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リレー小説企画『一日一話で綴るシルフェイ... <風柳> 04/13 (21:33) 7987
  プロローグ <風柳> 04/13 (23:47) 7988
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  『一日一話で綴るシルフェイド幻想譚』 2... <神凪> 04/30 (22:48) 7992
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『一日一話で綴るシルフェイド幻想譚』 1日目 by オタパ 2008/04/18 (Fri) 11:55
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「意識の海に漂う、そこのあなた・・・・・・
 私の声が聞こえますか・・・・・・・・・?」

と、女性の声が聞こえてきた。

「私はリクレール・・・・・・。
 トーテムに呼び覚まされし全ての生命を導く者です・・・・・・。」

その声の主はリクレールという名前の人らしい。
トーテム・・・はよく分からなかったので今は考えないでおいた。

「あなたがこの世界に降り立つ前に、いくつか教えていただきたいことがあります・・・・・・。」

リクレールという人は淡々とした調子で話を進めている。

「まず、あなたの性別を教えてください・・・・・・。」

私はとりあえず質問に答えることにし、
自分が女性であることを教えた。

「あなたは女性なのですね・・・・・・。
 次に、あなたの名前を教えてください・・・・・・。」

自分の名前・・・・・・、暫く考えても思い出せなかった。
仕方ないので名前が無いことにした。

「まあ・・・あなたには名前がないのですか・・・・・・?
 では、私が名前を付けてさしあげましょう・・・・・・。」

名前を付けてくれることになった。
・・・・・・変な名前にならないことを祈った。

「名前は・・・・・・そうですね・・・・・・。」

リクレールという人は暫く考えている。
少し時間がたって、名前が決まったらしい。

「・・・・・・ゴンベエさんとナナシさん、
 どちらの名前が良いですか・・・・・・?」

・・・想像した名前より普通だったが、祈ったより変な名前に感じた。
女性でゴンベイは・・・と思ったので、ナナシにした。

「分かりました・・・・・・これから、あなたの名前はナナシさんです・・・・・・。」

「ではナナシさん、次の質問です・・・・・・。
 これから始まる旅では、多くの戦いを切り抜けなければなりません・・・・・・。」

どうやら自分は旅をすることになるらしい。
戦い・・・・・・苦手とは言わないが得意とも言えない。

「そこで、これからの旅を乗り切るために、
 あなたを導く神獣『トーテム』の力を一つだけ授けましょう・・・・・・。」

トーテムは神獣らしい、そしてその力で戦いが楽になるらしい、私は少々安堵した。

「あなたの求めるトーテムは、次の内のどれに当たりますか・・・・・・?」

リクレールという人はそう言って3匹のトーテムを紹介した。
・・・ついでに理力とは何かということも教えてもらった。

私は肉体での戦いは苦手な方なので、スケイルにした。

「分かりました・・・・・・。
 あなたのトーテムはスケイルですね・・・・・・。」

「これで質問は終わりです・・・・・・。」

質問が終わったらしい、・・・・・・これだけでいいの?

「残りの必要な説明は、あなたが世界に降りてからにいたしましょう・・・・・・。
 さあ、シルフェイドの世界へと降り立つ時が来ましたよ・・・・・・。」

そして私は光の柱に包まれ、シルフェイドという世界へ降り立った。



降り立った場所は森の中だった。
少し周囲を見回している内に、世界が光に包まれた。

そして空中から、獣耳と角を生やした人が現れた。

「・・・・・・ナナシさん、見えますか?私です、リクレールです・・・・・・。」

どうやらこの人がリクレールのようだ。

「まず最初に、シルフェイドの世界へようこそ・・・・・・。
 ここは、私の作った名もなき天空大陸。
 人々が平和に暮らせる世界・・・・・・のつもりでした。」

・・・つもりでした?

