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Agitator 覚書 by 桜崎紗綾 2009/03/29 (Sun) 20:48
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一番行きたくないところと一番行きたいところの二ヵ所しか受からなかった、何だったんだな感じの大学受験を終えて。

この話は、汁幻から100年後のお話です。プロローグはnot共存エンド後です。いろんなお方にごめんなさいな感じです、申し訳ない。

世界観の都合で、オリジナルな人物や用語ばかり出て来ます。

そこで、ためになるのか微妙な紹介を。




    登場人物




   アーサ

 年齢:16歳(確か) 性別:男 一人称:オレ

なんで彼がここにいるのかはプロローグで分かるのではなかろうかと。一応主人公。汁幻主のナナシに別れを告げられている。


   オーディ

 一人称:拙者

アーサに与えられた、カワウソの形をしたトーテム。可愛い見た目に関わらず、侍口調なアツい奴。いつもアーサの肩や頭上に乗っている。物理攻撃が得意なトーテムで、水辺を渡る力を持つ。


   ナナシ

 年齢:18歳 性別:女 一人称:あたし

亡国バーンの王女。汁幻の国王側近の家系の子孫。本名はナフィルカーナ・ナディア・シレストジャー・バーンディスト(長いって)。汁幻主とは別人物のそっくりさん。いわゆるお転婆姫。戦闘要員ではないが、『完治』のフォースで仲間を助けてくれる。
 外見的特徴:汁幻女主が髪をおろし、黒いタイトドレスを着ている。靴のヒールは若干高めで、余り戦闘向きではない。


   ヴァイオット

 年齢:29歳 性別:男 一人称:自分

アーサが出会うことになる、二刀流の短剣を使いこなす傭兵。謎の人みたいな仲間。鷺の団の団員。いつも飄々としている、掴み所のない性格。軽い優男風だが、至って真面目な男。その風貌と戦い方から双鴉(そうあ)と言う異名を持つ。完全オリジナルキャラ。
 外見的特徴:灰色に近い色の髪で、黒い外套を羽織る。紺色の帽子で目元は見えない。装飾品に金の鎖などを身に着ける。180cm越えの長身で細身。


   アリス

 年齢:14歳 性別:女 一人称:私

組む理力使いの少女。鷺の団の団員。シンの子孫に当たる。物静かだが笑顔すら浮かべて恐ろしいフォースを多く使うため、一部では「呪縛のアリス」と恐れられている。
 外見的特徴:シズナの年齢を若干下げた風貌で、藍色を基調とした膝下のワンピースを着ている。小柄。


   クリード

 年齢:27歳 性別:男 一人称:俺

バーンの近衛兵第四隊長。エージスの子孫に当たり、性格は若干似ている。ナナシを護衛していたが、戦火の中で見失ってしまう。グランドブレードを軽々と振り回すが、ちゃんと周りのことを考えている、らしい。
 外見的特徴:薄い緑色の髪に常に灰色の鎧を身にまとっている。鎧で分かりづらいがかなりの筋肉質で、白い外套は白騎士のイメージ。


   シュナイダー

 年齢:19歳 性別:男 一人称:僕

馬上で理力と剣を扱う少年。イシュテナの子孫。神出鬼没の存在で、流星と呼ばれている。ドライな性格だが表情は豊か。鷺の団の非常勤団員で、仕事以外は何をしているか分からない。愛馬の名はキリル。
 外見的特徴:栗色の髪に緑を基調としたロングコートを着ている。馬具は薄い緑で統一。




    用語集




   鷺の団

団長のいない傭兵団。統一感は薄く、その目的は謎に包まれている。


   反乱軍

突如バーン王国を制圧した勢力。彼らを敵に回すところから、アーサの物語は始まる。




今のところはこのくらいかなっ。
増えるようだったら適宜追加します。悪役とかはほとんど名前だけな奴もいるので、重要じゃない人は端折らせていただきます。

ではでは、こんな予想不能物語を読んで下さる人がいらっしゃることを密かに祈りつつ、本編に移らせてもらいます。
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Agitator プロローグ by 桜崎紗綾 2009/03/29 (Sun) 21:15
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    プロローグ




「じゃあ…さよなら」


この一言が、あの子が言った最後の一言だった。
オレの前から背を向けて立ち去って行った彼女の姿は、だんだん薄れていって、すぐに消えてしまった。

妖精さん、だったの?

だったら嬉しいな。
オレは妖精さんに会うことができたんだ。オレが想像していたように、妖精さんはとても綺麗だった。

一緒に旅をしたかったから、少しだけ寂しいけれど、きっと、また会えるよな…。


トカゲ人がもういないらしいから、これからは多少は安心して薪を拾えると思うと、余り悪い気がしない。

さぁ、行こう。
またあの子に会えるかもしれないから。

オレは町で必要な物を買い揃えて、歩き出した。野犬はいるようだからできるだけ森には入らないけど、前ほど怖くない。

町を出て少し歩き始めた頃。

突然、後ろから、黒い影が現れた。戦い馴れてないオレはすぐに剣を引くことができない。その僅かな隙に、オレはその影に殴り倒された。

抵抗する間もなく、オレは殴られ、蹴られ、視界が白く霞み始めた。たぶん複数だな、などと客観的に思いながら。

ちょっと待て、オレの何が悪いんだ。

そんな言葉が頭を過ぎった時には、もはや、痛みすら感じなくなっていた。



   *



辺りは闇に包まれていた。

あぁ、オレ、死んだんだ。何だかよく分からない集団に襲われて。

だったら何故、意識があるんだ。だったら何故、闇が見えるんだ。

いや、むしろ…『死ぬ』って何だ?

人は死を恐れる生き物だ。だけど、それは一度も死んだことがないからで、人は経験のないことには恐怖を感じるものである。だって、何が起こるか分からないから。
死がこの程度のことなら、別に怖くも何ともない。

ただ、感覚は何もない。
温度は、ただ無だ。手を伸ばそうとして、手がないことに気付く。歩こうとして、足がないことに、地面がないことに気付く。


『意識の海を漂うそこのあなた、私の声が聞こえますか?』


え?
何か、声っぽいのが聞こえた?

違うな、これは、『オレ』が、感じてるんだ。


「聞こえ…ます」


オレは声を出そうとしたが、失敗した。それで分かった――身体がないんだ。


『私はリクレールといいます。これから私の言うことを聞いていただけますか?』


返事らしき声が返って来た。テレパシーみたいな感じなのかな?
話している人は、女の人のような細い声をしていた。


「オレでよければ。でも、先に教えてよ。オレは、帰れるの?」

『それは…』


その返事で、オレは帰れないと直感した。きっと初めから答えは出ていたんだ。
確認しなきゃ納得できないなんて、人は馬鹿な上に弱い生き物だな。


「…ごめん、悪いこと聞いた。初めから分かってたのに」

『すみません…。ただ、もう一度だけ、あなたに身体を与えることができます。あなたに、していただきたいことがあるから』

「話は聞くよ」


一瞬、オレを殺したのはこの人なのかと疑った。オレに何かをさせるために殺したのではないか、と。
いや、だとしたらもっと適任がいるに違いない。
オレは単なる通りすがりのようなものだろう。なら、それは「オレにしかできないこと」ではない。むしろ「オレでもできること」だ。


