはそう考えながらリーリルに向けて野原を歩いていた。

数分歩いていると、ずっと先の方に人影が見えてきた。
こんなところに人とは珍しい。声でもかけてみようか。
呑気にそんなことを思ったフレイだったが、突然の事態に目を見開いた。

人影のある辺りの小さな森のほうからたくさんの影が飛び出し、たちまちその人影を取り囲んだのだ。

フレイが目を凝らしてよく見ると、「たくさんの何か」はなんとトカゲ兵達だ――
フレイは駆けだした。







フレイが囲まれていた人物の所に駆けつけると、そこには既に数体のトカゲ兵の死体が転がっていた。

(手練れなのか……?)

フレイはその人物をしっかりと見た。

兵士のようだった。
身長はフレイと同じくらいで、屈強な体つき。
髪は青の強い紺色をしていて、白いヘアバンドを巻いている。
顔の皺からして、歳はそんなに若くはないだろう。
右手にはロングブレードをたずさえている。
見た感じからして、兵隊長格だろうか。

「あん……?」

男がフレイに気づいた。
一瞬誰だ……? という顔をしていたが、すぐに「俺ってツイてるな」的な含み笑いを浮かべた。

「丁度いい、手伝え!」

男はそう言うと、振り向きざまに近くのトカゲ兵を斬りつけた。
トカゲ兵は血を流し、倒れた。

「仕方ないな」

フレイは腰の剣を抜き、迫ってくるトカゲ兵の腹を薙いだ。
虚空に血が舞った。




















あとがき

どうも、最近すすみ具合がだめだめなカラスです。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!

しっかし、今回内容薄いのに多大な時間を使ってます。
なぜそんな時間がかかったのか……?
なんと理由ありません。なぜか進まないんですね、はい……

てか、最近かなり適当になってる感じが否めないんですが、どうでしょう?
もし感想書いてくださるならそこらへんを書いてくださるとありがたいです。
前々と変わっていなければそれでいいのですが……

ではここらで。
カラスでしたー
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炎の生贄  第15話「連れ去られる男」 by カラス 2007/05/06 (Sun) 15:33
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あらすじ

ルルに、夜トカゲ砦へ攻め込むことを告げ、サーショへ赴くフレイ。
エルークスをシズナに渡し、足早にサーショを出たが、リーリルまでの道中、トカゲ兵に襲われている人影を見つける。
駆けつけると、人影は屈強な体つきをした壮年の男兵士だった。






炎の生贄  第15話「連れ去られる男」









壮年の男が一振り二振りとトカゲ兵を斬りつけ、背後から迫るトカゲ兵の肩あたりを、振り返ると同時に薙ぐ。
今度は前方からトカゲ兵が接近し、剣を振り下ろしてきた。
男は長い剣でそれを受け、弾き返して相手を斜めに叩き斬る。

フレイは斬りこんでくるトカゲ兵の剣をバックステップで回避し、瞬時に距離を縮め、肩に斬り下ろす。
すると、左右からトカゲ兵が間合いを詰めてきているのが見えた。
フレイは腰のもう一本の剣を抜く。
そして、斬りかかる二体のトカゲ兵の剣を、二本の剣の峰で受け流し、左、右と斬り返す。血飛沫が虚空を舞う。




フレイはトカゲ兵の攻撃を受け流しながら一抹の疑問を抱いていた。
いったいどうしてこれほどのトカゲ兵が襲ってくるのか。
いくら近くに人間を見つけたからといって、この数は多すぎる。

「そこまでだ」

突然、低い声が辺りに響いた。
フレイと男はピタリと動きを止め、声のした方に視線を向ける。

森のほうから青い鱗をした大きなトカゲ兵がゆっくりと近づいてくる。
頭には白い兜をつけていて、武具は立派なものを装備している。
どうやら先ほどの声の主はこのトカゲ兵のようだ。
続いてまた青い鱗のトカゲ兵が現れる。
同じように頭に白い兜をつけている。

フレイはなるほどと思った。
このトカゲ兵二人が頭に違いない。
そして、その中でも最も上は手前のトカゲ……。
フレイは身構えた。

「……今すぐ戦いをやめ、投降してもらおうか」

頭と思われる青いトカゲ兵はフレイと壮年の男を睨みつけ、そう言った。

「……そういうのは俺たちに傷をつけてから言うんだな」

男も睨み返す。そして、剣の柄をしっかりと握り締めた。
しかし、青いトカゲ兵のほうは予想もしないことを言い出す。

「あの城に、お前の娘がいたはずだな」

と、城があるほうをちらりと見たのだ。

「……よく知ってるじゃねぇか」

男は少し目を丸くしたが、猶も睨んでいる。

「お前の娘は『人質』だ。城には我々の内通者がいる」

内通者……? フレイは首を傾げた。
どうして人間の城にトカゲの内通者がいるのだろうか?

「私が合図を下せば、ただちにお前の娘……メアリーの命は無くなるだろう」
「チッ、もう名前まで知ってんのかよ……」

男は悔しそうな顔をした。

「我々に従ってもらおうか」

その言葉に後ろにいた白い兜のトカゲ兵は「父上、もう一人の人間はどうするのですか」と訊いた。
すると、父上と呼ばれたトカゲ兵はフレイのほうを見て言うのだった。

「貴様は立ち去れ。もし我々に向かってきた場合……この男とその娘の命は無い。セタ、砦に戻るぞ」

そう言ってトカゲ達は森へと向かった。

フレイは仕方なく、連れて行かれる男の後姿を見ていた。
すると、森に消える直前、男がこちらを見てきた。
フレイにはその意味が大体わかった。

「後は頼んだということか」

どうやら、非常にやっかいなことになってきたらしい。
フレイは急いでリーリルに向かった。







ガシャン。

エージスは、トカゲ兵たちの砦まで連れて行かれ、牢屋に入れられた。
目の前には非常に太い鉄格子が狭い間隔で列なっている。
そして、その奥では青いトカゲ兵がこっちを見ている。

「もし、おまえらが俺を殺そうとしたら……娘がどうこうとか関係なく暴れるぜ。一番大切なのは俺の命だからな」
「いいだろう。お前がなにもしなければ我々も何もしない……約束する」


「畜生が……!」

エージスは拳で牢屋の壁に拳を打ちつけた。
まさかあんなやつらに捕まって牢屋に入れられるなんて。
それにメアリーを人質ときたか。
卑怯なことやってくれるじゃねえか……

ふとエージスは牢屋の奥の人骨をみた。
ああは言っていたが、俺もあんなふうになるかもしれねえな。
あんな死に方はしたくねえな、ったくよ……。

エージスは寝転がった。
そして、あの青年を思い出した。
あの戦いぶり。身のこなし。
できるとは見た瞬間思ったが、あそこまでとはな……。
トカゲの連中があいつを見逃したのは間違いだ。
夜には攻め込んでくるに違いない。

「じゃあそれまでひと寝入りするか……」

エージスは寒々とした牢屋の冷やっこい床でぐうぐうと寝息を立て始めた。















あとがき

どうも、カラスです。
読んでくださってありがとうございます!
感謝の極地です。

今回は短いです。
そして、すらすらいけませんでした〜万歳!(ぇ

とりあえずエージス連れ去られるって内容だけです。
実は、汁幻をやりこんでいる方ならもしかしたらわかるかもですが、エージスが魔王討伐を頼まれるのは、サーショの兵士曰く「一週間ほど前の話」です。
今が災いの日まで何日かわかるかと。

それでは短いですがここらで。
カラスでしたー


四月八日  一部文章改訂。
7600
炎の生贄  第16話「森を抜けて」 by カラス 2007/04/15 (Sun) 12:27
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あらすじ

トカゲ兵に囲まれる壮年の男を援護するフレイ。
しかし、突然現れたリーダー格の青いトカゲ兵の脅しによって、男は連れ去れられる……
厄介事を抱えながらもフレイはトカゲ砦に攻め込むべく、ルルの待つリーリルへ急ぐのだった。









炎の生贄  第16話「森を抜けて」










暗澹とした半夜の森は、まるで森に住む生類の凡てが滅失したかのように、しんと静まり返っていた。

時折吹く夜半の軟風が、木々の葉をかさかさと鳴らしている。


突如、森の闇から茫々とした灯りが浮かんできた。

叫び悶えるように身をくねらせた木々が、明るく照らされる。


「……ちゃんと合ってるのか」

フレイは、隣を歩くルルに話し掛けた。

もうかれこれ数十分は歩きつづけているが、例の「トカゲ砦」は見えてこない。

「んなもん分かるわけないだろ……」

右手に持ったたいまつで辺りを照らしているルルはそう言った。不安そうな表情がうかんでいる。


どうやら二人は迷ったらしかった。

まさかここまで複雑な森だとは思わなかったのだ。

ただ森の奥まで行けばいいのだが、木々が多いところと少ないところの差が激しいので、森の中をうねうねと曲がって進まなければならない。

そうして進んでいるうちに、どちらに進んだらいいのか分からなくなってしまったのだった。

それからはルルの直感で進んでいたものの、やはり森の奥に達することができない。


仕方なく二人は運を頼りに何も考えず歩いていった。

しかし、どう楽観的に考えようとしてもトカゲ砦に近づいているようには思えない。


迷ってから約二十分が経過しようとした頃だった。

突然フレイが足を止める。

ルルは少し前で止まり、「どうかしたか?」という目で向き直り、フレイを見た。

「何かいる」

フレイは足音を立てないようにゆっくりとルルに近づき、そう囁いた。

「トカゲか……?」

ルルも囁き返す。

「多分な。とりあえず近づいてみるか」

フレイは腰の剣を抜いた。

「そうだな」

ルルもナイフを取り出した。


少し進んでいくと、なにやら木以外のものが照らされた。

緑色の鱗が、鎧が行き届いていない部分から覗いている。

やはりトカゲ兵だった。

フレイとルルは身構えた。


様子がおかしい。

まったく襲ってこない、というより動く気配さえも見せない。

二人は不審に思い、手に触れられる程まで近づいてみた。

「グゥー……グゥー……」

どうやら寝息を立てているようだった。

その様子を見て、ルルは「ひらめいた」と手をポンと叩いた。

「何か良い考えでもあるのか?」

フレイが訊ねる。

ルルは何も言わずに、どこからともなく縄を取り出した。

そして、自信満々でにやりとしてみせる。

それがどういう意味をもつのか、フレイには分かった。

自分たちは今、とてつもなく迷っているのだ。

「なかなかの名案だ」

フレイもにやりと返した。




フレイとルルの前には、後ろで両手を縛られたトカゲ兵が、とぼとぼと歩いている。

そのトカゲ兵を縛った後、叩き起こして道案内をするように言ったのだった。

最初は反抗していたものの、ルルのナイフによる脅しによってトカゲ兵は怯え、従っている。

「おい、トカゲ」

ルルが話し掛けた。

「な、なんだよ」

トカゲ兵は怯えたような細い声を出し、足を止めてこちらを振り返った。

「まだなのかよ、お前らの砦とかいうやつは」

「も、もうすこしだってば……」

トカゲはそう言うと、前を向いてまた歩き始めた。

フレイとルルもその後をついていく。


数分歩いていくと突然トカゲ兵は立ち止り、振り返らずに言った。

「ほら、あれが砦だよ」

フレイとルルは目を凝らして森の闇の向こうを見た。

確かにおぼろげながら砦のような建造物がそびえている。

「じゃあ、俺はもう用無しだから帰ってもいいよな……?」

トカゲ兵は後ずさりしながら言った。

「いいが、ちょっと待ってくれ」

フレイはそう言ってゆっくりと近づいていく。

「え、なんだよ……」

トカゲ兵の目の前には、既にフレイが来ていた。

「悪い、もう一度眠ってくれ」

フレイの膝蹴りがトカゲ兵の腹に入った。

叫び声も上げられずに、トカゲ兵は崩れ落ちる。

ルルはその様子を見て言った。

「気絶させるだけでいいのかよ」

「別にむやみに殺すこともないだろう? 襲ってきたなら殺るけどな」

フレイは気絶したトカゲ兵を木にもたれ掛けさせながらそう言う。

「でも……まあ、フレイがそう言うなら」

「不満そうだな、どうかしたのか?」

「別に……」

ルルは俯き、黙り込んだ。

困ったようにフレイは息を吐いた。黙り込まれては仕方が無い。

「……よくわからないが、行くぞ」

おぼろげに姿を見せている砦へと、二人は歩いていった。






二人は、トカゲ砦の前に立っていた。

石造りの頑丈な高い防塞が、入り口以外からの侵入者を阻んでいる。

そして、入り口入ってすぐの広間には、何やら緑のトカゲ兵が横に四人並び、その前に赤いトカゲ兵が


一人立っているのが見えた。まだこちらには気づいていない。


「どうやら、最初から戦わないとだめらしいな」

フレイは砦を見据えたままそう言った。

すると、ルルは今まで黙り込んでいたが、機嫌でも直ったのか、口を開けた。

「ま、軽く暴れてやるよ」

「暴れすぎるな。それで、機嫌は直ったのか?」

「もともと機嫌なんて悪くねえよ。ちょっと考え事してただけだって」

「そうかい。それで何考えてたんだ?」

「別に何でもいいだろ、フレイには関係無い」

フレイはこれには少しむっときた。

関係無いとはどういう言われだろう。

「あのな……。まだ会って一日ちょっとしか経ってないが、俺はルルをパートナーだと思ってる。だか


ら知りたいと思うのは当たり前だろう?」

フレイにとってルルはすでに立派なパートナーだった。

いつからか、全て信用してもいいと思うようになっていた。

だからこそ、フレイは知りたかった。

ルルが何を考え、何を悩むのか。どんな過去を持っているのか。

「パートナーか……そっか、そうだよな」

少し俯きかげんにルルはそう言うと、突然顔を上げてフレイを見た。

「……今度、気が向いたら話す。今日は無理だけどそれでいいか?」

フレイは微笑んで「いいぞ」と言うと、ルルは軽く笑みを浮かべたが、砦のほうに目をやるとすぐに真


剣な表情になって腰から二本の短剣を抜いた。

フレイも剣を抜く。

「じゃあ行くか」

肩に剣を担ぐようにしながら、目を細めて広間のトカゲ兵五人を見据えると、フレイはそう言った。















あとがき

どうも、カラスです。
読んでいただきありがとうございます。
やっと16話書けました……短いですが。

今回は砦へ行くまでの過程です。
ルルが縄を持っていたことは別に趣味とかには関係ありません。

次から戦闘が始まります。
さて、砦を攻略できるのか。
セタを倒すことはできるのか。
エージスを救うことはできるのか。
それら三つを中心に書いていきます。

では次回頑張ります。
カラスでしたー
7604
炎の生贄  第17話「トカゲ砦」T by カラス 2007/04/30 (Mon) 01:57
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あらすじ

トカゲ兵を縄で縛り、道案内させ、ようやくトカゲ砦に辿り着いたフレイとルル。
少し会話を交えて、二人は剣を抜く……







炎の生贄  第17話「トカゲ砦(1)」





トカゲ兵の太刀を両手の剣を交差させて受け止め、押し返し、フレイは斬りつけた。
肩から血を流してトカゲ兵が倒れると右方に転じ、すぐそこまで接近しているトカゲの斬りを避けて腹部に蹴りを入れる。

「かは……」

腹を押さえてくずおれるように倒れた。
それを見届けるとフレイはルルのほうに首を捻り、状況を確認した。
既にトカゲ兵一人が冷たい砦の床に死んでいるか気絶しているかで横たわっている。
そしてすぐにその横にもう一人のトカゲ兵が白目を剥いて転がり、加わった。
ルルとフレイの目が合う。そして同時に残りの赤いトカゲ兵を見た。

「そ、そんな……ありえん」

赤いトカゲ兵はまるでこの世のものではない何かを見たかのように恐怖を浮かべ、二人から仰け反るように後ずさりをしながら、震えた声でそう言った。
ルルが睨みながらじりじりと詰め寄っていくと、「くそ!」とだけ言って背後の扉の奥へ逃げ込んだ。

「おい、待てよ!」

ルルが叫ぶのと、ガチャリと扉に鍵が掛けられるのは同時だった。

「ちっ……逃がしちゃったな。どうする?」

ルルは静かになった広間を一見して、フレイに向き直った。
フレイは腕を組み、言った。

「とりあえず、先に進もうか。あの男が閉じこめられている場所を見つけないとだめだからな」
「連れて行かれたとかいうおっさんか……。面倒だな」

ルルはあからさま面倒臭そうな顔をしたが、フレイが広間から続く廊下へ歩き出したのでそれに続いた。


廊下の奥には二階へと続く階段がひっそりと在った。
石造りの不格好なゴツゴツとした階段で、野性的な感じを思わせる。
あまり埃を被っていないところから、日常的に使用する階段のようだ。
ためらわず二人は階段をあがると、そこにはさきほどのものと似たような廊下が続いていた。
だが、少し先に二人のトカゲ兵が向かい合っている。
フレイとルルは身構えた。