「ですが間もなく、この島に悪いことが起きようとしています・・・・・・。
 この島のすべての人々にかかわる、
 とても大きな『災い』が起きようとしているのです・・・・・・。」

「災い・・・?」と私は呟いた。

「・・・・・・『災い』の正体は分かりません。
 ただ、15日後にそれが起こる、ということだけが、私には分かるのです・・・・・・。」

私は、15日後に何らかの災いが起こる、と覚えておくことにした。

「・・・・・・そこで、あなたにお願いがあります。
 あなたに、これからどんな災いが起ころうとしているのかを、
 どうか見つけだして欲しいのです・・・・・・。」

「そして出来ることなら、その災いが起こる前に、
 何とか阻止していただきたいと思っています・・・・・・。」

災いを15日で阻止する・・・・・・一からそれは難しいんじゃないかと思った。

「・・・・・・そのために、あなたに3つの力を授けましょう・・・・・・。」

3つの力か・・・・・・それで少しは楽になればいいんだけれど・・・。

「一つ目の力は、トーテムの力・・・・・・。
 あなたは、その身に宿るトーテムにより
 普通の人間とは比べものにならない力を身につける事ができるでしょう・・・・・・。」

・・・って、それ降り立つ前にくれたんじゃないの?という疑問は胸にしまっておいた。

「二つ目の力は、15個の命・・・・・・。
 あなたは戦いで命を落としても、
 15回まで私が新しい体を作ってさしあげる事ができます・・・・・・。」

ということは計算上1日1個・・・って、そんなに死ぬ気は無いんだけど。

「三つ目の力は、この世界の人々と話をするための言葉・・・・・・。
 この島の人々の話や文字は、あなたが理解できる言葉として
 認識できるようになるはずです・・・・・・。」

それは正直助かる、会話が通じないとなると色々厄介なことになるし。

「・・・・・・これらの力を使い、この世界に起ころうとしてる災いを見つけ、
 そしてどうかそれを防いでください・・・・・・。」

「・・・・・・。」

暫く黙り込んだので、ん?と私は思った。

「・・・・・・これが身勝手なお願いかもしれないという事は、分かっています・・・・・・。
 これまでに説明した私のお願い・・・・・・聞いていただけますか?」

ここまで来て今更断る気は無いので、私は承諾した。

「・・・・・・ありがとうございます。
 意識の海から見つけられたのがあなたで、本当に良かった・・・・・・。」

しかし私には一つ疑問があったので、聞いてみた。

「・・・質問なんだけど。」

「はい、何でしょう・・・?」

「仮に断った場合、私はどうなるの?」

すると、リクレールは残念そうな顔で淡々とこう言った。

「・・・断った場合・・・ですか・・・、・・・・・・ナナシさんには申し訳ないのですが、
 崖から16回落として意識の海へ戻ってもらい、別の人を見つけます・・・・・・。」

「わざわざ16回も崖から落とすの!!?」

私は色々と驚いた、1回落として肉体を作らなかったらいい話じゃないの!?等、
色々言いたいことはあったが抑えておいた。

「・・・・・・私は、あなたの旅の無事を祈っています・・・・・・。
 これから15日間・・・・・・どうかあなたにトーテムの加護がありますように・・・・・・。」

そしてリクレールは消え、世界を包んでいた光も消えていき、再び森の中にいた。

「・・・・・・私の声が聞こえますか?」

突然、別の声が聞こえた。

「私はスケイル、あなたのお手伝いをするためにつかわされたトーテムです。」

「これからナナシ様に様々なアドバイスをいたしますので、
 不安な時はいつでも相談してください。」

「私とナナシ様は、言葉を交わさずともお話ができますから、
 いつでもどこでもお話をしてくださって結構ですよ。」

「では何はともあれ、まずはここから移動しましょう。」

・・・そういうことで、移動することにした。


【時間:06:00】
森を出てすぐ、街を見つけた。

「まずはあの街へ行ってみようかな。」

そう言って私は街へ行った。


【時間:06:10】
街に着いた、が、

ドン!

「きゃっ!?」

直後に背後から衝撃を受けた。

「ただいま!今さっき城の仕事終わったー!
 っていうか大ニュース大ニュース!!ちょっと聞いてくれよおまえら!」

どうやら兵士が小屋へ急いでいたらしい。

「ナナシ様、大丈夫ですか?」

スケイルが心配そうに訊いた。

「・・・一応大丈夫よ。」

驚いた気持ちを落ち着けながら私は答えた。

「何だか、とても興奮した様子の兵士さんでしたね。」

少し考えて私は、

「・・・大ニュース・・・か、聞いていこうかな。」

と言って、小屋の中に入った。


「いいか、よく聞いてくれよ!
 ちょっと前な、エージス隊長が城に呼ばれた事あったろ!?
 もう聞いてるかもしんないけど、エージス隊長、魔王倒しに旅に出たんだよ!」