『あなたが住んでいた世界の、100年後の未来にいる、ある人物を守ってほしいのです』


具体的にどうやってかは、聞くだけ無駄な気がして来た。知ってたら、彼女は自分で対処できるから。

でも、それはオレじゃなくてもいいような? 別の人でもできるだろうに。

例えば、そう、ナナシさんとか。

オレは、たぶん、妥協されている。でも、自分が死んだらその後はどうでもいいとか、そんなエゴは、言えない。それが、単なる偽善にすぎないことは、わかっていたけれど。

本当に助けて欲しい時、人は、誰でもいいから手当たり次第救いの手を差し延べてくれる人を探すんだ――リクレールさんみたいに。


「オレ、そんな力ないよ。それでもいいの?」

『ありがとうございます…!』


そんな風にお礼を言われると、照れるな。ただ、悪くはない。言ってよかったって、そう思えるから。


『早速ですが、あなたの名前を聞かせて下さい』

「アーサ」

『アーサさんですね。あなたに力を与えるオーディというトーテムを授けましょう』

「トーテムって?」

『あなたに力を与えるものです。戦う力。水辺を渡る力。そして、普通の人には見えない存在ですが、あなたは彼の言葉を解することすらできます』


難しい。ただ、取りあえずトーテムがいれば強くなって、楽に泳げて、喋ることができる。で、その名前がオーディという。何とか整理できた。

もう大変なことになっている。それでもいい。オレは生きて、(これは妥協だが)気ままじゃなくてもいいから旅をしたい。ナナシさんが、あの子がいた世界を、旅をしたい。

頑張ろう。死んでも自分を必要としてくれる可能性なんて、そうそうないもんな。


『次に、あなたに15個の命を差し上げましょう。あなたは、15回だけ命を落とすことができます。落とさずに済めばその方がいいのですが、何しろ危険ですので』


こちらの意味はすぐにわかった。人を守るのに15回も死ぬって、だいぶ世話ない気がするけど。


『最後に、あなたの身体は本来あなたが持っていた容姿そのままになります。いいですね?』

「いや、むしろ違う方が嫌だな」

『わかりました』


リクレールさんの姿は見えなかったが、何となく微笑んでいるような気がした。そして、きっと、その笑顔はとっても綺麗なんだ。


『さあ、旅立ちの時が来ました。あなたが世界に降り立つ時が――』


その後はもう、感覚がなかった。白い光が溢れ出て来て、オレは、その光に全てを委ねることにした。



   *



降り立った先は、森の中だった。

オレは生きている。大地を踏み締め、呼吸している。当たり前のことだったのに、生きるって本当に素晴らしいことだったんだ。


『アーサさん、聞こえますか?』


リクレールさんの声。オレは振り返り、頷いた。
その女の人は、白い髪にユニコーンの角を持った、とっても綺麗な人だった。そして、周囲に光が溢れている。この人は、やっぱり、『特別』なんだ。


『ここが、あなたが生きた時代より百年後のシルフェイドです。あなたはここから、旅立っていただきます。大丈夫ですか?』

「大丈夫。旅だけは馴れてるから」

『ふふ、心強いお返事ですね』


それが心強いのかはわからないけど? どっちでもいいか。どっちみち、まずはオレが守らなきゃいけない人を探すところから始めたのに。


『それでは、あなたの旅に、幸在らんことを――』


リクレールさんは、静かに告げて、ゆっくりと消えてしまった。


《アーサ殿、拙者の声が聞こえますかな?》


振り返ったら、そこには小さな可愛いカワウソがいた。しっかし、渋い声してんなぁ。


《拙者はそなたのトーテム、オーディなる者でござる》

「うん。これから色々お世話になると思うから、よろしく」


この渋くて可愛いカワウソがトーテムなのか。なんか不思議だ。


《む…。では、参りますぞ。まずは森を抜けねばならぬ、あっちだ、アーサ殿》


オーディはオレに指示を与えて、先に行くように促した。

よし、考えても仕方ない。
出発、進行!







  後書き的なもの




これでよかったのかな…。
とか何とか言いながらこんにちは、桜崎紗綾です。

4月から某夜間大学生になりそうです。ここに来るのも昼ごろになるんでしょうな。

笑える話を書きたいのになかなか書けない。自分を元気にしたくてギャグを書こうと何度も思います。でも、やっぱりシリアスに展開しちゃいます。
誰か気楽なギャグの書き方、知りませんか?

と、冗談はさておいて。

全国のアーサファンの皆さん。殺してしまって申し訳ありません! 私もアーサファンの一員です!

アサナナを書くつもりが、こんなことに。
二つあるアサナナ候補から、より明るい方を選んだらこんなことに。もう一つは、はっきり言って悪質な上に書きづらいんです。

えっ? 書いて?(言ってないよ)…検討します。

さて、これからは気の向くままに更新して行きます。

では、失礼しました〜!
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Agitator 第一章 双剣の鴉 by 桜崎紗綾 2009/04/29 (Wed) 12:49
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    第一章 双剣の鴉




町の配置は基本的に変わらないようだ。

サーショ、リーリル、ムー、滅びてしまったシイルの町。アーサの知らない地理はほとんどない。道の開発がなされていて、街道の整備がしっかりしていた。街道沿いに宿場なども点在してあるようだ。

アーサがサーショに向かおうとして歩いていたら、街道で誰かにぶつかった。

見ると、小柄な少女だ。肩につくくらいの黒髪に藍色のワンピースの、可愛らしい女の子だった。


「あ、ごめんなさい…」

「大丈夫? 怪我ない?」

「へ、平気です…。じゃあ、すみません」


その少女は、一礼してアーサが歩く方向とは反対方向に走り去って行った。


「急いでたのかな? うつむいて走ってんじゃ、またすぐに誰かにぶつかっちゃうと思うけど」

《そうでござるな…。しかし、あの娘、どこに向かおうとしておるのか》

「リーリルとかじゃん? お使いに行けなくもない距離だし」


無闇に追いかける必要はないと判断したアーサは、サーショに向かった。


「通行証の提示を」


アーサが知らない鎧の兵士二人が、剣を交差して立ちはだかる。


「通行証? オレ、旅してっからそんなの知らないんだけど」

「なら、この町には用はないな。帰られよ」

「宿屋に行きたい場合とかは?」

「街道沿いを使われよ。道具屋はリーリルにある。鍛冶職人の店はどこかに移転したらしいぞ」


アーサは首を傾げながらもその場から立ち去ることにした。


「どう言うことだ?」

《今の兵士殿の対応はそれほど悪くはなかったですな》

「一時的なものか」


アーサは深く気にしないでリーリルに向かうことにした。


「そこの旅人、止まれ!」


突然、アーサは誰かに呼び止められた。背後からで、先ほどサーショに入れてくれなかった兵士と同じような鎧を着たものがかなりの数だけいる。声を掛けたのは指揮官らしき者のようだ。


「…なに?」

「王国兵の残党だな。もしくは、鷺の団の一員か」

「残党って? 鷺の団って何?」

「問答無用、かかれっ!」

「…えっ!?」


兵士たちが剣を抜いて飛び掛かって来る。


《アーサ殿、剣を抜かれよ!》

「はっ、はい!」


訳も分からずアーサは剣を抜いた。一人を、水平斬りで迎え撃つ。何か嫌な感触を覚えたが、続け様に跳躍して来た一人を切り上げた。生命を奪う感覚を厭うような余裕はない。
彼は、トーテムによる力が異形のものだと、初めて知った。


(兵士だよな…殺っちゃってよかったのかな)

《これは、アーサ殿にも拙者にも身に覚えのない不当な武力行使でござる。正当防衛と言えますな。
 それよりも、次の相手を!》

(初陣じゃないだろ、この数!)


アーサは突っ込みを入れながら、素早く剣を振り、三人目を突き倒した。

相手は何人なのだろう? むしろ、いつ終わるのだろう?

そう思いながらアーサは四人目を切り上げて倒した。同時に、別の兵士に腕を切られた。その兵士を横薙に倒し、さらに次の相手に向かった。

疲労がピークに達しかけたが、息をつく暇もなかった。

アーサは跳躍して来た相手を突き上げた。

15回死ねるとか、そんなことは関係ない。
オレはもう、死にたくないんだ!