フレイは片方のトカゲ兵の顔面を殴りつけ、ルルはもう一方の腹に膝蹴りを入れるとトカゲ兵二人は呆気なく気を失った。
そのまま二人は廊下を進んでいく。

「それにしても、案外がらんとしてんだな」

ルルは辺りを見回しながら言った。
砦というからにはトカゲ兵がうじゃうじゃしているのかとルルは思っていたが、
数はそんなに多くない、というよりむしろ少ない。

「待ち伏せでもしてるんじゃないか?」

フレイは前を向いたままそう言った。

「待ち伏せ? ……もしそうだったらかなり厄介なことになりそうだな」
「そうだな……っとまた階段か」

前方に石の階段が見えてきた。
どうやら先ほどの階に戻る階段のようだ。

「位置からするとあの赤いトカゲ兵が逃げていった側のようだが……」

フレイは腕組みをして考える仕草をした。
が、ルルは気楽な声で言う。

「ま、下りるしかないだろ?」
「嫌な予感がするが……行くか」

二人は階段を下りていった。





フレイの嫌な予感は当たっていた。

フレイとルルの前には、狭い廊下に二十を超えた赤や緑のトカゲ兵たちがそれぞれ鋭利な刃物を光らせてこっちを見ている。
目もギラギラと光っていた。
二人は苦笑した。

「何が何でも俺たちを殺したいらしいな」
「できるもんならやってみろってんだよ」

ルルは両手に短剣を構えた。
そして、トカゲ兵の軍団へ軽快に駆けていく。
フレイも剣を抜いて、それに続いた。


ルルはトカゲ兵たちを流れるように素早く斬りつけていく。
右を斬り、左を斬り、腹を薙ごうとしてくる刃を跳躍でかわし、そのまま首を斬る。
そして着地すると回転しながら左右のトカゲ兵の腹を薙ぎ、前からの斬りを左の短剣の峰で受け流し、右で斬り返す。
フレイのほうは前を走るルルが正確にトカゲ兵を斬っていくため、戦う相手がほとんどいなく、斬り損ねたトカゲ兵に蹴りを仕方なくいれたりしていた。
しかしやはり数は多く、途中からはもう少し広い場所へ、ということでトカゲ兵の攻撃を回避しながら二人は奥へと走った。
すると、壁に突き当たったため右へ曲がり、なかなか幅の広い通路へ出る。
しかし、またぞろ前方に八人ほどのトカゲ兵が待ち受けているのが見えた。
後ろからもトカゲ兵たちが追ってきている。

「囲まれたらしいな」

フレイは、この切迫した状況を楽しむかのように微笑し、そう言った。
対してルルは表情も変えずに言う。

「死ぬなよな」
「おまえもな」

それだけ言葉を交わして、フレイは追いかけてくるトカゲ兵の方を向き、ルルは新たなトカゲ兵たちの方を向いた。
そしてルルが背中を合わせてくる。
ルルの背中の暖かみがフレイの体に伝わってきた。
背中を合わせる……すなわち、それは背後を任せたということを意味する。

フレイは目をつぶった。

それなら答えてやろうじゃないか。
お前の後ろをしっかり守ってやる。
ただし、俺の後ろもちゃんと守ること。いいな?

フレイは目をあけた。
トカゲ兵たちが一斉に突撃してくるのが見えた。











あとがき

どうも〜、カラスです。
まずは読んで頂き誠にありがとうございます!
感謝感激、大感謝祭です(何

今回はトカゲ砦(1)ということで。
トカゲ兵を殺しすぎか……?
いや、でも殺すか殺されるかだからなぁ……。
とかなんとか思ってます。
トカゲ兵の扱いは最初は悪いですがじきに良くなる、かもしれません。
言ってしまえば私のモチベーションに左右されます(ぇ
おそらく次はセタ出てくると思われます。

でも戦闘描写って案外疲れるんだなぁ。
神様視点にしなけりゃよかったかな、とか思ったりしている今日この頃。
もしかしてこれまた私のモチベーションにより変わったりしてしまうかもしれません。

では、ここらで。カラスでしたー
7624
炎の生贄  第17話「トカゲ砦」U by カラス 2007/04/30 (Mon) 02:02
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あらすじ

トカゲ砦に進入したフレイとルル。
待ち受けるトカゲ兵たちを斬り伏せながら奥へと進み、二階へと上がる。
一階へ戻るもうひとつの階段を見つけ、下りるとそこにはたくさんのトカゲ兵が……。

背中を合わせ、二人は向かっていく。







炎の生贄  第17話「トカゲ砦」U







(なかなか手強いな……)

フレイは、セタとその父親の攻撃を巧く避けながら思った。
うまく連携して斬りつけてくるためスキが見当たらない。
しかも、あの著大な盾……。
攻撃がなかなか通らないというのは、一体全体どういう細工がされているのか。

兎も角、流石はこの砦の主、といったところだろうか。
そう簡単には倒させてくれない。

(それにしてもルルはうまくやってるか……?)

広い廊下の壁にぽっかりと穴でも空いたような、扉のついていない出入り口に、フレイはちらりと目をやった。
遠くにひっそりと古風な石造りの建物が見える。

「余所見は禁物だと教わらなかったか?」

一瞬に出来たスキを、セタが素早く剣を動かして突いてきた。
咄嗟にフレイは後方へ大きく跳んで限々で回避し、体勢を立て直した。
腕をだらりと下げた状態で両手の剣を構える。

(とりあえずはこっちを片づけてから、か。仕方ないな)

フレイは、セタとその父親に向かって駆け出した。



……

…………

事は数分前に遡る。

「無事か?」

フレイは、衣服の汚れを払うルルに向かってそう言った。
二人とも相当な返り血を浴びている。

「まあな」

ルルは相変わらず丹念に汚れを払っていた。

フレイとルルは凡てのトカゲ兵達を無事倒せたようだった。
死んでいる者、気絶している者、逃げ出した者など様々だが、今のところ動くことのできるトカゲ兵は見当たらなかった。

フレイは安堵した。
やっと休憩ができる。
これだけ倒せば、しばらくは立ち向かってくるトカゲ兵はいくらなんでもいないだろう。
もしいるとすれば、命が惜しくない者ぐらいか兵士であることに行き過ぎた誇りを持っている者くらいなものだ。

コツ、コツ、コツ

そう思った矢先に、誰かの足音が聞こえてきた。
まさかまだ向かってくるやつがいるのか?
くそ……やっと休憩ができると思ったのに、また戦わないといけないのか。
フレイは心の中で舌打ちをした。
ルルはいかにも面倒くさそうな呆れたような顔をして、足音のする方を見ている。

足音は二人がやってきた細い廊下からしていた。どんどん足音は大きくなっていく。
やがて二つの影がフレイとルルの前方に現れた。

「同胞が何故こんなに……」
「もしかして、人間が……!?」

壮年の男を連れ去ったトカゲの二人組だった。
二人ともあの時と同様に白い兜を装備している。
ただ違っているのは、手前の一人が何やらやけに大きな盾を持っていることだけだ。
二人のトカゲ兵は、目の前に静かに佇んでいる侵入者を見つけ、顔つきを変えた。

「貴様……! あの時の人間か!」

格上と思われるほうのトカゲ兵が怒気を含んだ声でそう叫んだ。

「こいつらがフレイの言ってた二匹か?」

ルルは、遠くでこちらを向いている二人を見据えながら言った。
フレイは「そうだ」と頷いた。

「倒せばこの砦を制圧したことになる」
「そっかそっか。じゃあやっと休憩ができんだな」

ルルは気楽にそう言った。
しかし、フレイはそんなに気楽ではいられなかった。

この二人は一筋縄ではいかない。

そんな気がしたのだ。
漂わせる雰囲気にしろ、あの盾にしろ、不気味な手強さを物語っている。
倒す自信はあるが、少々てこずりそうな相手には違いないようだった。

「父上、どうやら二人でかからねばならない相手のようです」

後ろ側のトカゲ兵がそう言った。
父上……ということは、この二人は親子らしい。
そういえば……。
前この二人が現れたときも、このトカゲ兵がもう一方を父上と呼んでいたことをフレイは思い出した。
そして、父親は子のことを確か……セタと呼んでいた。

「そうだな。しかし、前会った人間よ。人質のことを忘れたのではあるまいな?」

そう、フレイは人質を取られている。
壮年の男とその娘だ。

しかし、その言葉を発しながら、ちらりと廊下の壁あたりをセタの父親が見たのを、フレイは見逃さなかった。
その辺りを見ると、扉なしで吹き抜けの出入り口が隠れるようにひっそりと在った。
察するに、どうやらそこから……。

フレイは迷わずルルに耳打ちした。

(ここは俺に任せてくれ)

ルルはフレイの言葉に拍子抜けしたが、ひそひそ声で返してきた。

(なんでだよ)
(あそこを見てみろ)

フレイは先ほどの出入り口を横目で見た。

(あれがどうかしたのか?)
(どうやら、あそこから男が捕らえられている場所へいけるらしい)
(へえ、それで何でフレイにここを任さないといけないんだよ)
(ルルにはあそこから出て男の捕まっている場所を探ってほしいからだ)
(ふうん……)

ルルはまるでフレイの真似でもするかのように腕組みをして、数秒後言った。

(仕方ないな。ここは任せるけど、絶対死ぬなよな)

ルルはそう言うと、いち早く出入り口へと走り出した。
それを見てセタが驚いた顔をしたが、すぐに真剣な顔つきになって、既に出入り口付近まで走っているルルに向かって剣を投げつけた。

しかし、ルルのほうが速かった。
剣は壁に弾かれ、虚しく廊下の床を転がった。

「さて、俺一人でお相手させてもらおうか」

フレイは剣を構えた。










あとがき

どうも、カラスです。
読んでいただき、誠にありがとうございます。

セタパパが持ってる盾は、もちろん大気の盾です。
どうしてエージスが持ってるところを書いていないのに、セタパパが持ってるところを書けるのかというと。
こじつけではありますが、ちょっとした特性みたいなものを設定してあるからです。
別にストーリーにはそこまで関係しないのですが。

次回はルルで始まります。
頑張って書いていきたいと思います!

カラスでしたー。
7645
炎の生贄  第17話「トカゲ砦」V by カラス 2007/04/30 (Mon) 02:07
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炎の生贄  第17話「トカゲ砦」V













石造りで古風な、上空から見ればおそらく矩形であろう建物についている鉄製の扉が目の前にあった。
足元には、トカゲ兵が白目をむいて気絶している。

このトカゲ兵には、扉を塞いでいたため、軽く気絶してもらった。
塞いでいたと言っても扉の前で居眠りしていただけだったが、下手に起きられても困るし、いくらなんでも寝ている相手を殺すのは気が引けた。
代わりに死ぬほど強力な蹴りを顔面にお見舞いしたのだ。

(これがこの扉の鍵か?)

ルルは、気絶しているトカゲ兵の腰あたりにキラリと光る、くろがね造りの鍵を見つけた。
即座に腰から外し、拾い上げて扉の鍵穴に挿し込み捻ると、カチャリと小気味の良い音がした。
どうやらこのトカゲ兵はこの建物の番をしていたようだ。
ルルは扉を開け、建物の中へ歩を進めた。

建物の中は、両側の壁の凹んだ部分に灯された燭付近はやや明るく、それ以外は殆ど真っ暗になっていた。
そして、やけにひんやりとしていて湿っぽかった。
じめじめとした感覚に、ルルは眉間にしわを寄せた。
 
ルルは敵が潜んでいないか周りに注意を配りながら、燭の灯りを頼りに室内を歩いた。
すると、鉄の柵と思われるものがルルの視界に入った。
狭い間隔で並んでいて、どうにも入れそうに無い。
こういう建物であるからして、牢屋と考えるのが妥当だろうか。

(さて、どこに居んのかな)

ルルが手始めに先ほど目に付いた鉄の柵の奥を注視した。
だが、見えたものは人骨だった。
無様にも大の字で床に寝転がっている。

まさか……!

ルルは一瞬、この人骨が囚われた男ではないかと不安になった。

「そんなはずないだろ……まだ一日も経ってないのに白骨化するわけねーじゃん」

ルルは、おもわず声を出して自分で自分にツッコミを入れてしまった。
白骨化するにはどのくらい時間がかかるのか詳しくは知らないが、一日で白骨化したりはしないはずだ。

「誰だぁ?」

突然、男の声が聞こえてきた。
ルルはトカゲ兵かと思い、腰の鞘から短剣を抜いて息を殺した。

「おいおい、誰かいるんだろぉ? もし人間だったら、こっから出してくれよ。もう退屈で仕方ねぇ」

どうやら発言内容からして、この声の主はここに捕えられている者のようだ。
つまり、フレイの言う壮年の男……。
ルルは短剣を鞘に収めた。

「今助ける。どこだ?」

ルルの高い声が響いた。

「やっぱり人間か。やっと出られんだなぁ、出れねえかと思ったぜ。それにしても女か」
「ごちゃごちゃ言わずにまず場所を教えろよ」
「えぇとだな、一番左側の牢屋の中だ」

ルルは「わかった」と言うと、少し歩いて、最も左端にあると思われる牢屋の前に立った。
先ほどと同じように牢の中を見ると、何やら朧げに男が牢屋の中で寝そべっているのが見えた。

「早くこっから出してくれ。鍵はかんぬきになってるから簡単にはずせると思うぜ」

ルルは目を凝らして牢の入り口を探した。
あった。鍵の部分は確かにかんぬきになっている。

ルルはかんぬきを外した。
キイっと音を立てて入り口が開くと、寝そべっていた男は「よっこいしょ」と立ち上がり、こちらに向かってきた。
やがて男が牢屋から出てきて、今まで朧げだった姿がはっきりと見えてくる。

「ありがとよ。感謝するぜ」

男は、フレイから聞いていたとおりの青の強い紺色の髪をしていて、白のヘアバンドを巻いていた。
武器らしいものは持っていない。

「とりあえず自己紹介だ。俺の名はエージスってんだ。兵隊長をやってる。それでそのくらい強い俺が、何でこんな湿っぽいとこに捕えられているのかは話せば長くなるが、」
「うるさい」

ルルはエージスと名乗る男が語りだすのを制止した。

そんな話もう知っているしもう一度聞きたくもないし、
そもそもそんな話聞いてる時間なんか最初からねえんだよ。

「そのことは全部知ってるから、とにかくついてこいよ」

ルルはこの建物の扉へ向かって歩き出した。

「なんだ、知ってんのか。あー、あのボウズの知り合いみたいなもんだな? 名前は?」
「ルル。おっさん、早くついてこいって」
「『おっさん』だぁ!? ったく、口の悪いお嬢ちゃんだぜ……」

二人は建物の外へ出た。














あとがき

どうも、カラスです。
読んでくださって誠にありがとうございます!
感謝感激の嵐です。

今回はめちゃくちゃ短いです。
もうなんというか短いです。
多分、戦闘シーンが入ってないことや、内容がエージス救出だけということがファクターかと。

とりあえず、トカゲ砦はまだ続きますが、頑張って書いていきたいと思います。
もしかしたら次で「トカゲ砦」は終わるかもしれませんが、すぐ後に……

では、ここらで失礼いたします。
カラスでしたー。
7694
炎の生贄  第17話「トカゲ砦」W by カラス 2007/05/04 (Fri) 19:30
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炎の生贄  第17話「トカゲ砦」W















セタが後退してフレイの右の剣から繰り出される斬撃を何とか回避した。
雑念を断ち切ってこの戦いに集中しようと決めてから数分が経つが、未だ二人に一撃も加えていないし、加えられてもいなかった。
一人一人で戦ったならばすぐに倒せるはずなのだが、二人のコンビネーションは見事なものであるため五分五分な戦いになっている。

しかし、セタが先ほどの攻撃をかわした後、そこに一瞬のスキが生まれているのにフレイは気が付いた。
左の胴が空いている。

フレイは一度距離を取って二人に向き合い、体制を立て直した。
このスキを見逃すわけにはいかない。
多少、フレイ自身も疲労を感じているのだ。
できるだけ早く倒さなければ、危険な綱渡りをすることになってしまうかもしれない。
それとも、ここは任せろと言ったにも関わらず、ルルの後援を待つという何とも情けない事態になってしまうかもしれない。
可能性は十二分にある。

フレイは大きく息を吸い込むと、先ほどと似た動きでセタへと接近し、これもまた似たように斬りつけた。
セタも同じ映像を再生しているかのような動きで何とかそれを後退してかわした。
そして生み出される僅かな一瞬のスキ。
間合いを詰めて、素早く左の剣で斬る。

バキッ!

嫌な音がした。
防具の上から斬ってはいるが、流石に斬った音ではない。

セタは苦痛に顔を歪め、膝をついた。
しかし血は流していない。
ということは斬れていないということか……?
フレイは後ろへ下がって一旦距離をとると、左腕を持ち上げて剣の刀身を見た。

(そんな馬鹿な……)

刀身は鋭利でなくなっていた。
今までは綺麗な線を描いていたのに、その線はガタガタになっている。
つまりナマクラ刀中のナマクラ刀と化しているのだ。
斬れないのも当然。
音からわかるように打撃的な要素しかこの剣には備わっていない。
右の剣も確認してみると、同様にだめになってしまっていた。

それにしても一体いつからこんな……?

