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黒の中に潜む黒・白の中に潜む白 1 by asd 2007/05/28 (Mon) 01:59
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私の名前はシンク。
元々私は魔王という存在だった。
人間達を殺戮した恐怖の存在・・・だったのだ。
しかし、ある二人組みに私は敗れた。
死ぬ瞬間には死への恐怖は無く、ただ憤りを感じた。
なぜこんな人間達に負けるのかと意識が途絶えるまで思い続けた。
・・・そして私は死んだ。
だが――私はここに、再びこの世界に足を踏み入れている。
私が確かに存在していた世界――シルフェイドの世界へと。

・・・かなり不機嫌になる形で。





    一



今から数十分前。
ノイとの自己紹介を終え、私はリクレールの話を聞いていた。
リクレールの話によると「トーテム」をくれるらしい。
トーテム。
私も生きているときにはその話、もとい噂を聞いたことはある。
詳しいことは知らないが人間の身体能力を向上させる、ということであるらしい。
魔王の立場にいた私はそれ以上のことは知らない。
というよりもあの時は問題視にしてすらいなかった。
・・・まさか私を破るほどの力を備えているものがいるなど夢にも思わなかったからだ。
まぁ、それはともかくトーテムを持って入れば強くなれるようだ。
そのトーテムはリクレールのお手製とやらで喋ることができるらしい。
・・・喋らないのが普通なのだろうか?
まぁ、どうでもいいが。
さて、候補は三人・・・いや、三つ?三匹?うん、三匹の方がしっくり来る。
クロウ、フェザー、スケイルという三匹らしい。
それぞれに特性があり、
クロウはパワー、
フェザーはスピード、
スケイルはフォース、
この中で私はノイとの適当な話し合いの末、フェザーを選んだ。スピードが重要だと私は思ったからだ。
ノイはスケイルを選んだ。理由は知らん。まぁ、どうでもいい。
フェザーは私が選ぶと少し不満を漏らした。
それは、男より女がいいという理由らしい。
私のことを男だと分かったのは声の質からだろうか。
それより、そんなことで不満を漏らすとはいい度胸だ。
あとで軽くシメておこう。うん、これが相手になめられた時の正しい対処法のはずだ。
ノイとスケイルは声しか聞こえなかったが、仲良く話しているようだった。
・・・まぁ、どうでもいい(三回目)。
ちなみにこの時初めてリクレールからシルフェイドの世界が私の生きていた世界だということを知った。
私達が死んでから何年後かは流石に分からないらしい。
だがそれだけで「私」は歓喜した。
私の中にいる「私」、正確には魔王の殺戮欲求とでも言うべきか。
胸が高鳴る。
私ではなく「私」が喜んでいるのだ。
殺せ、と。
再び惨劇を起こせ、と。
「私」が言うのだ。
「私」が何故私の肉体が死んでも憑いてきているのか分からない。
だがこの「声」はあの時と同じだ。
私の中に「私」が入ってきた時と同じだ。
強烈に頭に響く声が聞こえた。
殺せ、と。
惨劇を起こせ、と。
・・・だが、あの時ほどの「声」ではない。あの時ほど強烈ではない。
眠っているのだ。私の中で。おそらく、力を蓄えるために。
死して失った力を再び取り戻すために眠っているのだ。
・・・他人に好き勝手されるのは好きではない。
この衝動に耐えてみよう。
でなければ、私は「私」に勝つことはできない。
そのためにリクレールの頼みを聞いたのだから。
・・・そして私はシルフェイドの世界に降り立った。
・・・
・・・
・・・
・・・ものすごく予想外な出来事とともに。



サーショの街付近

「・・・ここは・・・」

シルフェイドの世界に降り立った私は、辺りを見回した。
周りは木々が並んでいる。
林の中なのだろう。
そして、隣には髪をポニーテール状にしている人間の姿が見えた。

「・・・お前は」
「あ、シンクさんですか。私・・・だれだか分かりますよね?」

誰、と言われても一人しか心当たりがない。
声がとても高く、そして落ち着いているような声だったので一瞬迷ったが答えを私は口にした。

「ノイ、だろう」
「あっ、やっぱり分かりますよね!あ〜良かった!もし「誰?」なんて言われたらどうしようかと!」

・・・前言撤回。迷う必要はなかった。間違いなくノイだ。
ノイがまだ何か言葉を叫び続けているが、気にせず周りを見てみる
そして、私はある一点に目を集中させた。

「・・・ちょっとシンクさん聞いてますか!?」
「・・・来るぞ」
「えっ?」

その言葉と同時に林の中から何かが飛び出してきた。
飛び出してきたそれを私は身をかがめてそれをかわした。
ノイは慌てて横に飛びのいた。
そして私達は飛び出して来たそれがなんなのか確認した。