   *



「本当にサーショに向かっていたのですか?」


長身で細身の男が疑わしげに尋ねた。


「本当だよ! その金髪のお兄さん、サーショ方面に向かってったの」


小柄な少女が請け合う――先ほどアーサとぶつかった少女だ。

男の方は、灰色の髪に黒い外套を羽織っている。紺色の帽子の大きな鍔で顔半分が隠れていて、外套からは金の鎖がアクセサリーとして見えている。


「『盗賊』対策に封鎖されてから、偵察帰りにぶつかったんだけど…」

「これはまた。厄介なことになりそうですね。その旅の人が、事情も知らずに王国兵の残党か、我らの一員だと疑われかねません」

「どっ、どうしよう?」

「ふ〜む…」


男は考える素振りを一瞬足りとも見せずに、口許を歪めて笑った。


「考えても仕方ないですよ。サーショ行きの街道のどこかにいるに違いありません。行きましょう」

「うん!」


男は先に走り始めた。少女が後を追う。



   *



剣が、手のひらに滲んだ汗で滑りそうになる。

兵士は容赦なく刃向かって来る。アーサには自分の何が良くないのか分からなかったが、それでも倒さないと死んでしまう。悲鳴をあげる腕に檄を飛ばしながら、アーサは兵士を切り払う。


「やれやれ、全くどうしようもない連中ですね」


空耳?

アーサが思った時、目の前の兵士が突然倒れた。その背後に、鍔の大きな帽子を被る長身細身の男が両手に一振りずつ短剣を手に現れた。


「旅人一人にこの数とは、卑劣極まりない暴力ですよ」

「あんた…」

「後は自分達にお任せを。あなたは下がっていてください。大丈夫、この双鴉の歯牙にもかけぬ相手ばかりですから」


男は、兵士に向けて素早く短剣を投げ、合間に『波動』を叩き込む。

どこからともなく雷が降りて来る。不当な武力行使に対する天罰のようだ、とアーサは思った。

兵士たちの背後にいたのは、先ほどぶつかった少女だ。彼女が放った『雷光』が、さっきの雷の正体のようで、さらに『火炎』まで飛んで行った。彼女は笑みさえ浮かべて威力の高いフォースを飛ばした。

アーサは剣を握り直した。


(このチャンス、活かさない手はない!)


この二人組に委ねるのも、決して間違った選択ではない。それでいてアーサは、自ら戦場に飛び込むことを辞さなかった。


《アーサ殿!?》

(今がチャンスだよ、オーディ! 訳分かんないけどオレが招いたみたいだから、オレが責任を取らないとダメだろ?)


自分は戦える。

彼にはその自信があったのかもしれない。アーサは剣を振り下ろし、敵を切り倒した。



   *



「大丈夫ですか?」


兵士を全滅させた。

灰色の帽子の男が、アーサに近付いて来た。この男は巧みに兵士の攻撃を避けていたようで、無傷だった。アーサの方は、重くはないが傷だらけである。
強力なフォース攻撃で挟み撃ちしてくれた少女が現れた。彼女はアーサの傷を『治癒』のフォースで癒し始める。


「大丈夫だよ、ありがとう」


『治癒』のフォース一回で足りないかともう一度使おうとした少女を止めて、アーサは優しく笑いかけた。


「私のせいかと思ったの。サーショが封鎖されてたのを知ってたから、行かないでって言えば良かったのに」

「君のせいじゃない。オレも、(心当たりはないけど)何か変なことしたかもしれないし」


とんでもない目に遭ったな、などとアーサは思いながら、生きている証拠である腕の疲労による痛みを噛み締めた。


「それに、こうして生きてる訳だし、な?
 どっちみちオレが生きているのは二人が途中で助けてくれたからだ。ありがとう、本当に助かったよ」

「あなたも強いですね。歩けますか? 早く逃げた方がいいですよ。そのうち第二弾が来るでしょうから」


意味は分からなかったが、アーサはとりあえず二人組の後について行った。
8067
Agitator 第二章 鷺の団 by 桜崎紗綾 2009/04/29 (Wed) 12:49
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    第二章 鷺の団




サーショから北西の森の奥の開けた場所に、木造の建物があった。アーサには知る由もないことだが、ここは以前異端とされた理力研究者たちが隠れ住んでいた場所だ。


「ここは?」

「まだお話していませんでしたね」


長身の男が静かに告げた。


「ここは『鷺の団』本部です」

「さっきから気になってたんだけど…。鷺の団って何?」

「中にお入りください」


よく見たら、建物の屋根は木より低かった。普通の生活よりも、隠れ住むのが目的なのだろう。

少女の案内に従ってアーサは建物の中にある椅子に腰を掛けた。


(鷺の団…何なのだろう。この二人もその一員みたいだし、少なくとも敵ではなさそうだ…)

《味方だと簡単に決めるのも良くないでござるな。決断するのはアーサ殿であるのに変わりはありませぬが》

「そんなに自分は不審ですか?」


突然、男が声を掛けて来た。何気ない表情で彼は、コーヒーが入ったマグをアーサの前に置いた。


《そなた、拙者の姿が…》

「えぇ、見えますよ。鷺の団の者は、ほとんど全員が見えるでしょうね」

「…あんたが強いわけだ。余計に不審なんだけど。まず、名前から教えてくれない? オレがなんて呼べばいいか分からない」


男はクスクスと笑い始めた。少女が近くの椅子を引き、机の上に地図を広げてから座った。


「人に名を聞く時はあなたの方から名乗りませんか?」

「…アーサ。こっちはオーディ」

「素直でいいですね。自分はヴァイオットと言います」

「私はアリスだよ」


間髪容れずにアリスは名乗り、間をおいてから呟いた。


「鷺の団は、今から五年くらい前に結成された傭兵団なの。
 国の目が届かないところで人を困らせる盗賊を倒すのがお仕事。たまに、公にはできないような仕事を国から引き受けてこなしてお金をもらったこともあるの。
 鷺の団は、国のために動く有名な傭兵団なんだ」

「ところが、バーン城は、突如現れた反乱軍によって制圧されたんですよ。誰も把握していなかったその勢力は、我々も対応し切れませんでした。
 …国王夫妻は既に亡くなられたと聞きます。一方で、辛くも城を逃れたと言われる一人娘のナフィルカーナ姫とその護衛の者たちは、未だ行方知れずです」


ヴァイオットは溜め息をついた。アリスが彼の前にコーヒーのマグを置いた。


「反乱軍は、鷺の団が国の為に動く組織だと知っているはずです。ナフィルカーナ姫は我々が匿っていると思い、連中は我々や王国兵の残党を探しているわけですよ。
 全く、姫の行方は自分が知りたいところなのに」


確かに、王女は鷺の団が匿っていると考えるのが自然かもしれないし、だとしたら団員を一人でも捕まえようと血眼になるのも無理はない。
王女が鷺の団を頼るのも、過去に彼らが行った義の行為からして適切なのは事実なのだ。


「サーショは、城から一番近い位置にありますから、自分が王女探索に当たって情報収集をしていたのです。
 そうしたら、鷺の団の者が町にいると反乱軍側に割れてしまい、封鎖して袋の鼠にしようと模索したんでしょうね。自分は『転移』のフォースで逃げてきましたが、結局王女の情報も掴めず、連中は相変わらず封鎖し続けています」

「それでも何とか、内通者を送ることに成功したんだ。その人達が見張りにいる時は合言葉で通してくれたんだけど、バレたみたい。
 たぶん、合言葉もバレてたみたいで、うまく対策も練っちゃって、それがわかって私は捕まらないように急いで帰ってたの」


その途中にアーサとぶつかった、ということだろう。


「その合言葉って、何だったの?」

「旅人を装ってる場合は、『宿屋に行きたい場合とかは?』で、私の場合は買い物帰りで…」

《申されましたな。アーサ殿は、間違いなくその一言を申されましたぞ》

「それで追いかけられて攻撃か…。知らなかったとは言え、うっかりしてたよ」


ああやっぱり、とアリスは盛大な溜め息をついた。
この場合、忠告しなかったアリスに非がある。それでもアーサを助けたという意味では、彼女はその責任を果たしたと言えなくもない。