「セタ! 傷は浅いのか?」
「骨が折れている、ようで……す」

セタが膝をつきながら言った。

「セタ、お前は下がっていろ。私一人で大丈夫だ」
「父上……申し訳、ありません」

セタはよろよろと後ろへ下がった。
同時にセタの父親はフレイのほうを向き、状況を察しているのか意地悪い笑みを浮かべた。

「どうやら、運が悪かったようだな。武器が殆ど使い物にならない、とはな」

フレイはセタの父親の持つ盾に注目した。
もしかしてあの盾のせいで刀身がぼろぼろになってしまったのだろうか。
そうだとすれば、あの盾で守られると不利になる。
といっても、もう既に不利になっているためどうしようもないのだが。

とにかく、この状況はかなりまずい。
フレイの剣は打撃能力しか備えていなく、相手は一人になったものの、セタのものより遥かな防御性能を誇ると思われる防具を身につけている。
それは盾だけでなく、他の防具にも言えることだ。
見るからに頑丈そうに見える。
これでは致命的なダメージを与えるのは殆ど不可能だ。
相手の攻撃をまともに受けることはないだろうが、勝負はどちらかのスタミナが尽きるまで、となるか。

といえども、既にフレイの体に疲労は溜まっている。
やはり不利な状況に変わりは無かった。

だが、その状況はすぐに好転することになる。

「何だと……!?」

セタの父親がそう言ったのだ。
フレイを見るのではなく、フレイの背後に視線を向けて、目を見開いている。
フレイは振り向いた。

「まだ倒せてなかったのかよ」

ルルだった。
その後ろにはあの捕えられた壮年の男が立っている。
どうやら無事助けられたようだ。
そしてこちらも助けられたようだ。

「三対一。これは撤退するしかないんじゃねえの?」

ルルは先ほどのセタの父親よりも意地悪い笑みを浮かべて言った。

「く……。悔しいがそのとおりだ。セタ、肩につかまれ。今すぐ全員を撤退させる。見逃してくれるかはわからないが」

勝機が無いと判断したようだ。
セタは父親の肩を借りて、立ち上がった。

「つかあの二人どうすんだ? 殺すか?」

ルルは壮年の男を従えてフレイのほうに歩み寄ってくると、その光景を見ながら言った。

「無理に殺さなくてもいいだろ。親子みたいだしな……」
「へえ、親子か……。そうだな、じゃあ放っとくか」

セタの父親は、フレイとルルの会話を聞くと言った。

「よりによって人間に情けをかけられるとは、私も情けなくなってしまったものだな」

そしてゆっくりと三人の横を通り、廊下を左に曲がって姿を消した。
だが、突然壮年の男ははっとなってトカゲ兵親子を追いかけるように廊下を走り出した。

「おい、どこ行くんだよエージスのおっさん!」

どうやらあの男の名はエージスと言うらしい。
ルルは驚いて、廊下を駆けているエージスに向かってそう叫んだ。

「あいつの持ってた盾を取替えさねえといけねえんだ!」

エージスは二人の視界から消えた。












あとがき

どうも、カラスです。
読んでくださり誠にありがとうございます。

今回でとりあえず「砦攻略戦」は終わりです。
ですが、次回も舞台は砦となっております。
かなり長引いてますが、お許しくださいませー。

ではあまり言うことがないため、ここらで失礼いたしますね。

カラスでしたー。
7736
炎の生贄  第18話「茶色の」 by カラス 2007/05/22 (Tue) 16:55
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炎の生贄  第18話「茶色の」








「トカゲ砦攻略を記念して、乾杯!」

ルルは威勢良く声を張り上げた。
フレイの杯とルルの杯がぶつかり、カンッと景気の良い音を立てる。
もちろんのことながら二人の杯の中身は酒ではなく、ただの冷水だ。

「もしも帰路で危険なアクシデントが起きてしまったときに酔っぱらってしまっていては話にならない」とフレイは判断した。
フレイは一応酒が飲めてその上酔わない体質であるから(もしかしたら元より酔う体ではないのかもしれない)、自らが酔っ払う心配をしなくていいのだが、問題はルルのほうだ。
どう考えても年齢的に無理そうだし――フレイも多少無理な年齢ではあるのだが、飲酒の年齢制限は特に規定されているわけではないのだ――、危険に対応できないし、そもそもフレイとしては酒を飲んでほしいとは思っていなかったのだ。
なんとなくだが、フレイのなかで「酒=男」の図式が出来上がってしまっていたのである。
別に女が酒を飲んではいけない、とまではフレイ自身思っていないのだが、ルルにはあんまり飲んでほしくない……と、あくまでもナチュラルに心から思わされていた。
その理由には、ルルの顔がかなり良いということがあげられるかもしれない。

こうしてフレイは、ルルが自分の飲んでいるものを羨ましく思わないように冷水を選んだ。


今、フレイとルルが祝杯をあげている部屋は、トカゲ兵たちが利用する食堂らしき大部屋だった。
横長の矩形をしたこの部屋には、四つのこれまた細長い木製テーブルが二列で配置されている。
その一つ一つが、周りをずらりと丸イスに囲まれていて、この砦で生活するトカゲ兵の数を思い知らせているかのようだった。

フレイはその光景を見たとき、暗澹とした気分に落ち込んだ。
このイスよりも総数は多いだろうが、一体自分たちはいくつのイス分のトカゲ兵を葬ってしまったのだろうか。
フレイがセタに攻撃を加えて負傷させたとき、その父親は心配して駆けつけた。
そして逃げていくときもセタに肩を貸していた。見殺しにしたりはしなかった。
そんなの、人間と同じじゃないのか?
誰かが怪我したから、助ける。
そこには必ず感情と言うものが介入している。
もちろんトカゲ兵にも感情はあり、喜怒哀楽がある。
そんな彼らを、数十人も――

「おい、せっかく攻略したんだからちょっとくらい食えよ」

フレイは向かい側に座っているルルの声で我に返った。

「ま、俺の活躍が無かったら食えてないけどな」

ルルはそう言ってから目の前の大皿に乗った大きな肉にかぶりついた。
この祝杯にはしっかりと食料もついている。
ルルは食料を砦のどこかにある食料庫からぱくってきたようで、色んな食材が二人の目の前に所狭しと目白押しに並んでいるのである。

「……何の肉なんだ?」
「あぁ、野犬の肉だよ。フレイも食うか?」

ルルはそう言いながら”ルルがかぶりついた肉”をフレイの前に差し出して見せた。
フレイは不覚にも一瞬「お……」と内心思ってしまったが、踏みとどまった。
いや、流石に野犬の肉は食えない。
調理済みのようだが、何かと心にブレーキがかかってしまう。
むしろ本心はエンジンをかけていきたいのかもしれないが……。

「いらん。そんなもの食えるか」とフレイは苦し紛れに言った。
「いや、俺が食えてるから食えるだろ。ほら」

ルルはまた肉にかぶりついて見せた。

「一緒にするな。それに、そういうことじゃなくてだな……」
「どういうことだよ、変な奴だな。あ、ちょっと俺、またなんか盗ってくる」

ルルは肉をテーブルに置くと、立ち上がって入り口から出て行った。
フレイは大きく溜息をついた。




数分後になるが、フレイが大きな盆に入った薄味のスープを飲み干すと(不思議な味だったが、一体なんのスープだろうか。毒があると言われても納得できるかもしれない)、ルルがたくさん食料を抱えて戻ってきた。
見たこともない食料たちをテーブルにドサリと置くと、先ほど座っていた席に戻った。
その時、突然カタカタとテーブルの上においてある食器が音を立て始めた。

「ルル、テーブルを揺らすな。そこにある紫色のスープがこぼれるだろ」

フレイは紫色の水面に波紋を生じている盆を見つめながら、冷静に言った。

「いや、俺何もしてねえんだけど」と、ルル。
「なんだって?」

フレイは辺りを見回した。
なにやら部屋全体が揺れているような気がする。部屋全体が……?

そうしているうちに、食料がテーブルの上で踊りだした。
一枚、二枚と皿は落下し、破片を撒き散らす。

「……逃げるぞ!」

フレイは立ち上がり、入り口へ急いだ。
ルルのほうは「折角食いもんとってきたのに……」とやるせない顔をしたが、すぐに続いた。
全速力で二人は入り口を通過すると、振り返って部屋に目をやった。天井が崩れ落ちるのが見えた。

間一髪。

もうすこしあそこにいたらあの瓦礫に埋もれてしまっていた。

何が起こっているのかは皆目見当がつかないが、ここに停滞していては何時この天井も破壊されてしまうか計りえない。
兎に角この砦から脱出しなくては……。

「こっちだ!」

フレイはルルを手招きして駆け出した。







外に出ると、揺れはおさまっていた。
フレイとルルは砦から大分離れたところからそのありさまを観察していたが、未だ砦は崩れていっている。
一体これはどういうことだ……?

「今さっき、砦の向こうになんかいなかったか?」

ルルは目の上あたりに右手を垂直に当てて遠くを見る仕草をした。

「いや、俺は見てない」
「そうか……。あ、ほら! あれだ、あそこだ!」

ルルは砦の頭あたりを指差した。
フレイはその辺りを注視したが、何も見えない。

「おい、何も見えな――!?」

言いかけて一瞬、茶色い何かが視界に入った。

「ほら、なんかいるだろ? 多分あれが砦をぶっ壊してるんだと思うんだよな」

ルルが言い終わるか言い終わらないかのうちに、遂に砦はガラガラと崩れだした。

舞う砂煙。

そして、現れる「何か」。

その体は茶色く、ふさふさとしていて――

「でかすぎる……」

フレイはその姿を見た途端、度肝を抜かれた。
ルルも口が半開きになっている。

「はは……野犬ってこんなにでかかったっけ?」

ルルは顔を引き攣らせ言った。









あとがき

どうも、カラスです。
読んでいただき誠にありがとうございます。
こちらの板にもUPしていくことにしました。
なんだかこの板のほうが使いやすい気がしてます。
慣れてるからですかね。

最後に出てきたやつは野犬ですね。ただし超巨大ですが。
例によって次回は戦闘が入ります。

ではではカラスでしたー。
7748
炎の生贄  第19話「銀狼」 by カラス 2007/05/24 (Thu) 00:28
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炎の生贄  第19話「銀狼」











――白い部屋。





「『力』の波動を感じました」

目の前に並んでいる三匹の神獣を見つめながら、リクレールは口を切った。
その言葉に動揺し、三匹は顔を見合わせる。

「いつですか?」

スケイルが二匹と見交わすのを止め、リクレールの瞳を覗き込むようにしながら訊いた。

「つい先ほど。それも、前回より強いです。
 とはいえ、まだまだ人々の生活に支障をきたす程度の大きさではありませんが」

「しかし、見過ごせるものではないのだろう?」

クロウが口を開いた。

「無論見過ごせるものではありません。実際、現在このような状況に陥っています」

以前映像が映し出された壁に、またもや朧に映像が浮かび上がってきた。
大きな茶色い怪物に、青年と少女が斬りかかっている。
三匹には、その茶色い怪物が映像に映りきっていなかったので、最初は一体それがなんなのかよく分からなかったが、直に手足や目などが映し出され実態を把握した。

「……えーと、おっきな野犬ですねぇ」

フェザーは吃驚を通り越して呆れ果てた表情を浮かべながら、率直な感想を述べた。

「あの大きさだともう野犬ではないような気がするが……」

「一応あれは野犬です。『力』の影響で大きくなってしまったようですが、それが直接影響したのかはよくわかりません。
 またそれが偶然的なものなのか、何者かが意図的に行ったものなのかもはっきりしていません。ですが」

リクレールはそこで一度言葉を区切ると、一呼吸置いてから口を開けた。

「後者の可能性が高いと私は思います」

「何故そう思うのだ?」

「この現象はここ数日で二回目だということはお解りですね?」

神獣三匹が同時に頷く。

「前回、怪物と戦っていたのは誰ですか? そして今回戦っているのは?」

三匹ははっとして顔を見合わせた。

「そうです、どちらもこの二人なんですよ」

リクレールは映像に目をやりながら言った。
青年が野犬の体から振り払われ、地面に叩きつけられている。
そこへ野犬の大きな足が垂直に下ろされるのを、青年は横に転がって回避すると体勢を立て直した。

「そしてどちらも『力』の波動が起きている、ときているので可能性は低くありません。
 また、フレイさんを消そうとしているという可能性も。ルルさんのほうはわかりませんが」

部屋に沈黙が横臥した。


クロウは、部屋の沈黙とは裏腹に流れつづけている映像に目をやっていたが、ふと視線をリクレールに戻した。

「フレイと、ルルとかいう少女はどうするのだ? 大分おされているようだが」

リクレールは「それについては」と言うとほんの少し楽しそうな含み笑いを向けて、

「考えがあります。きっと面白いですよ」

クロウは嫌な予感に身震いをした。
















「デカすぎなんだって!」

ルルが襲ってくる巨大な物体を避けながら、苛々気味にそう叫んだ。
あの物体は……前足だ。
毛がたくさんはえている大木のようにも見える。

「森にいったん逃げ込むぞ!」

フレイは逃げ回っているルルに疾呼すると、森へと駆け込んだ。
先ほどまで視界に広がっていた野犬の姿が突如消え去る。

時を移さずルルが逃げ込んできた。

「ナイフも短剣も役にたたない!」

ルルはややヒステリックにナイフを地面に叩きつけた。
そして、カラン、と状況にも合わず小気味の良い音を響かせた。

「毛がふわふわしすぎてて肉まで通させてくれないし……ったく、フレイが剣をボロボロにするからこんなことになんだよ」

「へぇ、それは俺の実力でも認めてくれてるのか?」

「俺がそれ使って倒すんだよ馬鹿!」

「馬鹿で悪かったな」

確かに、剣を使い物にならないほどボロボロにしてしまったのは悪かったかもしれないが、馬鹿とは酷くないだろうか。
阿呆よりはマシだが。

「そんなに剣が要るなら探してくる。待ってろ」

フレイは野犬に見つからないように森から忍び出た。
トカゲ砦には武器くらいあったはずだ。
瓦礫の中に使えるものが埋もれているかもしれない。



予想通りだ。
キラリと鋭利に光る刃物が瓦礫の中で掘り出せと言わんばかりに埋もれている。

「今引き抜いてやる」

フレイは背後で自分たちを探している巨大野犬に警戒しながら、瓦礫の中に手を突っ込んだ。
柄の感触が手のひらに伝わってくる。
そして引き抜こうとするが……何かに引っ掛かっていてなかなか抜けない。
少しずつ、少しずつ動いているのだが……。

「おい!」

ルルの声がフレイの耳に届いた。
そして同時に伝わってくる巨犬の地響き。
嫌なタイミングで気づかれてしまったようだ。

しかし、まだだ。

まだ引き抜いていない。

引き抜かないことにはどう転んでも勝つことはできない。

この怪物を放置しておくわけにはいかない。

もし街へいってしまえばたくさんの死人が出てしまう――


だが想いとは逆に、剣は引き抜かれてくれなかった。
また何かに引っ掛かり、もうピクリとも動いてくれない。

無理だ――

フレイは柄から手を外し、どうにかしてこの場を逃れようと思ったが遅かった。
振り返って見上げると、そこには野犬の鋭い牙が幾多も並んでいた。
太い牙だ。フレイの腕くらいはある。
あの牙で体を貫かれたら助からないだろうか。
野犬の後ろにルルの姿が見える。
こちらに走ってきているようだが、もう間に合わない――フレイは咄嗟に目を瞑った。


フレイの肉を食らう音が辺りに

……響くことは無かった。


代わりにフレイの目の前で何かが光っていた。
白い、どこまでも白い光の柱が立っていた。
直にその柱の中に人影があるのがわかってきた。
だんだんと柱は狭まり、消える。

「人の体もなかなかよいものだな、フレイとやら」

現れた者は背中に背負った大きな剣の柄に手をかけると、勢いよく引き抜いて前方の視界を覆う怪物に斬りつけた。

















あとがき

どうも、カラスです。
読んでいただき誠にありがとうございます。

自分もこのテキストBBSに残ることにしました。
というわけで新板のほうの作品は削除しましたので見ている方などおられましたらこちらでよろしくお願いいたします。
まあ殆どいないでしょうが(苦笑
あくまで形式的にということでー、えー。

人化クロウ!
やっちゃった。しかもタイトルそのまんまじゃーん(
なんかパクってるみたいであれなんですが、まあ多分それなりに影響は受けてますゴメンナサイスイマセンユルシテクダサイ
ってかこうやらないとトーテム達の出番がないのです、ハイ。
個人的には、人化するに際して最もかっこいいのがクロウだと思ってます。
だって、一応狼ですよ? もうそれだけでかっこいいじゃないですかー(何
そして、スケイルはデフォルトが殆ど人化なんですが、問題はフェザー。
ちょっと喋る内容に特徴つけないとむずいなぁとか思いながら練ってます。

ではここらで失礼いたします!
カラスでしたー。ちなみに中間テストが終わったため更新速度上昇模様ですハイ
7778
炎の生贄  第20話「薄ぼんやりの黒衣装」 by カラス 2007/06/17 (Sun) 10:03
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炎の生贄  第20話「薄ぼんやりの黒衣装」







フレイとルルの正面には、男が座っていた。
流れるような銀髪の下には傷だらけの小麦色の肌があり、コバルトブルーの瞳が綺麗に並んでいる。
背中には大きな鞘が括り付けられていて、大剣が収められている。
白銀の毛皮を羽織っていて「狼」の雰囲気を醸し出していた。
見た感じの年齢はフレイと同じくらいだろう。