「ちょっと長くなるけど、この話聞きたいよな、お前ら!なっなっ?」

私はとりあえず横で聞いてることにした。

「じゃあ話すぞ!これは一週間ぐらい前の事で・・・・・・。」

そしてその兵士は、1分間くらい話をした。


「・・・・・・ってワケ、どうよ!?
 あーでも、もうエージス隊長から聞いたかな?」

すると、他の兵士達は「え?」という顔をした。

そしてその内の一人の兵士が言った。

「ちょっと待ってくれ、エージス隊長、帰って来てないぞ!?」

すると話をしていた兵士は驚いた。

「えっ、マジ!?
 でも確かにサーショの街に帰るって言ってたハズなんだけど・・・・・・あれ?」

サーショの街に帰ると言ってたけど、帰ってない・・・・・・。

「・・・一体、どうしたんでしょうか?」

スケイルは不思議そうに言った。

「う〜ん・・・・・・。」

少し考えたけど、今考えていても仕方ないと思ったので今はとりあえず小屋を出ることにした。


少し街を散歩していたら、ある家の中で声が聞こえた。
私はその家に近づいた。

「姉さん・・・・・・そろそろ、北西の森で薬草取ってくるよ・・・・・・。
 ・・・・・・。
 早く病気が良くなればいいのにね・・・・・・。」

その話が聞こえた後、足音からして中にいる男性は扉の前に来たことが分かった。

「・・・・・・姉さん、いってきます。」

扉が開いた。

「あの・・・・・・。今から、出かけますから・・・・・・。
 用事があれば、僕が帰ってからにしてください。」

そう言って男性は出かけた。

「推測するに、姉と弟で二人暮らしのようですね、今の方。
 お姉さん、もしかして寝たきりの身なのでしょうか?大変そうですね・・・・・・」

スケイルは心配そうに言った。

「でも、武器も持たずに森へ行くなんて、
 いくら何でも危険すぎると思うのですが・・・・・・。」

・・・・・・私はその言葉であることに気が付き、ため息をした。

「・・・ナナシ様、どうかしましたか?」

スケイルの問いに対して、私は無言でサイフの口を下にして振った。

「あ・・・・・・。」

スケイルは気付いた。
そう、今自分達はお金を持っていないのでこちらも武器無しということになる。

「だ・・・大丈夫ですよ!こちらには理力がありますから!」

フォローするようにスケイルは言った。

「・・・大丈夫かなあ・・・。」

私はため息混じりにそう言った。
あの男性の無事も気になったので、
私は街の入り口の兵士にいくつか薬をもらって街を出た。


【時間:7:00】
約40分前に森に着いてからあの男性を捜し回り、
途中で戦闘もあったがなんとか男性を見つけた。

が、その男性はトカゲの兵士に襲われていた。

「あ、あの人、襲われていますよ!どうするんですか!?」

スケイルが慌てた様子で聞いた。

「行くわよ!」

もたもたしていたらあの男性は殺される、私はすぐに決断した。

素早くトカゲ兵に近づいた。
トカゲ兵もそれに気が付いて、戦闘になった。

少々苦戦しかけたが、理力を使って勝利した。

「くそっ、まさか伏兵がいたとは・・・・・・ゴフッ!」

トカゲ兵は倒れた。
私は周囲の安全を確認した。

「・・・・・・す、すみません、助けていただいて・・・・・・。」

確認が終わった頃に、男性が言った。

「あの、家の前で会った人・・・・・・ですよね?
 ・・・・・・。
 ・・・・・・よければ、あなたの名前を教えていただけませんか・・・・・・?」

「ナナシよ。」

私はとりあえず名前を教えた。

「ナナシさん、ですか・・・・・・。
 いい名前ですね・・・・・・。」

・・・・・・こんな事思うのもなんだけど、いいの?