「で、他の町は? 情報を掴むよりも、お姫様本人を直接探した方が、よほど建設的な気がするけど」

「ふ〜む、確かに」

「…それに、正直、まだあんたたちのことは信用できないんだ。オレは今、誰を味方するべきか見極めているところでさ」

「それは自由ですが、だとしても、すぐここを出て行くのは正しい判断ではありません」


ヴァイオットはサラリと言ってのけて、まだ湯気をあげるコーヒーを飲んだ。余程不味かったのか、彼は口を歪めた。


「先ほど言ったでしょう、あなたを狙う反乱軍の第二弾が来ると。一弾目の死体を見れば一旦は退くでしょうが、数を増やしてまた現れるに違いありません。あなたは今、鷺の団のメンバーだと疑われてるんですよ。
 ほとぼりが冷めるまでは、ここにいた方がいいでしょう。大丈夫、仕事をさせたりはしませんから。したければ別ですが」

「暇なのは嫌なんだ。オレの旅には、それなりに目的があるから」

「なるほど。仕事が欲しいわけですね」


別に欲しくはない。

アーサはそう言おうと思ったが、敢えて口を挟まなかった。それ以上下手なことを言っても仕方がない。それに、この男が「欲しい、けどいらない」という微妙な言い回しを理解するかは分からない。


「ところでアリス。このコーヒー、砂糖が少ないんじゃないですか?」

「……角砂糖三個でも足りないの?」


アリスの辟易した表情には、アーサも共感できた。甘党にも程がある。王女探しには協力する気になった彼は、とりあえず『お近付きの印』にヴァイオットに冗談を言おうと思った。


「血糖値あげすぎると将来に響くぜ、おっさん」

「自分はまだ20代です!」


アリスがぎりぎりね、と突っ込みを入れて笑い出した。アーサは彼女の姿を見て声をあげて笑った。

憤慨しているのは、ヴァイオットだけだった。


「あぁ、アリスちゃん。オレはこのくらい苦い方がちょうどいいや」


アーサは自分に出されたコーヒーを一口飲んで、笑った。
意外に打ち解けている、旅人特有の人懐こさに、オーディは密かに感心していた。



   *



翌朝。

アーサは一人、剣の素振りを行っていた。オーディは彼の頭上で武術指南をしている。何しろ彼は戦いなど馴れていない。


《アーサ殿、それ以上は避けた方がいいですな。余り体力を使いすぎると、今日の実戦に響きかねませんぞ》


アーサはそれに従って、ショートブレードを鞘に収めた。それから、アリスが現れた。


「アリスちゃん。おはよう」

「アーサさん、おはよう。朝から熱心ね。ウチの団員にはそんなに頑張る人はいないよ?」

「隠すつもりはなかったんだけど、実は昨日のあれが初陣だったんだ」

「本当? その割には強かったね」


アリスはアーサを中に導き入れて、コーヒーを淹れた。その間も二人は会話を続ける。


「…あれじゃん? 火事場の馬鹿力とか言う」

「その謙遜と向上心、ウチの団員にも見習わせたいな」


アリスはコーヒーが嫌いなようだ。彼女は自分の分を用意せずに、アーサの前にマグを置く。


「旅人に暇はタブーだろ。だから何かしてなきゃ落ち着かないんだ」

「仕事が趣味はいい傾向ではありませんよ。ある時突然冷めたりしますから」

「オレの場合は生きがいなの。あんた、ロマンが分からないな」


ヴァイオットは何気なく現れて、自分で角砂糖を小瓶から出していた。


「さて、アーサ。今日はあなたも加えて三人で、ナフィルカーナ姫の捜索をしますよ。仕事が欲しいのでしょう?」


アーサにしてみれば暇が嫌いなだけで仕事が欲しいわけではない。しかし、助けてもらった上に、しばらく匿ってくれた相手に何もしないというのは忍びない。


「分かった。オレもできる限り頑張るよ。どこ行くの?」









  あとがき

桜が咲くと小学生の頃は学年が100人もいなかったので「友達100人もできねぇよ!」とか思ってた時代を思い出します。

こんにちは、桜崎です。
ちなみにこのHNは秋にできたものです。春とかまるで関係ない。

以前から、章タイトルばかりに力を入れているところがあります。
趣味でオリジナルをアナログ書きしていたときから知ってますよ…章タイトルとかサブタイトルって意外と覚えてもらえませんよね。

友人「よく見たら深いね!」 よく見たらは余計じゃーい!
…件名に入れた方がいいのかな。

予定に反してなかなかナナシ姫(苦笑)が出てきませんねぇ。
次回も出てこない気がするのは単なる直感じゃなさそうです。

入学って楽しみだったっけと、高校の頃を思い出しましたが…
このあたりで失礼します!
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Agitator 第三章 呪縛の理姫 by 桜崎紗綾 2009/04/29 (Wed) 13:08
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100年前、この地上にはトカゲ人がいた。オーディ曰く、その呼び名は差別用語で、本来は竜人と言うらしい。だからオレも竜人と呼ぶべきだと思う。

当時はオレら人間と彼ら竜人は長年の争いを続けていたが、一人の勇者によって竜人は一人残らず消えてしまった――つまり滅びた。勇者の名はナナシさん。彼女のことは、オーディよりもオレの方がよく知ってると思う。

彼女が竜人の神様を殺してしまったのが、彼らを滅ぼす要因になったらしい。よく分からないがそういうことなのだろう。

けれども、血で血を洗って手にする勝利に、平和に、利益を感じるのは勝利の美酒に酔い痴れるその瞬間にしかない。
人間が本当にしたかったのは、竜人を滅ぼすことではなく、誰かを殺し、また、誰かと争うことじゃないのかな。

結局、人間はあのあと、「正当な理由で誰かを殺せない」ことでストレスになって、人間同士で争ってしまったのだ。

一部の奴等が、竜人が消えた直後に無力な人への集団暴力に及んだそうだ。たぶん、オレは見事にその餌食になってしまったのだろう。

その殺戮本能みたいなのがこの100年間に、盗賊を作り、鷺の団を作り、反乱軍を生み出した。人は、誰かに打ち勝って優越感に浸りたがる生き物だから、らしい。オーディは流石に言い過ぎだと思うけど、否定できないオレの、強くなりたいと言う想いはなんなのだろう。

ヒトは、争いと言う名の業を背負わずには、生きていけないのかな?


            ――アーサの日記から




    第三章 呪縛の理姫




午前8時に、一行は鷺の団本部を抜けて外に出た。

ナフィルカーナ姫が見つかり次第、アーサは旅を再開する方針でいた。王女か、反乱軍か、どちらが敵か分からない状態で、鷺の団を簡単に信じる訳にはいかない。彼がここにいるのは、恩返しなのだ。

彼らが向かっていたのは、シイルの町に向かう方向だ。既に滅びた町だが、地名として残されているらしい。旅人向けの宿は経営者がいないせいで余り数が多くない。


「こっちには町はなくない?」

「自分がサーショやリーリルを探索しても足跡を掴めなかったと言うことは、姫や僅かな護衛たちは人里を避けている可能性が高いんです」


ヴァイオットの探索能力は、正直よく分からなかったが、アーサは言及しなかった。
もう、シイルは町としての原形を残していなかった。代わりに屋敷が建っている。ヴァイオット曰く、空き家のようだ。アーサは何となくやるせない気持ちに駆られながら、西の森に向かう。


「ここにもいないな」

「…誰か来ます」


ヴァイオットは元来た道を静かに振り返った。彼がわざとらしく音をたてて短剣を抜いたことに、アーサは気付いた。
そこにいたのは反乱軍の鎧を着た者たちだった。昨日よりも数が多い。