「・・・犬か。野犬だな」

私は目の前に居る魔物と呼ばれる存在を一瞥すると、これからの対抗策を考えようとした。
するとどこからともなく声がした。

『荷物の中にショートソードが入っていますよ!』
『ノイさん。大丈夫ですか?今から戦い方を教えますね』

聞いた事のある声だ。すぐに分かった。
フェザーとスケイルだ。

「・・・これか」

突然聞こえた声だったが特に驚くこともせずに私は即座に武器を取り出した。
軽い。その一言に尽きる。
リーチが短いことに気をつければ問題はないだろう。
私は向きなおした。
近くではスケイルが何かノイに話している。
あちらはフォースが主流だ。接近戦では私が何かしなければならないだろう。
そう思っていると、野犬が再び飛び出して来た。

「シャァアア!」
「馬鹿が・・・」

私は身をかがめながら野犬の飛んでいる下スレスレで剣を突きたてながら前進した。

「グァアア!?」
「飛んでしまったら方向転換はできない。翼があれば別だがな。覚えておけ」

野犬の腹部に一本の線ができた。
そこから血が流れ出している
痛みからか野犬が横に倒れた。

『す、凄いですね・・・あんなことできるだなんて』
「それはともかくフェザー、私はお前に用事がある」

倒れた野犬の前を通り過ぎてフェザーの前まで歩いた。

『なんですか?』
「いや、先ほどお前は――」
「シンクさん!危ない!」

その時、ノイの言葉と重なって、私の右腕に激痛が走った。
死んだと思っていた野犬が噛み付いたのだ。

「――ぐっ!貴様!」

私は怒りと同時に野犬の背に剣を突き立てた。
だが、野犬は放す様子がない。

「シンクさん!その犬を剥がして下さい!私が“火炎”を撃ちます!」
「火炎を使えるのか!?」

痛みに耐えながら声を出した。
私の言葉にノイはこくりと頷く。
その様子を見て私は決断した。

「構わん!私の右腕ごと撃て!」
「え!?で、でも・・・」
「やれ!」

私は野犬の噛み付いている右腕をノイの方向に突き出した。
ノイは一瞬の迷いの後――

「火炎!」

そう唱えた瞬間ノイの方向から火の塊が出現し、私の方へ向かってきた。
そして、


「グッギャアアア!!」

命中し野犬は燃え尽きた。
私は痛みは消えて新しい痛みが発生した。火傷である。

「・・・ぐ、まぁ仕方ないか・・・」
「シンクさん!大丈夫ですか!?」

ノイの言葉と私の言葉は重なった。
ノイが駆け寄ってくる。

「すみません!腕がこんなに・・・」
「気にするな。撃てと言ったのは私だ」

ちらりと燃え尽きた野犬を見た。
完全に私の油断だ。
舌打ちをしたい気分に駆られたがやめた。
しても仕方がない。

「さて、これからどうするかな・・・」

小さく呟いた。
ふと前を見ればまだノイがおろおろしている。

「・・・気にするなと言ったはずだが」
「で、でもでも・・・」

余計に焦ったようだ。
なぜここまで焦るのかよく分からなかった。
・・・だが私は次のノイの言葉に驚愕、いや停止した。

「・・・女の人にこんなに傷が残ってしまったのに・・・」

・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・こいつ今なんて言った?

「・・・は?」

咄嗟に体を見てみる。
あの空間にはなかった手がある。
足がある。
胴体がある。
顔を触ってみれば顔があった。
そして――本来男性にはないはずの膨らんだ胸があった
それと同時にリクレールの言葉が蘇って来た。

『大丈夫です。体があります。』

「・・・リ・・・」

・・・男性の体を用意してたとは言っていなかった。
体を用意したと言っただけだ。
それに気づいた私は叫んだ。

「・・・リィクレェェエエエエエーール!!!」

ノイが体をビクリと振るわせた、かなり驚いたようだ。
あと、フェザーに対してシメを入れるのを完全に忘れてしまった。
まぁ、どうでもいい・・・(四回目)。



あとがき
ギャグか?シリアスか?はっきりしろよ俺・・・。
さぁ、シンクは女性の体を手に入れました。
リクレール様のミスですw。

トーテム選択は飛ばしました。というかそういう風になってしまいました。
そして、今回はシンクの語り部の話になりました。
どういう話にしようかと考えているうちにシンクの語り部というのを思いつきました。
もっと上手く書きたいなぁ・・・。
あ、それと「まぁ、どうでもいい」が四回入ってしまいましたが、実は三回目まではたまたま入っていたんです。
三回入った時点で自分が気づいて、じゃあ最後は「まぁ、どうでもいい」で終わらせようと思いました。
偶然の産物です。

次回のあとがきでシンクのプロフィールを書きたいと思います。
まぁ重要な所はかけないんですけどね・・・
更新をもっと早くできるように心がけます。
ではこの辺で〜
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