「とりあえず、礼を言う。助かった」

フレイは突如現れた男の瞳を捉えながら、男に合わせるようにして瓦礫の座りやすそうな部分に腰を下ろした。
ルルもそれに続く。


「つーかさ、質問なんだけど」

ルルが仏頂面のまま表情を変えない男の顔を覗き込んだ。

「……なんだ?」

男はルルが覗き込んできたことに少し驚いたが、特に表情も変えずそう言った。
ルルは一呼吸置くと、この場にいる誰もが抱くであろう疑問――といっても二人しかいないのだが――をした。

「あんた誰だ?」

もっともな質問である。
が、もう少しマシな訊き方というものがあるだろう。
フレイにとってこの男は命の恩人でもあるので、ある意味ルルの態度は尊敬に値するかもしれない。

「我はクロウ。リクレールによって地上に遣わされた」

リクレールという言葉にフレイは反応した。
なるほど。リクレールの使者か。
よく考えたら、光の柱が落ちてきてその中から人が現れて、しかも俺の名前を知っているだなんてリクレール絡みしかないじゃないか。

「フレイとやら。竜人の砦は攻略したようだな」

一瞬フレイはクロウと名乗った男が何を言っているのか分からなかったが、すぐに竜人がトカゲを指すことに気が付いた。
後から分かったことだが、トカゲ達の正式名称は竜人というらしい。竜というよりはトカゲが似合っているような気もするが、一体誰が名づけたのか。

「まあ、な。今はこんな有様だけどな」

クロウがその言葉を聞くと辺りを見回した。
この瓦礫を見、少し遠くで死んでいる野犬を見る。

野犬はクロウが背中の大剣で倒すまでは非常に大きかったのだが、その後はすぐに元の野犬に戻った。
以前洞窟で目玉の大きな怪物を倒したときに似ている。
あの時怪物はコウモリに戻っていた。
これは相当おかしなことだろう。
そもそもあんな怪物生息しているわけがないし、倒したら元に戻るだなんて。
もしかして自分の探している『力』が関係しているのかもしれない。

「リクレールはこれについて何か言ってなかったか?」フレイは訊いた。
「それについては聞いている。やはり『力』と関係があるらしい」

思ったとおりだ。

「『力』っていうと、フレイが調査してるやつだったよな?」

ルルが口をはさんだ。

「そうだ。俺がここへ来た理由がそれだ」
「『力』と関係が必ずしもあるという保証は無いのだが、リクレールはそう言っている」

クロウは続ける。

「また、『力』の後ろには何者かの影がある、とも言っている。
 これもまた確証を得てはいないが、リクレールが言うには『可能性が高い』そうだ」

そして、その何者かはフレイを狙っているのだ――

「何で俺が狙われてるんだ?」

確かに、フレイは二度も怪物と戦っているわけなのだが、理由がわからない。
リクレールによってフレイは地上へ送られ、調査をしているだけだ。
しかし、リクレールがそう言うのならそうなのかもしれない。

「我の考えだが、おそらく『力』を調査する、
 つまりその影に潜む何者かを妨害するフレイが邪魔だと考えているのかも知れぬ。
 十分に注意するこ……伏せろ!」

ほぼ反射的にフレイとルルは瓦礫の上で伏せた。
頭の上を何かが通っていく。
空気が熱くなる。

……炎?

「早速、お出ましのようだ」

同じように伏せていたクロウは、炎の刃が頭上を通過したのを確認すると立ち上がった。
フレイとルルも立ち上がる。そして、死んだ野犬の近くに佇んでいる者を見た。

一瞬、いつか見たルルのような気がした。
が、違う。今はあの服をルルは着ていないし、この場にいる。
しかし、紛れも無いあの衣装を着た者が何も言わずに佇んでいる。

黒ローブがそこにいた。
顔はすっぽりとフードに隠れていてわからない。

「貴様、何者だ」

クロウは背中の大剣を抜くと、黒ローブに向かって構えながら静かに言った。
が、黒ローブは黙ったままでこちらをじっと見つめているので気味が悪い。
弱くなっている月光が薄ぼんやりに辺りを照らしているのも尚更この光景を気味悪くさせた。

「何も言わぬなら問答無用。斬る」

クロウが地を蹴って大きく跳躍し、黒ローブとの距離を一気に縮めた。
そのスピードはフレイにも匹敵する、否それ以上かもしれない。
そのまま大剣を振りかぶり、黒ローブの体を横に薙ぐ。
上半身と下半身が真っ二つに――

ガキン!

「くぅっ――――!」

一瞬何が起きたのかわからなかった。
否、そうではない。
一瞬すぎて何が起きたのか分からなかったのだ。
クロウが数メートル吹っ飛ばされ、ゴロゴロとこちらに転がってきた。
フレイとルルは駆け寄った。

「どうやらあやつには結界が張ってあるらしい」

クロウは大剣を支えにして起き上がると、構えなおし黒ローブが居た方向を見た。
が、そこにはもう何の姿も無かった。
野犬の死体も何時の間にか消えていた。

「逃がしてしまったか……」

クロウは大剣をだらりと下げて地につけると、落胆した声で言った。
そして息を整えているクロウを見ながらルルは訊いた。

「あいつ、なんだったんだ?」
「おそらくあれが『力』の影に潜んでいるものだ」



「少し我は動きすぎたらしい」

クロウは息が整うとそう言った。

「人間の姿はすぐ疲れるのだな。元の姿に戻らせてもらう」

「元の姿?」フレイは訊いた。
元はなんだったのだろうか。

「そう、我は元はこんな姿ではないのだ。見ておくがいい」

クロウの体が輝きだした。
やがてクロウの形をした光の塊となり、それがだんだんと小さくなっていく。
狼のような形になると、そこで変化は止まり、輝きがおさまってくる。

そこにはやはり狼がいた。
しかし体が透けている。

「我の本来の姿はこれだ」

澄んだ瞳が、フレイ、ルルの順に見つめる。

「犬?」

ルルが口に手を当てて考える仕草をしながらそう言った。

「犬ではない! 狼だ!」

クロウが憤慨したように怒鳴る。

「で、これからクロウはどうするんだ?」とフレイ。
実はかなり疲労が溜まっていたのでさっさと事を済ませたかった。
トカゲ砦に加えてあの巨大な野犬。
疲労をためるには十分なことをやっている。
とりあえず今すぐ宿屋に戻りたいところである。

「行動を共にしろと言われているが……良いか?」

フレイは頷いた。





帰り道、森を歩いていたときだった。
クロウは空気でも読んだつもりでいるのか姿を消していた。
フレイの隣にはルルが歩いている。

突然、ルルが倒れた。
フレイは慌てて駆け寄った。
予想はしていたが、フレイ以上に疲れているようだった。
歩きながら眠って倒れるなんて、器用なことをしてくれるものだ。

フレイはルルを抱き上げ、背負った。
起きる気配はなく、フレイの背中でスースーと寝息をたてている。
フレイ自身何がおかしいのかわからなかったが、くすりと微笑んだ。

もうすぐ夜が明けようとしている。







あとがき

どうも、カラスです。
かなり久しぶりの投稿ですが、読んでくださった方はありがとうございます。

やっと黒ローブが出せました。
てかこの話にどれだけ時間がかかってるんだろう。
書くの遅すぎだよな自分……。

詳しいことはあんまり言えませんが、次回もがんばります!

カラスでしたー
7789
炎の生贄  第21話「招待状」 by カラス 2007/07/03 (Tue) 01:44
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炎の生贄 第21話「招待状」










漆黒のローブを着た何者かが遠くに佇んでいる。
何も物を言わず、ただこちらをじっと見ている。
視界に映るものはそれ以外何もなく、黒いローブより更に暗黒な空間があるだけだ。

何時から俺はこんなところにいるんだ。

フレイは自らに問い掛けてみたが、解答など出なかった。
頭もぼんやりしていて、深く考えることが出来ずそれでも考えることといったら、
やはり「ここは何処だ」と「あいつは誰だ」の二つくらいなものだった。

黒ローブ。

フレイの頭にそんな単語が浮かんだ。
憶えがある。
確か、あの時、トカゲ砦を攻略した後に巨大な犬が出てきて、それを倒した後に――

突然、今まで人形のようにぴくりとも動かず佇んでいた黒ローブが動いた。
右腕を軽く前に出し、ローブの袖から少し出ている手を開く。
すると、何も無かったその手に赤い棒のようなものが、メラメラと炎のように歪みながら出現した。
否、炎のように歪んでいるんじゃない。
実際舐めるような炎がそこに燃えている。
やがて炎は形を変えてゆき、剣になった。
刀身は長く黒ローブの身長ほどあり、燃え盛る炎のような鮮やかな色彩を帯びていた。
柄の部分は浅黒く、掴んでいる手を守るように鍔から柄頭にかけて、両側に準の柄のようなものがついている。

その剣を見ていると、フレイの頭が軽く痛み出した。
少し頭を押さえる。
よくわからないが、黒ローブの持つ剣を知っているような気がした。
どこかへ消えていたはずの生前の記憶の断片が、執拗に語りかけてくる。

――思い出せ

――お前はその剣を知っている

しかし、フレイは思い出せない。
黒ローブがこちらにゆっくりと近づいてくる。
頭痛が酷くなり、それに比例するように強く記憶は語りかけてくる――




フレイは目を開けた。
頭痛で目を瞑っていた――わけではないらしい。頭は痛くない。
まず視界に入ったものは、綺麗とは言い難い天井。所々が汚れている。

「夢、か」

フレイは呟くと堅い床から上半身を持ち上げ、ぼんやりしている頭をはっきりさせるべく、
しばらく昨夜のことを思い出し始めた。

確かルルを負ぶってリーリルまで連れて帰り、宿屋で部屋を借りたのだった。
カウンターの女性に変な目で見られたが、もちろん入室後は変なことなどしていない。
そもそもそんなことする気はフレイには全くと言っていいほどなく、
といってもちょっとくらい意識してしまうところはあるにはあるのだが、
それがあったにしても実行しようとは決して思わないのがフレイの性格であった。
部屋に入るとまずルルをベッドに寝かせ、一緒に寝るわけにはいかないので床に横になった。
疲れていたので、寝心地こそ悪かったが一分もしないうちにフレイは眠りに落ちた。

フレイはようやく頭がはっきりしてきたので立ち上がってベッドを覗き込んだ。
しかしそこにルルの姿はなく、毛布がだらしなく中途半端にかかっているだけだ。

一体どこにいったんだ?

フレイはルルを探しに行こうとドアに近づいた。
と、その時。

バンッ!

勢いよくドアが開いた。
ちなみに、ここのドアは内開きになっている。
大陸全体は外開きのドアや扉が主流なのだが、リーリルの宿屋は「一風変わっている」というのを自慢にしているので、
部屋のドアは内開きとなっている。

もしかして「一風変わっている」から宿屋にあんな上半身裸のオヤジがいるのか――と考える時間などフレイには残されていなかった。
フレイの額が、したたかにドアと衝突する。
いつものフレイなら容易く避けることができたはずなのだが、寝起きの身体はいくらか鈍くなっていたようだ。
果たして勝ったのは――

ドアであった。

「あー、わるいわるい」

ルルはそう言いながらも、悪びれた様子など部屋の外で上半身を晒しているオヤジの髪の毛くらい絶望的に無く、
といっても髪の毛が無いのはセンターだけで耳らへんにはたくさんあるのだが、
額を押さえながら痛がるフレイの脇を通り過ぎベッドに座った。
そして、手にもっている丸めた羊皮紙を広げ、不敵な笑みを浮かべながら得意げに紙面を黙読し、
すぐに読み終わると紙の表をフレイに向ける。

「ちょっとこれ見てくれよ。さっきそこでもらったんだけどさ、もしかしてうまい話かもしれないんだよな」

「字が小さくて見えない」と告げると、ルルが紙を丸めなおし投げてきたのでフレイはそれをキャッチし、
一つ溜息を吐いてからのろのろと広げてみた。
縦長の紙で、文字は横書きになっている。
フレイは、最初に書かれてあるややこしい挨拶文のようなものは読み飛ばし、比較的大きな字で書かれた部分を読み上げてみた。

「なになに……『よってバーン城への入城をここに許可する』」

バーン城。
かなり大きな城だと聞いたことがある。
しかし何故その城からこのような招待状が来るのか。
わからなかったが、読み飛ばした部分を読んでみると理由がわかった。

「竜人の砦の礼、ってとこなのかこれは」フレイは紙を丸めてルルに投げて返した。

ルルは紙を受け取ると丁寧にベルトにはさんだ。

「そうだろ、絶対。それにしてもあのバーン城だからな、たんまり金とかくれるに違いない。フレイもそう思うだろ?」

そんなうまい話あるわけないだろ、どうせ「金やるかわりになんかやれ」って魂胆に違いない。
そもそも俺は調査を続けないといけないから黒ローブを探さないといけないし、城になんか行けるか。
とはフレイは言えなかった。
既にルルの目は言葉に言い表すのは難しいほど爛々燦々と輝いており、
それはそれでドギマギさせられるものがあったのだ。

ルルはお金が好きである。
というと何だか嫌な印象を受けるかもしれないが、純粋に好きらしい。
それがなぜなのかはわからないが、ルルの育て親であるオーバの影響ではないか、とフレイは思っている。
オーバも金好きだったに違いない。
そうでなければ、こんな少女が金に目を輝かせるなんてことは起こり得ないように思うのだ。

同意すべきか否か返答に迷っていると、ルルは興奮で同意を求めたことも忘れたのか、

「で、もちろん今から行くだろ?」

と、更に輝きを増した真夏の太陽のような目を向けてきた。
フレイは苦し紛れに言う。

「まだ、いいだろ。それよりその紙だれにもらったんだ」

もしかして偽物かもしれないじゃないか。
フレイとしてはそうであってほしい。
このままでは、寝起き五分以内に行動開始というあまりにも酷な事態に陥ってしまう。しかも額に一撃を加えられた状態でだ。

「街の入り口にいた兵士」

どうやら本物らしい。
一瞬でフレイの願いは崩れ去った。

「せめて朝飯だけでも食わせてくれないか」

「ま、そんくらいならいいけどさ」

何とか寝起き五分以内は免れた。
フレイはさっさと朝食を済ませるべく、逃げるように部屋から出た。



朝食を済ませて部屋に戻ると、そこにはルルだけではなくクロウの姿もあった。
今は人間の姿に戻って――ではなくて人間の姿になっている。

「フレイ、今からバーン城に行くのか」

とクロウは左手に持った例の紙きれから目を離し、フレイのほうを見た。
フレイはやりきれない思いに駆られながらも頷く。

「支度は俺がしといたからすぐに出発できるぞ!」

床には、どこから手に入れてきたのか、もしくはもとから持っていたのかも分からぬ大き目の鞄が置いてあった。
ふくらんでいないので中には何も入っていないようだ。
推測するに、この中に金でも詰めようという考えだろう。
また、壁にはロングブレードが立てかけてあった。
ルルの武器コレクションの一つのようだ。

またもややりきれない思いに駆られながら鞄の方に首を向けつつも空中に焦点を結んでいたフレイだったが、
クロウが不意に近づいてきて、ルルには聞こえないように小声で囁いた内容に焦点を向けることになる。

「この招待状、我は何か臭うぞ」

実は、フレイもそう思っていたのだ。
朝食を食べながら考えていたのだが、何だか胡散臭い。
そして、何かが引っ掛かっていた。
何が引っ掛かっているのかはわからないが、何かがおかしい。

「実は俺もそう思っていたんだ。タイミング良すぎないか?」フレイも小声で返した。

「そう、タイミングが良すぎるのだ。フレイとルル殿は昨日竜人の砦を落とした。
 そして今日、招待状を受け取った」

一瞬、クロウがルルのことをルル殿と呼んでいることに違和感を覚えたが、
おそらく感覚的に呼び捨てにするのが躊躇われるためであろうとフレイは納得した。

「たまたま目撃者がいた、となれば城に一日で伝わるのも納得できる。
 しかしあの時間帯に活動するのは、普通の人間には非常に危険なことだ」

そうだ。
伝える人間などあの時間帯にいるはずもない。
しかし、伝わっているということは誰かがいたということになる。

「じゃあ、一体誰が知らせたんだ?」

「分からぬ。だからこそ『臭う』と言っている」

クロウはそう言うと、今にも部屋から出ようとしているルルを見た。

「我は元に戻って城内に入る。フレイはルル殿の元を離れてはならないぞ」

クロウがそういい終えるか終えないかのうちに、ルルは「行くぞ!」と先陣をきって部屋から出て行った。

「城でまた会おう。では」

クロウも部屋から出て行った。
フレイは、壁に立てかけてあるロングブレードを腰につけ、部屋を出た。










あとがき


どうも、カラスです。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!