「反乱軍はここまで来てましたか…」


アーサはその数を見て辟易しながら剣を抜いた。


「3人相手に多くない?」

「私、この倍くらいは一人で相手できるよ。なんたって私は『アリス』だもの」

「アリスちゃん、そんなこと言ったら増援呼ばれちまうぞ」

「それも面倒だねぇ」


自分がアリスだからと言う言葉の意味は分からなかったが、アーサは自分が結構落ち着いていることに驚いた。適応性か、図太さか。


「な、何だ、この我らを見てものんびりとした様子は!」

「何なんでしょうね。自分が知りたいところですよ」

「ヴァイオットも落ち着いてるよね」

「いやぁ、お褒めに預かり光栄です」


褒めていない。
もちろんヴァイオットは気付いていただろうがが、不敵な笑みを浮かべていた。挑発行為だ。

予定通り攻撃して来た反乱軍を相手に、アーサは迎え撃ち始めた。しかし、何故か違和感がある。相手が弱い訳ではない。かといって彼が極端に強くなった訳でもない。

ヴァイオットが短剣を投げ始めた。兵士の攻撃を素早く避けている。その合間に近くの相手を切り倒し、『波動』のフォースを打ち込んだ。

アリスは『増幅』と『雷光』を繰り返して敵を攻めた。恐ろしい戦い方だ。時折『催眠』などで動きを封じていた。


「呪縛のアリスだ!」

「双鴉ヴァイオットもいるぜ! 勝てるわけねぇよ!」


反乱軍の誰かが叫んだ。何人かが逃げようとしている。


(えっ? 今、何て言った? オーディ、聞こえた?)

《『呪縛のアリス』と聞こえたでござるな。双鴉、というのは前に聞いたはずですぞ》


怯むな、かかれ。指揮官らしき男が叫んでいたが、兵士たちはアリスたちの姿を見るなり逃げ出していて、統率力はこれ以上ないくらいに乱れていた。

アーサは、違和感の正体を突き止めた。兵士たちは、ヴァイオットと、彼以上にアリスに畏怖を抱いていたのだ。

鷺の団は有名だと、昨日アリスが教えてくれた。人数も少ないため、団員の名前が有名になることも有り得るかもしれない。

確かに、アリスのフォースは天才と呼ばれてもおかしくないくらいに強力だ。それを、時折笑顔すら浮かべて放ち続ける。


なんたって私は『アリス』だもの。


彼女が先ほど言った意味が、ようやく分かった。
呪縛のアリスにかかれば、こんな奴等はただの雑魚だ。そう言って相手を萎縮したかったのか、挑発したかったのかまでは、分からないが。


(アリスちゃんって有名人なんだ…)


アーサは彼女が味方でよかった、と思った。

この戦いが恐ろしい早さで終わったのは、言うまでもない。



   *



《これで、よかったのですか?》


ただ、白に覆われた無垢な天上界。深緑の小さな竜が、白い少女を見つめていた。

その側には銀色の狼と、紫の鳥が控えている。


『私の力が多く残っていない以上、こうするほか、なかったのです。既に、裁きの時へのリミッターは外れかけている。もう、彼に賭けるしかない』

《人は一度、裁かれるべきだと、我は思うぞ》

『そうかも、知れません。ですが私は、人に賭けてみたい。
 …それとも、“親”が“子”に抱くものとしては、期待過多なのでしょうか』

《さあな、それは分からん。だが、我にはどうしても解せぬことがある》


銀色の狼が、低い声で唸る。少女は深窓の令嬢のような愁いを込めた表情で、話に耳を傾けた。


《何故、あの少年なのだ? もっと適任がいる、と本人が思っていたほどだ。彼の者の死後、集団暴力による死者は増加した。他に適任はいたであろう》

《そうですよ。あの男の子は一般的すぎる。妥協しちゃいけません。彼に世界の運命を託すなんて大それたこと、できゃしませんって》


紫の鳥が、さりげなく請け合った。


『生きたいと言う想いが、輝かしいくらいに強かったのです。あの子に任せられるかは、正直分かりませんが、私は彼を放っておけなかった』

《…甘いな、リクレール》

『ええ、私もそう思います』


少女――リクレールは、静かに答える。


『それでも、私はあの少年なら大丈夫だと、思っています』






 あとがき


3の倍数の章ではアーサの日記を付け加えよう!
なんて思いながら彼の日記にしちゃあ長すぎる日記を加えました。

いよいよここまで来てもヒロインのナナシ姫が現れない…。
しかもナナシ姫の本名(ナフィルカーナ姫)からいつナナシ姫に切り替えればいいのかしら。お姉さんわからない(えー)

予定していた章タイトル「邂逅」を、「出会ってねえよ!」と急きょ切り替えることに。そんなわけでこんな漕ぎ着けっぽいタイトル。

あとクリードとシュナイダーが出てきてない。
いや、彼らが出てくるタイミングは「姫の後」(爆笑)と決めてあるんですが。

彼らの登場に期待しつつ、ここまで読んでくださった方に感謝です。
8120
Agitator 第四章 邂逅 by 桜崎紗綾 2009/05/19 (Tue) 11:43
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   第四章 邂逅




午後7時を回った。


「暗くなりましたね。今日の探索は諦めましょう」

「本部に帰る?」

「いえ、明日もこの付近から探索します。二度手間になり兼ねませんから、近くの宿に寄りましょう」


ヴァイオットは森の中に建っている宿に向かうことを提案した。アリスもアーサも断る理由がないので、それに従った。大陸東部において数少ない宿の一つだ。


(…て言う感じで、反乱軍の人達も朝から夕方にかけて探してんじゃないかな…)


アーサは一度振り返って、場所を覚えるために周囲を見回し、二人の後に続いた。



   *



午後10時を回った。

一度も森に入ったことのない時間だが、アーサは細かいことを気にしなかった。


(宿を抜け出すまで喋っちゃ駄目だ、オーディ。あの二人には『聞こえ』ちまうからな)


アーサは静かに宿を抜け出した。アリス達には黙っている。その方が良さそうだからだ。
鷺の団を完全に信頼しているわけではない。何も知らないアーサを騙している可能性を捨てる訳にはいかないのだ。

トーテム能力者は睡眠時間が多少少なくても、さほど問題ないらしい。念のために日付が変わる前に戻ることに決めた。夜風に当たりに行き、戻るくらいの時間にすれば丁度いい。


《アーサ殿、聞こえますかな?》


オーディに言われ、アーサは立ち止まる。草を踏む彼自身の足音で聞こえないのかもしれない。


(…足音。草を踏む音が聞こえる。野犬か…?)


近付いて来ている。アーサは一応剣の柄を掴んで、その気配を待ち構えた。

足音の速度が急激に上がった。すぐに、二種類の何ものかが走っていることが分かった。


《誰かが誰かに追われている構図と思われますぞ》

(まさかの一発ビンゴ?)


アーサは自分の強運ぶりに驚きながらも、足音が聞こえた方向に走った。

足音が止まった。恐らく、追い詰めたところだ。アーサは足を速めて、素早く現場に近付いた。

状況はすぐに分かった。
少女が反乱軍の夜勤兵士に追い詰められている。何があったかは分からないが、アーサは狼藉を赦したくなかった。そして、少女を助けられる程の力が、今の彼にはあった。


(相手は5人。よし、そのくらいなら!)


アーサは急いで彼らの元に駆け込んだ。


「女の子一人相手に、何してんだよ!?」

「誰だ、このガキ!」

「ただの通りすがりだ!」


アーサは剣を抜いた。少女を庇うように割り込んだ。


「おい、男は殺していいが、女は生かして捕らえろよ。あの娘は、探し求めたお姫様だからな」

(お姫様? この子が、例のナフィルカーナ姫…?)