「・・・・・・。」

男性は立ち上がった。

「大丈夫なの?」

私は訊いた。

「あっ、僕のケガは・・・・・・大丈夫ですから。
 それでは・・・・・・これで・・・・・・。」

男性は少し歩いて、振り向いた。

「・・・・・・ありがとう・・・・・・ございました。」

そして男性は帰っていった。

「あの人、助かって良かったですね。
 ケガも軽かったですし、大丈夫だと思いますよ。」

とスケイルは言った。

「それにしてもあの人、いつもこんな危ない状況で薬草を
 採取しているのでしょうか・・・・・・。
 ちょっと、心配になりますね・・・・・・。」

・・・確かに、こんな事が二度も三度もあったらたまらないだろうなと思った。


森を出たところで、たき火の煙が見えたのでそこへ行ってみた。
そこにはバンダナを巻いた男がいた。
どうやら世界を一周する旅をしてる途中らしい。
彼から、あの男性がサーショの街に帰ってくのを目撃したことや、
ここから北東に洞窟があることを聞いてサーショの街に戻った。


【時間:07:30】
私達はサーショに着いた。

「ナナシ様、これからどうするんですか?」

スケイルの質問に私は、

「とりあえず・・・休むわ。」

と答えた。

そういうことで、宿屋『旅人の巣』へ行った。
どうやらクイズに正解すればタダで泊まれるらしい。
私はクイズに正解し、休憩した。


【時間:09:00】
その後私はあの男性が無事帰っているか確かめるために家に行った。

私はドアを開けた、男性はちゃんと帰ってきていた。

「あっ、あなたはナナシさん・・・・・・。
 ・・・・・・あの時はどうも、ありがとうございました・・・・・・。」

男性はお礼を言ったので、

「いいのよ。」

と私は言った。

「僕の名前、まだ言ってませんでしたよね・・・・・・。」

と男性は言った。・・・そういえば聞いてなかった。

「僕の名前は、シンと言います・・・・・・。」

彼の名前はシンというらしい。

「ベッドで眠っている女性が、姉のシズナです・・・・・・。」

そして姉の名前はシズナというらしい。

「あの・・・・・・。
 ・・・・・・。」

シンは何かを言いたそうな感じだったが、

「・・・・・・いえ、何でもありません。」

と言って終わらせた。

「・・・シズナさん、どうかしたの?」

と、私は訊いた。シンは、

「・・・去年から突然病気で倒れてしまって・・・・・・ずっとそのまま眠ったままで・・・・・・。」

と答えた。

「・・・・・・。
 この街から北西の森で採れる、
 とても新鮮な薬草だけが病気の進行を抑えられるそうで・・・・・・。
 だから、毎日取りに行ってるんです・・・・・・。」

「そう・・・。」

と私は答えた。
シンは話を続けた。

「本当は、この病気によく効くエルークスという薬があるそうですが・・・
 ・・・・・・貧しくて手が出なくて・・・・・・。
 ・・・・・・。
 すみません、こんな事言っても、仕方ないですよね・・・・・・。」

「・・・・・・。」

私は暫くして、挨拶した後家を出た。

その後、戦闘で手に入れたお金で治癒を教わって、街を出た。


その後私は北東にある洞窟へ行ってみた。
その洞窟の奥には光の玉が浮いていた。
その玉に触れてみたら、光に包まれ、リクレールが現れた。
そして少し強くしてもらった。
・・・スケイルによると、あれは虚像らしい。
私は洞窟を出た。


【10:50】
サーショの街に戻って、途中で手に入れたお金で防具を買って、休憩した。


休憩が終わって、

「これからどうするんですか?」

とスケイルが訊いたので、私は、

「そうね・・・、折角だし、川を渡って東へ行ってみるわ。」

と答えて、街を出た。


暫く東へ進んでいくと、街が見えたので行ってみた。


【13:20】
街に着いた。
この街で暮らしている人の話を聞いて、ここはシイルの街だということが分かった。
そして予言者の話も聞いたので、そこへ行ってみた。

道具屋に入ったとき、話し声が聞こえた。

「えーと、明日の昼にトニーさんが来て、それ以外は誰も来ないのね?」

「うん・・・・・・トニーさんは、結婚が取り消されないかどうかを聞きに来るみたい。」

二人の女性・・・というより、女性と女の子が話をしているらしい。

「他には、あさってまで、お客さんも相談したいっていう人も誰も来ないよ。」

「分かったわ、それじゃあ今日はもうお店を閉めても大丈夫なのね・・・・・・。」

・・・話を聞いてる限りでは、女の子の方が予言者らしい。

「・・・・・・。
 ・・・・・・何だかいつも悪いわね、ウリユ。」

「えっ、そんなことないよ・・・・・・。
 だってわたし、目が見えないから店番もできないし・・・・・・。
 だから・・・・・・ちょっとでもお母さんの役に立ちたいし・・・・・・。」

「もう、この子ったら・・・・・・。」

どうやらウリユという女の子とその母親の二人暮らしらしい。

「・・・・・・とりあえず、今日誰も来ないなら、お店を閉めてくるわね。」

・・・あれ?いるんだけど?