やっとバーン城です。
実はバーン城についての話はあまり書く気はないです。
とりあえず入れとかないと後々面倒なので入れておきました。
内容も……微妙なものになるかと。

ではではなにか質問等ありましたら感想でよろしくおねがいします。

カラスでしたー
7842
炎の生贄  第22話「生意気な兵士」 by カラス 2007/09/05 (Wed) 19:17
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炎の生贄  第22話「生意気な兵士」







城は堂々と聳えていた。
厳格な雰囲気。
一言で言えばその言葉に尽きる。
高さはそれほどでもないが、面積はかなりのものを誇っており、
外から城内を見ると、悠々たる柱の群れがまるで威圧感をもってこちらを睨んでいるようにさえ見えた。

ここが、バーン城。
規模が大きいということは聞いていたが、これほどまでとは予想していなかった。
一体どれくらいの人数でこの城を完成させたのだろうか。
このくらいの城なら、莫大な資金と人材が要ったに違いない。

フレイは漠然と城を眺めていたが、近くにルルがいなくなっていることに気づくと、
殆ど諦めながら辺りを見回した。
案の定いない。
おそらく、城に入ったのだろう。
『ルル殿のもとを離れてはならない』
とクロウに言われたが、こういう場合はどうすればいいのか。

――探すしかないんだろうなあ……

フレイは一つ溜息をつき、城内へ歩を進めようとした。

「そこの青年、兵士じゃないようだが一体何のようだ?」

不意に背後から声をかけられたので振り向くと、城の兵士が訝しげにこちらを見ていた。
身に付けている装備は一般兵士よりはどうやら良さそうなので、
隊長、ではないだろうがそれに近い階級であることに間違いない。
そしてなにより偉そうな、生意気な感じがした。

「招待状をもらった。だから王に用がある」

「なるほど、貴様が……な」

兵士はそう言うと、さらに訝しげにじろじろ顔を眺めてくる。

「本当に貴様がトカゲ砦を落としたのか」

どうやら疑っている顔だ。

「俺が落とした。でなきゃここに入ってこられないだろう?」

「確かにそうだな」

兵士は納得したように頷くと、「ちょっと待っててくれ」と言ってどこかへ歩いていった。
フレイは早いとこルルの捜索を開始したかった。
が、あまり下手なことをしてしまうとまずい。
ここは待つしかない。


数分後、兵士は意外なものをもって歩みよってきた。

「俺と試合をしてくれないか?」

それは2本の木剣だった。試合用の、木剣。

「トカゲに勝った腕前、見せてくれ」

「断る」

フレイは城に向き直り、歩き出した。
くだらない。
試合をするためにここへわざわざ出向いたわけじゃない。
といってもルルに流されて来たようなものだが。
このときにはフレイの頭には少し血が上っていた。

「今あんたに割く時間なんてないんだ」

「待てよ」

「待たん」

「おい」

「出直せ」

「俺が貴様を王様のところまで案内する役なんだぜ?」

「しつこ……なんだって?」

フレイは足を止めた。
この兵士が自分たちを王の間に案内する。
それはつまりこの兵士が同行しないと王のところには辿り着けないということを意味した。

「俺を倒したら案内してやる。どうだ?」

「骨が2、3本折れてもいいのか」

「望むところだ」兵士が木剣を放ってきた。

フレイは飛んできた木剣をだるそうに掴むと、力を抜いて構えた。
辺りを見ると、知らないうちに別の兵士達が集まっている。
面白半分。どうせそんなものだろう。
こっちは全く面白くないんだ。

「余所見するな、行くぞ!」

兵士が全速力で向かってきた。



勝負はすぐについた。
フレイの木剣の切っ先が、ほとんどゼロ距離で兵士の喉に刃を向けている。
兵士の木剣は、10mほど先に転がっていた。
所詮、兵士なんてこんなものだ。
トーテムのような力を持った者に太刀打ちできるはずもない。

「くっ……すげえ怪力だな、よくもそんな力が出るもんだ」

「それはどうも」

切っ先を兵士の喉元から地面に下げると、兵士に木剣を返した。
兵士は慌てて受け取ると、近くの兵士に手渡す。

「仕方ない、王様のところまで連れて行ってやる」

兵士は負けても、やはり偉そうに言った。

「ちょっと待て。連れがいるんだが、そいつが見つかってからにしてくれないか」

ルルを長く放置しておくだけ、フレイの不安は募る。
いつ城で騒ぎを起こすかわからない。

「見つかってから?」

「ああ、ちょっと前に城に入っていったみたいだ」

「そうか、なら早く探して来い」

……偉そうだ。

「偉そうだな」思わず口に出た。

「へりくだれとでも言うのか」

……それもそうか。
フレイは答えずに、城へ入っていった。



案外、ルルはすぐに見つかった。
城の廊下を歩いていると、とある兵士がフレイに声をかけてきたのだ。

「よう」

フレイは兵士に知り合いなどいないので戸惑った。
が、よく考えるとその声は男のものではなく、知っている声だった。

「何で兵隊服なんて着てるんだ? どこから手に入れた?
 まさか盗んだんじゃないだろうな?」

フレイの口調は、初っ端からどこかへ行ったルルへの怒りで速くなっていた。

「そのまさかだって。ああ、今ごろあの兵士震えてるだろな」

フレイの怒りなど気にせずに、ルルは極めて普通にそう言った。
もしかして、追い剥ぎか? 追い剥ぎなのか?
いや、まさかルルがそんなことを……やりかねない。

「……早く返してこい」

「はは、嘘に決まってんだろ。俺がそんな野蛮なことするわけないじゃん」

「いや、普通にしそうだと思うが」とはもちろんツッコミを入れずに、フレイは少し安堵した。
城に入ってすぐに厄介事が起きるのは困る。

「じゃあどこから手に入れてきたんだ?」

「いや、もうちょっと奥に行ったところのタンスの中に入ってた。
 女用の服もあったけど、似合いそうになかったからこれだよ」

「似合いそうになかった……って、お前は女だろ」とは案の定言えず、
フレイは何故わざわざルルが兵士姿になったのかを黙って考えた。
5秒ほどで、フレイの頭の中でその理由がぼやけた輪郭を持ち始める。

おそらく、ルルは一儲けしたいのだろう。
何らかの方法で、城の兵士達から金を巻き上げるつもりだ。
どうやるのかは想像を大きく超えるに違いないが、多分フレイにとってそれは有益でないのに違いなかった。
そうとなれば、止めるだけだ。

「とにかく、元の服に着替えて来い。待っててやるから」

「えっ、何でだよ」

「俺達はバーン王に会いに来たわけだ。その姿じゃさすがに会えないだろう?」

「う……そうだけどさ、でも」

「でもじゃない。早く着替えて来い。
 俺はいつでもお前なんてほっていけるんだからな」

そう言った瞬間、フレイは少し言い過ぎたような気がした。
本当のところ、そんなことは一つも思っていないのだ。
フレイ自身、ルルがいなくなって寂しいのは自分であるとわかっていた。

「ちぇ……わかったよ」

ルルはいじけたような顔つきでそう言うと、先ほどきた廊下を引き返していった。
何だろう。罪悪感?
それに似た感情がフレイの胸の淵に溜まった。

――いや、何故俺がそんな感情を抱くんだ。今日最も災難なのは俺じゃないか。
ドアは額にぶつかり、朝起きてすぐに活動を開始し、兵士と試合までさせられたんだ。
これ以上酷くなるのは誰でも御免だろ……

しかし、これは子をしつける親の気持ちに似ているのかもしれない。とフレイはなんとなく思った。
フレイにとってルルは子どもではないが、やはり色んな意味で幼い。
そういう意味ではなんら子どもと変わらないということを、しみじみとフレイは感じた。

親は子を守らなければならない。

フレイは気を引き締めた。











あとがき

どうも、カラスです。
久々ですいません。
そしてここまで読んで頂いて誠にありがとうございます。

正直なところネタはあったのですが、時間と意欲がなくてこれだけ時間がかかりました。
申し訳ありませんでした。

内容に関しては、プロット通りにいってません。
途中で出てくる兵士なんていませんでした。いませんでした。
しかし書く途中に勝手に出てきました。この兵士め!(何
そして次回も出します。ちょっと興味深い話してくれるかもです。かもですよ?
名前は考えてません。しかし、おそらくどう話が展開しても兵士A的な存在なので、名前なんて不要となるでしょう。

あと感想くれる方は良ければ感想ください。
感想は執筆意欲のエンジン。
エンジンなしの車は廃車ですぜ(何

それにしてもマジAさんどうしたのかな〜。
受験勉強でもしてると予想しておこう。

ではではカラスでしたー
7459
感想 by LADEN 2007/03/22 (Thu) 13:17
△up
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どうも、LADENです。

まず、この物語を読んで、「巧い」と思いました。

文章、キャラクターの性格、周りの風景の表現、
そして謎めいた部分を残し、徐々に明かしていく…素晴らしいです!
謎を明かさない部分が読んでいると色々と想像を膨らませていくという楽しみがあります。

この物語の主人公のルルですが、
とても強いですね。トーテムなど、何か特殊な力があるのでしょうか?
それと、第三章は幻主との出会いのようですね。
彼との出会いが何を与えるのか…

これらの疑問を明かされていくのと、
これからの物語の進展を楽しみにしています。

ではこれで失礼します。これからも応援しておりますのでがんばってください。
7513
かーんーそ〜〜 by マジカルパレス新入社員A 2007/04/03 (Tue) 09:38
△up
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どうも、初めまして!
マジカルパレス新入社員Aです(面接落ち三回)
長いので、マジAとお呼びください。
(つーか、まだ今年で受験生なのになんで大人ぶってんの?俺)

・・・・本題に入ります。
いやー、描写、うまいっすねー
キャラの性格も言葉聞いただけで浮かんできますよ。
ルルちゃ・・・・ゲフンゲフン(風邪気味で・・・失礼)
ルル殿が男っぽいのはオーバの
育て方に問題があったのでは?と勝手に解釈してます。

・・・・・話が進むにつれて
ルル殿のフレイへの高感度は上がるのか!?
それとも急降下してくのか!?
楽しみです。では。

PS.フレイがベットの下で寝ていたのは
  ルル殿が寝付いた後襲う気だったのでしょうね
  最低な男だな!寝込みを襲うとは!変質者め!
7519
かーんーしゃ〜〜 by カラス 2007/04/03 (Tue) 17:34
△up
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>どうも、初めまして!
>マジカルパレス新入社員Aです(面接落ち三回)

カ「こちらこそ初めまして〜。カラスです」

フ「フレイだ」

カ「今日は二人で担当させてもらいまーす」

>長いので、マジAとお呼びください。

カ「わかりました、マジカルパレス新入社員Aさん」

フ「絶対わかってないだろ……」

>(つーか、まだ今年で受験生なのになんで大人ぶってんの?俺)

カ「自分なんて、(ピー)ですよ」

フ「(プー)で(ピー)だもんな」

>・・・・本題に入ります。

カ「ビクビク」

>いやー、描写、うまいっすねー

カ「細胞分裂していいですか」←喜んでる

フ「こいつを誉めちゃだめだ、マジAさん」

>キャラの性格も言葉聞いただけで浮かんできますよ。

カ「おぉ、ありがとうございます。フレイ君のほうはあんまり特徴ないなとおもっていたんですが……大丈夫な感じでしょうか」

>ルルちゃ・・・・ゲフンゲフン(風邪気味で・・・失礼)

カ「あぁ、今日はルルちゃ……ルルが来ていないことに感謝しなくては」

フ「股間蹴られるからな、しかも作者が」

>ルル殿が男っぽいのはオーバの
>育て方に問題があったのでは?と勝手に解釈してます。

カ「とりあえず今のところは想像にお任せしますが後々出てきますっていうか出します」

フ「ルルの過去……か」

>・・・・・話が進むにつれて
>ルル殿のフレイへの高感度は上がるのか!?
>それとも急降下してくのか!?

カ「どうでしょう。フレイ君によりますね〜」

フ「なっ……」

>楽しみです。では。

カ「感想ありがとうございました!」

フ「感謝する」


カ「お……PSが……」

フ「なになに……」

>PS.フレイがベットの下で寝ていたのは
>  ルル殿が寝付いた後襲う気だったのでしょうね
>  最低な男だな!寝込みを襲うとは!変質者め!

カ「変質者め!」

フ「誤解だ!」




※感想は一番下の記事に返信いただけると嬉しいです
7461
感謝! by カラス 2007/03/22 (Thu) 13:32
△up
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ま、間違えてENTER押しちゃいました(汗×100
下のは無視してください;;;;
   ※削除しました(クッキー保存されててパスあったのでb


>どうも、LADENです。

どうも、カラスです〜

>まず、この物語を読んで、「巧い」と思いました。
>
>文章、キャラクターの性格、周りの風景の表現、
>そして謎めいた部分を残し、徐々に明かしていく…素晴らしいです!

ありがとうございます!
でも、そんなにほめられると……ピーになります(何

>謎を明かさない部分が読んでいると色々と想像を膨らませていくという楽しみがあります。

自分もあえて隠して作ってきます。
それが成功しているのはとても嬉しく思います。

>この物語の主人公のルルですが、
>とても強いですね。トーテムなど、何か特殊な力があるのでしょうか?

まあそれもちょこちょこと小出しにしていこうかなと思ってます。

>それと、第三章は幻主との出会いのようですね。
>彼との出会いが何を与えるのか…

そのとおり。男主ですね。
これから物語は動き出すわけでして……まあ頑張ってかいていきます。

>これらの疑問を明かされていくのと、
>これからの物語の進展を楽しみにしています。

ありがとうございます!

>ではこれで失礼します。これからも応援しておりますのでがんばってください。

いや、本当にありがとうございました!
感想がないとかなり自信が無くなる単純な自分なのでとても励みになります。
これからも頑張っていきます!

では感想ありがとうございました!

カラスでした〜
7494
感想! by ようすけ 2007/03/30 (Fri) 23:35
△up
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さてさてやってきました、ようすけです

ようやく八話まで読んだので
感想行きますよー。

ルルちゃん(ちゃんを付けたら殺られそうですが

賭博を主催したり容赦なく蹴ったり(何
ブラックだよ!?
この子が主人公なの?
怪力の様ですがやっぱりクロウでも宿してるのかな?

と思ったら主人公は別にいたんですね、
フレイ君の方が明らかに主人公っぽいと思ってしまう
今日この頃です。

後、4話のラストはうまいなぁと思いました。
こういう切りかたって良いと思いますよ、とても、

それにしてもルルちゃんは執念深いですね、
勝てるまでフレイ君を付回しそう、
・・・ハッ!それではストーカーじゃないか!

一体これからどうなるのか楽しみです、
頑張って下さい、ようすけでしたー。

7495
感謝! by カラス 2007/03/31 (Sat) 00:02
△up
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>さてさてやってきました、ようすけです

ああ、勇者が……(何
どうも〜カラスです。

>ようやく八話まで読んだので
>感想行きますよー。

今までの全部読んでくれるとは感激の嵐です。
そしてばっちこーい!

>ルルちゃん(ちゃんを付けたら殺られそうですが

大丈夫、彼女は怒っても寸止め〜半殺しの範囲なので殺られる心配ご無用!(おい

>賭博を主催したり容赦なく蹴ったり(何
>ブラックだよ!?
>この子が主人公なの?
>怪力の様ですがやっぱりクロウでも宿してるのかな?

賭博はお手の物です。
普通の博打でも金が稼げるならいかさまするでしょうね……。
ちなみに蹴るのは男性のシンボルが多かったり(
トーテムとかそれ関係は……ノーコメントで。

>と思ったら主人公は別にいたんですね、
>フレイ君の方が明らかに主人公っぽいと思ってしまう
>今日この頃です。

おお、主人公っぽく見えていたとは嬉しい感想です。

>後、4話のラストはうまいなぁと思いました。
>こういう切りかたって良いと思いますよ、とても、

あ、ありがとうございます!
ちょっと不安もあったんですが吹っ飛びました!

>それにしてもルルちゃんは執念深いですね、
>勝てるまでフレイ君を付回しそう、
>・・・ハッ!それではストーカーじゃないか!

そうそう彼女はストーカー……(ぇ

>一体これからどうなるのか楽しみです、

期待に答えられるよう頑張りたいです。

>頑張って下さい、ようすけでしたー。

感想、本当にありがとうございました!
頑張ります。

ではではカラスでしたー
7499
感想ですか? by ようすけ 2007/03/31 (Sat) 03:10
△up
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うぉぉぉお!?九話が出来上がっているではないですか!

という訳でこんな遅くに起きてしまっている
眠れないようすけです。

さてと、さっそく感想です

恐れ多くもリク様の虚像に
貫通ごっこなるものをするルルちゃん
まだまだ幼いようですねー。
それとも落ち着きが無いだけかっ?

そして身内の事を心配して
フレイと一緒に旅立つのを迷う、
けれどなんだかんだ言って
『面白そう』が理由に挙がっているのが
なんとも彼女らしいですねw

さ、様なんてとんでもない!
こちらもさん付けなのですから
そんなに持ち上げないでーw

フレイ君・・・見損なったぞ!
まさか女の子のベットの下に居たなんて!(ぇ
罰として野犬定食を10セット平らげる事!

ではでは今回はこの辺で、ようすけでしたー。

7502
感謝ですか? by カラス 2007/03/31 (Sat) 14:55
△up
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>うぉぉぉお!?九話が出来上がっているではないですか!

カ「半分完成していたので夜中に書き上げました〜」

フ「そして起きたのが12時とは……不摂生だ」

ル「だから頭悪いんじゃねえの?」

カ「ぐはぁっ!? ひどいよ、ひどいよルルちゃ」

ル「(股間蹴り)」

カ「うぅ……パタ」

>という訳でこんな遅くに起きてしまっている
>眠れないようすけです。

カ「不摂生カラスです」

フ「フレイだ」

ル「ルルだ…ってなんで作者生き返ってんだよ」

カ「生き返らなきゃ始まらないじゃないか」

ル「あ、そっか」



カ「ちなみに自分は9話投稿してすぐに寝ました」

ル「じゃあ10時間も寝てんだな」

フ「寝すぎだろう……」

>さてと、さっそく感想です

カ「ありがとうございます!」

フ「感謝する」

ル「感謝感謝」

>恐れ多くもリク様の虚像に
>貫通ごっこなるものをするルルちゃん
>まだまだ幼いようですねー。
>それとも落ち着きが無いだけかっ?