彼は連携して襲い来る兵士を迎え撃った。兵士が切り付けて来る。避けることは不可能ではないが、後ろの少女(王女?)に当たるだろう。アーサは正面から攻撃を受け止めて、一人を袈裟懸けに斬り倒す。


「おい! このガキ、素人じゃないぜ。応援を呼んで来るからな、お前らここを押さえてろ!」

(増援来られたらまずいな)


一人が走り出し、残り三人になった。


《相手の砦の所在は分かりませぬが、後20分で処理せぬとまずいことになるかも知れませんぞ》


アーサは一人を突き倒し、一人を薙ぎ倒し、最後の一人は切り上げた。素早い動作だったので少しの間呼吸を整えてから、彼は剣を戻し、後ろの少女に振り返った。

綺麗な黒髪、黒いタイトドレス。女性としては長身だと思ったが、よく見たらヒールの高い靴を履いている。
束の間、アーサは彼女の顔に引き込まれた。


(ナナシさん…?
 いや、まさか、…)

《アーサ殿》

(あ、うん。分かってる)


彼はどうにか落ち着いてから、少女に声を掛けた。


「もう大丈夫、って言いたいんだけど、反乱軍の奴がまた来るはずだから」

「分かるわ。一人、増援呼びに行ったから」

「(声までそっくりじゃん)オレのこと、信用してくれないかもだけど、少なくとも今は君の敵じゃない。とりあえずここから逃げたいんだけど、いい?」

「今はあなたを信用するわ、通りすがりさん。でも、その前に」


通りすがりさん、という言われようは少し引っ掛かったが、確かに通りすがりだと宣言したのはアーサ本人なので、彼は深く気にしなかった。
少女はアーサに何かのフォースを使ったようだ。彼が受けた傷が全て癒されてゆく。


「『完治』のフォースよ。あたしのために受けてくれた傷だもの、責任は取らなきゃ」

「ありがとう。とりあえずこの森を抜けるまでは走るけど、それでいい?」

「大丈夫よ」


アーサは少女の手を自然に取って、走り出した。
彼女は、高いヒールに馴れた様子で懸命に走った。



   *



予定の0時を過ぎていた。
二人は森を抜けて、シイル南部に辿り着いていた。


「…で、さっきの兵士が君を『お姫様』って呼んでたけど…」

「そうよ」


少女が溜め息をついた。
これまで散々昼夜を問わず、追われていたことへの疲れがあるかもしれない。確かに、王女に生まれただけで追われるようになるというのも、憐れな話である。本人は王女に生まれることを望んでいないのだ。


「あたしはナフィルカーナ・ナディア・シレストジャー・バーンディスト――バーン王女よ。
 護衛と逃げていたのだけど、途中ではぐれてしまったの。彼は強いから、生きてると思うのだけど。
 あなたは?」

「アーサ。成り行きで反乱軍を敵に回しちゃった旅人だよ」

「それは大変ね」


アーサは肩を竦めた。


「で、これもまた成り行きなわけだけど、鷺の団の人達と協力して君を探してたんだ。その人達と取っている宿があってね、ひとまずはそこに…」

「分かったわ。鷺の団は昔から好きじゃないけど、仕方ないわね。案内してくれる?」


好きじゃない? 有名な義の傭兵団が?

アーサには疑問が残ったが、深い詮索をやめてナフィルカーナ姫を案内しようとした――その時。


「その必要はありませんよ」


不気味なほどにゆっくりとした足取りで、アリスとヴァイオットが近付いて来るのが見えた。途端にアーサには全てが読めた。


「最初から、だよな? オレを騙してたのは」

「今更ですか?」


ヴァイオットは冷たい声で呟いた。その柔らかい物言いは決して変わっていない。


「おかしいと思ってたんだよな。
 最初にアリスちゃんが狙われなかったのにも関わらず、『呪縛のアリス』は有名なんだろ? まずそこに矛盾がある。
 二人とも有名なのに、反乱軍が鷺の団の本拠地を攻撃してこないのも引っ掛かった。つまり、あんたら二人は反乱軍の敵ではない。
 反乱軍が南から、あんたらが北から来るなんて、何ともセコい挟み撃ちだよな。雑魚一人ならお姫様強奪も楽勝…ってか?
 大方、彼女を反乱軍に売って報酬をもらう算段だろ? やれやれ、汚い奴等だ」

「何をおっしゃいますか。傭兵は利を求めるもの。明日も見えぬ亡国の姫君よりも、反乱軍と手を組む方が金になる。当然でしょう?」


アーサは左にいるナフィルカーナ姫の左肩を掴んだ。そのまま彼女の首元に剣を突き付けた。彼は小声で「何もしないから」と彼女に囁いた。


「この姫様がどうなってもいいのかい?
 オレに攻撃するなら、とかは言わないけどよ。…少なくともフォースを使うと彼女も巻き込むよな。

 お姫様は生かして捕らえるんだろ? そうじゃなきゃ金にならない。生かして捕まえて、今王国を支持している人達への見せしめで公開処刑をするためには、無傷だとなおいい。

 あんたがオレを殺して彼女を捕まえるのは自由だ――と同時に、オレが彼女を守るのも自由だよな?
 人助けも正当防衛も関係ない。仮にも手を組んでる反乱軍をためらいもなく殺っちまうなんて最ッ低な奴等だ。そんな最ッ低な奴等と手を組むのはごめん被りたい。オレにもプライドはあるからね」










  あとがき


こんにちは、桜崎です。

なんなんだ、この話は、という愚痴は後にしてくださいねw
はじめからこうする方針でしたから。

そうですね…ついに、ついに、ナナシ姫が出て来てくれました。
といっても名称は「ナナシ」ではないのですが。

この物語もなかなか核心に迫ってくれません。
なおかつ作者が遅筆なんだ。いつ終わるかなんてわかりゃしない。

「携帯で書いてPCに転送」が基本スタイルの私は、この章の文字化けにショックを受けてました。
それがしばらく更新しなかった理由、もとい言い訳ということにしてください。

次章はクリードが出て来てくれる予定です。
シュナイダーはその次かそのまた次くらい、かな?

最近は皆勤賞の人(アルバート)を登場させようかちょっと迷ってます。どうでしょう?

最後に、ここまで読んでくださった方に感謝です。
で、もっと先を読んでくださるという方にはもっと感謝です。
8126
Agitator 第五章 王女の白騎士 by 桜崎紗綾 2009/06/05 (Fri) 12:35
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   第五章 王女の白騎士




「計画性に欠けてるね」


アリスが容赦なく呟いた。無論、それはアーサにも分かっていた。彼がヴァイオット達を脅したところで、その後どうなるわけでもない。といって他に何をすればいいのかも思い付かない。

「そこがアーサさんの弱点だよ。一見的確に見えても、その後は何もできない。隙だらけなのは分かってるだろうに。あなたは、ただの馬鹿なの?」

「………だが、その隙だらけな策は、時として何かを生み出すことがあるもんだ」


聞き慣れない声が聞こえて来た。


「それは大層阿呆みてぇな話だが、日頃の行いと運が善ければ自然といい結果に流れつくらしい。ま、俺の経験上の話だな」


アーサには足音が近付いて来ているのが分かった。
その足音の主は吉をもたらすか、凶をもたらすか――さすがにそこまでは分からなかったけれど。


「誰なの!?」


近付いて来たのは長身で精悍な体躯の男だった。薄い緑の髪に灰色の鎧、白い外套が闇夜に映える。


「あんたらに、名乗る名は用意してねぇよ。俺は姫様を命懸けで守ろうとして無謀な勝負に出てる、そっちの餓鬼に協力するべき立場だし、個人的にも協力したいってだけさ」

「あなたも倒してしまえば…」

「問題ナシってか? 俺を見くびるなよ、双鴉ヴァイオットさん」


ヴァイオットは短剣を抜く。投げ付けるも、男は剣でそれを叩き落とした。アリスの『波動』が飛んで来たが、彼はやはり剣でそれを叩き割った。


(速い!)