そして別の部屋から女性が出てきた、恐らくウリユという子の母親だと思う。

「・・・・・・え?」

その人は驚いた。・・・予言が外れたのだろうか?

「あっ、いらっしゃいませー、お待たせしてごめんなさいね。」

頭を切り替えたようにそう言って、位置に着いた。

(どうしたのかしら、今日は誰も来ないはずじゃ・・・・・・。
 ウリユの予言が外れるなんて一度もなかったのに・・・・・・)

しかしその人は不思議そうな顔をしていた。
余程予想外のことだったんだろうなと思った。

私は予言者に会いに来たことを言って、部屋に入った。

「・・・・・・えっ?」

ウリユという女の子は驚いた。

「あの・・・・・・誰?
 ・・・・・・。
 お、お母さ〜ん・・・・・・。」

ウリユという子は動揺している様子で母親を呼んだ。
そして母親が部屋に来た。

「どうしたの、ウリユ?」

「こ、この人、誰・・・・・・?」

「えっ?人と会う時は、いつも会う前から名前が分かってるじゃない。」

どうやら普通なら会う前から名前が分かってるらしい、やっぱりこの子が予言者だと思った。

「わ、分からないの・・・・・・。
 どうしよう・・・・・・。」

「まあ・・・・・・ウリユに分からない事があるなんて・・・・・・。」

少しして、ウリユという子の母親は、

「あの、失礼ですけれど、あなたのお名前は?」

と訊いたので、私は「ナナシです。」と答えた。

「ナナシさん、ですか?
 それで・・・・・・ウリユ、ナナシさんが誰だか分かる?」

ウリユの母親は訊いた。

「・・・・・・やっぱり、分からないみたい。」

とウリユは答えた。

「そう・・・・・・。」

少しして、ウリユという子が、

「あ、あの、ナナシさんってお兄さんなの?お姉さんなの?」

と訊いてきた。母親は、

「ナナシお姉さん、ですよね?」

と答えた。

「じゃ、じゃあ、ナナシお姉さん・・・・・・。
 ちょっとだけでいいから、おはなししたいの・・・・・・ダメかな?」

とウリユが言ったので、私は

「いいわよ。」

と快く答えた。

「えっ、ほんと?」

ウリユという子は嬉しそうに言った。

「まあ・・・・・・本当にいいんですか?
 娘のわがままに付き合わせてしまって、何だか申し訳ないですけど・・・・・・。」

とウリユの母親が申し訳なさそうに言って、

「・・・・・・じゃあ、せめてお茶でも用意してきますね。」

と言って、部屋を出た。

「あ、あのね・・・・・・聞いていい?
 ・・・・・・ナナシお姉さんってどこからやってきたの?」

とウリユは訊いた。

「『どこからやってきたか』ですか・・・・・・なんと答えましょう?」

とスケイルは訊いた。
私はとりあえず正直に、

「この世界の外から来たの。」

と言った。

「やっぱりそうなんだ・・・・・・。」

とウリユは言った。・・・普通に信じたみたい。

「ナナシお姉さんが来るのが見えなかったから、
 一体どこから来たのかなって思って・・・・・・。」

「・・・・・・。」

ウリユは少し黙り込んだ。

「あの・・・・・・旅のおはなしとか、聞いてもいい・・・・・・?
 予知っていうけどね、わたしのは自分の周りのことだけしか分からなくってね・・・・・・。
 だから・・・・・・わたしの知らないおはなし、いっぱい教えてほしいな、って。」