ル「ルルちゃんって……」←プルプルしてる

フ「さすがのルルでも感想くれる人のブツは蹴れないか」

ル「くそ、代わりに作者蹴るかっ。うら」

カ「!? う……なぜ……パタ」



ル「貫通ごっこは思いついただけで別に幼くなんか……」

フ「それを幼いっていうのさ。まあ……少し見てておもしろかったけどな」

カ「じゃあなぜとめたのかな?」←復活

フ「話が進まなくなるだろう」

カ「なるほど」

フ「それにしてもこれからは手を焼きそうだな」

ル「ふん、勝手に焼いてろよ」


>そして身内の事を心配して
>フレイと一緒に旅立つのを迷う、
>けれどなんだかんだ言って
>『面白そう』が理由に挙がっているのが
>なんとも彼女らしいですねw

ル「いやだってマジでおもしろそうじゃんか」

カ「本当にそれだけかな」

ル「あとは一生負けは嫌だからだって」

カ「ほう」

>さ、様なんてとんでもない!
>こちらもさん付けなのですから
>そんなに持ち上げないでーw

カ「了解しました〜ようすけさん」

>フレイ君・・・見損なったぞ!
>まさか女の子のベットの下に居たなんて!(ぇ
>罰として野犬定食を10セット平らげる事!

フ「な、なにぃぃ!?」

カ「下にいた君が悪い」

ル「フレイ、マジでベットの下に?」

フ「いや、いないに決まってるだろ」

カ「とりあえず10セット平らげること」

フ「理不尽極まりない……」

>ではでは今回はこの辺で、ようすけでしたー。

カ「感想ありがとうございました〜。カラスでした〜」

7514
感想射出 by ようすけ 2007/04/03 (Tue) 12:11
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何時も通りのようすけです、
感想です。

今回はリクレール達ですか、
しかしトーテムが三匹共居ると言う事は・・・?

そして『会いに行く』と行ったリクレール
しかしあのルルちゃんが相手では
説得は困難だと思われる?

最後にあの映像、
洞窟=あの賢者?
しかし『怪物』と言っている辺り全く未知の敵かも。
しかもその怪物は攻撃されているようですし。

謎が明らかになるのを待っております。

ではではようすけでしたー。


7520
感謝射出 by カラス 2007/04/03 (Tue) 17:53
△up
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>何時も通りのようすけです、

カ「どうも、カラスです!」

フ「フレイだ」

カ「今日は二人だけで担当させてもらいま〜す」

>感想です。

カ「おお、ありがとうございます!」

>今回はリクレール達ですか、
>しかしトーテムが三匹共居ると言う事は・・・?

フ「何か意図でもあるのか?」

カ「ノーコメントで」

フ「実は何も考えていないとかじゃないだろうな」

カ「(ギクッ)」


>そして『会いに行く』と行ったリクレール
>しかしあのルルちゃんが相手では
>説得は困難だと思われる?

カ「頑張ってそこは書こうと思います」

フ「どう頑張るか……だな」

>最後にあの映像、
>洞窟=あの賢者?
>しかし『怪物』と言っている辺り全く未知の敵かも。
>しかもその怪物は攻撃されているようですし。

フ「もしかしてお前の文で誤解を招いているんじゃないか?」

カ「あ……誤解招いているならすいません。このまま読み進めると謎が深まりまくるかもしれませんので説明みたいなものを。
 洞窟はとりあえずはルルとフレイが踏み入れたところですね。
 そして怪物は洞窟でルルが戦ったやつです。そう、コウモリです。
 もちろんルルに攻撃されております。
 第8話の内容とそこは一緒です。
 そして最後に映る「何か」……は後々明らかに」

>謎が明らかになるのを待っております。

カ「それ以前にわかりにく文を書いて謎を深めないようにしなきゃな……」

>ではではようすけでしたー。

カ「ありがとうございましたー。カラスでした〜」

フ「じゃあな。次回また会おう」
7528
荒れ狂う嵐の中彼は何を思うのか(感想です) by マジカルパレス新入社員A 2007/04/04 (Wed) 12:52
△up
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マジA「どぉーも!マジAです!」
レイス(以下レ)「出張感想人のレイスだよろしく」
マジA「何で二人も必要になったんだろう?」
レ「前書きはいい、さっさと感想を書けグズが」
マジA「ひ、ひどすぎる!!」

感想ですよ〜〜
初めに思うのがやはり描写です。
しっかりと、その情景が浮かびますよ!
ハンコがあったら、たくさん重ね押ししたいくらいです!

さて、今回はフレイの回想でしたね。
トーテムが彼には既に付いていましたか・・・
ん?彼は世界を救うためでは今の所ないのですか

と、いうことは既に一度シルフェイド世界は救われているのか?
いや、そんなことはありませんよね?
竜人が町にはいませんし・・・・・・
うーん・・・・・・・・?

謎はこれから解き明かされるんでしょう!
それまで、気長に待っています!
いけ、フレイ!ガンバレフレイ!
変質者に負けるな!ルル!!

レ「ひどく暴走しすぎたようだ・・・・・・。
  後で手痛く、反省させるから、今日はこれにて・・・」

ドゴッ!!

じ・・・かいも・・・がんば・・・て
くだ・・・・・さい・・・グホォ!
では。
7529
長い!(感謝です) by カラス 2007/04/04 (Wed) 13:20
△up
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>マジA「どぉーも!マジAです!」
>レイス(以下レ)「出張感想人のレイスだよろしく」

カ「ども、カラスでーす」

ル「ルルだ、よろしく!」

>マジA「何で二人も必要になったんだろう?」
>レ「前書きはいい、さっさと感想を書けグズが」
>マジA「ひ、ひどすぎる!!」
>
>感想ですよ〜〜

カ「感想感謝です!」

>初めに思うのがやはり描写です。
>しっかりと、その情景が浮かびますよ!
>ハンコがあったら、たくさん重ね押ししたいくらいです!

ル「褒めんのか……ったく、作者が調子に乗っちまうぞ?」

カ「(ピー)していいですか」

ル「死にてえの?」

カ「ごめんなさい」

>さて、今回はフレイの回想でしたね。
>トーテムが彼には既に付いていましたか・・・

カ「そう、タイトルにもある『炎』です。トーテムに似たようなものなので完全にトーテムかどうかは定かではありません」

ル「そんな力がついてんのか……俺、勝てんのかな」

カ「それなら秘策がある」

ル「お、なんだその秘策って」

カ「色攻めでスキを突けばいいんだ!」

ル「死にてえの?」

カ「ごめんなさい」

>ん?彼は世界を救うためでは今の所ないのですか

カ「はい。今の所はですが。正直どうなるか……」

>と、いうことは既に一度シルフェイド世界は救われているのか?
>いや、そんなことはありませんよね?
>竜人が町にはいませんし・・・・・・
>うーん・・・・・・・・?

ル「どうなのさ、作者」

カ「もちろんまだ救われていません。これからですね……」

>謎はこれから解き明かされるんでしょう!
>それまで、気長に待っています!
>いけ、フレイ!ガンバレフレイ!
>変質者に負けるな!ルル!!

ル「絶対負けたくないよな」

カ「じゃあ色攻めで……」

ル「俺が変質者になるだろ!」

カ「いや、女の子だし大丈夫だと思うな」

ル「あ、そうか……って俺は男だ!」

>レ「ひどく暴走しすぎたようだ・・・・・・。
>  後で手痛く、反省させるから、今日はこれにて・・・」

カ「感想ありがとうございました!」

>ドゴッ!!
>
>じ・・・かいも・・・がんば・・・て
>くだ・・・・・さい・・・グホォ!
>では。

ル「い、一体何が……!?」

カ「見ちゃだめだ、ルルちゃん」

ル「ルルちゃ……死ね!」←回し蹴り

カ「ぐはぁ!?!?」←クリティカル
7537
感想だからさ by ようすけ 2007/04/04 (Wed) 22:49
△up
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さてさてようすけです。

二話出すとは・・・
頑張ってらっしゃいますねぇ。

ではでは短いですが感想です!

10話

何かルルちゃんに良いように
使われている気がしないでもないフレイ君。

>「『ゴンベエ』なんてどうですか」

>「……」

フレイ君、ゴンベエと言う名前のどこがいけないんだ!
ちょっと来なさい!
ゴンベエと言う名の素晴らしさを教えてくれよう!(待て

少しずつ縮んでいく二人の間。
さてさてどうなる事やら。

11話

リーリルですね、
クラート・・・なんてだらけた医者なんですか。
もうヤブ医者決定ですね。(ぇ
クラートはむしょ〜にいぢめたくなる自分がいます。

それにしてもルルちゃん
ちゃっかりスってるし!

まぁクラートだから良いですが(良くない
宿屋で真っ赤になってるし。
もうフレイ君とラブラブルート確定ですか!?

二人の仲がどうなるのかを予想しつつ、失礼します。
ようすけでしたー。
7541
感謝だからさ by カラス 2007/04/04 (Wed) 23:43
△up
レス/編集
 
>さてさてようすけです。

カ「さてさてカラスです」

フ「フレイだ」

>二話出すとは・・・
>頑張ってらっしゃいますねぇ。

カ「実は三話出しちゃったかも」

フ「頑張るな、お前……」

>ではでは短いですが感想です!

カ「ありがとうございます!」

フ「感謝だな、ほんとに」

>10話
>
>何かルルちゃんに良いように
>使われている気がしないでもないフレイ君。

カ「これからもこき使われます」

フ「なんだと!?」

>>「『ゴンベエ』なんてどうですか」
>
>>「……」
>
>フレイ君、ゴンベエと言う名前のどこがいけないんだ!

フ「え、まあ、そのだな……」

>ちょっと来なさい!

フ「う、おおおお……」←引きずられてる

>ゴンベエと言う名の素晴らしさを教えてくれよう!(待て

フ「プスンプスン」←ボロ雑巾化

>少しずつ縮んでいく二人の間。
>さてさてどうなる事やら。

フ「いい仲間が増えて嬉しい」

カ「さてさてどうなることやら……」

フ「変な目で見るな」

>11話
>
>リーリルですね、

カ「その通り(児玉さん風」

フ「ベタだな……」

>クラート・・・なんてだらけた医者なんですか。

フ「ルルには好都合だったようだがな」

>もうヤブ医者決定ですね。(ぇ

(えぇぇ!?)←亡きクラート

カ「ヤブ医者が!」

フ「……(汗)」

>クラートはむしょ〜にいぢめたくなる自分がいます。

カ「自分もです」

(な、なんだってぇー!?)←亡きク(略)

フ「あと三文字を略してしまうのか……!?」

>それにしてもルルちゃん
>ちゃっかりスってるし!

カ「やっちゃいましたね〜」

フ「俺がとったってことになりそうだな」

カ「それ採用」

フ「っておい!」

>まぁクラートだから良いですが(良くない

カ「クラートだし、ねー」

>宿屋で真っ赤になってるし。

カ「可愛いとかフレイ君言ってたね」

フ「うん、まあ……ちょっと可愛かったな」

カ「おおおお!」

フ「何故喜ぶ」

カ「フ……」

フ「不敵な笑み……」

>もうフレイ君とラブラブルート確定ですか!?

フ「……」

カ「フフ……」

>二人の仲がどうなるのかを予想しつつ、失礼します。
>ようすけでしたー。

カ「ありがとうございました! カラスでしたー」

フ「じゃあ、またな」
7543
ひとしきりの雨の後の太陽、ソレは彼等を包容するかのごとく暖かいものだった by マジカルパレス新入社員A 2007/04/05 (Thu) 07:52
△up
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今回も長いタイトルで登場です
どうもおはようございます、マジAです。
朝から、PCをやる俺は暇人なんです、えぇ。
・・・・と、感想に行きまっせ!!

今回の話で、俺はルルに惚れました
えぇ、惚れましたとも、なんかこう、フレイ裁きを加えたいです
彼女にも、女の子らしい一面があったと言うことなんでしょうね
で、クラートは災難でしたねぇ(まぁ、クラートだし)
彼はすられたことにいつ気づくんでしょうか・・・
んでもってその怒りは誰にむけられるのか・・・・
(まぁ、ここはフレイが身がわりにでもなるってことで)

次はルルとリクレールの対面ですね
どんな話になるか楽しみです。
では、フレイ・ルルお幸せに。
(↑初めと言ってることが違わないか?)
今回はこれにて。
7547
あ、iPodが!!(感謝 by カラス 2007/04/05 (Thu) 17:50
△up
レス/編集
 
>今回も長いタイトルで登場です
>どうもおはようございます、マジAです。

カ「どうも、今日テーブルに置いてあるマイiPodを見ると画面が潰れていたカラスです」

フ「孤独歩きのフレイだ」

>朝から、PCをやる俺は暇人なんです、えぇ。

カ「自分なんて朝起きてないから暇が無いです;」

>・・・・と、感想に行きまっせ!!

カ「ありがとうございます!」

フ「ありがとうな」

>今回の話で、俺はルルに惚れました

フ「な、なんだって!?」

カ「苦労しますぞぉぉ」

>えぇ、惚れましたとも、なんかこう、フレイ裁きを加えたいです

フ「な、何で俺が!?」

カ「分かってるくせに〜」

>彼女にも、女の子らしい一面があったと言うことなんでしょうね

フ「そういうことだな」

>で、クラートは災難でしたねぇ(まぁ、クラートだし)

カ「彼にはかわいそうな役をやってもらいます。でもあんまりかわいそうと思われないかも」

>彼はすられたことにいつ気づくんでしょうか・・・

フ「起きたら多分気づくだろうな……」

>んでもってその怒りは誰にむけられるのか・・・・
>(まぁ、ここはフレイが身がわりにでもなるってことで)

フ「お、俺!?」

カ「うん、君だよ」

>次はルルとリクレールの対面ですね
>どんな話になるか楽しみです。

カ「頑張って書きます!」

>では、フレイ・ルルお幸せに。
>(↑初めと言ってることが違わないか?)

フ「まあ連れがいるってことは幸せだな」

カ「しかも女の子」

フ「作者は黙っとけ!」

カ「へいへい」

>今回はこれにて。

カ「感想ありがとうございました!」
7549
カン・ソウ by ようすけ 2007/04/05 (Thu) 18:51
△up
レス/編集
 
タイトルに意味などありません。
電車の中で風邪を移されたようすけです。

さて感想です。

ほっぽり出されたフレイ君・・・
哀れですね。

・翻訳じいさん

10000シルバが余裕なんて
一体どこに資金源が・・・!

翻訳指輪の事が出てきたという事は
やはり『彼』が出てくるのですね?

そして宿屋で意味深な事をつぶやくルルちゃん。

これから先もきっとフレイ君には災難が
山のように待っていることでしょう、きっと。

そして現れたリク様、
次回リク様はルルちゃんを説得できるのか!

そして意外と書くのが難所な
トカゲ砦をどう書かれるのか

では次回に期待して、失礼します。
ようすけでしたー。
7555
カン・シャ by カラス 2007/04/05 (Thu) 20:18
△up
レス/編集
 
>タイトルに意味などありません。
>電車の中で風邪を移されたようすけです。

どうも、カラスです。
ちょいと二人とも外出中(ということにしてくださいw)なので独りです。

>さて感想です。

ありがとうございます!

>ほっぽり出されたフレイ君・・・
>哀れですね。

もっと彼には哀れな出来事が待ち受けているのです!(何

>・翻訳じいさん
>
>10000シルバが余裕なんて
>一体どこに資金源が・・・!

一応オーバにたくさんもらってます。
そもそもルルは金集めやスリの天才でもあるので懐は暖かいのです。

>翻訳指輪の事が出てきたという事は
>やはり『彼』が出てくるのですね?

今のところ出す予定です。
でもあんまり活躍はしないかも……?

>そして宿屋で意味深な事をつぶやくルルちゃん。

もちろん過去に関係があります。
もうちょっとしたら明かすかもしれません。

>これから先もきっとフレイ君には災難が
>山のように待っていることでしょう、きっと。

待ってるでしょうね、いろんなジャンルの……w

>そして現れたリク様、
>次回リク様はルルちゃんを説得できるのか!

説得といえるものかどうかわかりませんが、なかなか難しい……?

>そして意外と書くのが難所な
>トカゲ砦をどう書かれるのか

どう書こう……。頭脳戦闘かガチンコ戦闘かというような選択ですね。

>では次回に期待して、失礼します。
>ようすけでしたー。

感想ありがとうございました!
それでは次回も頑張ります!
カラスでしたー
7575
落ちし雷、それは何を示すのか・・・(感想) by マジカルパレス新入社員A 2007/04/07 (Sat) 21:15
△up
レス/編集
 
どうも!!今日もいやに(うざいくらい)元気なマジAっす!!