「貰ったな」


男は何気なく呟いた。アーサの方に近付いて、彼は『転移』のフォースを使った。


「逃げられちゃった」


アリスが小声で呟いた。彼らはやはり、傭兵だ。失敗したところで金が貰えないだけだ。しかし、傭兵だからこそ、金に執着するのだろう。


「しかし、あの男…規格外の強さでした。どうやら王国兵のようですし、この仕事、予想以上に大変なことになりそうですね」

「『あいつ』呼んじゃう?」

「呼んだところで来るかは微妙ですよ。何せ『彼』は物好きですからね。ともあれ、一応呼んでおきましょう。気が向けば来てくれるはずです。あの三人は、泳がせてやりましょうか。そのうち行動パターンが読めるはずですから」

「分かった。じゃ、反乱軍にはそう伝えとくね」


アリスは森へと姿を消した。


「旅人の心理というのは、よく分かりませんね。ヒロイズムにでも浸りたいのか…」


ヴァイオットは静かに呟いて、鷺の団本拠地に戻った。



   *



男が選んだ場所は、シイルの町があった屋敷だった。


「さっさとこっちへ! ここは俺らの家ですから」

「……家?」


空き家だ、という情報も嘘だったのだろう、とアーサは納得した。情報が錯綜し過ぎている。

ともあれ、いつ誰が現れるか分からない状態なので、彼らは屋敷の中に入った。

中には若い女がいた。アーサたちが入ると、その女が近付いて来た。


「よく連れて来てくれたわね、クリード」

「運良く、物分かりのいい餓鬼がいてくれたからな」


クリードと呼ばれた例の男が、アーサの方を指差した。アーサは自分の物分かりではないだろう、と内心突っ込みを入れながら、女に取りあえず礼をした。
女は三つ編みの赤い髪をしていた。薄手のローブを身にまとっている。


「私はエルよ。君は?」

「アーサ。ただの通りすがりだよ」

「いい眼をしてる。気に入ったわ」


エルと名乗った女は、アーサとナフィルカーナ姫、それにクリードを案内した。

王国兵第四隊長。それがクリードの肩書きだ。
エルは、彼の婚約者だとかで、よくサーショの兵士の世話をしているらしい。


「クリードが生きていてよかったわ。エル、あなたも逃げられたのね」


エルはアーサやナフィルカーナたちをそれぞれに用意した部屋に連れて行った。アーサには聞きたいことがあったが、時間が遅いのは事実なので明日にしよう、と割り切った。

アーサは用意された部屋に入った。



   *



翌朝、アーサが屋敷の広間に現れると、エルが食事を運び回っていた。

15人もいないくらいの少人数の兵士がいる。アーサが見慣れた、バーン正規兵の鎧を身に着けた者たちだ。
エルが何気なくアーサに近付いて、席を指示する。しばらくしてコーヒーが運ばれて来る。


「パンが焼けるまで、コーヒーでも飲んで待っててちょうだい」

「どうも」

「…君、色々聞きたいことがあるんでしょう? 私に答えられる範囲でよければ聞いてあげるけど」

「恥ずかしいことに、何一つ分からなくて困ってるんだ」


エルはアーサの向かい側の席に着きながら、笑顔で請け合った。


「知らないことは恥ずかしいことじゃないわ。
 そうね、この屋敷は鷺の団の第二拠点よ。今は生き残った兵士の隠れ家なんだけどね」

「どういうこと?」

「知ってのとおり傭兵は利益優先で動くでしょ。反乱軍に姫様を売れば金になるって思ったのが、あなたがあった二人。反面、私たちに強力した方が後々金になるって思った人を、こちら側で雇ってるわけ。
 彼ら、金で動くから使いやすいのよ。つまり、大金を注ぎ込めば身内も裏切ってくれるの」


アーサはコーヒーに角砂糖を入れてかき混ぜながら、エルの話を理解しようとした。
つまり、今ここにクリード始めとする王国兵が隠れていられるのは、鷺の団にいるうちのアーサが知らない誰かが、『金』を理由にヴァイオットやアリスを追い返しているからだ。恐らく、始めからいないと言うのだろう。

いつまで彼らに通用するか分からないが、今はそれしか打つ手がないのだろう。


「つまり、鷺の団だからって敵なわけではない、と」

「そうなるわ。他に分からないことは?」

「反乱軍って…何? 何のためにこの国を…」

「分からないわ。もしかしたら、今の政府に何らかの不満があるのかもしれない。単に、何か大きなモノを壊したいだけかもしれない。
 いずれにしても彼らは革命を起こして、私たちはそれを阻止するのが目的」


大きなモノを壊したい。

その言葉が、アーサの胸に槍のように突き刺さった。出来れば、反乱軍の目的が前者であって欲しい。
――それがナフィルカーナ姫や、彼女の両親を否定することに繋がるとしても。


「まぁ、とりあえずのんびりしてなさい。訓練場なら、地下にあるわ。クリードならあそこにいるんじゃないかしら? あなたのことは相当気に入ってたみたいだから、私や姫様だけと喋らないで、たまには顔を出したら良いわよ」

「そうする。ここの人にも嫌われたら、オレ、もう行く当てないし」


それはないわよ、とエルは呟きながら立ち上がった。
パンが焼けたらしい。












 あとがき

やっぱり更新速度は遅いままな桜崎です。

私事で忙しくてここに来れないでいたら、お絵かき板ではアサナナ祭り…
男性(というかむしろ人)の絵が描けない自分が悔しいぜ!

さて、ようやくクリードが登場しました。
実は次の話まで書き上げているので、シュナイダーも登場済みです。
エルはとりあえずメアリーと同じような仕事をしている人だと思っていただいて大丈夫です。

いつになったらアサナナ的展開が訪れてくれるのやら。
最近は「より悪質な方の」アサナナをちょっとひねってます。
この話も十分に悪質かもしれませんが…
もしかしたらそちらの方も別にアップしちゃうかもですね。
タイトルは…「悪質な話」(嘘ですよ)

また時間が空いたら来ることにしましょう。
ここまで読んでくださった方には本当に感謝です!
8062
感想 by もげ 2009/03/29 (Sun) 21:20
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感想書いた直後に新作出てたら読むでしょう普通。ということで。

まずは大学合格おめでとうございます! こんなに喜ばしいことはないです!
桜崎さんの復活、そして新作、嬉しいこと目白押しでテンションあがりっぱなしですよ!
内容について。アーサが死んだー! と泣きさざめいたのも束の間、アーサ復活&100年後の世界…? 襲い来る兵士たちと謎の二人組! 息つく間もないドキドキワクワク展開にときめかざるを得ない!
アサナナ好きとしてはたまらない展開で、続きがとても楽しみです!

それではテンション高いまま書いた変な感想でごめんなさい。
最後に、本当におめでとうございます。それでは。
8063
感謝! by 桜崎紗綾 2009/03/29 (Sun) 21:59
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>感想書いた直後に新作出てたら読むでしょう普通。ということで。
>
>まずは大学合格おめでとうございます! こんなに喜ばしいことはないです!
>桜崎さんの復活、そして新作、嬉しいこと目白押しでテンションあがりっぱなしですよ!
>内容について。アーサが死んだー! と泣きさざめいたのも束の間、アーサ復活&100年後の世界…? 襲い来る兵士たちと謎の二人組! 息つく間もないドキドキワクワク展開にときめかざるを得ない!
>アサナナ好きとしてはたまらない展開で、続きがとても楽しみです!
>
>それではテンション高いまま書いた変な感想でごめんなさい。
>最後に、本当におめでとうございます。それでは。


なんと! さぁアップしたぞー、と、絵板見て回って(描けないので見るだけ)戻ってみたら分刻みで感想が来ているとは!

