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黒の中に潜む黒・白の中に潜む白 5 by asd 2008/12/17 (Wed) 00:09
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同時刻。
外とは違い、肌寒い空気が広がっている洞窟。
光など一切届かない洞窟の最深部。しかし、今ここには光が二つあった。
一つはノイの火炎で火を灯した松明。微弱ながらもその光は闇を照らす重要な役目を伴っていた。
そしてもう一つの光、それは最深部の丁度中央辺りに光はあった。
中央の光はノイの持っている松明のそれとは光の輝きが全く異なっていた。明るさが違うのもある、が、その光はどこか”種類が違う”光だったという点が最も異なる部分であろう。
”種類が違う”――それはどう言うことか。
これはノイがその光を見て、感じ取った感想のようなものだ。
いわばそれは主観――そう、ノイの主観にすぎない。
しかし。
しかし、だ。
マッチに火をつけて生じた光と、この世界にはないが、電気によって生じた――例えば蛍光灯などの電気による光を人は同じ光だと言うだろうか?
違うだろう。
光を生じさせる発生条件、必要なエネルギーの種類。
それら二つが違い過ぎる。
……
しかし、
今例えとして火と電気を出したが。
この、”種類の違う”光はその程度の違いではない。
いわば存在そのものが違うのだ。
洞窟内を白く覆うその光は――

意思を、伴っていたのだから。


 五 M!M!M!




「ボベッ!」

妙な声を出してトカゲが後ろに吹っ飛んだ。
……予想以上に綺麗に入ったな。
未だに拳に腹を殴った時の感触が残っている。
しかし、
……何だこいつは。
女王様だの、縛ってだの、訳の分からない単語を連発していた。
とりあえず身体がなんだか知らないが「こいつは危険だ!」という警報を鳴らしていた。しかもフルパワーで。
が、相対してみればさして大したことのない奴だった。
……人間の身体は不便だな。
おそらく、通常の人間よりもはるかに強い竜人を相手にしたために身体が警報を鳴らしたのだろう。
ふぅ、とため息をつく。
……やれやれ時間の無駄――

「女王様!!」
「うぉっぅ!?」

両足を、声と共にいきなり捕まえられた。
下を向けばそこにいたのは案の定先程のトカゲで、

「いきなりの強烈な腹殴り……中々のモノでありました……」
「ちょ、こら、離せ!」
「話せですって!よろしいでございます、私がどうしてこのようなMになっているのかじっくりねっとりと半日かけて――!」
「その話せじゃねぇー!その手を離せ、この屑が!」
「あああ!いい!今の凄く良い!もっと、もっと罵ってぇええ〜〜!」
「嬉しがるな――!!手の握力を強くするな――!!」

足から手を離そうとじたばたするが、中々離そうとしない。いや、むしろ離されまいと手を強くしている。
……こ、こいつは一体何なんだ――!?

「罵ってぇえええ〜〜〜〜ん!」
「うるせぇえええ!本気でうるせぇえお前!」
「一つ一つの言葉も男前ぇ!素敵ぃ!」
「いい加減にしろ――――!!ッ、あ!?」

トカゲを追い払うために足だけを暴れさせていたら――思いっきり、後ろにこけてしまった。
背中から倒れたわけではないため、怪我はしなかったが尻もちをつく体制になっている。

「っく、こんな無様な……ん?」
「おぉ、お、おおお……」

転んで乱れた視界を正せばトカゲがいる。当たり前だが。
問題なのは――そのトカゲが何故か歓喜に打ち震えているような表情をしていることにある。
……何故だ?何故このトカゲはこんな表情をしているんだ?
先程までと変わったことは自分が転んだことぐらいだ。こいつは自分が痛めつけられて喜ぶ……私には理解できない性癖の持ち主だ。
そんな奴が私が転んで喜ぶはずが無い。つまりもっとなにか別の理由が――

「ん……?」

見た、私は。倒置法である。
何を見たか。それはトカゲ――の右手の方。
何か掴んでいる。
それは――靴のように見える。
それは――私の履いていたモノのように見える。
それは――おそらく転んだ時に勢いで脱げてしまったのだろうと見える。
そして――それをトカゲが――

「ああ、女王様の履いていた靴が目の前に……私の手の中に!うっぉっぉぉおおお!!匂いを速攻吸収――――!!ああ匂いがたまらない――!!」
「うっ……」

その光景を見た私は――

「う、うわぁああああああああ!!!」

気づいたら右手に拳を作り、トカゲの顔面に向け――いや、もう殴ってた。
後ろに吹っ飛ぶトカゲを逃さず追撃し、吹っ飛んだ先でマウントポジションを取る。
その後は顔面ラッシュだ。オラオラだ。
顔面を殴打しているため相当なダメージが奴に入っているはずなのに……やけにトカゲの顔が恍惚とした表情をしている、が……おそらく私の気のせいだろう。
……き、気のせいだと言ってくれぇえ……!!

「た……」

私はトカゲの「あふぅ」とか「もっとぉおん」とか言っている顔面を殴り続けながら――

「た、助けてぇえええええ!!」

誰かに助けを求めていた。
……攻撃している側が助けを求めているという矛盾な光景が広がっている。
カオスだなぁ。
と現実逃避をしてみる。
……現実は変わらないのだけども。







あとがき
HA・HA・HA☆ 言ったそばから一週間更新は無理だったよ★
しかも今回短いしなぁ……や、ノイ編も書こうと思ったんですがどうしても最後が上手く終えることができなくて一旦ここで切ることにしました。
次回はノイ編。もしかしたらシンク編もやるかも。
……そろそろ空気状態のシズナを出したいです。

しかしトカゲがMすぎる……
あ、タイトルは適当です。
pass>>


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