と・・・早速感想をば。

クリティカルヒット!!(いきなりなんだ)
リクレールは278ダメージ受けた!!
今回はルルが軽く神をぶん殴りましたね(笑)
変に気分爽快な話でしたよ!(何)
青痣を作ったリクレールですが、帰ったとき
トーテム達になんていわれるのかが気になりますねぇ。

次回はどうなるのか・・・楽しみにしています!!
短いですが・・・では。
7576
何を示すんだろう;(感謝) by カラス 2007/04/07 (Sat) 22:30
△up
レス/編集
 
>どうも!!今日もいやに(うざいくらい)元気なマジAっす!!

どうも〜、新学期始まる直前で激しく元気のないカラスです。

>と・・・早速感想をば。

感想ありがとうございます!

>クリティカルヒット!!(いきなりなんだ)
>リクレールは278ダメージ受けた!!

そのくらいはくらってそうですw

>今回はルルが軽く神をぶん殴りましたね(笑)

ぶん殴っちゃいましたね〜(何

>変に気分爽快な話でしたよ!(何)

おおっ、ありがとうございます!

>青痣を作ったリクレールですが、帰ったとき
>トーテム達になんていわれるのかが気になりますねぇ。

きっと、トーテム達は陰で笑うでしょう(ぇ

>次回はどうなるのか・・・楽しみにしています!!

ありがとうございます! がんばります!

>短いですが・・・では。

いやいや感想本当にありがとうございました!
カラスでしたー
7588
感想でしょう? by ようすけ 2007/04/08 (Sun) 17:41
△up
レス/編集
 
いつも通りタイトルには意味は有りません、ようすけです。

さて早速感想なのです。

まず戦闘描写がうまいです。
なんというかカッコイイですよフレイ君。

>フレイはバックステップで斬りこんでくるトカゲ兵の剣を回避し

ただここは

>フレイは斬りこんでくるトカゲ兵の剣をバックステップで回避し

この方が読みやすい気がします。

エージスは予定通り連れ去られてしまいましたか・・・
後を託されたフレイ君がどう動くのかを
楽しみにしています。

カラスさん着実に文力(?)がパワーアップされてますね。
後適当とかそんな事は感じなかったので
大丈夫だと思います。

では今回はこの辺で、ようすけでしたー。

追伸

ちなみにカラスさんは一話大体
どれくらいで書かれています?

僕は大体一時間〜二時間程なんですが。
短いのか長いのか・・・。

7589
感謝でしょう? by カラス 2007/04/08 (Sun) 18:00
△up
レス/編集
 
>いつも通りタイトルには意味は有りません、ようすけです。

どうも、カラスです。
目に虫が三回入りました(もういい

>さて早速感想なのです。

ありがとうございます!

>まず戦闘描写がうまいです。

初めてうまいと言われた……ありがとうございます!
励みになります。

>なんというかカッコイイですよフレイ君。

戦闘はピカイチということにしてますからね〜。
なんか嬉しいです。

>>フレイはバックステップで斬りこんでくるトカゲ兵の剣を回避し
>
>ただここは
>
>>フレイは斬りこんでくるトカゲ兵の剣をバックステップで回避し
>
>この方が読みやすい気がします。

なるほど……確かに読みやすいですね!
修正してきます。報告ありがとうございました!

>エージスは予定通り連れ去られてしまいましたか・・・

実はフレイ君を一緒に拉致られることにしようか迷ったんですが、ルルにそれが伝わる方法が無いなとか思ってエージスのみにしました。

>後を託されたフレイ君がどう動くのかを
>楽しみにしています。

頑張ってフレイ君とルルを動かせます。
自分ファイト!(何

>カラスさん着実に文力(?)がパワーアップされてますね。

マジですか!?
毎日読書効果(?)が効いたのかな……?

>後適当とかそんな事は感じなかったので
>大丈夫だと思います。

よかった〜……。
そう言ってくださるなら安心です。

>では今回はこの辺で、ようすけでしたー。

感想ありがとうございました!

>追伸
>
>ちなみにカラスさんは一話大体
>どれくらいで書かれています?
>
>僕は大体一時間〜二時間程なんですが。
>短いのか長いのか・・・。

自分もその程度……ですかね。
第15話は1時ぴったりに書き始めたので。

ただ昨日は2時間超えましたね(汗

ではではカラスでしたー
7591
巻き起こる烈風、それは全てを飲み込まんかのようだ。(感想) by マジカルパレス新入社員A 2007/04/08 (Sun) 19:00
△up
レス/編集
 
どーも、最近更新を全くしていないマジAです。
自分のことは放っておいて・・・感想です。

今回は、エージスが連れ去られる話ですね。
うーん、なるほど・・・
そうなると(ゲームの方では)一週間も前ですね・・・
そこからどう話を繋げるか気になりますねぇ?
エージスは、毒を盛られる前に助けられるのか!?
楽しみです!!

そういえば、なんだか初めより
物凄く文章表現力とか上がってませんか?
どうでしょうか?

これからも頑張ってください!!
では〜
7595
唸る烈風の轟音の中、独り弓引く紺色の豪傑(感謝) by カラス 2007/04/08 (Sun) 21:10
△up
レス/編集
 
>どーも、最近更新を全くしていないマジAです。

どうも〜、カラスです。

>自分のことは放っておいて・・・感想です。

ありがとうございます!
マジAさんの次章が出たら即読みしますw

>今回は、エージスが連れ去られる話ですね。

はい。お約束とも言えよう鈍感エージス拉致話(何

>うーん、なるほど・・・
>そうなると(ゲームの方では)一週間も前ですね・・・

そうなりますね〜。
実はその設定は10話くらいから考え始めました。
ちょっと即席すぎたかとか思ってます;

>そこからどう話を繋げるか気になりますねぇ?

結構いろいろ書くかもです。
でもそれだと全部書き終える前に力尽きてしまう可能性があるのでできるだけ短くまとめるつもりです。
なんせまだルルがフレイと出会って二日目ですからね……ちょっと急がないときついかもです。
その関係でもしかしたらあっさり流れてしまう時間とかできるかもしれないので、それらを使って軽い番外編を書くかもしれません。未定ですが……


>エージスは、毒を盛られる前に助けられるのか!?
>楽しみです!!

性格上普通に盛られてしまいそうな感じしますが、どうでしょうw

>そういえば、なんだか初めより
>物凄く文章表現力とか上がってませんか?
>どうでしょうか?

え、マジですか!?
やはり毎日読書効果(?)だろうか(何
正直なところ本人が一番そういうのわからないですね……。
とりあえずあんまり褒めると(ピー)になりますので(ぇ

>これからも頑張ってください!!

頑張ります!
感想ありがとうございました!

>では〜

カラスでしたー
7605
『背中』、合わせる事は絆の証。(感想) by マジカルパレス新入社員A 2007/04/16 (Mon) 19:21
△up
レス/編集
 
お久しぶりです!!
自分の小説そっちのけ(いや時間ないんだってば)なマジAです!

タイトルは気にしないでください
なんかこう、ぱっと浮かんだ物を書いてますし
今回は、17話の情景とか浮かべながらかいてるんですよ(苦笑)
これからも煩わしいでしょうが続けますよ(笑)
(下手ですがね・・・・俺の詩)

で、では感想です。

二人のチームワークがよく読み取れる話しでしたねぇ
これら二人の友好値、好感度が上がった証ですね
旅は始まったばかりなのに敵を手玉に取るのが
二人の強さを再確認できます。
次ぎはセタ戦!!
彼等は勝利できるのか!!(なんか普通に出来そうだぞ)
エージスは今飯を食ってるのか!!
毒盛られてんのか!?

次回も楽しみにしています!
では〜
7610
感謝! by カラス 2007/04/21 (Sat) 19:31
△up
■Home
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>お久しぶりです!!

お久しぶりでーす。
感想返し大幅に遅れて申し訳ないです(汗)

>自分の小説そっちのけ(いや時間ないんだってば)なマジAです!

カラスで〜す。自分も最近時間が大変窮屈になっております。

>タイトルは気にしないでください
>なんかこう、ぱっと浮かんだ物を書いてますし
>今回は、17話の情景とか浮かべながらかいてるんですよ(苦笑)

とりあえず背中でもあわしとくかー、とか思って書いてしまいました。
ちょっと最近変化が目まぐるしいような気がしています。
どうしても唐突な感じがする……。

>これからも煩わしいでしょうが続けますよ(笑)
>(下手ですがね・・・・俺の詩)

時たま格好良い言葉でも考えて感想返しします(笑)

>で、では感想です。

ありがとうございます。

>二人のチームワークがよく読み取れる話しでしたねぇ

はい。できるだけそう見えるように書きました。

>これら二人の友好値、好感度が上がった証ですね

好感度というか、友好値っていうのがしっくりきますね。
これからも上がっていくことでしょう。多分。

>旅は始まったばかりなのに敵を手玉に取るのが
>二人の強さを再確認できます。

彼らに勝るものはいるのだろうか、と最近思い始めました(おい

>次ぎはセタ戦!!

おっしゃ!(何

>彼等は勝利できるのか!!(なんか普通に出来そうだぞ)

一応脅されてるので(人質を殺すという脅し)、ちょいと厄介かもしれません。
城にはメアリーもいますしね。

>エージスは今飯を食ってるのか!!
>毒盛られてんのか!?

かなりどうしようか迷ってます。
それによって今後の方針というかそんなものが決まってくる可能性もあるので……。

>次回も楽しみにしています!
>では〜

感想ありがとうございました!
カラスでした〜。



あと、ちょっとお聞きしたいのですが、一行一行詰めて書いてたらちょっと読みにくかったりしますか?
詰めるか一行空けるか迷ってまして。
12話など参考にして頂ければと思います。
7613
その質問、私がお答えしましょう!(←誰だ貴様) by マジカルパレス新入社員A 2007/04/22 (Sun) 12:49
△up
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久しぶりに時間が取れました。
マジAです。!!
では、早速答えてみようと思います。


>あと、ちょっとお聞きしたいのですが、一行一行詰めて書いてたらちょっと読みにくかったりしますか?
>詰めるか一行空けるか迷ってまして。
>12話など参考にして頂ければと思います。

ふむぅ・・・(話を一気に読み返す)
俺の小説を見てると分かりますが、俺の場合
台詞と描写を一行ずつくらい開けてかいていますが・・・
読みにくいとは感じませんよ?

一行開けると、確かに分けられていて分かりやすいですが・・・
あまり気にすることでもないと思います。

もうやっていらっしゃるかと思いますが
自分の文章を読んで決めていただくのが一番いいと思います。

俺は、読者であり、書いている人に文句は言いませんし
それは失礼なものだと思っています(あくまで自論ですが)
俺は『絶対こうした方がいい』といえるほどではありませんしね。

わが道を突き進むのが一番だと思いますよ(何)
とりあえず自分で例を出してみます。
(食事中に読むのは止めた方がいいです)



例:すべて詰め込んで書く
ベチャッ!!
ゴンベエが野原を歩いていると突如頭に違和感を感じる
「なんだ?」
手を頭に当ててその感触を調べてみる。
そして、手を見てみる。
異臭が漂うその物体は『鳥のフン』
彼は油断していたのか、その素敵なプレゼントを
頂いてしまったのだ!!
しかも、恐ろしく臭く3日は臭いが取れなさそうな
ビッグプレゼントである。
「ヴォゲアアアアアアアアア!!?」
一瞬理解していなかったため
まじまじとプレゼントを直視していたが
あまりの臭いに我を思い出し
野原を駆け回る。
「俺が一体何したって言うんだあああぁぁぁぁ!!!」
広大な野原に彼の叫び声が響き渡った。

番外の編:ゴンベエの旅路(終)




例:セリフと描写を分ける
ベチャッ!!
ゴンベエが野原を歩いていると突如頭に違和感を感じる

「なんだ?」

手を頭に当ててその感触を調べてみる。
そして、手を見てみる。
異臭が漂うその物体は『鳥のフン』
彼は油断していたのか、その素敵なプレゼントを
頂いてしまったのだ!!
しかも、恐ろしく臭く3日は臭いが取れなさそうな
ビッグプレゼントである。

「ヴォゲアアアアアアアアア!!?」

一瞬理解していなかったため
まじまじとプレゼントを直視していたが
あまりの臭いに我を思い出し
野原を駆け回る。

「俺が一体何したって言うんだあああぁぁぁぁ!!!」

広大な野原に彼の叫び声が響き渡った。

番外の編:ゴンベエの旅路(終)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
内容は気にしないでください・・・・
それとこれを見て不快感を思ったらごめんなさい・・・
食事中だったらもっとごめんなさい・・・。

とりあえず例も書いてみましたが、どうでしょうか?
とにかく俺の勝手な自論ですので
気になさらず、わが道を行ってください!!
お目汚し失礼しました。
7615
回答ありがとうございますー by カラス 2007/04/22 (Sun) 19:03
△up
レス/編集
 
どうも、相変わらず時間が窮屈なカラスです。
回答してくださり、誠にありがとうございます。
しかも、例までわざわざ……ホントありがたいです。
読んだのは確かに食事中でしたが(チャーハン作って食ってました)、不快には感じませんでした(笑)

例を見て思ったことは、セリフと描写を分けて書くといい感じだなァ、ということです。
やっぱり詰め詰めで書くより、ちょっとずつ空白があったほうが読みやすい気がしました。
非常に参考になります。
やっぱ横書きですからね、臨機応変にいかないとだめですよね。

書いている人に文句……は自分もダメだと思いますが、ちょっとしたアドバイスとかはいいんじゃないかな、と思います。
例えばこの前ようすけさんがアドバイスをして下さったように……。
ああいう指摘はかなり参考になります。
やっぱり読んでもらっているので、できるだけ読みやすいものを書きたいですし。
というわけで、もしなにかあればどんどんアドバイスなどよろしくお願いします。
本当にありがとうございました!
7683
感想っす!!だらっしゃああい!! by マジカルパレス新入社員A 2007/05/01 (Tue) 20:44
△up
レス/編集
 
はい!どうもどうも!!
最近色々と行動が鈍り
思考回路がおかしくなってきたマジAです!
(GWがまじかに迫りつつありテンションが突き抜けな状態)

では、感想へ!!
今回はルルですか!!
んで、元気なのだろか・・・エージスを救出!
いそげ!!ルル!フレイがおされてるかも知れんぞ!!
(つーか、もう決着ついてるかも知らんが)
次で砦攻略は終了っすかね?

では、短いですが・・・・
次回も頑張ってください!!
7685
感謝ですー by カラス 2007/05/01 (Tue) 22:36
△up
レス/編集
 
>はい!どうもどうも!!
>最近色々と行動が鈍り
>思考回路がおかしくなってきたマジAです!

もとより思考回路のおかしなカラスです。
感想ありがとうございます!

>(GWがまじかに迫りつつありテンションが突き抜けな状態)

泊まり会ぐらいしか予定がない(

>では、感想へ!!

ばっちこい!

>今回はルルですか!!

とりあえずルル視点を書きました。
でも、これからは少なくなるかもです。
なんせ書く量が半端なく、「うがー!」と発狂しそうなのです。
作者の事情でコロコロ書き方など変わってしまうかもしれませんが、ご勘弁をー。

>んで、元気なのだろか・・・エージスを救出!

えらくあっさり救出しちゃいました(汗)

>いそげ!!ルル!フレイがおされてるかも知れんぞ!!
>(つーか、もう決着ついてるかも知らんが)

ギクッ

>次で砦攻略は終了っすかね?

恐らくはそうなるでしょう。

>では、短いですが・・・・
>次回も頑張ってください!!

頑張ります!
感想ありがとうございました!
7695
かっんそーだぁー! by マジカルパレス新入社員A 2007/05/04 (Fri) 20:43
△up
レス/編集
 
どーも、どーも。
宿題を全く終わらせていないマジAです!

さぁって、感想に行きまっせ!

VS親子!!(いきなりなんだ
セタはひどいケガを負いましたね。
大気の盾持ちのセタパパ(そういや未だに名前が不明だ)は
ほぼ無傷・・・なのですかな?
何はともあれ、砦を攻略したんですから
パァーっと!祝賀会でも開きましょうか!(ハイテンション)
さぁ、酒もぐいぐいっと!!(未成年です)
・・・・・はい、失礼しました・・・・。


さて、エージスは大気の盾を取り返しに行きましたが
逆に返り討ちにあいそうで怖い・・・・
トカゲの大群VS中年のおっちゃんじゃ勝ち目はないっすよね?
さて、取り返せるか!?


そういや、武器がほぼ損傷したフレイは新たに
どんな武器を手に入れるんでしょうかね?
(ロングブレイド?)

お目汚し、失礼します・・・
次回も頑張ってください!

では〜〜
7714
かんっしゃです(何 by カラス 2007/05/06 (Sun) 14:32
△up
レス/編集
 
>どーも、どーも。
>宿題を全く終わらせていないマジAです!

手をつけてさえいないカラスです。
毎回毎回ありがとうございます!

>さぁって、感想に行きまっせ!

重ね重ねありがとうございますー。

>VS親子!!(いきなりなんだ

はい!(何

>セタはひどいケガを負いましたね。

書いてませんが、あばらを何本か折ってる設定です。

>大気の盾持ちのセタパパ(そういや未だに名前が不明だ)は
>ほぼ無傷・・・なのですかな?