とウリユが言った。私は、

「いいわよ。」

と再び快く言った。その後ウリユの母親が来て、

「はい、お茶が入りましたよ、ナナシさん。」

と言って、お茶を持ってきてくれた。

「ありがとうございます。」

私はお礼を言って、お茶を飲んだ。

その後、旅の事や日常の話などウリユとたわいもない会話をした・・・・・・。

そして、1時間後・・・・・・。


【14:22】
「そういえば、ナナシお姉さんってどうしてここへ来たの?」

とウリユが訊いた。
とりあえず予言してもらう為に来たのではないので、

「ただ何となくよ。」

と答えた。

「そうなんだ・・・・・・。」

ウリユは安堵したように言った。

「予言して欲しいって言われたら、どうしようって思っちゃったから・・・・・・。」

・・・確かにね、と思った。

「あのね、わたし、ナナシお姉さんの未来がこれからどうなるのか、全然分からないの・・・・・・。
 他の人がどんな未来になるのかは、分かるし、絶対に当たるんだけど・・・・・・。
 ナナシお姉さんって、なんだか特別な人みたい・・・・・・。」

特別な人・・・・・・、まあ確かに15回も生き返れるし、あと色々と特別だけど・・・・・・。

「何が特別かって言われても、ちょっと言いにくいんだけど・・・・・・。」

とウリユが話していると、ウリユの母親が来て、

「あの、だいぶ話し込んでますけど、旅の方はいいんですか?」

と訊いた。ウリユはハッとした調子で、

「あっ、そっか・・・・・・ナナシお姉さんもやる事があるんだよね。
 じゃあ、今日はこの辺でお別れだね・・・・・・」

ウリユは少し残念そうに言った。

「・・・・・・。
 あの・・・・・・。
 今日はありがとう、ナナシお姉さん。
 明日も来てくれたら、うれしいな・・・・・・。」

とウリユは言った。

私は二人に挨拶をして、街を出た。

そして途中魔物との戦闘もあったが、私はサーショに戻った。
そしてまた休憩した。

休憩が終わって、リーリルの街のことを聞いたので行ってみることにした。
途中で夕方になったが、リーリルの街に着いた。
そこでトカゲ兵の砦の話を聞いたので、その周辺まで行ってみることにした。


【18:00】
砦周辺に着く前に夜になった。

「夜ですね・・・。」

とスケイルは言った。

「そうね〜・・・。」

と私は返した。

スケイルは話を続けた。

「私のようなトーテムには夜空の冷たさは分かりませんが、
 星や月の美しさは分かるんですよ。
 ナナシ様は、星は好きですか?」

と質問してきたので、

「好きよ。」

と答えた。
するとスケイルは嬉しそうに、

「あっ、ナナシ様は星の美しさを分かってくれるんですね!?
 リクレール様ったら、星なんて惑星に光が反射してるだけで
 何も面白くないって言ってるんですよ!
 リクレール様はちょっとロマンに欠けていると思います!」

・・・途中でリクレールに対する愚痴に変わっていた。

その後砦周辺の森で適当に実力を計った。


【21:20】
そこそこお金が貯まったところで、エルークス薬のことを思い出したので、
私はリーリルへ戻って薬を買った。

そしてワープ屋の話を聞いたので、そこへ行ってサーショへ行った。


【22:23】
そしてシンの家に行き、薬を渡した。

「えっ、これは・・・・・・エルークス薬・・・・・・?」

シンは驚いた様子で言った。

「ほ、本当に・・・・・・いいんですか?こんな高価な物を・・・・・・。」

「いいのよ。」

と私は時間を措かずに言った。

「あの・・・・・・。
 あとで・・・・・・姉さんに飲ませます・・・・・・。
 あっ、ありがとう・・・・・・ございました・・・・・・。」

そして挨拶をして家を出て、宿屋へ行った。
部屋に入って、

「ナナシ様、トカゲ兵の砦はどうするんですか?」

とスケイルが訊いたので、

「う〜ん・・・・・・。」

と、私は暫く考えた。そして、

「寝ながら考えるわ。」

と言って私は横になった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『後書き』

〜小説を書いた感想〜
・・・正直恐怖です(滝汗

〜ジャンル〜
無し・・・というより現段階では未定です、次以降の方にお任せします。

〜主人公の性格〜
・・・・・・・・・・・・気分屋?
・・・自分の心に従って行動する・・・という感じ?
・・・・・・曖昧ですみません(汗

〜視点〜
主人公視点です。

〜時間について〜
四捨五入&微調整をしました。

〜次のお方(神凪様)へ〜
(余計なお世話と思いながらも念のために)
起きる時間はご自由にどうぞ。


〜最後に〜
どこか間違えているところがありましたらすみません。
pass>>


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