なんでなんだろうね、普通に言われるよりもディスプレイの前でのおめでとうの方が嬉しいのはなんでなんだろうね!
と…まぁ、ありがとうございます! こちらもテンション高いまま感謝を返そうかと思います。

…正直、私もアーサ死なせることにはそりゃもう、想像を絶するほどの罪悪感がありました。
こういうアサナナもありみたいでよかったです。
ってか、アーサ強すぎるだろ、みたいな突っ込みは…しないでください。

驚異の速度で感想が来るとは思いませんでした。ネットってすごいね!
本当に嬉しかったです。感想ありがとうございました!
8069
感想二 by もげ 2009/04/04 (Sat) 00:35
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読ませていただきました。早速ですが感想をば。

鷺の団。反乱軍。ナナシ姫(w)。世界観が徐々に明かされ、物語への期待もウナギ登りです。
それにしても何と言うか、キャラ同士の掛け合いが巧みですね。
会話がすっと入ってくるというか、不自然さがないところが本当に凄いです。見習いたい。
次回はとうとうアーサとナナシ姫が出会うのか!? 首を長くして待ってます笑

それでは短くて申し訳ありませんが、これにて。
8070
感謝弐 by 桜崎紗綾 2009/05/24 (Sun) 10:29
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>読ませていただきました。早速ですが感想をば。
>
>鷺の団。反乱軍。ナナシ姫(w)。世界観が徐々に明かされ、物語への期待もウナギ登りです。
>それにしても何と言うか、キャラ同士の掛け合いが巧みですね。
>会話がすっと入ってくるというか、不自然さがないところが本当に凄いです。見習いたい。
>次回はとうとうアーサとナナシ姫が出会うのか!? 首を長くして待ってます笑
>
>それでは短くて申し訳ありませんが、これにて。
>

わーい、感想が来たー。

ここらで世界観を説明してもらわないと、アーサも困るでしょう(苦笑)、ということで紹介させてもらいました。
しかし、いつナナシ姫は出てくるのやら…私も正直わからないですねー。

この章のキャラの掛け合いは個人的にも気に入ってます。褒めてもらえて光栄です。
特にヴァイオットがアーサにからかわれるところ(苦笑)。
キャラの個性を出そうとして出した会話でした。いじられキャラにする気は全くなかったんですが。

ナナシ姫は首を長すぎるくらい長くして待たないと、待ちきれなくなるかもしれないですねぇ。
あ、出て来てもアーサと出会うかどうかも微妙なんだ!

感想ありがとうございましたー!
8121
感想です by LADEN 2009/05/19 (Tue) 20:51
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どうも、LADENです。

Agitator読ませていただきました。
これは面白い!設定が細やかで、話にどんどん引き込まれていってしまいました。

それにしても、まさかアーサが利用されていたとは思いませんでした。
このまま三人で仲良く、と思っていたのにこの展開。
さすが桜崎紗綾さん!想像の斜め上ちょい左を通り過ぎる!
文章も巧く、読みやすく、見習いたいところが多々ありました。

この後、アーサ達はどうなるのか、そしてリクレールが言ってた裁きの時とは…?
次の話が待ち遠しいです。

これからも楽しみに待っています。

拙い感想で申し訳ございませんでした。

それでは
8122
感謝です by 桜崎紗綾 2009/05/21 (Thu) 23:47
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>どうも、LADENです。

おおお、LADENさん、お久し振りではないですか!

>Agitator読ませていただきました。
>これは面白い!設定が細やかで、話にどんどん引き込まれていってしまいました。

いやぁ、お褒めに預かり光栄ってか、むしろ恥ずかしいですよ。
話に引き込めてたみたいで本当に嬉しいです。

>それにしても、まさかアーサが利用されていたとは思いませんでした。
>このまま三人で仲良く、と思っていたのにこの展開。
>さすが桜崎紗綾さん!想像の斜め上ちょい左を通り過ぎる!
>文章も巧く、読みやすく、見習いたいところが多々ありました。

二人がアーサを裏切るのは少し前に思い付いたようなものでしたが…
でも、まさかの展開じゃないと書いてて面白くない時もありますから。

しかし、斜め上ちょい左と言うことは、あの辺でしょうか…(どこだ)

>この後、アーサ達はどうなるのか、そしてリクレールが言ってた裁きの時とは…?
>次の話が待ち遠しいです。

そろそろ核心に迫るべきか、それとも焦らしてみるか…
個人的にも考え物ですね。

>これからも楽しみに待っています。
>
>拙い感想で申し訳ございませんでした。
>
>それでは

一人でも読んでいただける方がいると思うだけでとても嬉しいです。

こちらこそ感想を返すのが遅くなってしまって申し訳ありません。

感想ありがとうございました!
8127
感想でう! by asd 2009/06/07 (Sun) 18:10
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どうも、asdと申します。
最近大学の講義やらテストやらが忙しくてなかなか自作小説のほうが進まず、書こうとしても中々アイディアが出なくて「そうだ、こういうときは他の人のを参考にしてみよう!」と思い、シル同に久々に来て見たらなんとAgitatorが更新されていましたので即クリック状態でした。
読んでみたら本当に面白くて、文章も凄く読みやすくて……思わず一度読みきったらもう一周してしまいました。いや本当にこの構成力は素晴らしいですね。
今後の展開が楽しみです!それでは短いですがこの辺で。
それでは!
8128
感謝でう! by 桜崎紗綾 2009/06/08 (Mon) 14:41
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>どうも、asdと申します。
>最近大学の講義やらテストやらが忙しくてなかなか自作小説のほうが進まず、書こうとしても中々アイディアが出なくて「そうだ、こういうときは他の人のを参考にしてみよう!」と思い、シル同に久々に来て見たらなんとAgitatorが更新されていましたので即クリック状態でした。
>読んでみたら本当に面白くて、文章も凄く読みやすくて……思わず一度読みきったらもう一周してしまいました。いや本当にこの構成力は素晴らしいですね。
>今後の展開が楽しみです!それでは短いですがこの辺で。
>それでは!


どうもこんにちはー、桜崎です。

大学の講義やテスト、お忙しいようですね。まぁ、私も人のことは言えませんが…。

読み切っただけでなく、この話を2周も読んでいただけるとは…!
嬉しすぎてアイキャンフラーイ!10階から飛び降りても無傷で生還しそうな感じがするぜ!
誉めても続きしか出ませんよ、asaさん(何)

続きの方は軽く首を長くして待っててください。
遅筆なりにちゃんと書きますから。

それでは、感想ありがとうございましたー!
8135
感想をば… by 白夜 2009/06/09 (Tue) 00:55
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こちらでは初めまして、白夜と申します!
マヌケにも投稿の仕方が分からなくてあたふたしてましたが、それはさて置き…
つい最近までこんな素敵なお話を見逃していた俺は入水するべき!

最近アツいアーサの活劇、すごくドキドキしました!
ナナシ姫が出てきた所でロマンスまだかー!? とひとり画面の前でドキドキしてます。アサナナいいですよね、祭りが永遠に続けばいい!
悪質な方も気になったりとか、アルバートって単語に激しく反応したりもしております。
激しく続き楽しみにしてますねー!
8136
感謝をば… by 桜崎紗綾 2009/06/09 (Tue) 18:17
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>こちらでは初めまして、白夜と申します!
>マヌケにも投稿の仕方が分からなくてあたふたしてましたが、それはさて置き…
>つい最近までこんな素敵なお話を見逃していた俺は入水するべき!


こんにちは、白夜さん! 桜崎と言います!
ここの投稿法は一瞬焦りますよね。私も最初分かりませんでしたよっ。
イヤ〜、そんな理由で入水なんかしないで、白夜さん!


>最近アツいアーサの活劇、すごくドキドキしました!
>ナナシ姫が出てきた所でロマンスまだかー!? とひとり画面の前でドキドキしてます。アサナナいいですよね、祭りが永遠に続けばいい!
>悪質な方も気になったりとか、アルバートって単語に激しく反応したりもしております。
>激しく続き楽しみにしてますねー!


私の中では常に激アツなアサナナがブームになってくれて本当に嬉しいです!
悪質な話が気になるですと!? 白夜さんがそうおっしゃるなら書かぬわけにはゆくまい!
ってわけでそのうち書きます。期待しないで待っててください(笑)
ついに現れた、アルバートって単語への反応者! これは彼が出た方が面白くなりそうだ!
祭りが続いているうちにはロマンスを…は、無理そうですが、できたらこの話のアーサを末永く見守ってくれたら嬉しいです。

感想ありがとうございましたー!
p.ink