ていうか無傷ですね。
そういえば名前無いですね……なんか勝手に命名しちゃっても違和感ありありなので恐らくこのまま通します。

>何はともあれ、砦を攻略したんですから
>パァーっと!祝賀会でも開きましょうか!(ハイテンション)

やっと一息つけます。
ほんと疲れた……

>さぁ、酒もぐいぐいっと!!(未成年です)

ごきゅごきゅごきゅ(ぇ

>・・・・・はい、失礼しました・・・・。

こちらこそー。

>さて、エージスは大気の盾を取り返しに行きましたが
>逆に返り討ちにあいそうで怖い・・・・

実はエージスは個人的に扱いづらかったりするため、取り返しにいかせたり。というのは半分ジョーク……

>トカゲの大群VS中年のおっちゃんじゃ勝ち目はないっすよね?
>さて、取り返せるか!?

エージスですからねー。わかりませんね。
ただ、牢屋に捕まっていたため武器は没収されていると思われますので(ていうかちゃんと決めとけよ)、どうなることやら。
今のところそこを詳しく書く予定は無いです。

>そういや、武器がほぼ損傷したフレイは新たに
>どんな武器を手に入れるんでしょうかね?
>(ロングブレイド?)

ロングブレード二本とかでも良い感じですが、グランドブレードとかも持たせたいなぁ、とか思ってます。
まあ、そこは少し彼の能力が関与してくるかもしれません。

>お目汚し、失礼します・・・

いえいえ、ほんとありがとうございました!

>次回も頑張ってください!
>では〜〜

カラスでしたー。
7710
感想しました by もげ 2007/05/06 (Sun) 10:47
△up
レス/編集
 
はじめまして、もげです。
すばらしいと思いました。とりあえず最初に。
オリジナル要素の強いストーリーのはずなのに、違和感をあまり感じない。描写のうまさがにじみ出るように感じられました。
しかもやたらとかっこいい……戦闘シーンは本当にハラハラドキドキでした。
それでは駄文ですがこれにて。もげでした。
7715
感謝しました by カラス 2007/05/06 (Sun) 14:40
△up
レス/編集
 
>はじめまして、もげです。

初めまして、カラスと申します。
よろしくお願いします!

>すばらしいと思いました。とりあえず最初に。

ありがとうございます!
非常に良い燃料になります。

>オリジナル要素の強いストーリーのはずなのに、違和感をあまり感じない。描写のうまさがにじみ出るように感じられました。

それは幸いです。
ちょっとオリジナルが強すぎかな……? と思っていたもので。
それにしても描写を誉めていただけるとは嬉しい限りです。

>しかもやたらとかっこいい……戦闘シーンは本当にハラハラドキドキでした。

書いたときは自分自身、受け入れていただけるかハラハラドキドキでした(笑

>それでは駄文ですがこれにて。もげでした。

感想ありがとうございました!
カラスでしたー。
7762
いまさら感想 by もげ 2007/06/02 (Sat) 11:36
△up
レス/編集
 
はい、二次創作にうつつを抜かした駄目作者です。(笑)

それでは早速感想を!
人化クロウ……ついに登場しましたか! フレイのピンチに颯爽と駆けつけるとはかなり美味しい出方ですね。
大剣を構えた彼がどんな戦いを見せるのか……次の戦闘も大変気になります。

それでは本当に駄文ですがこれにて。もげでした。
お体には(主に麻疹には)くれぐれも気をつけてがんばってください。
7764
2日遅れで感謝 by カラス 2007/06/04 (Mon) 21:58
△up
レス/編集
 
>はい、二次創作にうつつを抜かした駄目作者です。(笑)

どうも、二次創作を約一年ほどほっぽりだしている公害的動物です(何
少し勉強に追われているので(というかかなり)、更新速度が上がるとか書いておきながら低下中です。

>それでは早速感想を!

ありがとうございます!

>人化クロウ……ついに登場しましたか! フレイのピンチに颯爽と駆けつけるとはかなり美味しい出方ですね。

よく考えれば確かに美味しい……でも彼には不幸が待ち受けている!?

>大剣を構えた彼がどんな戦いを見せるのか……次の戦闘も大変気になります。

できればそこを書くのは頑張りたいですが、時間の都合がつかずに簡略化するかもしれませんのであまり期待はなされずに……。

>それでは本当に駄文ですがこれにて。もげでした。
>お体には(主に麻疹には)くれぐれも気をつけてがんばってください。

感想ありがとうございました!
あ、そういえばこの前、体全体にブツブツが出ました(汗
まあそれは蕁麻疹でしたが、かからないようお互い注意しましょー。
7771
お久しぶりです、こんばんわ by マジカルパレス新入社員A 2007/06/12 (Tue) 22:05
△up
レス/編集
 
どうも、最近二次創作の方にも興味がいっている
マジAです!。

お久しぶりですカラスさん、元気でお過ごしでしょうか?
自分はよりいっそうげっそりとし、受験に終われる毎日です。

それでは、感想をば。

クーーーローーーウ!!(何があった)
ついにでましたね!銀狼こと苦労犬ことクロウ(ぶっひゃっひゃ)
人化とは・・・・さすがです!!
もともと犬だとかを人にしたりするのは苦手なので
あつかえれる人は凄いと思います、えぇ。
フレイやルルとどう絡んでいるかが気になりますねぇ・・・
ルルにイヂラレまくりそうですが(笑)

次回も楽しみにしています!!
頑張ってください!ではぁ〜〜
7772
こちらこそお久しぶりです by カラス 2007/06/13 (Wed) 00:38
△up
レス/編集
 
>どうも、最近二次創作の方にも興味がいっている
>マジAです!。

最近かなり勉強に追われているためPCをさわる機会が極端に減ってしまったカラスです。
二次創作! 自分も好きですが、顔グラのナンバーを一時記憶していたのが忘却の彼方へと飛んでいってしまったので(どういうこっちゃ)、おさらばして長くなっております。
時間さえあれば作るのですが……
一日が48時間あれば……

>お久しぶりですカラスさん、元気でお過ごしでしょうか?
>自分はよりいっそうげっそりとし、受験に終われる毎日です。

もちろんピンピンしてますよ!
こっちは受験には追われてはいませんが、志望大へ向けての勉強に追われています。


>それでは、感想をば。

ありがとうございます!

>クーーーローーーウ!!(何があった)
>ついにでましたね!銀狼こと苦労犬ことクロウ(ぶっひゃっひゃ)

とりあえず出しとけ的なノリです。
……というのは半分冗談ですが(半分かよ)、トーテムは出してなんぼのシルフェイド。
というか実を言うと、トーテムとしての登場が困難になってきたためというファクターが強いです。

>人化とは・・・・さすがです!!
>もともと犬だとかを人にしたりするのは苦手なので
>あつかえれる人は凄いと思います、えぇ。

流石かどうかはわかりませんが、とりあえず頑張りたいと思います。
できるだけ違和感のないようにしていきたいです。

>フレイやルルとどう絡んでいるかが気になりますねぇ・・・
>ルルにイヂラレまくりそうですが(笑)

うーん、どう絡まそう(おい
というのは半分冗談で(またかよ)、一応考えてはあります。
ルルのイヂりは……くくっ(壊

>次回も楽しみにしています!!
>頑張ってください!ではぁ〜〜

ありがとうございました! がんばります!
カラスでしたー
7779
感想っす! by マジカルパレス新入社員A 2007/06/17 (Sun) 20:26
△up
レス/編集
 
どーも、マジAです!
挨拶は煩わしいと思うので、早速感想・・・・・・と

黒ローブの変質者、現る!!(待て
結界を張ってらっしゃるようで・・・・・・
太陽の剣とか手に入れないとやばそうですねぇ・・・
クロウが実際にぼろっぼろにされてましたし。

フレイが狙われているのは、彼が邪魔だからか・・・・・・
それとも、彼に何か特別な力があるからなのか?
妄想は膨らんでいきますが、妄想は妄想、これからに期待です!

ところで・・・・・・
ルルの寝顔を想像して、うわやっべ、かわい!
と思ったのは俺だけではないはずだ!
ぶほっ!!(オイ

では、次回も頑張ってください!
このへんで、シーユー。
7781
感謝です by カラス 2007/06/21 (Thu) 19:28
△up
レス/編集
 
>どーも、マジAです!

毎回ありがとうございます。カラスです。

>挨拶は煩わしいと思うので、早速感想・・・・・・と

ありがとうございます!

>黒ローブの変質者、現る!!(待て

まあ普通に考えれば変質者なわけですけどね

>結界を張ってらっしゃるようで・・・・・・
>太陽の剣とか手に入れないとやばそうですねぇ・・・

ですね〜。
でも実は……!?

>クロウが実際にぼろっぼろにされてましたし。

よく考えたらクロウの初戦闘シーンは敗北ですね。
やっぱり苦労人……。

>フレイが狙われているのは、彼が邪魔だからか・・・・・・
>それとも、彼に何か特別な力があるからなのか?

フレイは……いえ、何もありません!

>妄想は膨らんでいきますが、妄想は妄想、これからに期待です!

期待に答えられるかわかりませんが、できる限りがんばりたいと思います!

>ところで・・・・・・
>ルルの寝顔を想像して、うわやっべ、かわい!
>と思ったのは俺だけではないはずだ!

顔は良いという設定なので可愛いでしょうね〜。
寝顔って色気がでる状態ですし……。

>ぶほっ!!(オイ

きゅ、救急車ぁ!

>では、次回も頑張ってください!
>このへんで、シーユー。

ありがとうございました!
あと遅れて申し訳ありませんでした!
カラスでしたー
7844
お久しぶりです、感想です by マジカルパレス新入社員A 2007/08/20 (Mon) 20:52
△up
レス/編集
 
ども、マジAです!

ちょろちょろとBBSをのぞいてはいたのですが・・・
どうにも色々と手付かずのものがありまして
失踪をしていました(失笑)

と、自分の話しは置いといて、感想です!

兵士君の戦闘行数は三行のようです(全速力で向かって〜の間)
フレイ、さすがトーテムを宿すものです、強い!!
まぁ、トーテムを持っている者に勝てる人間なんて
いたら色々まずいですもんねぇ。

んで、でました!変装(?)イベント!!
ルルがやってくれましたね。
でも、兵士のだったか、残念!!(色々な意味で

なんか、久しぶりにカラスさんの小説見たら
元気が出てきました(勉強ばっかでえらく廃人状態)

夏休みも終盤、受験勉強頑張ります!!
いぇーーーい!!

これからも頑張ってください。
駄文ですが、これにて、さようなら
7846
ほんと久しぶりですね、感謝です by カラス 2007/08/20 (Mon) 23:26
△up
レス/編集
 
>ども、マジAです!

おおおおおお!
どうもカラスです!
お久しぶりです。

>ちょろちょろとBBSをのぞいてはいたのですが・・・
>どうにも色々と手付かずのものがありまして
>失踪をしていました(失笑)

いやいやよくあることですよ。
それにしても失踪で失笑とはやりますね!(ぇ

>と、自分の話しは置いといて、感想です!

ありがとうございます!

>兵士君の戦闘行数は三行のようです(全速力で向かって〜の間)

えー……1つ、2つ、3つ、ほんとだ(おい

>フレイ、さすがトーテムを宿すものです、強い!!
>まぁ、トーテムを持っている者に勝てる人間なんて
>いたら色々まずいですもんねぇ。

一般兵士なんて能力者と比べたら虫けら級ですからね(酷
あとがきでは名前は付けないと書きましたが、
もしかしたらあの兵士君に名前が付くかもしれないです。
チョイ役ですけれども。

>んで、でました!変装(?)イベント!!
>ルルがやってくれましたね。
>でも、兵士のだったか、残念!!(色々な意味で

今度は女性用の服でも着せてみますか(ぉ
期待はしないでください。

>なんか、久しぶりにカラスさんの小説見たら
>元気が出てきました(勉強ばっかでえらく廃人状態)

お役に立てて光栄です!
僕も部活やら勉強やら夏バテやらで廃人と化していますが、
感想もらえて非常に励みになりました。
それにしても「僕」を使うのは、テキストBBSでは初めてなのでなんか恥ずかしいですね(何故

>夏休みも終盤、受験勉強頑張ります!!

頑張ってください! 応援してます!

>いぇーーーい!!

イエッフー!(違

>これからも頑張ってください。
>駄文ですが、これにて、さようなら

感想ありがとうございました!
カラスでした。
8009
感想だどす! by asd 2008/12/08 (Mon) 00:18
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……
だどすって何?
まぁそんなノリツッコミ(みたいなもの)はともかく。

超ぉぉっぉおおおお久しぶりです!
こちらの小説に感想書いていただいてから一年……
自分の小説も更新せず、カラスさんの小説に感想を書くこともなかったというこの暴挙。
私は地獄に落ちるべきだぁ……

自分の所の四話書いた後にふとカラスさんのことを思い出して、
「せめてプロローグだけでも見なければ申し訳ない!」
という感覚で見始めたのですが、
最初から最後までぶっ続けで見ることになりました。
多少乱読で読みましたが、この作品、凄く面白いですね!
いやぁ、ルル助(助? の性格が良いですね。ああいうキャラは見ていて好きです。
しかしルル助のトーテムは一体……?”いるだけ”という設定なのでしょうか?それとも何か……?
フレイ……はどうでもいいや。男だし。(何ッ
クロウ……もどうでもいいや。犬だし。(何ッッ
黒ローブ……もどうでもいいや。リクレール様だし。(違ッ

と言うわけでasdでした〜
……フレイたちのところ感想じゃないw
今度書くときはフレイたちにも触れますね。

そういえば交流BBS見るとカラスさんは受験勉強中らしいですね。
……
良く使われる言葉ですが、
受験、頑張ってください!

では、だどすでした〜(ェ
8033
感謝のような言い訳のような by カラス 2009/01/19 (Mon) 00:41
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 こんばんは、センター試験が終わって随分気楽になりました、カラスです。
 もう採点はしましたが、目指している大学への道は割と短くなってきたような感じです。

 ところで随分長い間書いていなかった作品に感想が新たに着いているのを発見して、微妙に複雑な思いがしました。
 もちろん感想は悪いものではなく、嬉しく良いものなのですが、こういう完成していないものを放っていたことを思いだし、それについて自己嫌悪を抱いたりしています。
 よくよく考えれば今までいくつか書いてきましたが、実は一度も完成させたことがないという怠けぶりです。
 自虐をしたいわけではないのですが、それにしてもひどいと自分でも思います。
 しかもすべて休止するということすら書かず、まさに放り出した感じです。実はそれが一番苦痛だったりします。

 今更お知らせしますが、事実上、この作品はもしかしたら永久停止か、という状況です。その点はご理解のほどをお願いします。
 無責任だと思います。せっかくぜんぶ読んでくれたのに。
 しかし、やはり書けないのは事実。そうせざるを得ませんでした。申し訳ありません。
 多分、時間に余裕ができて書けるようになれば、リメイク(注:内容がある程度違うかもしれません)して投稿すると思います。もしくは違う作品にくっつけるような形になるかもしれません。

 ひとまず大学受験を何とか決着させたいと思います。それまでは確実に停止です。本当に申し訳ありません。
8034
カラスさんへ by asd 2009/01/19 (Mon) 22:47
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asdです。
センター試験お疲れ様でした。
早速ですが今回の感想返しについて私的見解を述べさせていただきます。


一度も作品を完成させたことが無い、自己嫌悪、という点については私もほとんど同様な事があります。私が過去に投稿した作品はいくつかありますが、現在進行中の作品の完成の有無を除けば一作品しかありません。
そしてその作品の続編的な物を書いていたのですが、それは数年前にテキストBBSの作品のほとんどが消滅してしまったことに伴って更新が完全に停止してしまいました。
リベンジのような形でいくつか別の作品を投稿したことがありますが、それもリアル生活の忙しさによって更新が停滞し、永久停止してしまいました。
その作品に数名の方から感想をいただいたこともあったので、その期待に答えられなかったことに私も自己嫌悪したことがあります。
ですので、作品が完成できないという気持ちについては私も理解できます。


永久停止の件ですが、それは別に構わないと思います。
無責任、とご自身で言われていますが、この小説を投稿し続けることは義務ではないので責任自体発生しないでしょう。
同盟に投稿される小説には利益関係など一切ないので、小説の投稿というのは投稿者の善意によって行われています。カラスさんの善意に感謝こそすれ、文句など全くありません。
投稿者さんの事情が優先されますので、大学受験という大きな節目にいるカラスさんの忙しさは大変なものでしょう。その忙しい時期に無理に投稿する必要も、続きを書く必要もありません。
ですからどうぞお気になさらないでください。


思ったことを書いてみたつもりです。
私も今年は大学受験の年で、運よく学校の推薦で大学に受かることができました。
ですので受験の忙しさは私も分かります。事実、私も一年間現在進行中の作品を放置したままでした。
先程も同じことを言いましたが、全ては投稿者の善意です。義務ではないので責任は発生しません。
とはいえ、放り出してしまった感が残ってしまうのはカラスさんも仰られるようにあるでしょう。
ですが、カラスさんの作品を読んで私は非常に楽しめました。カラスさんの小説を楽しめた感情はカラスさんが小説を投稿しなければ生まれないものでした。
私はその感情が出たのを無駄とは思いません。貴方が投稿しなければ貴方の作品を楽しむことすらできなかったのですから。

長文になってしまいましたが、私が考えたこと・感じたことを存分に書くことができたつもりです。
では、これにて。
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